【2026年最新】中小企業省力化投資補助金とは?仕組みやメリット、申請フローなどを徹底解説!
中小企業省力化投資補助金は中小企業の売上拡大や生産性向上を後押ししてくれる制度

中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消や生産性向上を目的として、省力化設備や業務効率化システムの導入を支援する制度です。
最新の第6回公募では、前回の賃上げ要件の厳格化等に加え、従業員21名以上の事業者を対象とした「一般事業主行動計画の公表」の義務化や、新たな加点項目の追加など、申請可否や審査に直結する重要な変更が行われました。本記事では、制度の概要から補助額・要件・申請時の注意点まで、最新ルールを前提にわかりやすく解説します。
この記事の目次
- 中小企業省力化投資補助金は中小企業の売上拡大や生産性向上を後押ししてくれる制度
- 中小企業省力化投資補助金の概要
- 2026年3月19日より「カタログ注文型」の制度が大幅拡充
- 中小企業省力化投資補助金の申請スケジュール
- 【第6回中小企業省力化投資補助金(一般型)】の重要ポイント・変更点
- 中小企業省力化投資補助金(一般型)における賃上げ要件の考え方と注意点
- 中小企業省力化投資補助金(一般型)の採択率
- 中小企業省力化投資補助金を活用するメリット
- 中小企業省力化投資補助金の活用事例
- 中小企業省力化投資補助金の申請フロー
- 中小企業省力化投資補助金のよくある質問
- まとめ:中小企業省力化投資補助金を活用して人手不足の解消と賃上げを図ろう
中小企業省力化投資補助金の概要

中小企業省力化投資補助金は、経済産業省の令和5年度補正予算により創設された補助事業で、人手不足に悩む中小企業等が省力化投資に取り組むことを支援する制度です。
本補助金には、あらかじめ登録された製品を導入する「カタログ注文型」と、事業内容に応じた設備・システムを導入する「一般型」の2つの類型があります。
いずれも、省力化投資を通じて生産性向上や付加価値の向上を図り、最終的には賃上げにつなげることを目的としています。
目的
中小企業省力化投資補助金の目的は、人手不足や低い生産性といった課題を抱える中小企業が、省力化・自動化につながる設備やITシステムを導入しやすくすることです。
省力化投資を後押しすることで、中小企業の売上拡大や生産性向上を支援し、結果として賃上げや持続的な事業成長につなげることが狙いとされています。
日本の企業の多くを占める中小企業では、少子高齢化による労働力人口の減少や原材料価格の高騰などを背景に、人手不足が深刻化しています。
実際に、日本商工会議所の調査でも、中小企業の約6割以上が人手不足を感じているとされています。
本補助金は、こうした構造的な課題に対し、省人化・省力化投資を通じて対応するための有効な支援策の一つといえるでしょう。
対象事業主
中小企業省力化投資補助金の対象となるのは、人手不足の状態にある中小企業・小規模事業者等です。
人手不足については、申請時に客観的に示す資料の提出が求められます。
単に「人手が足りない」と申告するだけでは足りず、残業時間の超過や従業員の減少など、客観的な根拠に基づく説明が必要となる点に注意が必要です。
なお、申請する類型や従業員数によって以下の制限が設けられています。事前に要件を確認しておきましょう。
- 従業員0名の事業者:「一般型」では、応募申請時点で従業員数(賃上げ要件の対象となる従業員)が0名の事業者は申請できません。一方、「カタログ注文型」では、事業実態の詳細を確認する追加審査を受けることで1回目の申請は可能ですが、2回目以降の申請は不可となります。
- 従業員21名以上の事業者:最新の第6回公募(一般型)より、従業員21名以上の事業者は「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」を策定し、両立支援のひろば等で公表することが新たな基本要件として義務付けられました。
対象となる事業内容
カタログ注文型
カタログ注文型では、事務局があらかじめ登録した省力化製品を導入する事業が補助対象となります。
導入にあたっては、省力化製品を活用し、労働生産性の年平均成長率3.0%以上の向上を目指す事業計画を策定する必要があります。
また、一定の賃上げ要件を満たすことで、補助上限額が引き上げられる「大幅賃上げ特例」が設けられています。
