コンサルティング営業とは?ソリューション営業との違いを徹底解説!

創業手帳

コンサルティング営業やソリューション営業との違いをはじめ、これから求められる営業スタイルを解説します。

走る女性営業マン

(2020/07/20更新)

営業のスタイルは、時代に合わせて変化しています。

現在は飛び込み営業をしている営業マンを見かける機会は減り、インターネットを活用した宣伝方法が主流になっています。

変化したのは新規顧客獲得の営業スタイルだけではありません。お客様に出会ってから商品を訴求するフェーズも、時代とともに変化しています。

今回は、新たな営業手法である「コンサルティング営業」について徹底解説します。

営業スタイルを知ることにより、経営戦略を立てやすくなるだけでなく、新しいサービスを考える手立てとなるでしょう

販路を拡大するにあたって、営業だけではなくSNSやWebサイトを活用した方法などを創業手帳冊子版でご紹介しています。無料なのでぜひ活用してみてください。

コンサルティング営業とは?

コンサルティング営業シーン
コンサルティング営業を解説する前に「コンサルティング」の意味を確認しておきましょう。

コンサルティング とは、企業(まれに行政など公共機関)などの役員(特に経営者が多い)に対して解決策を示し、その発展を助ける業務のこと。または、その業務を行うこと。対応する日本語はない。

ウィキペディア(https://ja.wikipedia.org/wiki/コンサルティング)より引用

コンサルティングに明確な基準はないですが、主に「お客様の課題を解決して発展を手助けすること」を指します。

コンサルティング営業は、商品やサービスを売るだけの営業ではなく、「お客様にとって何がベストなのか?」を考えて営業活動をすることです。

お客様にとってのベストが、自社製品を活用することだけとは限りません。

他社のサービスを利用する方が良いかもしれませんし、システムを導入するよりも今の実務を見直すことで、生産性を向上させることができるかもしれません。

起業家の方の多くは、すでにコンサルティング営業で活躍している人も多いのではないでしょうか。

コンサルティング営業は奥が深く、「やりがい」に満ち溢れています。

起業家としての熱いパワーは、コンサルティング営業でも発揮されることでしょう。

主な営業スタイルを3つご紹介

営業マンと顧客
コンサルティング営業を知り、起業家としての営業スタイルを見直していただくためにも、様々な営業スタイルについて解説していきます。

相対的に比較してみることで、目指すべき営業スタイルを掴むことができます。

通常営業(御用聞き営業)

自社の商品を販売する営業が「通常営業(御用聞き営業)」です。

定期的にお客様を訪問して「何か必要なものはありますか?」と尋ねる営業スタイルです。

必要なものがあれば注文をいただけますし、特になければ注文されることはありません。

例えば、お弁当屋さんが企業の窓口を訪問して、「明日のお弁当はどうしましょう?」と御用聞き営業を毎日続けたとします。

企業の窓口の人は、お弁当屋さんが来るまでに社内で翌日分の弁当発注依頼を受け付けておいて、お弁当屋さんにまとめて発注をします。

お弁当屋さんからすれば、お弁当を届けた際に翌日の注文を聞き、それを日々繰り返すことになるので効率的ですよね。

近場の企業を10社、20社と回ることができれば、生産性を向上させることができるので、売上予測を立てることも容易です

ただし、御用聞き営業にはデメリットがあります。それは、大きな発展がないことです。

訪問することで、ある程度の売上をキープできますが、それ以上にはならないというのが御用聞き営業のデメリットといえます。

現在では、インターネットの普及によって、御用聞き営業は減少傾向にあります。

先ほどのお弁当屋さんを例にとれば、欲しいお弁当の注文をわざわざ営業マンに伝える必要はありませんよね。お弁当注文サイトがあれば、そちらから注文をするでしょうし、お弁当屋さんが来るのを待つ必要もなく、自分のタイミングで注文をすることができます。

そういった意味で、現在はインターネット上の注文サイトが営業マンだ、と考えることもできます。

提案型営業

御用聞き営業の次に生まれたのが「提案型営業」で、新しい商品を勧めたり、セット販売を勧めるような営業スタイルです。

自社に同じタイプの商品があったとき、より単価が高いものや利益が出るものを買っていただいた方が経営の数字は良くなります。

御用聞き営業のようにルート営業をしつつ、商品の提案も実施するのが提案型営業です
同じ企業グループに違うセグメントの業種をもっていると、提案型営業が活きる場面があります。

例えば、佐川急便の配達員に佐川印刷の宣伝チラシを持って行ってもらう手法などがそれにあたります。普段からルート営業をしている人(配達員)にチラシを配ってもらうだけなので、追加の営業コストがかかることもなく、商品をアピールすることもできます。

企業間でアライアンスを結び、複数の商品を組み合わせるクロスセル営業も提案型営業といえます。

起業家の方が自社の商品やサービスをたくさんの人の目にふれさせるために、多くのお客様に会う機会がある起業家仲間と協力することも、提案型営業のスタイルの1つといえるでしょう。

