助成金活用で新型コロナ回避ーいま企業が活用すべき補助金・助成金を中小企業診断士が解説

資金調達手帳

新型コロナの影響を受けている企業向けに役立つ助成金や補助金を紹介します

助成金・補助金のアイコン

(2020/05/13更新)

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナとする。)が社会や経済に与える影響は、日々大きくなっており、今後に不安を覚える事業者も多いかと思います。とくに、創業期の事業者はビジネスシナリオを大きく見直す必要がある状況となってきています。

国や自治体などでは様々な支援策を打ち出していますが、支援メニューが多すぎて事業者に充分伝わっていないのが現状です。

この記事では、新型コロナ対策の代表的な補助金・助成金について、各種補助金申請支援、資金調達支援が専門分野の中小企業診断士に分かりやすく解説していただきました。

創業手帳では、別冊版として補助金・助成金についての情報をまとめた補助金ガイド(無料)を作成しました。ぜひ手にとってご覧ください。

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください。

中小企業生産性革命推進事業の新型コロナ対策特別枠とは?

コロナ対策特別枠
中小企業生産性革命とは、生産性向上や制度変更への対応に取り組む中小企業者を支援するための制度です。ものづくり補助金小規模事業者持続化補助金IT導入補助金の3つの補助金が用意されています。

(1)中小企業生産性革命推進事業

中小企業生産性革命推進事業は、令和元年度補正予算によって、今後3年間をめどに予算総額3,600億円が基金化され、通年化やWeb申請などの大幅な制度変更がありました。新型コロナ対策としては、それぞれの補助金に特別枠が設定されています。

この事業は、補助金による支援制度です。補助金は助成金とは異なり、必ず支給されるものではありません。
審査によって、一定割合の事業者しか採択されないことを留意する必要があります。

また、Web申請にはGビズIDの取得が必要です。取得には2週間ほどの日数を要するため、早めの申請・取得をおすすめします。

(2)ものづくり補助金の特別枠

ものづくり補助金とは、中小企業が経営革新のための設備投資などに活用できる上限1,000万円とした補助率1/2(特別枠・小規模事業者なら2/3)の補助金です。

対象となる取り組みは、新商品の開発、新たな生産方式の導入、新サービスの開発、新たなサービス提供方式の導入となっています。

特別枠のメリットは、次のとおりです。

  • 補助率が1/2→2/3とアップ
    1次締切の採択を辞退すれば、2次締切に申請可能
  • 優先的に採択
    特別枠で不採択になっても、通常枠で優先的に採択
  • 補助対象の遡及(そきゅう)適用
    補助対象費用を拡大、申請要件の緩和 (賃上げの達成など年限を1年猶予)

新型コロナウイルスの影響を乗り越えるため、経費の6/1以上を次の3つの取り組みに投資することが必要です。

  • サプライチェーンの毀損への対応
    製品供給継続のための設備投資等
  • 非対面型ビジネスモデルへの転換
    非対面・遠隔サービスに必要な投資
  • テレワーク環境の整備
    テレワークに必要なシステム構築等

補助金を申請するためには、次の3つの要件をすべて満たす3~5年の事業計画を作成し、従業員に表明していることが必要です。

  • 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

申請スケジュールは、次のとおりです。
申請受付:令和2年4月20日(月)17時~
応募締切:令和2年5月20日(水)17時

申請は電子申請システムのみで受付けています。入力方法については、「電子申請システム操作マニュアル」を確認する必要があります。

また、補助金の申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。

(3)小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型

小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者などが取り組む販路開拓等の取り組みの経費の一部を補助することによって、生産性向上と持続的発展を図ることを目的とした制度です。

補助対象経費の6分の1以上が、次の3つの要件に当てはまっている必要があります。

  • サプライチェーンの毀損への対応
    顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと
  • 非対面型ビジネスモデルへの転換
    非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと
  • テレワーク環境の整備
    従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること

また、補助対象経費は次のようになっています。

機械装置等費/広報費/展示会等出展費/旅費/開発費/資料購入費/雑役務費/借料/専門家謝金/専門家旅費/設備処分費/委託費/外注費

補助率は補助対象経費の2/3以内となっており、補助上限額は100万円です。

申請スケジュールは次のとおりです。
第1回受付締切:2020年5月15日(金)
第2回受付締切:2020年6月5日(金)

地域の商工会議所または商工会が発行する「支援機関確認書」が必要です。発行には一定の日数がかかりますので、早めの相談・手続きをしましょう。

(4)IT導入補助金の特別枠

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者などが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップを支援する仕組みです。

補助対象経費の1/6以上が、次のいずれかに該当する必要があります。

  • サプライチェーン毀損への対応
  • 非対面型ビジネスモデルへの転換
  • テレワーク環境の整備

中小企業者や小規模事業者のほか、医療法人および学校法人など、一定の法人も申請可能です。

対象となる費用は、登録されているIT導入支援事業者が提供するITツールに限定されています。そのため、IT事業者に支援事業者として登録しているか、登録されているITツールであるかを確認する必要があります。