大幅賃上げ特例の適用要件は、「事業場内最低賃金を3.0%(日本銀行が定める「物価安定の目標」+1.0%)以上増加させること」及び「給与支給総額を6.0%以上増加させること」の双方を満たすことです。これまでの金額ベース(45円)から、物価動向に連動した「率」による基準へと見直されました。
自己の責によらない正当な理由なく目標を達成できなかった場合には、補助額の減額が行われるため、無理のない計画策定が重要です。
一般型
一般型では、オーダーメイド設備(事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム、ロボットシステム等)の導入が補助対象となります。
業務プロセスの省力化・自動化・高度化につながり、労働生産性の年平均成長率4.0%以上の向上が見込まれる事業計画であることが求められます。
一般型では生産性向上に加え、「1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上の増加」も必須要件となっています。カタログ型よりも基準が高いため、計画策定時には注意が必要です。
単なる設備更新ではなく、省力化の効果が具体的に説明できることが重要です。
補助額・補助率
カタログ注文型の補助額・補助率
カタログ注文型の補助額・補助率は、従業員数に応じて以下のとおりです。
2026年3月19日の制度改定以降、従業員20人以下の事業者の上限額が大幅に引き上げられました。
▼カタログ注文型の補助額・補助率
| 従業員数 | 補助上限額 ※カッコ内は大幅賃上げを行う場合 | 補助率 |
| 5人以下 | 500万円(750万円)※ | 1/2 |
| 6~20人 | 750万円(1,000万円)※ | |
| 21人以上 | 1,000万円(1,500万円)※ |
一般型の補助額・補助率(第6回公募)
最新の第6回公募(一般型)では、補助率の考え方は以下のとおりです。
- 中小企業:補助率 1/2(最低賃金引き上げ特例適用時は2/3)
- 小規模企業者・小規模事業者・再生事業者:補助率 2/3
以前設けられていた「補助金額1,500万円を超える部分は補助率1/3」という区分は撤廃されています。
そのため、大規模な省力化投資であっても、補助上限額まで同一の補助率が適用されます。
なお、本補助金では賃上げの実現も重視されており、大幅な賃上げを伴う事業計画を立てて特例を適用することで、従業員規模に応じて最大1億円まで補助上限額が引き上げられます。
詳しくは、公式サイトを参照してください。
2026年3月19日より「カタログ注文型」の制度が大幅拡充
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は、2026年3月19日(木)から制度内容が大幅にアップデートされます。
今回の改定では、少人数の事業者への支援が手厚くなるほか、返還ルール(収益納付)の撤廃など、より使いやすい制度へと変更されます。主な変更点は以下の通りです。
1. 補助上限額の大幅引き上げ(従業員20人以下)
小規模な事業者ほどメリットが大きくなるよう、補助上限額が引き上げられます。
| 従業員数 | 現行の上限額 | 3/19以降の上限額 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 200万円(300万円) | 500万円(750万円) |
| 6〜20人以下 | 500万円(750万円) | 750万円(1,000万円) |
| 21人以上 | 1,000万円(1,500万円) | 1,000万円(1,500万円)※据え置き |
※( )内は大幅な賃上げを行う場合の特例上限額
2. 収益納付の撤廃
これまで、補助事業によって顕著な利益が出た場合に求められていた「補助金の返納(収益納付)」が、今回の改定で完全に撤廃されます。これにより、利益をそのまま次なる投資や賃上げに充てることが可能になります。
3. 公募期間が2027年3月末まで延長
カタログ注文型の設置期間が、従来の「2026年9月末」から半年延長され、「2027年3月末頃」までとなりました。これにより、中長期的な設備投資計画が立てやすくなります。
4. 賃上げ要件・リピート申請のルール変更
- 大幅賃上げ特例の算定基準:事業場内最低賃金の引き上げ目標が、一律「45円以上」という基準から、物価安定目標を考慮した「3.0%以上」といった率による基準へ見直されます。(※これに加え、従来通り「給与支給総額増加」の要件も併せて満たす必要があります)
