2023年のものづくり補助金はどう変わる?14次締切以降のスケジュールも紹介

創業手帳

令和4年度2次補正予算でものづくり補助金が拡充されます!設備投資にぜひご活用ください

2022年12月2日に成立した令和4年度2次補正予算により、2023年からものづくり補助金が変わります。補助金額やその他要件が拡充され、多くの中小企業にとっては基本的にメリットしかないため、活用を検討してみましょう。

この記事では、2023年のものづくり補助金について、概要や具体的な変更点を解説します。スケジュールや採択を受けるコツなどもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

ものづくり補助金とは


ものづくり補助金とは、生産性向上のためにサービス・試作品の開発や、生産プロセスの改善を行う中小企業を支援する制度です。具体的には、設備投資にかかる費用が補助されます。

通常枠の補助額は100万円〜1,250万円、補助率は1/2(小規模事業者は2/3)です。ほかにグリーン枠やデジタル枠、グローバル市場開拓枠などがあり、特別な要件を満たすことで補助上限や補助率がアップします。

ものづくり補助金2023年の概要

令和4年度2次補正予算により、ものづくり補助金にはいくつかの拡充がなされます。多くの中小企業に影響がある点は、大幅な賃上げに対してインセンティブがつくことです。

また「グリーン枠」や「グローバル市場開拓枠(旧グローバル展開型)」の要件が緩和されることも、一部の企業には魅力的でしょう。全体として使い勝手が向上するので、これまでものづくり補助金を考えてこなかった方も、ぜひ検討してみてください。

出典:経済産業省「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」

ものづくり補助金2023年の主な変更点【5つのポイント】


2023年のものづくり補助金は、従来と比較して以下5つの点が変わります。補助上限額が上がったり、要件が緩和されたりと、全体としてメリットが多いので、確認のうえ、活用を検討してみましょう。

1. 大幅賃上げに対して最大1,000万円を上乗せ

会社が成長し、従業員への分配を増やすという流れを促進すべく、大幅な賃上げに対する補助額の上乗せが実施されます。上乗せ補助額は、以下のように従業員数に応じて決まる仕組みです。

<補助上限の引上げ枠>

従業員数 上乗せ補助額 補助率
5人以下 100万円 各申請枠の補助率とする
6〜20人 100万円
21人以上 1,000万円

出典:経済産業省「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」

上記の引き上げは、回復型賃上げ・雇用拡大枠を除くすべての枠組みに適用されます。

例えば、従業員数21人以上が通常枠に申し込み、大幅な賃上げを実現すれば、計2,250万円の補助を受けることが可能です。(1,250万円→2,250万円)

大幅な賃上げの定義・要件

大幅な賃上げの定義は「給与支給総額を年率6%以上引き上げ」かつ「事業場内最低賃金を毎年45円引き上げ」です。これらを満たさない場合は、上乗せ分の全額返金を求められます。

なお、ものづくり補助金では通常の事業者にも賃上げにかかる要件が課されますが、上乗せ補助を受けるには、通常の要件に加えて追加要件を満たすことが必要となります。

<現行要件との比較>

要件 通常の事業者 大幅な賃上げに取り組む事業者
①付加価値額 3%以上 同左
②給与支給総額 年率1.5%以上 左記の事業者より更に年率で
4.5%以上引上げ
=年率6%以上引き上げ
③最低賃金 地域別最低賃金+30円以
上の水準とする
左記に加え、事業場内最低賃金
を毎年45円以上引き上げる
④補助金返還の要件 ②給与支給総額、又は③賃
金の増加目標が補助事業を
完了した事業年度の翌年度
の3月末時点において未達の
場合には、補助金交付額の
全額返還を求める
同左

出典:経済産業省「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」
※赤字が大幅な賃上げにかかる要件

最低賃金の要件については、以下の画像の参考にしてください。

出典:経済産業省「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」

基本要件の「地域別最低賃金+30円」については、地域別最低賃金の改定がゆるやかだと賃上げもゆるやかになります。地域別最低賃金は年30円ほど上がることもありますが、社会情勢に合わせて微増や据え置きになることも多いです。

一方、追加要件の「事業場内最低賃金+45円」では、経済状況によらず、毎年一律45円の賃上げが必要となります。よって、負担は比較的大きいといえるでしょう。

2. グリーン枠が3段階になって使いやすくなる

温室効果ガスの排出削減に関わる設備・システム投資を支援するグリーン枠は、2023年から3つに分化します。エントリー・スタンダード・アドバンスの3段階です。

初歩的な取り組みでも補助が受けられるほか、発展的な取り組みに対しては従来より高い補助がなされるようになります。温室効果ガスの削減に取り組むすべての事業者にとって、使い勝手が向上するといえるでしょう。

新しいグリーン枠の要件や補助額、補助率等は以下の通りです。

<グリーン枠における申請要件・補助上限額の見直し>

出典:経済産業省「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」

3. 海外展開支援の内容が拡充・強化される

海外事業の拡大・強化を支援するグローバル展開型は、「グローバル市場開拓枠」に名を変えるとともに、支援内容が拡充されます。

具体的には、補助下限が1,000万円から100万円に下がり、小規模の設備・システム投資でも補助の対象になれます。また補助対象経費にブランディングやプロモーション等にかかる費用も追加されるため、今後はより幅広い用途で利用可能です。

