注目のスタートアップ

株式会社MIRAIing 池上京|中高生・大学生向け次世代リーダー養成オンラインプログラムの事業展開で注目の企業


中高生・大学生向け次世代リーダー養成オンラインプログラム事業「TOPPA」で注目されているのが、池上京さんが2021年2月に創業した株式会社MIRAIing(ミライング) です。

社会をよりよく変革していく為に必要なことは何でしょうか?課題を明確に洗い出すこと、制度を充実させること、具体的なシナリオを描くこと、DXなどを推進すること、技術革新をより一層進めること・・・等々、様々な答えがあると思います。
それら全ての根底にあるのが、「人材」、特に先頭に立ち牽引できる「リーダー人材」の存在です。
過去の歴史をたどってみると、困難な時代・変革の時期には、必ず旗振り役となり、使命感を持ち、決してぶれずに、自ら先頭に立ち、人々を鼓舞し、奮闘したリーダー人材がいました。その熱意や志が波及し、周囲の人や社会全体を大きく動かし、時代を切り開いてきました。

今後、ますます予測不可能な時代、多様性社会を迎えると言われる今、新たな時代を切り開くフロンティアスピリッツを持った人材が欠かせません。

しかし残念なことに、今の日本の若者たちは諸外国と比べて自己肯定感が低く、うまくいくかわからないことに対し意欲的に取り組むという意識が低く,社会問題への関与や自身の社会参加についても,やはり相対的に意識が低い状態です。さらに言えば、自分の将来に明るい希望を持っていない若者が多いというのが現実なのです。

こうなってしまった背景には様々な要因が考えられます。が、これを変えていく上で大事なことは、多感な十代から地域社会や様々な人と触れ合い、より多くの多様な体験をし、社会と自分とのかかわり方を自ら考える機会を持つこと、そして社会が個人の挑戦や失敗を受け入れられる鷹揚さを持つことでしょう。
家庭、学校、地域が一体となって人を育てられるよう繋がり直していくことが肝要です。

今改めて、固定概念や失敗に囚われず、自分たちが理想と描く未来を実現させる挑戦意欲、突破力を育てる取り組みに、注目が集まっています

株式会社MIRAIingの池上京さんに、事業の特徴や今後の課題などについてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

TOPPAは中高生・大学生向けの体系的なリーダー養成オンラインプログラムです。参加者は数か月間、高度なインプットとアウトプットに濃密に取り組み、固定観念・失敗に囚われず理想の未来をデザイン・具現化する、次世代リーダーへと突破します。
①インプット:デザイン思考、リーダーシップ、論理的思考力等リーダーに必要な思考・スキルをロールモデルとなる起業家・デザイナー・ビジネスパーソン等から学ぶ双方向のワークショップ。
②アウトプット:学校・地域・国境を越えてチームで課題解決プロジェクトに取り組み、プレゼンまで実施していただきます(例:プラスチックごみの削減アプリ立案、ロボットの販促マーケティング、アフリカの医療課題解決)。実践的な活動を通じリーダーシップやコラボレーション力、課題解決力を養います。

創業一年強で国内35都道府県、世界10か国以上から累計350名の中高生・大学生がTOPPAに参加し、満足率97%、成長実感率91%を達成しました。参加者の中には自ら新しく課題解決の取り組みを始めた生徒もいます。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

将来活躍したい!社会を良くしたい!といった志の高い学生さんは勿論、日本の画一的な詰め込み教育・板書主体の学習に違和感を抱いている学生さんや中高生の保護者様に是非広くご検討いただきたいサービスです。
私自身、高校生の時から起業や社会課題の解決に憧れがあったのですが、日本の画一的な教育へ違和感を抱き、アメリカに一年間留学しました。現地では田舎の公立高校に通いましたが、ディスカッションやプレゼンを通した実践的な学びに非常に影響を受けました。
社会人になってから留学したケンブリッジ大学のMBAでもプロジェクトへの取組を通じて実践的にリーダーに必要なマインドやスキルを学ぶ経験をしました。
こうした自分自身の体験を還元し、将来社会を動かしていくリーダーとなる次世代に必要な学びを提供したいと思います。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

