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2025年7月7日【農林水産省】「環境保全型農業直接支払交付金」

農林水産省「環境保全型農業直接支払交付金」のご案内です。
・農業者の組織する団体等が実施する化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上低減する取組と合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い農業生産活動等に取り組む場合に支援を実施。
・地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い農業生産活動として、全国共通の取組のほか、地域の環境や農業の実態等を勘案した上で、地域を設定して支援の対象とする地域特認取組を都道府県の申請に基づき設定し、支援を実施。
・有機農業に新たに取り組む農業者の受入れ・定着に向けて、栽培技術の指導等の活動を実施する農業者団体に対し、活動によって増加した新規取組面積に応じて支援を実施。
対象となる農業生産活動等
・有機農業
・堆肥の施用
・緑肥の施用(カバークロップ、リビングマルチ、草生栽培、総合防除、炭の投入)
・メタン排出削減対策 など
交付金利用の注意点
取り組みを行う上での詳細な要件等は、取り組みを行う農地が所在する市町村に確認する必要があります。
また、この事業の申請受付事務や交付金の負担を行うことが難しい市町村もあることから、あらかじめ農地の所在する市町村に、申請が可能か相談することが必要です。
現代の農業において、化学肥料や農薬は作物の生産性を向上させるために欠かせない存在となっています。これらは長年にわたり、農業経営の安定を支えてきました。しかし、その一方で、化学物質の使用が環境に及ぼす影響は、近年ますます深刻な問題として注目されるようになっています。
特に農業は、土壌・水資源・生態系といった自然環境と密接に関わっているため、環境への負荷を軽減し、持続可能な農業へと転換する取り組みが強く求められています。こうした背景のもと、農林水産省は「環境に優しい農業」の実現を目指し、さまざまな支援策を展開しています。
その代表的な施策の一つが、「環境保全型農業直接支払交付金」です。この制度では、農業生産における化学肥料および化学合成農薬の使用量を50%以上削減することに加え、気候変動対策や生物多様性の保全に資する営農活動を実践する農業者に対し、経済的な支援を行います。
具体的な支援対象としては、有機農業の推進、土壌の健全性を保つための堆肥の活用、雑草の抑制や地温管理に効果のあるリビングマルチの導入などが挙げられます。これらは全国共通の基本的な実践項目として位置づけられており、取り組みの標準化と普及が図られています。
さらに、地域の特性に応じた独自の取り組みも推奨されており、その代表例が「冬期湛水管理(冬の間に水田に水を張る管理手法)」です。この方法は、水生生物の生息環境を保全し、温室効果ガスの排出を抑制する効果があるとされており、地域農業と自然生態系の共生を目指す先進的な実践として注目されています。
このように、現代農業は単なる生産性の向上にとどまらず、環境との調和を重視した新たな価値観のもとで変革を遂げつつあります。今後も、国の政策支援と現場の創意工夫を効果的に組み合わせることにより、より持続可能な農業の実現が期待されています。
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| カテゴリ | 公募 |
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| 関連タグ | 交付金 保全 化学合成農薬 化学肥料 有機栽培 有機農業 気候変動 環境保全型農業直接支払交付金 環境対応 生物多様性 農業 |
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