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2022年4月25日Green Fuel 川崎健士朗|中小企業・個人向けのカーボンクレジット取引プラットフォームの事業開発が注目の企業
中小企業・個人向けのカーボンクレジット取引プラットフォームの事業展開で注目なのが、川崎健士朗さんが2021年に創業したGreen Fuelです。
地球温暖化防止や環境保全、SDGS達成か叫ばれている中、大企業を中心に炭素排出量を抑える工夫やカーボンオフセットの取り組みなどが実施されています。
企業活動で排出されるカーボン量が環境に及ぼすインパクトはとても大きいので、ことさら事業規模の大きな企業によるこうした努力はとても有意義であり大事なことに違いありません。
しかし、本当に世界の環境保全を成し遂げるには、より細分化された個人レベルでの意識改革や具体的な行動が重要です。
せっかく企業努力で状況を改善に向けていっても、膨大な数の個人が無意識のうちにカーボン排出繰り返し、せっかく削減した分を上塗りしてしまうと、元の木阿弥になってしまいます。
果たして今、どれ程の個人がカーボンニュートラルに意識的な取り組みをしているでしょうか?
今こそ、私たち一人一人が地球環境について世界視野で意識し、具体的な行動に移すべきタイミングにいるのです。
従来までは、小規模事業者や個人レベルでのカーボン排出量や排出制限に関わる行動を具体的に把握できる的確な術がありませんでした。
そこに着目し、個人レベルでも手軽に管理が出来て、環境意識を自然と高められるプロダクト開発が進んでおり、今注目を集めています。
Green Fuelのカーボンクレジット取引プラットフォーム事業の特徴は、中小規模事業者や個人を主な対象としたカーボンクレジット取引システムであるという点です。
これにより、個人レベルでもCO2削減意識を高め、環境保全への行動を日常化することにつながります。
またそれだけではなく、実際的にカーボンクレジット購入を通じて世界中のCO2削減プロジェクトに間接的に投資することも可能になり、SDGs達成をより一層加速させるトリガーにもなり得ます。
現在、早稲田大学2年生で、この秋よりイギリスの名門校オックスフォード大学に留学も決定しているというGreen Fuelの川崎健士朗さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトを開発するに至った経緯について教えてください。
高校2年生の時に、私はフランスに1年間留学をしていました。
当時は2019年、ちょうどグレタ・トゥーンベリさんが率いる環境のためのデモ運動「Friday For Future」が最も盛んな時でした。私が在籍していたフランスの高校でも、実際に生徒が金曜日の午後に授業をボイコットをし、デモ運動に参加するという状況を目の当たりにしました。
同年代のフランスの若者がこうして環境のために実際にアクションを起こしている姿を見て「自分は環境のために何ができるのか?」という問いが生まれたのが最初のきっかけです。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
Green Fuelは中小企業・個人がCO2排出量を簡単に計算できて、カーボンクレジットを使ってオフセット(相殺)できるサービスです。
カーボンクレジットは日本語でCO2排出権と呼ばれ、現在、国家間や大企業間で取引がされています。
しかし日本の中小企業・個人にとってカーボンクレジットを購入することは非常に難しいのが現状です。背景には政府が行うJ-クレジット制度の取り扱いが非常に複雑で時間がかかることや、他のカーボンクレジットのプラットフォームも主に大企業向けに作られていることがあります。
Green Fuelのサービスを使えば、自分のCO2排出量の計算からオフセットまで、一貫したサービスで簡単に、確実に、行うことができます。
例えば、個人を例にした場合、フライトによって排出されたCO2排出量を計算し、オンライン決済でオフセットすることができます。
お客様が支払うお金はGreen Fuelを通じて世界中のCO2削減プロジェクトに分配されます。つまり、カーボンクレジットを買うとことでCO2削減プロジェクトに投資し間接的にCO2を減らすことができるのです。
さらにGreen Fuelを使えばSNSで自分のオフセットの結果を簡単にシェアすることができます。
ライフスタイルとして自分のCO2排出量を削減する、環境に与えるインパクトに責任を持つ、そんな世界を目指しています。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
中小企業向けと個人向けのサービスに分かれますが、特に中小企業にとって、環境に対する責任を持つ重要性は年々高まっています。
自社のCO2排出量を把握しオフセットすることで、うわべの言葉だけではなく、実際にCO2を削減するというインパクトを持つことができます。
例えばアパレルの企業がGreen Fuelを使いCO2排出量をオフセットすることができたら、「カーボン・フリー」の服を作ることができます。企業として社会的責任を果たすだけではなく、売上の増加にも直接貢献することができます。
個人向けに関しては環境に対する意識が突出して高いZ世代に特に使ってもらいたいと考えています。
私自身も2001年生まれでZ世代の最もコア層にいます。Z世代は社会に対するインパクトを非常に重視します。環境に対してインパクトを持つことはボランティア活動などをしないとなかなか難しいかもしれませんが、Green Fuelを使えば簡単にかつ確実に環境に対するインパクトを持つことができます。
・このサービスが解決する社会課題はなんですか?
