ヒアリングの鉄則! なぜ営業マンは「現在→過去→未来」の順番で聞くべきなのか

創業手帳

デキる営業マンが実践している「ヒアリングの常識」

ビジネス 接客

営業担当者にとって「ヒアリングが大事」なのは常識だ。意識してヒアリングを実践している人も多いだろう。

しかし実際には、ヒアリングに対して苦手意識を持っている人が少なくない。そこで今回は、ヒアリングについて、とくに「聞く順番」の観点から解説していこう。読み終わった後には苦手意識も緩和されるはずだ。

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ヒアリングの目的は何か?

よくある失敗としては

・一つ質問をして返答があったが、それ以上聞くことがなく、会話が止まってしまった
・ヒアリング項目を事前に用意していたが、順に聞いていたら尋問のようになってしまっい、気まずい雰囲気。

などがある。

そもそもヒアリングの目的は

・提案に必要な情報を聞き出す
・コミュニケーションを取ることで良好な関係性を構築する

の2点である。

よって、「十分に聞けなかった」も「聞けたけど気まずくなってしまった」もヒアリングの成功とは言えない。

また、そのような状態で聞いた内容が、相手の本音であったり、十分な情報ではないだろう。聞けた内容としても不十分であった可能性が高い。

ではどうすれば良いか? 大切なのはズバリ、「聞く順番」だ。

聞く順番のセオリー「現在→過去→未来」

ヒアリングには「聞く順番のセオリー」がある。

「現在→過去→未来」

 

この順番に聞くことだ。

当然のことだが、営業で聞きたいのは「未来の話」である。「自社の商品を買ってもらえるのか?」「その余地はあるのか?」「余地があるとしたらどのような提案が必要なのか?」それを判断するために知りたいのは未来の話である。

ただし、未来の話は不確定であり、わからないことも多い。安直に答えてしまって営業に言質をとられるのも嫌だから、いかんせん回答しにくい。だから、未来の話をいきなり聞いてしまってもお客様から芳しい回答が得られないことも多いのだ。その結果が冒頭の失敗例である。

ではどうすればよいのか?

答えやすい質問から始め、相手が質問に答えることに慣れてきてからだんだん高度な質問に入っていくのである。

では、「答えやすい質問とは何か?」

ポイントは「もっとも簡単な質問」からすること

現在・過去・未来のうち、どの質問がもっとも簡単だろうか?たとえば、次の3つの質問に答えてみてほしい。

①今、あなたは何をしているだろか?
②1週間前の同じ時間、あなたは何をしていただろうか?
③1週間後の同じ時間、あなたは何をしているだろうか?

 

①の質問に答えるのは簡単だ。「私は今、この記事を読んでいる」

②の質問に回答するのは少しむずかしい。覚えていない人の方が多いだろう。だが、スケジュール帳を開けば、おおよそ何をしていたか思い出せるだろう。

③の質問はさらにむずかしい。現時点でスケジュールが入っている人もいるだろうが、そうでない人も多いだろう。それに、スケジュールが変更になるかもしれない。ほぼ確定している予定でも、何らかの事件や事故が起こって変わってしまう可能性は否定できない。

このように、現在についての質問が最も答えやすく、過去→未来の順番に回答がむずかしくなるのだ。また、現在から離れれば離れるほど、回答はむずかしくなる。その結果、回答しやすい順番は必然的に「現在→過去→未来」の順になるのだ。

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また、現在→過去→未来の順に聞くことは、相手の頭の中を整理するためにも有効だ。

例えば、ある事業を行っている場合。その事業についてどんな仕組みになっているのかを聞き、そしてその経緯を聞くだろう。当然、現在の事業には何らかの課題があるだろう。

しかし、現在だけをみていたら「なぜ、その課題が発生したのか?」「なぜ、その課題が未解決のままなのか?」を理解することは難しい。だが、歴史的な経緯を知れば、その課題が発生してきた理由がわかる

その結果、解決するにあたって配慮するべきこともわかるようになる。そういったことは、往々にして先方の担当者も忘れていることが多い。順を追って思い出すことで、これらのことがはっきりするのだ。

まとめ

過去も含めた現状を相手と共有し、同じ目線を獲得してから未来のことを聞く。未来は過去と現在の延長線上にあるのだから、何もない状態よりは未来について考えやすい。

過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えることができる。顧客と過去・現在を共有すれば、同じ目線をもってどのような未来にすべきか話し合うことができるだろう。

そのような「自分たちのことを理解した相談相手」は、顧客にとって、営業担当者を超えたかけがえの無いパートナーに思えるだろう。顧客にそう思っていただけたら、営業としては最上の仕事ができたといえるのではないだろうか?

(監修: 本気ファクトリー代表 畠山和也
(編集:創業手帳編集部)

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