注目のスタートアップ

遠隔ICUサポートサービスを展開する「Vitaars」が5.1億円調達

company

2023年6月27日、株式会社Vitaarsは、総額5億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Vitaarsは、遠隔ICUサポートサービスを展開しています。

ICTを活用した遠隔ICUの国内導入から、関連領域である遠隔救急・遠隔麻酔などを視野に入れ、遠隔で医療従事者を支援するシステムやサービスの研究開発、重症患者の治療を集中医療科医が診療サポートを行う遠隔相談サービス「リリーヴ」、遠隔モニタリングシステム「クロスバイ」、開発途上国の救急・集中治療に従事する医師・看護師を対象とした遠隔サポートなどを手がけています。

今回の資金は、遠隔ICUサポートシステムの研究開発、遠隔ICUを中心に遠隔麻酔や遠隔救急などの周辺領域での事業を推進するための体制構築・強化などに充当します。


ICU(集中治療室)は、生命の危機にある急性の重症患者に対し、効果的かつ集中的な医療・看護を行う特別な病室のことです。

ICUは、さまざまな高度な知識・技術を持つ専門医師である集中治療医と、そのパートナーとなる専門の知識・技術を持った集中ケア認定看護師といった人材を必要とします。

日本集中治療医学会は、2021年4月時点で2,127人の集中医療医を認定しています。

また、日本集中治療医学会は、コロナ禍を受け、2021年9月13日に、集中治療医療提供体制を強靭化するための提言を行っています。日本の集中治療医療体制は、諸外国と比べてICUの病床数が不足していること、ICU病床の規模が小さいこと、集中治療科医とICU配置看護師の不足が課題であることを指摘しています。

この課題は、パンデミックや災害などによって通常のキャパシティを超えて重症患者を受け入れる必要が生じた場合、救命率の低下と命の選別が迫られる状態になるリスクを高めます。

現在の集中治療医療提供体制を改善するためには、集中治療医の数、ICUベッド数どちらも増やすことが必要となるのですが、集中治療医は専門的な技術が求められるため、単純に人数を増やすということは困難となっています。

そこで導入・普及が推進されているのが遠隔ICUです。

遠隔ICUとは、ネットワークを介して全国のICUを接続することで複数の医療従事者で複数の患者のモリタリングを可能にしたり、センターに常駐する集中治療医療医とネットワークを介して医療従事者がリアルタイムのコミュニケーションを取り専門的なサポートを行うことによる集中治療医療の均質化などを実現するシステムです。

事業の拡大には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ ICT ICU Vitaars モニタリング リリーヴ 医師 医療 株式会社 病院 相談 資金調達 遠隔 遠隔ICU 集中治療医学
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
【初心者向け】事業計画書の書き方18ステップ|起業・融資対応テンプレート付
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

集束超音波(HIFU)治療装置開発の「ソニア・セラピューティクス」が5.3億円調達
2021年6月12日、ソニア・セラピューティクス株式会社は、総額約5億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 がん治療機器である、集束超音波(HIFU:High-Intensity F…
ゲーム開発事業を展開する「ネコノメ」が資金調達
2024年8月31日、株式会社ネコノメは、資金調達を実施したことを発表しました。 ネコノメは、ゲームアプリ開発、Webゲーム開発、ゲーム関連サービスの提供を行っています。 代表作に、スマートフォン向け…
EV充電サービスを展開する「プラゴ」が資金調達
2023年1月18日、株式会社プラゴは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、総合リース会社3社(JA三井リース株式会社、東京センチュリー株式会社、三井住友ファイナンス&リース株式会社)で…
次世代AI OCR「SmartRead」などを提供する「Cogent Labs」が「NTTファイナンス」から資金調達
2023年10月3日、株式会社Cogent Labsは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、NTTファイナンス株式会社です。 Cogent Labsは、AIの認識・自然言語処理技術を活か…
日本酒缶ブランド「ICHI-GO-CAN」などを展開する「Agnavi」が「JR東日本スタートアップ」と資本業務提携
2023年4月18日、株式会社Agnaviは、JR東日本スタートアップ株式会社を引受先とするS種優先株式の新株発行による第三者割当増資による資金調達を実施したことを発表しました。 Agnaviは、1合…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集