ソリューション営業

提案型営業の発展形として「ソリューション営業」が生まれました。お客様に提案するだけでは、お客様が欲しいと思っている商品にヒットしなくなってきたのです。

景気が良いときは、商品の効果を判断せずとも購入してくれるお客様がたくさんいました。提案すればするほど、売上が上がっていくという時代があったのです。

しかし、景気が悪くなると、様々な商品を提案しても容易に購入までたどり着かなくなりました。そこで、ソリューション営業が生まれました。

ソリューション営業が生まれた背景には、景気の問題以外にも商品の多様化が挙げられます。

インターネットの普及によって、商品の情報を仕入れる機会が増えたため、お客様は世の中に数多くある商品の中から自由に選ぶことができるようになりました。

提案営業をしているだけでは、他社商品との差別化が図れなくなってきたのです。

ソリューション営業は、お客様に商品を紹介する前に「何に困っているのか」をヒアリングした上で提案をする営業スタイルです。

商品の提案をするだけでなく、困っている内容にマッチした提案を行うことで、購入頻度の向上を図ります。

ソリューション営業が主流になってきたことで、営業マンに求められるスキルは様変わりしてきました。お客様に商品を上手くアピールするスキルだけでは通用しなくなってきたのです。

また、ソリューション営業の先にある「コンサルティング営業」が求められる営業スタイルになりつつあります。

コンサルティング営業とソリューション営業の違い

4色の鉛筆
「コンサルティング」や「ソリューション」はよく使われるキーワードではありますが、その本質を理解している人は多くありません。

コンサルティング営業とソリューション営業には、明確な違いがあります。

ソリューション営業とは、先程もご説明したように、「お客様のニーズをヒアリングしてお勧めできる商品やサービスを提案する営業スタイル」です。

コンサルティング営業とは、「お客様の経営課題を把握し、お客様に最大の利益をもたらすためにはどうしたらいいのか?を考えて提案する営業スタイル」です。

そのため、自社の商品を紹介するだけに限らず、他社の商品をお勧めすることもあるでしょうし、商品の紹介以外の提案が適しているかもしれません。

お客様の発展が最終的なゴールとなるのが、コンサルティング営業です。

印鑑が欲しいお客様を例にすると、各営業スタイルで下記のような違いがあります。

通常営業 お客様が普段使っている印鑑を販売
提案営業 新商品の印鑑、または利益率の高い印鑑を提案して販売
ソリューション営業 お客様が本当に欲しい印鑑は何か?をヒアリングして商品の特徴を紹介
コンサルティング営業 印鑑を欲しがっているお客様に「印鑑は本当に必要ですか?押印する機会を減らすとコストを落とすことができます。一度、押印フローを見える化してみませんか?」と提案

お客様の業種・業界を良く知り、お客様とともに成長していく姿勢がコンサルティング営業には求められます。

コンサルティング営業に求められる4つのスキル

4つの歯車イラスト
コンサルティング営業に求められるスキルは主に4つあります。

ヒアリング能力

最近のお客様は、自分で「何が欲しいのか」「何に困っているのか」を把握できていません。

「欲しいものはありますか?」だけでは、お客様のニーズを聞き出すことはできないのです。

コンサルティング営業には、他社の事例を話したり社会の流れを説明したり、時には雑談を交えながらお客様のニーズを引き出していくことが求められます。

お客様の現状を知ることによって、経営課題の本質を見抜くことができるようになります。

コンサルティングの提案を繰り返していくことで、お客様の課題を整理していきます。

コンサルティング営業にとって、高度なヒアリング能力はとても重要なスキルなのです。

交渉力

自社の商品を販売することだけが、コンサルティング営業の目的ではありません。

お客様の利益になるような商品やサービスを紹介し、お客様に最大限のメリットがあるように行動しなければなりません。

ですが、お客様と一緒に経営課題に取り組むだけでは、ただのボランティアになってしまいます。

コンサルティング営業は、どこで儲けるのか?を常に考えておかなければなりません。

お客様に無償のサービスをすることだけがコンサルティング営業ではないのです。

どこで対価をいただくのかについて、お客様に納得してもらうためには、起業家として交渉力を身につけなければなりません。

また、絶対に効果があると思ったものについては、お客様に実施していただく必要があります。

「それは最終的にお客様が判断することだから」と任せっきりにしてはいけません。

コンサルティング営業として自信をもってご提案し、お客様を動かす交渉術が求められます。

社会や業界を知る

コンサルティング営業は、社会の流れやお客様の業界のことを知らなければ活動できません

その業界のプロになるくらいの気持ちで勉強しなければ、お客様と一緒に経営課題に取り組むことはできないのです。

起業家の方が得意としている業界があるのなら、その業界のお客様に集中して営業活動をする方が効率的です。

新しい業界のお客様と知り合うことができたら、対等に話せるように事前にしっかりと準備しておきましょう。

お客様にコンサルティング営業を仕掛けていく中で、同時に起業家としての成長も実現することができます。

ロジカルシンキング

起業家としても重要なスキルが、ロジカルシンキングです。

お客様の経営課題は複雑で、必要な情報が整理されていないことがよくあります。

お客様自身も頭の中で整理ができていないのです。

コンサルティング営業では、少ない情報を上手く組み立て、課題を見える化する必要があります。

複雑な課題を整理し、筋道立ててお客様にご提案するロジカルシンキングこそが、コンサルティング営業には大切なスキルとなります。

まとめ

お客様が求めているものをいち早くキャッチアップし、お客様の利益に貢献することが、これからの起業家には求められています。

大企業ができないことをフットワーク良く対応することができれば、起業家としての価値も大きく向上することでしょう。

自社に合ったコンサルティング営業のスタイルを構築することは、会社の成長と共に起業家としても成長することにつながります。

これからの社会で求められているコンサルティング営業に、ぜひとも取り組んでいってください。

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(編集:創業手帳編集部)

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