- 2回目以降の申請(リピート):1事業者あたりの「累計補助上限額(各申請時の補助上限額の2倍)」が設定され、複数回の活用がしやすくなります。ただし、過去の導入製品で省力化効果が得られていることの報告に加え、「前回の申請時から事業場内最低賃金を3.5%以上上昇させていること(※経過年数により上昇率は変動)」といった要件が追加されます。
現行制度での申請は2026年3月16日(月)17:00で締め切られており、3月19日から新制度での受付がスタートします。
詳細な公募要領や変更点は、必ず公式サイトの制度改定案内をご確認ください。
中小企業省力化投資補助金の申請スケジュール
こちらでは、カタログ型、一般型、それぞれの最新スケジュールをご紹介します。
▼カタログ型のスケジュール
2025年8月9日(金)以降の応募・交付申請は随時受付となり、採択・交付決定は随時行います。
▼一般型のスケジュール
| 公募回 | 公募開始 | 申請受付期間 | 採択発表日 |
|---|---|---|---|
| 第5回 | 2025年12月19日(金) | 2026年2月2日(月)~2026年2月27日(金)17:00 | 2026年6月上旬(予定) |
| 第6回 | 2026年3月13日(金) | 2026年4月15日(水)10:00~2026年5月15日(金)17:00 | 2026年8月下旬(予定) |
一般型の公募回は年3~4回を予定しています。第7回以降の公募スケジュールは、詳細が確定次第更新予定です。
なお、本事業へ応募申請・交付申請中の事業者、および交付決定を受け事務局からの補助金支払が完了していない事業者は申請できませんのでご注意ください。
また、申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。ID取得には時間がかかりますので、新たに取得する場合は、早めにGビズIDプライムアカウント取得手続きをしましょう。
※参考:中小企業省力化投資補助金
【第6回中小企業省力化投資補助金(一般型)】の重要ポイント・変更点
現在の公募回(一般型)では、賃上げ要件や基本要件の追加など、申請可否や投資判断に直結する重要なルールが確定しています。以前の公募回と比較して、特に以下の点は申請前に必ず確認しておく必要があります。
- 重要ポイント・変更点
-
- 賃上げ要件の厳格化:1人当たり給与支給総額の年平均成長率「3.5%以上」に一本化
→従来の「総額ベース」などの選択肢は廃止され、より実質的な賃上げが求められます。 - 従業員0名の事業者は申請不可:応募申請時点で社会保険加入の従業員がいない場合は対象外
→賃上げを前提とした補助金であるため、雇用のない事業者は範囲外となります。 - 補助率がより有利に:1,500万円を超える高額投資でも補助率が下がらない仕組み
→大規模な省力化投資を行う事業者への支援が強化されました。 - 【新設】一般事業主行動計画の公表要件化:従業員21名以上の事業者は必須
→「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」を「両立支援のひろば」で公表等することが新たな基本要件となりました。 - 【新設】新たな加点項目の追加:「省力化ナビ加点」「健康経営優良法人加点」の新設
→「省力化ナビ」を活用した事業者や、「健康経営優良法人 2026」に認定されている事業者が新たに加点対象となります。
- 賃上げ要件の厳格化:1人当たり給与支給総額の年平均成長率「3.5%以上」に一本化
最新の公募要領に基づく主なルール設定は以下の通りです。詳細は、公式サイトから最新の公募要領をダウンロードしてご確認ください。
| 項目 | 現在の確定ルール(一般型) | 以前のルールとの違い |
|---|---|---|
| 賃上げ要件 |
1人当たり給与支給総額の 年平均成長率3.5%以上に一本化 |
以前は「給与支給総額ベース」などの選択肢がありましたが、現在は不可 |
| 従業員0名事業者 | 応募申請時点で不可 | 以前は条件により可能でしたが、現在は明確に制限されています |
| 【新設】一般事業主 行動計画の公表 |
従業員21名以上の事業者は必須 | 次世代法に基づく行動計画の策定・公表が基本要件として新たに追加されました |
| 【新設】加点項目 |
「省力化ナビ加点」 「健康経営優良法人加点」 |
第6回公募より新たに追加された加点項目です |
| 補助率の考え方 |
上限額まで同一補助率を適用
中小企業:1/2(特例時は2/3) 小規模・再生事業者:2/3 |
以前は1,500万円超の部分は補助率1/3に低下していましたが、撤廃されました |