また、通常枠とは異なり、申請可能期間中に発生した費用も対象になります。

  • ソフトウェア購入費用
  • 導入するソフトウェアの利用に必要不可欠なハードウェアのレンタル費用
  • 関連するオプション・役務の費用
    補助率は2/3以内(通常枠の1/2より優遇)、補助額は30~450万円まで。

IT導入補助金はWebでの申請となっており、GビズIDの取得が必要です。Web申請もパソコンに不慣れな方には難しいと思いますので、IT導入支援事業者と相談しながら申請することをおすすめします。

テレワーク助成金とは

テレワークの助成金
テレワークとは、ITツールを活用して仕事を行うといった、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことを意味します。最近の働き方改革で注目を浴びていたテレワークですが、新型コロナ対策で導入を検討する企業が急増しています。

厚労省では、テレワーク導入を後押しするために、様々な助成金を用意しています。

助成金は書類作成がとても大変ですが、補助金と違って一定の要件を満たせば支給されるので、社労士などと相談して取り組むことをおすすめします。

(1)新型コロナウイルス感染症対策 テレワークコース

令和2年度本予算の「働き方改革推進支援助成金」に、新型コロナ対策を目的としたテレワークの取り組みを行う事業者を支援する特例コースが時限的に設けられました。テレワークによって発生した費用の1/2(1企業当たりの上限額は100万円)の助成金が支給されます

この助成金を申請出来る事業者は、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新たに導入する中小企業です。試行的に導入している事業者も対象となります。

申請するためには、事業実施期間中(令和2年2月17日~5月31日)に
・助成対象の取り組みを行うこと
・テレワークを実施した労働者が1人以上いること

が必要です。

助成対象になるものは、次のとおりです。

  • テレワーク用通信機器の導入・運用
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング など

助成金を申請するためには、事業実施計画書などの必要書類を添付して、「働き方改革推進支援助成金交付申請書」をテレワーク相談センターに提出する必要があります。

締切は5月29日(金)となっています。

(2)働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)は、令和元年度から導入された助成金(「時間外労働等改善助成金」から名称変更)です。在宅またはサテライトオフィスで就業するテレワークに取り組む中小企業事業者を支援する制度です。

「社員の育児や介護と仕事の両立を支援したい」などの目的で、在宅やサテライトオフィスでのテレワークに取り組む中小企業者に対し、テレワークによって発生した費用が助成されます。

支給対象となる取り組みに要した費用のうち、助成の対象となる経費は成果目標の達成状況に応じて助成されることが特徴です。

支給対象となる事業者は、次のすべての要件に該当する必要があります。

  • 労働者災害補償保険の適用事業者であること
  • 前述した中小企業の定義に該当する事業者であること
  • テレワークを新規で導入する事業者であること
  • 時間外労働の制限その他の労働時間等の設定の改善を目的として、在宅またはサテライトオフィスにおいて、就業するテレワークの実施に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業者であること

また、事業者は次のいずれか1つ以上に取り組んでいる必要があります。

  • テレワーク用通信機器の導入・運用
  • 保守サポートの導入
  • クラウドサービスの導入
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 労務管理担当者や労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング

この助成金では、対象となる取り組みについて、下記のような成果目標の達成を目指して実施している必要もあります。

▽評価期間に1回以上、対象労働者全員に、在宅またはサテライトオフィスにおいて就業するテレワークを実施させる
▽評価期間において、対象労働者が在宅またはサテライトオフィスにおいて、テレワークを実施した日数の週間平均を1日以上とする
▽所定外労働の削減について、労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させる

成果目標の達成の有無は、事業実施期間(交付決定の日から令和3年2月15日まで)の中で、1ヵ月から6ヵ月の間で設定する「評価期間」によって判断されます。

また、助成金は取り組みの目標達成状況に応じて下表の通り支給されます。

成果目標の達成状況 達成 未達成
補助率 3/4 1/2
1人当たりの上限額 20万円 10万円
1企業当たりの上限額 150万円 100万円

交付申請から助成金の支給までの流れは、次の4ステップとなっています。

  • 「働き方改革推進支援助成金交付申請書」を事業実施計画書などの必要書類とともに、テレワーク相談センターに提出する(締切は令和2年12月1日(火))
  • 厚生労働省から交付決定通知書が送付される
  • 事業実施期間終了後、テレワーク相談センターに支給申請をする(締切は令和3年3月1日(月))
  • 審査後に厚生労働省から支給される

まとめ

ここ数年、震災や大水害などの自然災害に苦しむ事業者が増えています。そのため、国で推し進めているのが「BCP計画」です。

「BCP」とは、地震などの自然災害や感染症などが発生した場合でも、事業者が事業を中断しない、中断したとしてもできるだけ短い時間で復旧させるための計画です。

今回の新型コロナもその一つです。想定外の自体が発生したときに、どのように取り組むかを真剣に考えておく必要があります。

補助金や助成金以外にも、給付金や融資制度などの支援策が用意されています。各種支援策を活用して、ビジネスプランの練り直しに取り組みましょう。

創業手帳が発行する「資金調達手帳」では、資金調達の方法をご紹介しているほか、キャッシュフロー改善に役立つチェックシートも掲載しています。ぜひご利用ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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