東京で会社設立!押さえるべきポイントや支援機関・助成金などを解説
東京で会社設立をするなら支援機関や補助金を活用しよう
起業をするためには事業を行う場所を決めなければいけません。東京で開業すると様々なメリットがあります。
そこで今回は、東京で会社を設立する際のメリットをはじめ、押さえるべきポイントや起業に関する相談ができる場所、活用できる創業支援制度についてご紹介していきます。
東京での起業を検討している方や、開業に役立つ融資や助成金について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
東京で会社設立をするメリット
東京には様々な企業があります。東京で起業するメリットは以下の通りです。それぞれ詳しく解説していきます。
人脈を広げやすい
東京には中小企業だけでも41万を超える企業が存在しています。(中小企業庁による調査)
人口は1,400万人を超えており、神奈川県や埼玉県、千葉県といった近隣のエリアからも通勤している方がいるため、毎日膨大な数もの人々が東京で仕事をしていることが予想できます。
人が多ければ出会いの確立も高く、経営者との交流会やセミナーなどに参加をすれば、人脈を大いに広げられるでしょう。
人脈が広がれば情報交換や異業種交流などもでき、ビジネスに役立つ情報が得られ、事業経営もしやすくなるはずです。
インフラ環境が整っている
東京はインフラ環境が整っている点も大きなメリットです。通信環境は良好で、23区内であれば携帯の電波が入らない不便さはありません。
様々な施設でWi-Fi環境も整っているため、仕事をする場所も選びません。
また、交通機関も充実しており、鉄道には600を超える駅があります。
JRだけでも山手線や中央本線、総武本線や東北本線、埼京線など、様々な路線が1日を通して複数走っています。
電車での移動は、ビジネスをスムーズに進める上で重要な役割です。
電車以外にも新幹線や飛行機なども利用できるため、出張で遠方に移動する際も不自由がありません。
最新の情報・技術をキャッチしやすい
東京には多くの企業があり、他社との差別化を図るために、企業ごとにサービスや技術の開発を日々行っています。
そのため、最先端の技術をキャッチしやすいメリットがあります。
また、ビジネスやカルチャーのトレンドや新しい情報もキャッチしやすいことがメリットです。
世間で求められている情報をいち早く仕入れることで、事業に活かせます。
東京に拠点を置き、最新のトレンドをキャッチできれば、企業において大きな強みとなるかもしれません。
人材が集まりやすい
会社を設立し事業を大きくしたいのであれば、人材の確保が必要です。地方の場合、人口の少なさから人材確保に手擦り、思うように事業を広げられないケースもあります。
しかし、東京は人口が多く、県外から通勤する人も多くいます。そのため、地方と比較すると人材確保がしやすい傾向です。
ただし、働く環境が整っていなければ、他社に人材が流出する危険もあります。
給与だけではなく、残業や手当、福利厚生など、働きやすい環境を整えてアピールすることが大切です。
東京で会社設立する際に押さえておきたいポイント
事業計画や資金を意識しなければ、東京での起業に失敗する可能性もあります。以下のポイントを意識して企業を目指してみてください。
変化に強い事業計画(ビジネスプラン)を作成する
東京で起業する場合は、事業計画に注意してください。東京には多くの企業があり、環境が激しく変化しています。
事業計画は、必要な資金を調達する際に必要となるため、「東京で起業する必要性」や「東京での利益を出せるのか」を証明しなければいけません。
曖昧な事業計画や実現性が難しい事業計画を立ててしまえば、信用を得られず融資を受けることも難しくなってしまいます。
事業を継続し続けるためにも、事業計画は具体的に設定してください。具体的に設定すれば目標が明確化し、問題が発生した場合も軌道修正がしやすくなります。
物価や人件費の高さに見合った資金を用意する
起業のためには資金の用意が不可欠です。東京は他の地域と比較すると物価が高い傾向にあり、資金不足になる恐れがあります。
新しい人材を雇うとなればさらに資金が必要になるため、予算金額をまとめて算出する必要性があります。
開業時には、設備資金をはじめ、運転資金も必要です。運転資金は、おおよそ3カ月分の資金を用意すべきといわれています。
税理士などの専門家にも相談して、どの程度の資金が必要になるのか、あらかじめ確認しておいてください。
また、資金が足りない場合は、調達方法を検討してください。
クラウドファンディングや出資のほか、融資や助成金の活用などもあります。利用する際には概要や条件などの確認が必要です。
オフィスの立地に注意する
開業するためには、オフィスを構える場所を決めなければいけません。東京には様々な場所があり、それぞれ違った特徴があります。
大手町であれば金融系、渋谷であればIT系の企業が多く、五反田には比較的安価な物件が多いため、ベンチャー企業が増加しています。
