【農林水産省】「環境保全型農業直接支払交付金」

subsidy

農林水産省「環境保全型農業直接支払交付金」のご案内です。

・農業者の組織する団体等が実施する化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上低減する取組と合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い農業生産活動等に取り組む場合に支援を実施。

・地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い農業生産活動として、全国共通の取組のほか、地域の環境や農業の実態等を勘案した上で、地域を設定して支援の対象とする地域特認取組を都道府県の申請に基づき設定し、支援を実施。

・有機農業に新たに取り組む農業者の受入れ・定着に向けて、栽培技術の指導等の活動を実施する農業者団体に対し、活動によって増加した新規取組面積に応じて支援を実施。

対象となる農業生産活動等

・有機農業
・堆肥の施用
・緑肥の施用(カバークロップ、リビングマルチ、草生栽培、総合防除、炭の投入)
・メタン排出削減対策 など

交付金利用の注意点

取り組みを行う上での詳細な要件等は、取り組みを行う農地が所在する市町村に確認する必要があります。

また、この事業の申請受付事務や交付金の負担を行うことが難しい市町村もあることから、あらかじめ農地の所在する市町村に、申請が可能か相談することが必要です。


現代の農業において、化学肥料や農薬は作物の生産性を向上させるために欠かせない存在となっています。これらは長年にわたり、農業経営の安定を支えてきました。しかし、その一方で、化学物質の使用が環境に及ぼす影響は、近年ますます深刻な問題として注目されるようになっています。

特に農業は、土壌・水資源・生態系といった自然環境と密接に関わっているため、環境への負荷を軽減し、持続可能な農業へと転換する取り組みが強く求められています。こうした背景のもと、農林水産省は「環境に優しい農業」の実現を目指し、さまざまな支援策を展開しています。

その代表的な施策の一つが、「環境保全型農業直接支払交付金」です。この制度では、農業生産における化学肥料および化学合成農薬の使用量を50%以上削減することに加え、気候変動対策や生物多様性の保全に資する営農活動を実践する農業者に対し、経済的な支援を行います。

具体的な支援対象としては、有機農業の推進、土壌の健全性を保つための堆肥の活用、雑草の抑制や地温管理に効果のあるリビングマルチの導入などが挙げられます。これらは全国共通の基本的な実践項目として位置づけられており、取り組みの標準化と普及が図られています。

さらに、地域の特性に応じた独自の取り組みも推奨されており、その代表例が「冬期湛水管理(冬の間に水田に水を張る管理手法)」です。この方法は、水生生物の生息環境を保全し、温室効果ガスの排出を抑制する効果があるとされており、地域農業と自然生態系の共生を目指す先進的な実践として注目されています。

このように、現代農業は単なる生産性の向上にとどまらず、環境との調和を重視した新たな価値観のもとで変革を遂げつつあります。今後も、国の政策支援と現場の創意工夫を効果的に組み合わせることにより、より持続可能な農業の実現が期待されています。

起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「補助金ガイド」では、専門家に監修してもらいながら、創業手帳が実際に補助金申請を行った経験をもとに補助金・助成金のノウハウを解説しています。

また、日々更新される補助金・助成金の情報を、個人に最適化してメールでお知らせする「補助金AI」も運営しています。こちらもご活用ください。

ほかにも、資金調達のノウハウを集めた「資金調達手帳」も無料でお送りしています。ぜひご活用ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 公募
関連タグ 交付金 保全 化学合成農薬 化学肥料 有機栽培 有機農業 気候変動 環境保全型農業直接支払交付金 環境対応 生物多様性 農業
詳細はこちら

環境保全型農業直接支払交付金

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説

公募の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

2025年5月30日(金)分 青果物(野菜・果実)の卸売価格速報値
農林水産省は青果物の卸売価格を毎日更新し、ホームページで公表しています。 日別情報については速報性を重視し、取引当日の情報をもとに取りまとめています。 数値は主要卸売市場を合計したものです。表にない品…
株式会社TOMUSHI 双子代表の石田陽佑・石田健佑|農林水産カブトムシを用いた有機物処理、カブトムシ商品の製造・販売事業で注目の企業
農林水産カブトムシを用いた有機物処理、カブトムシ商品の製造・販売事業で注目なのが、双子の石田陽佑・石田健佑さんが2019年に創業した株式会社TOMUSHIです。 世界的な食糧危機が目前に迫っています。…
「みどりの食料システム戦略実現技術開発・実証事業のうちスマート農業の総合推進対策のうちデータ駆動型農業の実践・展開支援事業のうちスマートグリーンハウス展開推進」公募
農林水産省は、令和6年度「みどりの食料システム戦略実現技術開発・実証事業のうちスマート農業の総合推進対策のうちデータ駆動型農業の実践・展開支援事業のうちスマートグリーンハウス展開推進」の公募について発…
環境負荷の低い農業の普及に取り組む「坂ノ途中」が「パナソニック」と資本提携
2023年6月28日、株式会社坂ノ途中は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、パナソニック株式会社がSBIインベストメント株式会社と共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタルファンド…
【農林水産省】令和7年度「農家負担金軽減支援対策事業」公募
農林水産省は、令和7年度「農家負担金軽減支援対策事業」の公募について発表しました。 土地改良事業の円滑な推進を図るとともに担い手への農地集積等に取り組む地域に対し、土地改良事業の農家の負担金の軽減と計…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集