<グローバル市場開拓枠における申請要件について>

類型 補助率 補助額 補助対象経費
①海外直接投資
②海外市場開拓
(JAPANブランド)
③インバウンド市場開拓
④海外事業者との共同事業
1/2
小規模事業者
・再生事業者の場合
2/3以内
100万円
~3,000万円
①機械装置・システム構築費、②技術導入費、③専門家経費、 ④運搬費、⑤クラウドサービス利用費、⑥原材料費、⑦外注費、 ⑧知的財産権等関連経費、⑨ 海外旅費、⑩広告宣伝・販売 促進費(海外市場開拓 (JAPANブランド)類型のみ)

出典:経済産業省「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」

4. 認定機器・システム導入型の新設に向けて【2024年以降に創設】

2024年(令和5年度予算)以降、「認定機器・システム導入型」が新設されます。それぞれの業種・業態の課題および解決のためのツールを認定し、同ツールの導入にかかる補助が強化される予定です。

認定機器・システム導入型の創設は、以下3つのステップで進みます。

  • 業界団体・川下企業等からの提案を踏まえ、各業種・業態の課題を認定
  • 認定された課題の解決に資する機械装置やシステムをメーカーが自主的に開発する
  • 機械装置・システムを認定し、中小企業の導入を重点的に支援する

以上の3ステップのうち、1つ目の「課題の認定」が2023年(令和4年度2次補正予算)から始まります。なお、補助額および補助率は次のようになる見通しです。

従業員数 補助額 補助率
5人
以下
1,000万円 1/2
(小規模事業
者及び再生事
業者は2/3)
6~
20人
1,500万円
21人
以上
2,000万円

出典:経済産業省「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」

上記の通り、認定機器・システム導入型は通常枠よりも補助上限額が高くなります。優先採択も実施される見通しなので、認定機器・システムの発表に注視しつつ、使えそうであればぜひご活用ください。

5. ビジネスモデル構築型は廃止される

中小企業の革新的な事業計画作成を支援するサービスを補助する「ビジネスモデル構築型」は廃止されます。すでに最終公募が実施されました。

ちなみにビジネスモデル構築型の対象は、第一に30者以上の中小企業を支援する大企業でした。そのため、廃止されたからといって、多くの中小企業には直接的な影響がありません。

ものづくり補助金2023年のスケジュール


出典:経済産業省「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」
※2023年は14次締切分から

上記の通り、ものづくり補助金は2023年から2024年にかけて切れ目なく実施される予定です。

14次締切のスケジュールは以下となります。

ものづくり補助金14次締切のスケジュール

公募開始:令和5年1月11日(水) 17時~
申請受付:令和5年3月24日(金) 17時~
応募締切:令和5年4月19日(水) 17時
※14次締切分の採択発表は、令和5年6月中旬頃を予定しています。


なお、2023年のものづくり補助金(公募)は、年に4回実施される見通しです。2024年を含めると、14次締切から20次締切まで少なくとも7回実施されるので、ぜひ活用を検討してみましょう。

ものづくり補助金2023年で採択を受けるためのコツ


2023年のものづくり補助金で採択を受けるには、以下2つのことを実践するのがおすすめです。実践することで申請にかかる準備がスムーズに進むことに加え、審査に通る確率も高まるでしょう。

1. 専門家に相談して事業計画書等を作る

肝心なことは、専門家のサポートを受けて申請資料を作成することです。ものづくり補助金では、事業計画書をはじめとする申請資料のクオリティが、採択の可否に大きく影響します。

実際、ものづくり補助金で採択を受けた経営者の多くが、専門家の協力を得て事業計画書や賃上げ計画などを作成しています。専門家がいれば事務的な手続きもスムーズに進み、申請にかかる時間や労力も減らせるので、積極的に相談するのがおすすめです。

創業手帳でも無料の「補助金・資金調達相談窓口」を用意しているので、ぜひご活用ください。

また、ものづくり補助金の採択に成功した事例については、以下に掲載しています。

▼ものづくり補助金の成功事例
申請資料の精度を高めることで、ものづくり補助金に1発採択(1,000万円以上)

策定すべき事業計画の要件

ちなみにものづくり補助金に応募するには、以下の基本要件を全て満たす3〜5年の事業計画を策定する必要があります。

  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
  • 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加

※給与支給総額は、非常勤を含む全従業員および役員に支払った給与等(給料、賃金、賞与、役員報酬を含む。福利厚生費、法定福利費、退職金は除く)
※付加価値額とは、営業利益+人件費+減価償却費

そのほか、通常枠でない枠組みを利用する場合は、それぞれの追加要件を満たすことも求められます。事業計画を作った経験に乏しければ難しいはずなので、専門家の協力を得て策定するのがおすすめです。

2. 「GビズIDプライムアカウント」を取得しておく

ものづくり補助金の申請時には、電子申請システムを利用するための「GビズIDプライムアカウント」が必要です。まだ同アカウントを持っていない場合は、前もって取得しておきましょう。

GビズIDプライムアカウントの取得は、GビズID公式サイトのフォームに必要事項を入力し、書類を送付することで行います。アカウント発行に最大3〜4週間ほどを要することがあるので、余裕を持って申請するのがおすすめです。

まとめ

2023年の「ものづくり補助金」は、大幅賃上げにインセンティブがつくほか、各種要件の緩和もあり、全体として使い勝手が向上します。これまで目を向けてこなかった方も、これを機会にぜひ活用をご検討ください。

2023年において1回目の14次締切は、同年1月下旬ごろから公募が始まります。審査に通る確率を高めるには、専門家と一緒に申請準備を進めるのがおすすめです。

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(編集:創業手帳編集部)

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