社会の進歩には優れたリーダーが必要ですが、その数は日本でも世界でも圧倒的に不足しています。ここでいうリーダーというのは、一般的にイメージされる「優秀なエリートで、良い大学を出て良い会社に入って、 ヒエラルキーの上に立つような人物」という意味ではありません。我々は不確実な21世紀に必要なリーダーとして、「固定観念・失敗に囚われず、理想の未来を デザイン・具現化し、より良い世界を築き上げる挑戦者たち」と定義します。

そんな新しいリーダーを増やすためには、学生時代から実践的な学びの機会を得ることが重要です。他方、2020年、弊社が創業前に中高生100名に実施した調査では約半数の生徒が詰め込み偏重の学校教育に不満を抱いていました。特に地方では実践的な学びの機会が限られているという声もあり、学習機会に格差が生じています。
学習指導要領改訂により2022年度から探求学習の高校での実施が義務付けられていますが、指導に不安を有する高校教員の割合は80%を超えるというデータもあります(出所:探求学習白書2021)。

以上から、実践的な学習機会の不足を解消し、未来を創るリーダーを育てるべく、誰でもどこからでも安価に高度な実践的なプロジェクト型の学習機会にアクセスできるオンラインプラットフォーム「TOPPA」の実施と、学校への実践学習プログラム提供に至りました。
なお、同様の課題は日本だけでなく世界的にも見受けられることから、現在中高生向けに英語でのプログラムも実施し、東南アジアや南アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、中東といった海外の現地の方々からの申込もいただいています。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

教育分野には学生時代からずっと関心があったものの、教育業界にいたことはなかったため、自分の考えている事業にニーズがあるのか、ニーズがあるとしてどのように対象となる学生に届けて行けば良いのかがなかなか掴めませんでした。
そのため、当時勤めていた会社での業務後、友人の教育事業を半年ほど手伝って私の考えていた事業アイデアを試してみることで、自分の問題意識にずれが無いか、検討しているサービスにニーズがあるのかを見極めました。

また、サービスの対象となる学生や保護者は勿論、学校の先生や教育事業者へのインタビューを何度も行い、事業アイデアを深めていきました。
ただ、それでもまだ不安があったため、実際に法人化してサービスをオフィシャルに始める前に、パイロットプログラムをスモールスケールで実施したところ、最初から必要最低限のユーザー(生徒)に参加してもらうことができました。プログラム修了後に行ったアンケートでも満足度の高い生徒が多く、何か今後も手伝いたいという声や続けてほしいという声が多かったため、自信を持って法人を設立し、事業化することができました。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

日本発で、次世代のリーダーを年間10万人以上世界中で育てるリーダー輩出機関となることを目指します。そのために、日本でTOPPAを広げることは勿論、英語でのグローバルなプログラム実施や、学校との連携等を進めていきます。
さらに将来的には私たちの手で世界の次世代リーダーを育てることに特化した、オンラインのインターナショナルスクールを設立します。

・今の課題はなんですか?

一番の課題はプログラムの拡大です。まだまだ弊社やTOPPAの認知度は低いですし、そもそも教育と言えば受験対策という伝統的な考え方がメインストリームであることは今も変わりません。TOPPAのような実践的な学びをもっと当たり前のものにし、次世代が学生の頃から未来を創る力を養う機会が増えていくことが必要です。そのために、弊社の取り組みをもっと広げて認知度も高めていきたいですし、同じ志のある事業者さん達との連携も深めていきたいと考えています。

また、採用も本格化したいと考えています。これまでは副業ベースで業務委託の方々に活躍していただいてきましたが、アクセルを踏んで事業を進めていくために、右腕となる方を探し、フルタイムでジョインしていただきたいと考えています。未来を創る教育にご関心ある方は是非ご連絡ください!

