「大学発ベンチャー表彰2024」受賞者が発表

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2024年8月22日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「大学発ベンチャー表彰2024」の受賞者を発表しました。

「大学発ベンチャー表彰」は2014年度に開始した制度です。大学などの研究開発成果を活用して起業したベンチャーのうち、今後の活躍が期待される優れた大学発ベンチャーを表彰するとともに、特にその成長に寄与した大学や企業などを表彰しています。

2024年度の募集は2024年4月1日(月)~5月14日(火)の期間で行い、46件の応募がありました。外部有識者からなる「大学発ベンチャー表彰2024」選考委員会(別紙1)による応募書類の審査および面接審査を経て、大学発ベンチャー8社とその支援大学・支援企業の受賞を決定しました。

受賞名 対象分類 受賞者
文部科学大臣賞 ベンチャー キュエル株式会社
支援大学など 国立大学法人大阪大学 量子情報・量子生命研究センター
経済産業大臣賞 ベンチャー ソニア・セラピューティクス株式会社
支援大学など 国立大学法人東北大学 大学院工学研究科
支援企業 平田機工株式会社
科学技術振興機構理事長賞 ベンチャー 株式会社エキュメノポリス
支援大学など 早稲田大学 グリーン・コンピューティング・システム研究機構 知覚情報システム研究所
新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長賞 ベンチャー AWL(アウル)株式会社
支援大学など 国立大学法人北海道大学 情報科学研究院
日本ベンチャー学会会長賞 ベンチャー トレジェムバイオファーマ株式会社
支援大学など 国立大学法人京都大学 大学院医学研究科
支援企業 三洋貿易株式会社
アーリーエッジ賞 ベンチャー TopoLogic(トポロジック)株式会社
支援大学など 国立大学法人東京大学 大学院理学系研究科
大学発ベンチャー表彰特別賞 ベンチャー プラチナバイオ株式会社
支援大学など 国立大学法人広島大学 ゲノム編集イノベーションセンター
ベンチャー リンクメッド株式会社
支援企業 量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所

近年、大学や研究機関の研究成果や技術を基にしたビジネスが産業界で注目されています。

こうした科学的な発見や革新的なアイデアが社会に大きな影響を与える技術は「ディープテック」と呼ばれています。ディープテックが注目される背景には、SDGs(持続可能な開発目標)の推進があり、社会課題の解決に対する関心が高まっていることが一因となっています。

社会課題は根深く、解決が難しいものが多いですが、大学が持つ革新的な技術はこれらの課題を解決する可能性を秘めています。

一方、アカデミアでは研究者のキャリアに関する大きな問題が存在しています。たとえば、博士課程を修了後に大学や研究機関で任期付きの職に就いているポストドクター(ポスドク、博士研究員)は、不安定な立場にあり、その能力を十分に発揮できていないという課題があります。

本来、ポスドクは研究者としての経験を積んだ後、大学や研究機関で正規の職員として研究を続けたり、民間企業の研究職に就くことが一般的です。しかし、日本では大学院の定員が大幅に増えた一方で、大学や研究機関のポストは増えず、民間企業も博士人材の採用に消極的であるため、博士課程修了者が就職できないケースが増えています。

大学発ベンチャーは、こうした研究者にとって新たなキャリアの選択肢として重要な存在となっており、さまざまな関係者が大学発ベンチャーの創出に向けて取り組んでいます。

「大学発ベンチャー表彰」は、NEDOとJST(国立研究開発法人科学技術振興機構)が主催する表彰制度で、大学などの研究成果を基にした起業や、その後の挑戦的な取り組み、また大学や企業からの大学発ベンチャーへの支援をさらに促進することを目的としています。

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