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2022年9月5日KAERU株式会社 岡田知拓|お買いものアシスタント機能付きプリペイドカードサービスの開発事業で注目の企業
お買いものアシスタント機能付きプリペイドカードサービス事業で注目なのが、岡田知拓さんが2020年10月に創業したKAERU株式会社です。
今、日本はいよいよ超高齢者社会に突入し、今まで想定していなかった問題や、それらを解決に導いていくための課題が次々と湧き起こっています。
中でも、誰にでも起こり得る「高齢者の認知力低下」とそれに付随する生活習慣に関わる諸問題は看過できません。
ニュースでよく目にするようになった、高齢者による交通事故、高齢者を狙った詐欺事件、セルフ・ ネグレクト、といった大きな社会問題は最たる例でしょう。
もっとも、ここまで大きく取り沙汰される問題は、国を挙げてその解決に向けた動きにも拍車がかかるので、的確な対応と問題解消にも向かいやすいと思います。
むしろ、普段の何気ない生活シーンの中で起きている高齢者と社会・若年層との関わり合い方において生じる諸問題の抽出とその解決策を講じることが、高齢者も、高齢者を見守る側も、双方が心地よく心穏やかに心豊かな毎日を過ごしていける世界を創り上げていくためには必要なこと、と言えるのではないでしょうか。つまり、今まで当たり前に出来てきたことを、これからも当たり前に出来るようにしていくことこそが、本人と周囲の人たちの幸せの根幹になりえると考えます。
例えば、普段のお買い物の中で起こり得る問題もそうした解決すべき小さな問題の一つです。レジ前でお財布を探したり、小銭を一つ一つ勘定したり、ポイントカード等を探したりするのに時間がかかり、後に待っている人たちがイライラするというシーンに出くわした方もいらっしゃるかと思います。その他にも、買うべき物を忘れたり、同じ物をいくつも購入したり、おつりを取り忘れたり、といったことも発生しており、本来なら自分の意思で楽しく行えるはずの買い物が苦痛になってしまった、という方も中にはいらっしゃるかもしれません。
誰もがその人生を謳歌し、心地よい生活を送り続けられるダイバーシティ社会を、アプリ開発を通じて実現しようと邁進している取り組みに、今、大きな期待と注目が集まっています。
KAERU株式会社の岡田知拓さんに、事業の特徴や今後の展開、課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
もの忘れが増えてきた方をはじめ、認知症と診断された方や認知機能の低下に不安がある方も安心、簡単に使えるお買いものアシスタントアプリ「KAERU(かえる)」に、国際ペイメントネットワークブランドMasterCardがついたプリペイドカードのアシスタントプリカ機能を実装しています。
特に、以下の4点が大きな特徴です。
①お釣りいらずで簡単にキャッシュレス決済をご利用いただけること、
②あらかじめ決められた金額が自動チャージされるプリペイドカードのため使いすぎる心配がないこと、
③ご家族と連携して操作設定や紛失対応などが可能、
④紛失時でもアプリ上ですぐにカードの停止や再開の切り替え、再発行が可能
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
もの忘れが増えてきた方をはじめ、認知症と診断された方や認知機能の低下に不安がある方、ご高齢者様に、特にお使いいただきたいと考えています。
また、自治体の成年後見制度をはじめ、さまざまな高齢者サポートへの導入も実証実験中です。
・このサービスの解決する社会課題は何ですか?