・読者にメッセージをお願いします。

まだ創業したばかりではありますが、より良い学習機会を次世代に届け、21世紀のリーダーを増やしたいという熱い想いで事業に取り組んでいます。事業提携にご関心をお持ちいただけたり、事業へのご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

会社名 株式会社MIRAIing(ミライング)
代表者名 池上京(いけがみ けい)
創業年 2021年2月1日
社員数 1名
所在地 150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目23-4 桑野ビル 2階
サービス名 中高生・大学生向け次世代リーダー養成オンラインプログラムTOPPA
事業内容 株式会社MIRAIing(ミライング)は、 「輝く未来を創る優れたリーダー・イノベーターとともに社会を前進する」をビジョンに掲げるリーダー学習企業です。中高生・大学生が、質の高いインプットとアウトプットに濃密に取り組み、社会にインパクトを生むリーダーへと突破する、体系的・実践的リーダー養成プログラム「TOPPA」を提供しています。同時に、大学・高校・中学校と連携し、ゼミ、総合的な探究の時間、ロングホームルーム、キャリア形成の時間を活用した学校向けリーダー・イノベーター学習プログラムを提供しています。TOPPAと学校へのプログラム提供を併せて、これまで累計1,000名以上の学生にリーダー教育・キャリア教育を提供してきました。 この夏は東京の高尾山で初めての対面形式のサマープログラムを実施予定で、全国・海外から50名以上の中高生が参加予定です。
代表者プロフィール 2013年京都大学公共政策大学院修了。
国際協力機構(JICA)でイラク・エジプト等の中東向けインフラ開発・政策支援に従事した後、2019年にケンブリッジ大学で経営学修士(MBA)を取得。
MBA後、AIロボットの海外展開に取り組む傍ら、コロナ禍で学習機会の制約された中高生・大学生にリーダー教育やキャリア教育を提供。
2021年2月、未来を創る次世代を今、育てたいという想いから、株式会社MIRAIingを設立。累計1,000名以上の学生に学習機会を提供。
趣味はランニング・筋トレ・テニス・読書・漫画。国際開発ユースフォーラム Co-Founder。ヤングダボス会議One Young World 日本代表Ambassador。お遍路完走者。
情報経営イノベーション専門職大学客員教授。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ MIRAIing TOPPA グローバル リーダー育成 教育 池上京 社会起業
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

本の要約サービス「flier」運営の「フライヤー」が6億円調達
2022年5月27日、株式会社フライヤーは、総額約6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 フライヤーは、本の要約サービス「flier」を運営しています。 主にビジネス書を1冊10分程度で読める…
学習支援SaaS「Monoxer」運営の「モノグサ」が4.4億円調達
2020年10月5日、モノグサ株式会社は、総額4億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 学校・塾・語学教室などの教育機関向けの学習支援SaaS「Monoxer(モノグサ)」を運営して…
学費出世払い方式(ISA)を採用したエンジニア養成学校「CODEGYM」を運営する「LABOT」が資金調達
2022年8月30日、株式会社LABOTは、香港のChoco Upから、クロスボーダーの資金調達を実施したことを発表しました。 LABOTは、学費出世払い方式(ISA)を採用したハイレベルエンジニア養…
保育・教育・療育施設向け組織・人材育成クラウド「KatagrMa」を提供する「カタグルマ」が1.7億円調達
2024年8月2日、株式会社カタグルマは、総額1億7,200万円の資金調達を実施したことを発表しました。 カタグルマは、保育・教育・療育施設向け組織・人材育成クラウド「KatagrMa(カタグルマ)」…
株式会社Sene-G  真崎今日子|民間学童の事業展開が注目の企業
民間学童の事業展開で注目なのが、真崎今日子さんが2013年2月に創業した株式会社Sene-Gです。 2020年時点で夫婦共働き世帯数は1500万世帯以上あり(労働力調査基本集計2020年)、増加の一途…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集