| 口頭審査の体制 |
代表者+役員または従業員1名まで同席可
所要時間は約30分 |
以前(15分・代表者のみ)より審査時間が倍増し、より詳細な説明が求められます |
| 外部環境への配慮 |
米国の追加関税措置の影響を考慮
(指定様式での説明が必要) |
国際情勢の変化に伴い、新たに追加された確認事項です |
| 効果報告期間 | 事業計画1年目終了後の最初の4月から5年間 | 報告の起算点と期間がより明確に規定されました |
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中小企業省力化投資補助金(一般型)における賃上げ要件の考え方と注意点
一般型の申請において最大のハードルとなるのが、「1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させること」という必須要件です。
この数値基準を満たせない場合、そもそも申請ができない、あるいは採択後に補助金の返還を求められるリスクがあるため、正確な理解が必要です。
賃上げ要件の具体的な内容
一般型では、事業計画期間中において、対象となる従業員1人当たりの給与支給総額を、年平均3.5%以上増加させる計画を立てる必要があります。
この「1人当たり給与支給総額」には、基本給のほか、各種手当や賞与などが含まれます。単年度のスポット的な増加ではなく、事業計画期間全体(3〜5年)を通じた「平均成長率」で判定される点が非常に重要です。
申請前に必ず押さえておきたい注意点
- 従業員要件:応募申請時点で、社会保険の被保険者である従業員がいない場合は申請できません。
- 未達成時のリスク:自己の責によらない正当な理由がなく賃上げ目標を達成できなかった場合、補助金の返還や減額を求められる規定があります。
- 審査のポイント:単に「3.5%上げる」と書くだけでは不十分です。「省力化投資によって労働生産性が向上し、その収益を原資として賃上げができる」という論理的な裏付けが審査されます。
どのような事業者に向いている要件か
年平均3.5%の賃上げは、経営にとって決して小さな負担ではありません。しかし、以下のような事業者にとっては、補助金を活用して生産性を高める絶好の機会となります。
- 人手不足を解消するために、給与水準を上げて人材を確保・定着させたい
- 手作業の自動化により、残業代を減らしつつ基本給を底上げする余力を生み出したい
- 経営課題として「高付加価値化」を掲げ、賃上げと収益向上をセットで実現したい
自社の事業計画や資金繰りと照らし合わせ、無理なく継続できる賃上げ計画であるかを慎重に検討したうえで、申請へと進みましょう。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の採択率
中小企業省力化投資補助金(一般型)のこれまでの採択結果は以下です。
▼一般型 採択結果
| 公募回 | 申請数 | 採択数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 1,809 | 1,240 | 68.5% |
| 第2回 | 1,160 | 707 | 60.9% |
| 第3回 | 2,775 | 1,854 | 66.8% |
| 第4回 | 2,100 | 1,456 | 69.3% |
第4回公募では、採択率が69.3%と過去最高水準を記録しました。申請数の約6〜7割が採択されている結果となり、他の主要な補助金(採択率3〜5割前後が多い)と比較すると、依然として採択されやすい状況にあるといえるでしょう。引き続き、次回の採択結果が発表されましたら、更新予定です。
中小企業省力化投資補助金を活用するメリット

中小企業省力化投資補助金を活用することで、経済的な援助を受けながら省力化機器の導入を推進できます。
ほかにも多くのメリットが見込まれるため、以下で詳しく解説します。
補助金返還(収益納付)の完全廃止により、利益をそのまま成長に回せる
これまでは、補助事業によって大きな利益が出た場合に補助金を返納する「収益納付」のルールがありましたが、2026年3月19日以降の申請からは完全に撤廃されました。これにより、省力化で得た利益を返還の心配なく、さらなる賃上げや設備投資に活用できるようになります。
生産性が高まり人手不足を解消できる可能性がある
中小企業省力化投資補助金を活用し、省力化機器を導入することで業務生産性が高まります。マンパワーで行っていた作業の全部ないし一部を機械に任せることで、人間はより高い付加価値を生み出せる業務に時間を割けるためです。