こうした特徴を理解した上でエリアを決めてみてください。
オフィスの賃料の目安は、粗利の10%~20%といわれています。しかし、東京は地価が高く、思うように立地の選定が進まない可能性もあります。
そのような時にはレンタルオフィスの利用も検討してみてください。
レンタルオフィスであれば業務に必要な設備が整っており、電気や水道、インターネット利用料も利用料に含まれているため、初期投資を抑えることに役立ちます。
複数の企業や利用者と共有するタイプのレンタルオフィスであれば、他業種との交流も可能です。
ビジネスの拡大にもつながるため、開業の際にはレンタルオフィスの活用も検討してみてください。
東京都内で会社設立の相談ができる場所
東京都内での起業を検討した際に活用可能な相談場所をご紹介していきます。
東京開業ワンストップセンター
東京開業ワンストップセンターは国と東京都が共同で運営している施設です。
法人設立時や事業開始の際に必要となる定款認証や登記、税務や社会保険といった行政手続きのサポートを受けられます。
中小企業診断士による開業手続きの案内や、事業計画、資金計画、経営相談などの相談も受け付けています。
拠点は、赤坂と渋谷、有楽町の3箇所で、中小企業士はすべての拠点で常駐しています。
相談時間は最大1時間となっているため、あらかじめ相談したい内容をまとめておくと安心です。
TOKYO創業ステーション・TOKYO創業ステーションTAMA
TOKYO創業ステーション・TOKYO創業ステーションTAMAでは、起業に興味のある方や起業の準備を進めたい方に向けて、様々な支援メニューを用意しています。
起業に興味のある方には、起業に必要な知識を学べるイベントや起業に関する相談ができるコンシェルジュ起業相談などを実施し、起業の準備を進めている方に向けては、事業計画書作成支援を実施しています。
相談は、1回45分以内です。メンバーに登録をすることで利用できるので、公式ホームページから申し込んでください。
その後、希望するサービスを予約できます。相談は施設で行うか、オンラインでも可能です。
Startup Hub Tokyo丸の内
Startup Hub Tokyoは、起業を検討している方を応援する創業支援施設です。
コンシェルジュによる起業相談をはじめ、知識を増やせるイベントの開催、常駐するコミュニティマネージャーによる情報提供などを受けられます。
イベントはほぼ毎日開催されており、参加をすれば起業に関する不安を取り除けます。
同じように起業を目指す人たちが集まるので、人脈を広げたい方にもおすすめできるサービスです。
施設内にはキッズルームもあり、保育士による一時保育サービスも行われています。子育て中で思うように相談できない方も利用しやすくなっています。
東京圏雇用労働相談センター
ベンチャー企業やグローバル企業の労務管理をサポートするため、内閣府・国家戦略特別区域会議の下で設置された施設が東京圏雇用労働相談センターです。
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- 労務紛争の未然防止
- 専門家による無料セミナー
- 弁護士による専門性の高い個別相談
- 弁護士や社会保険労務士による企業訪問
利用はすべて無料となっており、平日21時まで相談可能です。日中忙しい方でも相談しやすい魅力があります。
土日祝日、年末年始を除く日に開所しているため、労働や雇用に関する疑問があれば気軽に相談してみてください。
東京ビジネスサポートプラザ
日本政策金融公庫による起業向けのビジネスサポートを実施する施設が、東京ビジネスサポートプラザです。
東京・名古屋・大阪に設置されており、東京では新宿に施設を構えています。
融資制度の案内や事業計画策定のアドバイスなど、専任スタッフが約60分間実施してくれます。
平日は9時から17時まで相談でき、毎月第1と第3を除く日曜と土曜も相談可能です。毎週木曜日は17時から20時まで夜間相談にも対応しています。
オンラインでの相談も可能なので、融資制度や事業計画策定に関するサポートを依頼したい場合は、事前予約をして相談してみてください。
東京都企業立地相談センター
起業するための物件を探している場合は、東京都企業立地相談センターへの相談がおすすめです。要望に合わせた民間物件情報や公的物件情報を提供してくれます。
都内全域の物件情報を持っているため、効率的に物件を探すことが可能です。また、事務所や店舗だけではなく、工場や事業用地の情報も教えてくれます。
物件以外にも、補助金制度に関する情報も紹介してくれます。相談は何度でも無料で、気軽に相談できる施設です。
Webや電話にて問い合わせを受け付けているので、サポートを受けたい場合は公式ホームページをチェックしてみてください。
創業アシストプラザ
中小企業を対象に金融の円滑化を図るための信用保証協会法を根拠法として設立された、公的機関の東京信用保証協会による創業支援を実施する施設が創業アシストプラザです。