年齢を重ね、認知機能の低下が起きたとしても幸せに、自分らしく生活できるような社会インフラを整備することです。
共同創業の福田と共に、元々身近な人が認知症当事者という環境ではありませんでした。しかし決済系の海外事例や色々な方からの課題を伺っていた際、認知症の診断を受けた方のお話を直にお聞きする機会に恵まれ、お金を払う際に非常に苦労されること、買ったことを忘れて同じものを何度も買いすぎてしまうこと、家族に過度に心配され買いものに行かせてもらえなくなることといった課題をはじめ、自分の意思でお金を使うことが制限されてしまうことで、本人の自信や尊厳を傷つけてしまう場合があることを知りました。
日本は2020年時点で総人口に占める65歳以上の方の比率は28%を超え、高齢化に伴い認知症当事者の数も増加を続けています。高齢者のおよそ3人に1人、全人口の10%に該当し、もはや認知機能の障害は決して珍しいものではなく、加齢とともに誰にでも起きる症状になってきています。そうした中で、ご高齢の方が認知機能が低下しても出来得る限り自立的な生活を送り続けることは、周囲のサポーターの方にとっても極めて大事だと考えています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
超高齢社会という社会課題に向き合う上で、一般的なtoCのサービス以上に使う人の意見が求められることですね。実際、当事者の話を聞く中で自分の想像の範囲外の意見は多数出てきて、例えば驚いた意見は「まずは当たり前のことができるようになりたい」ということ。決済サービスというと、ポイントの還元率などオプションの部分を重要視しがちでしたが、当事者の方々にとってそれは二の次で、サービス自体の使いやすさやデザインの見やすさなどを重要視されるという発見がありました。
決済サービスにおける知見や経験は共同代表の福田と共に豊富な方ですが、認知症に関することは初心者なので、「当事者やケアラーの方々がどんなことを感じているのか」という生の声や、認知症の専門家の先生からの意見を聞く機会をたくさん設けるようにしています。若年性認知症と診断された方に、実際に開発メンバーとして参加してもらい、今困っていることや課題、実際に使用してもらった感想・改善点を提案していただいています。
実際に当事者の方々に話を伺うと、自分では思ってもいないような、想像していた先の外側にある課題を発見できます。今後も生の声を大事に、私たちが届けたい先の方々が欲しいと思っているものに辿り着きたいと考えています。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
認知症当事者の方やケアラーの方、専門家の先生などからの意見やご要望を積極的に取り入れ、双方からさらに納得いただけるようなサービスを目指していきたいです。
現在では「KAERU」の開発に認知症と診断されたメンバーも加わっていただいたり、当事者としての意見や要望をサービスに反映するだけでなく、当事者の方自らが広報担当として自治体の講演会に参加し、お買いものにおける工夫やアプリの取り入れ方などを発信されていたりします。このようにサービス開発当初から大切にしている当事者参画型のサービス展開を、今後も続けてまいります。
加えて今年の5月には厚生労働省や、地方自治体と連携した福祉の取り組みを発表しているので、行政と連携した取り組みも今後進めていきたいと思っています。
・今の課題はなんですか?
まだまだ課題だらけの状態です。例えば、我々のサービスをご利用いただく方はスマホやアプリに対して不慣れな方も多く、そういった方々にも簡単・安心に利用いただけるUI/UXはまだまだ深堀りをしているところです。また、どうやって我々を認識してもらい、そして利用し始めてもらうのかといった点も非常に難しいサービスです。
こういった論点に対して一つ一つ丁寧にお客さま目線で解決していくことが、誰もがお買いものを楽しみ続けられる社会につながると信じていますので、引き続きチャレンジを続けていきたいと考えています。
・読者にメッセージをお願いします。
我々もまだまだチャレンジ半ばの状況なので、読者の方へのメッセージだなんておこがましいのですが、仲間集めはとても大事だよ、ということをお伝えしたいです。
共同創業の二人だけでやれることなんてたかがしれているため、大きな挑戦をするためには必ず仲間が必要です。楽しいことも大変なことも、それらを最大限楽しむためには一緒にチャレンジしてくれる仲間が本当に大事だと感じています。
叶えたい世界に共感してくれる方は皆さんの周りにもきっとたくさんいるので、ぜひ積極的に発信し、素敵な仲間に集まってもらい、スタートアップを楽しんでいけると良いなと思います。
会社名 | KAERU株式会社 |
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代表者名 | 岡田知拓(おかだ ともひろ) |
創業年 | 2020年10月 |
社員数 | 15名 |
資本金 | 170,992,383円(資本準備金を含む) |
事業内容 | お買いものアシスタント機能付きプリペイドカードサービス「KAERU(かえる)」の企画・運営 |
サービス名 | KAERU |
所在地 | 103-0026 東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階 |
代表者プロフィール | 新潟県出身。東京農工大学応用生命化学修士卒。 新卒で決済ベンチャーの法人営業・事業開発を担当。海外に拠点を移してからは、東南アジアのスタートアップにジョイン。その後、日本に戻りLINE株式会社に入社。LINE Payサービスの立ち上げ初期から、戦略立案から個別のプロダクト企画など、広範にグロースに携わる。利用者にとって、より付加価値のあるペイメントサービスを創りたいと考え、福田とKAERU株式会社を創業。 2021年9月21日「世界アルツハイマーデー」にKAERU(β版)をリリース。 2022年4月にお買いものアシスタント機能付きプリペイドカードサービス「KAERU」をリリース。 一般社団法人 認知症予防協会 MCI専門士、終活アドバイザー、認知症サポーター 受賞歴 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | KAERU お買い物 お買い物アシスタントプリカ キャッシュレス 岡田知拓 超高齢社会 高齢者決済 |
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