例えば、人間が3人がかりで行っていた業務を機械が担当できるようになれば、3人分の人出に余裕が生まれます。限られた人材で業務をやりくりしている事業主にとって、生産性を高め、人手不足を解消できるメリットは大きいでしょう。
従業員の労働時間を削減できる
省力化機材を導入すれば、人間が行う作業が減るため労働時間を削減できます。労働時間の削減により、従業員がワークライフバランスを実現しやすくなるでしょう。
長時間労働が常態化していると、従業員の心身の負担が重くなるだけでなく、満足度も下がってしまいます。特に、建設業界や物流業界では2024年4月から残業時間の規制が強化されるため、より労働時間をシビアに管理しなければなりません(「2024年問題」と呼ばれます)。
労働時間を削減できれば、人件費を抑制できるメリットも期待できます。長時間労働や人件費の負担を軽減したいと考えている事業主は、中小企業省力化投資補助金の活用を検討する余地があります。
賃上げを通じて従業員満足度の向上・人材確保を図れる
中小企業省力化投資補助金の目的の一つに「賃上げ」があります。賃上げを実現すれば、従業員の満足度が向上し、人材離れを防げる効果が見込めるでしょう。
働きやすい職場環境を整備できれば人手を集めやすくなり、人材定着と人材確保を図れるメリットが期待できます。特に、転職が当たり前になりつつある昨今においては、正社員やパートなどの雇用形態に関係なく、魅力的な職場環境を整備する重要性が高まっています。
販売事業者から申請・手続きのサポートや導入支援を受けられる
補助金の申請をする際に、必要に応じて販売事業者から手続き面のサポートを受けられます。また、省力化機器を導入するにあたって、販売事業者から使い方や効果的な活用方法などの支援を受けることも可能です。
せっかく省力化機器を導入しても、効果的に使いこなせなければ意味はありません。「機械に弱いから不安」という事業主でも、販売事業者からサポートや導入支援を受けられるのは心強いのではないでしょうか。
単に経済的な援助を行うだけでなく、中小企業の売上拡大や生産性の向上に結び付けるために、必要なサポートを受けられる点はメリットの一つです。
中小企業省力化投資補助金の活用事例

実際に、中小企業省力化投資補助金をどのように活用する事例が考えられるか解説します。
飲食業界で自動調理ロボット・自動配膳ロボットを導入する
飲食業界で自動調理ロボット・自動配膳ロボットを導入することで、キッチンやホールの人手不足を解消できます。飲食業界は人手不足が深刻な業界の一つですが、ロボットの導入を通じて人間の業務負担を軽減できるでしょう。
実際に大手外食チェーンでは自動配膳ロボットを導入しているため、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。注文したテーブルまで料理を運び、随時巡回して食べ終わった食器を回収してくれるため、ホールの業務をすべて任せることも可能です。
人手不足に難渋している飲食店事業主の方にとって、自動調理ロボット・自動配膳ロボットは問題を解決してくれる可能性があります。
介護業界で介護ロボットを導入する
介護業界も、人手不足が顕著な業界です。介護事業者が介護ロボットを導入することで、人手不足の解消と、従業員の労働時間を抑制するメリットが期待できるでしょう。
要介護者の身体を持ち上げたり車いすへ移乗したりするとき、介護士は足腰や腰に大きな負担を強いられます。介護ロボットに生活介助の一部を任せることで、介護士の身体的負担を軽減できるでしょう。
その結果、介護士の労災事故を防ぐことも可能です。介護士が要介護者利用者一人ひとりに対してきめ細かいケアを行えるようになり、介護事業者として質の高い対人サービスを提供できます。
建設業界で点検ドローン・運搬ロボットを導入する
建設業界で点検ドローンや運搬ロボットを導入することで、建設作業員の負担と労災事故が発生するリスクを軽減できます。
点検ドローンがあれば、高所や危険な場所の点検が遠隔から可能になります。また、ドローンを用いれば、人間よりも迅速かつ広範囲の点検を行うことも可能です。
運搬ロボットがあれば重量物の輸送・移動を任せられるため、安全な作業環境を整備できるでしょう。時間効率を向上させ、労働時間を短縮する効果も見込めます。
物流業界で自動搬送ロボット・積み下ろしロボットを導入する
物流業界で自動搬送ロボットや積み下ろしロボットを導入することにより、商品の移動や整理を迅速かつ正確に行えます。従業員の身体的負担の軽減と労働時間の短縮はもちろん、物流センターや倉庫の運用効率が向上するメリットが期待できます。