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- 創業者向けスクール
- 創業者向けセミナー
- 創業事例の紹介
- 連携機関の案内 など
対象は、東京都内で創業を考えているすべての方です。
八重洲支店や五反田支店など、それぞれの支店によって担当地域が分かれているので、最寄りの担当支店に相談してみてください。
東京での会社設立時に役立つ創業支援制度(融資・助成金)
最後に、東京での会社設立の際に役立つ融資や助成金など、創業支援制度についてご紹介していきます。
開業には資金が必要です。思うように資金を用意できない場合は、制度を活用することで必要となる費用を捻出できます。
下記に詳細をご紹介していくので、資金調達について悩んでいる方は参考にしてください。
東京都中小企業制度融資『創業』
東京都・東京信用保証協会・金融機関の3者が協調して資金を供給する制度が、東京都中小企業制度融資『創業』です。
新規の創業資金や創業後の事業資金の融資を実施しています。
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- 都内に事業所を持つ東京信用保証協会の保証対象業種を営んでいる中小企業者
- 都内に事業所または住所を持つ個人事業主
上記が対象者となり、以下のいずれかに該当する必要もあります。
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- 現在事業を営んでおらず、創業に関する具体的な計画をしている
- 創業した日から5年未満の中小企業者
- 分社化を検討している企業または分社化によって設立された5年未満の企業
融資額は最大3,500万円で返却期間は設備資金10年以内、運転資金7年以内です。いずれも措置期間1年以内を含む期間です。
女性・若者・シニア創業サポート2.0
女性や若者、シニアによる創業をサポートする制度です。
信用金庫や信用組合、地域創業アドバイザーによる連携で、低利融資や事業計画のアドバイスなどを提供しています。支援対象は以下の通りです。
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- 女性
- 39歳以下の若者
- 55歳以上のシニア
- 東京都内で創業の計画がある方または創業後5年未満の方(女性は7年未満)
- 地域の需要や雇用を支える事業を展開する企業
融資額は最大1,500万円(女性は2,000万円)で、運転資金のみの場合は750万円以内(女性は1,000万円以内)です。
利率は固定金利1%以内で、返済期間は10年以内です。(措置期間3年以内)
新規開業資金(日本政策金融公庫)
日本政策金融公庫による融資サービスが新規開業資金です。新しく事業をスタートする方、もしくは事業開始から7年以内の方を対象にしています。
資金の用途は、「事業のための運転資金」または「事業のための設備資金」で、融資限度額は最大で7,200万円です。
返済期間は、設備投資は20年以内、運転資金は10年以内で、措置期間は5年以内となっています。
下記のいずれかに該当する場合は、通常よりも有利な条件で利用できるメリットがあります。
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- 女性、若者、シニアでの創業
- 廃業歴があり、創業に再チャレンジする方
- 中小会計を適用しての創業
各支店で申請を受け付けているので、詳しい内容を知りたい方は問い合わせをしてみてください。
創業助成金
東京都中小企業振興公社による創業資金サポートが創業助成金です。
東京都内で創業を予定している方や、創業してから5年未満の中小企業者などが対象で、以下の要件に該当する方のみが申請ができます。
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- TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者
- 東京都制度融資利用者
- インキュベーション施設運営計画認定事業の認定施設の利用者
- 認定特定創業支援等事業による支援を受けた方
助成率は助成対象経費の2/3以内で、助成限度額は400万円です。
助成対象経費は、賃貸料や広告費、専門家指導費、従業員人件費など、創業初期に必要となる経費です。
申請期間は2024年9月25日~2024年10月4日で、電子申請と郵送申請があるので、受付期間内に申請を実施してください。
東京都の支援機関や助成金を活用して会社設立を成功させよう
東京には様々な創業支援があります。
創業時には事業や資金に対して様々な不安や疑問が出てくるため、解消してスムーズに起業するためにもサポートを受けることがおすすめです。
今回ご紹介した相談先を活用して、会社設立に役立ててみてください。
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(編集:創業手帳編集部)