注目のスタートアップ

大型蓄電池の製造・販売や電気運搬船の開発を手がける「パワーエックス」が31.7億円調達

company

2025年3月7日、株式会社パワーエックスは、総額31億7000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

2024年9月および11月に実施した前半分の調達を含めると、シリーズCラウンド全体では約56.3億円を調達し、これにより累計資金調達額は約290.9億円となりました。

パワーエックスは、大型蓄電池システム「Mega Power」の製造・販売、EVチャージステーションのサービス展開、船舶用蓄電システムの開発・製造、再生可能エネルギー等の電力供給といった事業を展開しています。

拡大する顧客需要に応えるため、大型定置用蓄電池の製造能力を段階的に拡大して行く計画です。具体的には、稼働中の提携工場を2025年下半期を目処に増床する予定です。

また、岡山県玉野市の自社工場では第2製造棟(仮称)の建設を検討開始し、2027年下半期の量産開始を目指しています。


持続可能な開発目標(SDGs)の推進により、世界規模で再生可能エネルギーへの移行が進んでいます。

再生可能エネルギーには、太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱などの多様な種類がありますが、国際的には太陽光発電と風力発電が主流となっています。

日本国内では、広大な平坦地の確保が難しいため、大規模な太陽光発電設備の展開には一定の課題があります。風力発電についても、国内の風の弱さや台風などの災害対策が課題となり、その普及は遅れていました。

しかし、近年の技術革新により発電効率が向上し、地震や電力不足といった問題への対応や、政府によるFIT・FIP制度の導入などを背景に、国内でも再生可能エネルギーの導入が大きく進んでいます。

それでもなお、太陽光発電と風力発電の普及には課題が残っています。その中でもとくに重要なのが、蓄電池のコスト問題です。

太陽光発電や風力発電は時間や季節によって発電量が変動し、需要と供給のバランスを取ることが難しいため、電力を蓄えて必要な時に利用できる蓄電池が不可欠です。

しかし、蓄電池のコストは依然として高額であり、現在の国内の蓄電池システムは導入コストが割高なため、経済的なメリットを十分に享受できるストレージパリティを達成していません。

この課題に対し、パワーエックスは大規模な蓄電池製造工場の建設と、高性能で価格競争力のある国産蓄電池の製造に取り組んでいます。これにより、日本市場の平均価格を1/3に引き下げ、国内産の蓄電池によるストレージパリティの達成を目指しています。

事業の拡大には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB Power Ark エネルギー パワーエックス 再生可能エネルギー 大型蓄電池 定置用蓄電池 株式会社 蓄電池 製造 販売 電力 電気運搬船
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
法人成りとは?個人事業主が法人化するメリット・デメリットや手続きを徹底解説!
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

オンライン・コミュニケーションの質を高める動画解析AIサービス提供の「I’mbesideyou」が1.15億円調達
2021年1月4日、株式会社I'mbesideyouは、総額1億1,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 オンライン・コミュニケーションに特化したマルチ・モーダルAIを提供しています。 …
独自の無線多段中継テクノロジーによる無線通信ソリューションを提供する「PicoCELA」が「西尾レントオール」から資金調達
2023年1月16日、PicoCELA株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、西尾レントオール株式会社です。 PicoCELAは、無線通信に関する特許技術を活用した無線通信製品の…
ヘアサロン経営やスタイリング剤などを企画・販売する「レスプリ」が「野村キャピタル・パートナーズ」と資本提携 「リップス」に社名変更
2022年6月30日、株式会社リップスは、野村ホールディングス株式会社傘下の野村キャピタル・パートナーズ株式会社と資本提携契約を締結することになったことを発表しました。 また、株式会社レスプリから株式…
ラストワンマイル配送のルート最適化システム「Loogia」を提供する「オプティマインド」が20億円調達
2022年12月12日、株式会社オプティマインドは、総額約20億円の資金調達を実施したことを発表しました。 オプティマインドは、ラストワンマイル配送におけるルート最適化クラウドサービス「Loogia(…
リアル店舗向け顧客管理/販売促進プラットフォーム「toypo」提供の「トイポ」が資金調達
2021年7月29日、株式会社トイポは、資金調達を実施したことを発表しました。 リアル店舗向け顧客管理/販売促進プラットフォーム「toypo」を提供しています。 アプリを通じて、スタンプカードや、クー…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集