自動搬送ロボット・積み下ろしロボットには、作業ミスが少ない強みがあります。人間が行うとヒューマンエラーが起こってしまうリスクをゼロにはできませんが、自動搬送ロボット・積み下ろしロボットを導入することで、誤出荷や損傷のリスクを軽減できます。
さらに、自動搬送ロボット・積み下ろしロボットは24時間体制で運用が可能です。ECサイトの普及に伴ってインターネットショッピングが増えた昨今において、年中無休で稼働できるロボットがあれば、さまざまな出荷ニーズに対応できるでしょう。
中小企業省力化投資補助金の申請フロー
中小企業省力化投資補助金の具体的な申請スケジュールは、まだ正式に発表されていません。しかし、以下の申請フローで進むため、可能な範囲で準備を進めておくとよいでしょう。
- 申請フロー
-
- gBizIDを取得する
- 省力化製品の選択等の事前準備をする
- 補助金申請をする
- 事務局が審査する
- 補助事業を実施する
- 事業実績報告をする
- 補助金交付手続き
- 事業実施効果報告を行う
今後、最新情報が中小企業基盤整備機構のホームページにアップされる予定です。こまめに確認して、具体的な申請スケジュールが発表されたら迅速に動けるようにしておくとよいでしょう。
なお、中小企業省力化投資補助金は令和8年9月末頃までの間に、複数回の公募が行われる予定です。定期的に最新情報をチェックし、公募のスケジュールを把握しましょう。
中小企業省力化投資補助金のよくある質問
製品の選び方や他補助金との併用など、申請前に多い疑問をまとめて解説します。
Q:機材は自由に選べますか?
申請する類型によって異なります。
「カタログ注文型」の場合は、自由に選べるわけではなく、あらかじめ登録された「省力化製品カタログ」の中から選定する必要があります。
「一般型」の場合は、事業主の個々の業務に応じて専用で設計された「オーダーメイド設備」やシステム(ロボットシステム等)を導入することが可能です。
Q:最低利用期間はありますか?
導入方法(購入か賃貸借か)によってルールが異なります。
購入して機器を導入した場合、いずれの類型でも法定耐用年数(処分制限期間)が経過するまでは、目的外使用や転売などの財産処分が制限されます。制限期間内に処分を行う場合は事前の承認が必要となり、補助金の返納が必要となります。
一方、「カタログ注文型」において賃貸借契約(借用)により導入する場合は、1年未満で解約すると交付決定の取消(補助金返還)の対象となるため注意してください。
Q:製品の追加申請(リピート申請)は可能ですか?
「カタログ注文型」の場合、条件を満たせば可能です。
2026年3月の制度改定より、累計補助上限額の範囲内であれば複数回申請できるようになりました。ただし、前回導入した製品の省力化効果を報告・承認を受けることに加え、所定の「事業場内最低賃金の引き上げ」要件を満たす必要があります。
※「一般型」においては、応募申請時点で事務局からの補助金支払が完了していない事業者は申請できません。
Q:他の補助金と併用できますか?
同一事業での併用は不可、別事業など条件を満たせば可能な場合があります。
- IT導入補助金: テーマや事業内容が同一又は類似した内容の事業(同じ業務プロセスに省力化製品を導入するもの)は併用不可。
- ものづくり補助金: いずれの類型でも、過去3年間に2回以上交付決定を受けた事業者は対象外です。また、「カタログ注文型」は直近10カ月以内の交付決定者が対象外、「一般型」は応募申請時点で補助金の支払が完了していない事業者が対象外となります。それ以外は併用可。
- 事業再構築補助金: 当該補助金の対象事業に用いるための機器を導入する場合(同一事業)は併用不可。対象事業を明確に切り分ける必要があります。なお、「一般型」の場合はものづくり補助金と同様に、補助金支払が完了していない事業者や過去3年間に2回以上交付決定を受けた事業者は対象外となります。
まとめ:中小企業省力化投資補助金を活用して人手不足の解消と賃上げを図ろう
中小企業省力化投資補助金は、省力化投資を促進して中小企業の付加価値額や生産性向上を図る制度です。活用すれば、生産性向上だけでなく従業員の労働時間の短縮や賃上げも実現できるでしょう。
人材確保や低い生産性に悩んでいる事業主の方は、活用を検討してみてください。
(編集:創業手帳編集部)
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