新型コロナでオンラインレンディングに注目 スピーディーな資金調達手段を解説

創業手帳

オンラインレンディングについて解説します

(2020/03/27更新)

新型コロナの影響を受け、法人向けのオンライン融資(=オンラインレンディング)への需要が高まっています。銀行などの金融機関での融資と比べ、スピーディーに融資を受けられるメリットが注目されているようです。

日本でも、特に中小企業や個人事業主向けの新しい資金調達手段として広がりつつあるオンラインレンディング。概要や、国内主要サービスについて解説します。

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AIによるデータ審査で、手軽に資金調達できる

オンラインレンディングとは、AIが会計データや銀行口座の出入金記録といったデータから事業の信用を審査し、融資の可否を判断する仕組みのことです。

条件を満たせば、申込みから入金まで最短数日程度で融資が完了するスピーディーさと、手続きもシンプルに完了する点が特徴。煩雑な手続きや、実行に時間がかかる金融機関からの融資と比べて、手軽に資金調達できる点が支持されています。

なぜ新型コロナで需要が高まっているのか

オンラインレンディングは、突発的・短期的に事業の資金が不足した際に、ピンチを乗り切るため「守り」の資金繰りに活用することができます

今回、新型コロナの影響に伴う外出自粛や移動制限などの広がりによって、売上が突発的に激減する事業者が続出しています。運転資金を迅速に確保する手段として、オンラインレンディングの利用を検討する事業者が増えているようです。

例えば、三菱UFJ銀行が展開している「BizLENDING」では、2020年3月上旬の融資申込件数が、感染拡大前の19年11月上旬に比べて約3倍に増加。これを受け、同銀行は新型コロナの影響を受けた企業の金利を、最大4%引き下げる優遇措置を取ることを発表しました。

オンラインレンディング利用の注意点

オンラインレンディングの利用には、いくつか注意点があります。

各サービスの利用と結びついている

オンラインレンディングサービスの多くは、その提供元が展開しているサービスを利用している事業者向けとなっています。例えば、先程紹介したBizLENDINGは、三菱UFJ銀行の口座(普通預金・当座預金)を持っている事業者が利用の対象です。

利用する場合は、特定のサービス導入を求められるケースが多いことを念頭に置いておきましょう。

一定期間以上の業歴が求められる

オンラインレンディング全般の特徴として、審査に会計データや銀行口座の出入金データなど、「一定期間以上蓄積されたデータ」が使われることが挙げられます。

裏を返せば、一定期間以上、サービスに紐付いたサービスを使う必要があるのです。実際、融資を受けるにあたって最低限必要な業歴を定めているもあります。

利用開始からすぐに融資を受けられるわけではない、という点を抑えておきましょう。

国内の主要サービス

国内で展開している主要な法人向けオンラインレンディングサービスの特徴を紹介します。大手金融機関からスタートアップまで、業種や対象もさまざま。利用を検討する際の参考にしてみてください。

BizLENDING

三菱UFJ銀行が展開している、同行の口座を利用している法人向けサービス。

概要
対象 三菱UFJの口座(普通預金・当座預金)を持っている/口座に一定期間以上の出入金履歴がある/同行から融資を受けていない ことを満たす法人
審査データ 口座の入出金データなど
融資にかかる時間 最短2日
限度額 50万円以上~1000万円
金利 15%未満
返済方法 元金均等返済/期日一括返済
担保・保証 無担保・無保証

また、BizLENDING は新型コロナの影響を受けた法人に対して、最大4%の金利優遇を実施しています。2020年6月30日までの期間限定です。

MoneyFoward BizAccel

マネーフォワードの子会社である、マネーフォワードファインが提供している事業者向けオンラインレンディングサービス。

概要
対象 会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計/確定申告」を利用している法人または個人事業主
審査データ マネーフォワード クラウド会計・確定申告の入力データ(最低3か月分)
融資にかかる時間 最短3営業日
限度額 10万~500万
金利 4.8~18.0%
返済方法 期日一括返済/元金均等返済
担保・保証 原則無保証(場合によっては代表者の連帯保証が必要)・無担保

みずほスマートビジネスローン

みずほ銀行が展開している、みずほ銀行の口座を利用している中小企業向けのオンラインレンディングサービス。

概要
対象 みずほ銀行に一定期間、口座(普通預金または当座預金)を持っている/同行から融資を受けていない/同行からインビテーション(招待)を受けている ことを満たす法人
審査データ 銀行取引やその他の連携データ
融資にかかる時間 最短2営業日
限度額 10万円以上~最大1,000万円
金利 1%台~14%
返済方法 元金均等返済/(借入期間1ヵ月の場合のみ)期限一括返済
担保・保証 無担保、代表者の連帯保証が必要

アルトア

弥生会計のグループ会社・アルトアが展開しているオンラインレンディングサービス。

概要
対象 「やよいの青色申告」または「弥生会計」(いずれもデスクトップアプリ)版を利用している法人または個人事業主(65万円の青色申告特別控除を受けている)
審査データ 1期分以上の会計データ
融資にかかる時間 最短当日
限度額 50万円〜300万円
金利 2.8%~14.8%
返済方法 元金均等返済/期限一括返済
担保・保証 無担保、無保証

アルトアのサービスについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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Amazon レンディング

アマゾン・キャピタル・サービス合同会社が展開している、Amazonのマーケットプレイスに参加している法人向けのオンラインレンディングサービス。

概要
対象 Amazonマーケットプレイスでの実績がある法人販売事業者
審査データ Amazonマーケットプレイスでの取引データなど
融資にかかる時間 初回は最短で5営業日、2回目以降は最短3営業日
限度額 10万円~5000万円
金利 8.9% ~ 13.9%
返済方法 元利均等返済方式

LENDY

2016年設立のスタートアップ・LENDY株式会社が提供しているオンラインレンディングサービス。

概要
対象 業歴半年以上の個人事業主および法人
審査データ クラウド会計データ(freee、MFクラウド会計・確定申告、弥生会計オンライン、やよいの青色申告オンラインなど)
融資にかかる時間 最短翌営業日
限度額 10万円〜500万円
金利 融資額100万円以上→8.0%〜15.0%、融資額100万円未満→13.0%〜18.0%
返済方法 期限一括弁済・元利均等返済
担保・保証 無担保、法人の場合は代表の連帯保証が必要(個人事業主は不要)

まとめ

オンラインレンディングの活用によって、いざという時に、フットワーク軽く資金調達できる可能性が広がります。一方で、利用には一定期間以上の業歴やデータの蓄積が必要となるので、活用を検討する場合は自身の事業が条件を満たしているかどうか確認が必要です。

無料で利用できる資金調達手帳では、経営に役立つ様々な資金調達手段についてまとめて解説しています。新型コロナの影響で、調達の選択肢を探している起業家の方は、併せて参考にしてみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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