注目のスタートアップ

非侵襲的大腸がんスクリーニングAIを研究開発する「Boston Medical Sciences」が4億円調達

company

2023年10月5日、Boston Medical Sciences株式会社は、総額4億円規模の資金調達を実施したことを発表しました。

この資金調達は、第三者割当増資と、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が提供する2023年度「ディープテック・スタートアップ支援事業(STSフェーズ)」の採択によるものです。

Boston Medical Sciencesは、ハーバード大学医学部とマサチューセッツ総合病院で教員・研究者を務める医師が2023年4月に設立した企業です。

非侵襲的大腸がんスクリーニングAIを研究開発しています。

下剤不要のバーチャル内視鏡検査システムである「AIM4CRC」を世界で初めて、日本から臨床実装することを目指しています。

今回の資金は、さらなる高精度化とプロダクト化に向けた研究開発、臨床検証と共同研究の推進、エンジニア/リサーチャーの採用強化、薬事・QMS/臨床開発の採用強化に充当します。


2021年にがんで死亡した人の推計値は約38万人で、死亡総数の26.5%を占めています。さらに、がんは1981年から41年連続で第1位の死因となっています。

このようにがんは国民病といえる疾患です。2019年のデータによると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性が65.5%、女性が51.2%であり、2人に1人以上ががんと診断されることがわかっています。

しかしながら、「平成28年国民生活基礎調査」によると、40歳~69歳のがん検診の受診率は、もっとも高い肺がん検診で、男性が51.0%、女性が41.7%です。

この受診率はOECD(経済協力開発機構)加盟国34か国中もっとも低い水準です。

早期発見・早期治療により9割のがんは治療できることがわかっているため、日本では受診率向上が喫緊の課題です。

大腸がんはすべてのがんのうち罹患率がもっとも多く、死亡数は肺がんに次いで2位の位置にあります。

一方で大腸がんの検診受診率は、2022年において45.9%(40歳~69歳の男女)という低さであることが課題です。

大腸がんの検査には、便の中に血液が含まれているかどうかを調べる便潜血検査、精密検査として、直腸指診、注腸造影検査、下部消化管内視鏡検査があります。

注腸造影検査や下部消化管内視鏡検査は、下剤によって腸のなかを空っぽにする必要があったり、内視鏡の挿入が必要であったりなど、身体的・精神的に負担がかかるものであるため、検査に抵抗を感じる人が多いという課題を抱えています。

Boston Medical Sciencesは、この大腸がん検査の課題を解決するため、下剤不要のバーチャル内視鏡検査システムを研究開発しています。

研究開発を進めるには資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AIM4CRC Boston Medical Sciences BtoB がん バーチャル内視鏡検査システム 内視鏡 大腸がん 検査 研究開発 非侵襲的大腸がんスクリーニングAI
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
普通の人が起業するには?成功する5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

クリエイターとの連携を軸に多彩なエンターテインメント事業を展開する「灯白社」が資金調達
2025年1月10日、株式会社灯白社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、GENDA Capital 1号投資事業有限責任組合です。 灯白社は、イラストレーターやクリエイターとの連携を…
【3/21開催】「DEEP TECH SUPPORT FESTA 2024~最新の支援施策メニューをまとめて配信!~」研究開発型スタートアップ・起業準備者・研究者を対象としたイベント
2024年2月27日、独立行政法人中小企業基盤整備機構関東本部は、神奈川県と連携し、「DEEP TECH SUPPORT FESTA 2024~最新の支援施策メニューをまとめて配信!~」を2024年3…
農業畜産分野のゲノム編集研究開発受託サービスを提供する「セツロテック」が「住友商事」と資本業務提携
2022年11月25日、株式会社セツロテックは、住友商事株式会社と、第三者割当増資を含む資本業務提携契約の締結に合意したことを発表しました。 セツロテックは、ゲノム編集技術により農業畜産分野での新品種…
【8/6締切】「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」中小企業・スタートアップ等の研究開発助成および事業化支援
公益財団法人東京都中小企業振興公社は、「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」について発表しました。 都内中小企業等が「イノベーションマップ」に基づき、自社のコア技術を基盤として、社外の知見やノウハ…
データ・AI活用やデジタルビジネスのコンサルティングなどを手がける「データミックス」が1.22億円調達
2024年4月2日、株式会社データミックスは、1億2,200万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、NTTファイナンス株式会社と株式会社FEインベストです。 データミックスは、データ・…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集