私は、CO2排出問題と資本主義経済に、根本的な矛盾があると考えています。
多くの国や企業は片方の手ではCO2排出を減らそうと言い、もう片方の手では電力や資源を際限なく使っています。この根本的な矛盾を解決しない限り、CO2排出問題を解決することはほぼ不可能ではないでしょうか。
しかし時間は限られています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次報告書では気温上昇幅を産業革命前と比べて1.5度に抑えるためには、温暖化ガス排出量のピークを遅くても2025年以前に迎える必要があるとしています。この目標を達成するには明確な動機の元に短期間で大量にCO2を減らすことが必要です。
そこでカーボンクレジットが登場します。もしGreen Fuelのサービスによって日本中・世界中の人々が日常的にCO2排出をオフセットするようになったら、今まで流れていなかった数百・数千億円ものお金が一気にCO2削減活動に流れ込みます。その環境へのお金の流れを作るためにもカーボンクレジットを簡単に扱うことができるプラットフォームが必要なのです。そのパイオニアとしてのGreen Fuelの存在意義があると考えています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
元々、Green Fuelは早稲田大学ビジネスプランコンテストで優勝したことから始まったプロジェクトです。
カーボンクレジットという概念が比較的まだ知られていないこともあり、いかにそのシステムを分かりやすく説明できるとかという点に苦労をしました。
ただ、大学の教授や環境省の方に自らヒアリングをしにいったり、大学の先輩起業家にピッチをしたりすることを通じて分かりやすく説明できるようになりました。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
日本だけでなく、海外でも使ってもらえる、カーボンクレジットの取引プラットフォームにしていきたいと思います。まさに世界中の人々・企業がCO2の計算とオフセットをするときに必ずGreen Fuelを使う、そんな未来を描いています。
・今の課題はなんですか?
今はチームメンバーをいかに募集するかに苦労しています。現在はほとんどの作業を私が進めているのですが、カーボンクレジットについてさらに専門的な知識を持っている方、環境経済学に詳しい方、起業に興味がある方を探しているのですが、なかなか見つからないのが難しいところです。
・読者にメッセージをお願いします。
まだGreen Fuelは大学生が始めた小さなプロジェクトかもしれません。しかしCO2排出問題を解決したいという情熱がある人、環境問題をビジネスから解決したいと思っている人がいればぜひ気軽にご連絡ください!
会社名 | Green Fuel |
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代表者名 | 川崎健士朗(かわさき けんしろう) |
創業年 | 2021年 |
事業内容 | 中小企業・個人向けのカーボンクレジット取引プラットフォーム |
代表者プロフィール | 川崎健士朗 2001年生まれ。高校2年生でフランスに留学して以来、環境問題に積極的に取り組む。現在早稲田大学国際教養学部2年生。早稲田大学ビジネスプランコンテスト2021年では400組以上の中から優勝した。2022年の秋より、カーボンクレジットや環境経済学をさらに深く学ぶためイギリスのUniversity of Oxfordに留学をする。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | CO2 GreenFuel カーボンクレジット 学生起業 川崎健士朗 早稲田大学 環境 |
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