「経営所得安定対策」

subsidy

農林水産省は、「経営所得安定対策」について発表しました。

経営所得安定対策では、担い手農家の経営の安定に資するよう、諸外国との生産条件の格差から生ずる不利を補正する交付金(ゲタ対策)と、農業者の拠出を前提とした農業経営のセーフティネット対策(ナラシ対策)を実施しています。

また、2019年からは、すべての農産物を対象に収入の減少を広く補償する「収入保険制度」も実施しています。

さらに、食料自給率・食料自給力の維持向上を図るため、飼料用米、麦、大豆などの戦略作物の本作化を進め、水田のフル活用を図る水田活用の直接支払交付金(水活)も実施しています。

畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)

ゲタ対策は、諸外国との生産条件の格差により不利がある国産農産物の生産・販売を行う農業者に対して、「標準的な生産費」と「標準的な販売価格」の差額分に相当する交付金を直接交付する制度です。

交付金の支払いは生産量と品質に応じて交付する数量払を基本とし、当年産の作付面積に応じて交付する面積払は数量払の先払いとして支払われます。

支援の対象となる農業者は、認定農業者、集落営農、認定新規就農者です。


農業は、人間が生きていくために必要な食料を生産する重要な産業です。

しかし日本の食料自給率はピークだった1965年度の73%から減少を続け、2021年度には38%へと落ち込んでいます。

食料の6割を輸入に頼っているという状況であり、この状況は有事があった際に食料が入ってこなくなるというリスクが指摘されていました。

そして2020年以降のコロナ禍によってそのリスクは顕在化し、食料自給率の向上は国として大きな課題であることが認識されています。

一方、農業は、少子高齢化による人手不足、農業全体の高齢化、厳しい営農環境などを課題として抱えています。

農家の所得は非常に低いことが指摘されますが、これには農業以外の仕事を持っている農家や、年金を受給しながら農業に取り組んでいる農家も含まれています。

専業農家(主業農家)にのみ絞った場合、1経営体あたりの所得は約420万円であり、これに補助金などが上乗せされてきます。

とはいえ、農業は災害などによって大きく所得が落ち込む年があったり、近年は肥料などの資材価格の高騰があり、利益が落ち込んでいるという現状があります。

そのため補助金・助成金・交付金などを最大限活用することが重要です。

起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「補助金ガイド」では、専門家に監修してもらいながら、創業手帳が実際に補助金申請を行った経験をもとに補助金・助成金のノウハウを解説しています。また、日々更新される補助金・助成金の情報を、それぞれ最適化してメールでお知らせをする「補助金AI」をリリースしました。こちらもご活用ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 公募
関連タグ ゲタ対策 セーフティネット ナラシ対策 水活 生産 経営所得安定対策 農家 農林水産省 農業 農産物
詳細はこちら

経営所得安定対策

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

公募の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

サブサハラアフリカの小規模農家向けサプライチェーン効率化事業展開の「Degas」が2.4億円調達
2020年11月2日、Degas株式会社は、総額2億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 サブサハラアフリカ (アフリカのサハラ砂漠以南地域) の小規模農家向けに農業サプライチェーン…
テクノロジーを駆使して農業の生産から販売まで一気通貫で支援する「Happy Quality」が4.5億円調達
2023年3月7日、株式会社Happy Qualityは、総額4億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Happy Qualityは、農家の減少、高齢化と承継者不足による農業技術の喪…
「産地生産基盤パワーアップ事業(新市場対応に向けた拠点事業者の育成及び連携産地の体制強化支援)」補助金
農林水産省は、令和5年度補正「産地生産基盤パワーアップ事業(新市場対応に向けた拠点事業者の育成及び連携産地の体制強化支援)」の1回目公募について発表しました。 農産物貿易をめぐる国際環境の変化等に伴い…
農業特化の経営管理クラウド「RightARM」を提供する「テラスマイル」が3.3億円調達
2023年9月13日、テラスマイル株式会社は、総額3億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 テラスマイルは、農業特化の経営管理クラウド「RightARM(ライトアーム)」を開発・提供…
「協働事業計画」第1期公募
2023年11月24日、農林水産省は、「協働事業計画」に係る第1期公募について発表しました。 食料生産・供給の不安定化や労働力不足等の生産構造や国際環境の変化の中でも、需給ギャップの拡大が懸念される品…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集