「未来の正解は起業家自身がつくる」ガイアックス上田祐司 氏が語るシェアリングエコノミー活用法(インタビュー後編)

創業手帳

「自身が語るストーリーを信じ込ませる」ことが必要

(2017/08/17更新)

「学生の頃から、人に喜んでもらうことに生きがいを見出していた」という、株式会社ガイアックス代表執行役社長 上田祐司氏。持ち前のプログラミング技術を活かして「人と人をつなげる」をミッションに、今でいうソーシャルメディアの分野で起業しました。
後編では、ガイアックスが取り組んでいる「ブロックチェーン」を使用したサービスや、投資家として投資する際に考えているポイントについて、お話を伺いました。

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上田 祐司(うえだ ゆうじ)
1997年の大学卒業後に起業を志し、ベンチャー支援を事業内容とする会社に入社。一年半後、同社を退社。1999年、24歳で株式会社ガイアックスを設立する。30歳で名証セントレックス市場へ上場。
AppBank株式会社、ピクスタ株式会社、株式会社東京個別指導学院の社外取締役、また、一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事、一般社団法人日本ブロックチェーン協会理事を務める。同志社大学経済学部卒。

シェアリングエコノミーと相性がいい「ブロックチェーン」

ーブロックチェーンについてうかがいたいのですが、具体的に自社でどんなサービスをされているのですか?

上田:ブロックチェーンというのは分散型の台帳の技術なんですね。記録をするということに秀でた技術で、みんなの力で正しく安全に台帳を管理できるというシステムです。
この技術は、既存のシステムの在り方を変えていくものだと、我々は確信しています。

ーブロックチェーンの中の一部であるビットコインの話になりますが、誰かが一人で管理するよりは、分散したほうが信頼性が高いということですよね。実際、お金を扱うので信頼性も重要になってきますしね。

上田:そうですね。ブロックチェーンは、お金の残高や振り込み状況を管理・記録できますが、お金以外も全て記録できるので、我々はシェアリングエコノミーの分野でブロックチェーンを活用しています。例えばシェアリングエコノミーは、必ず個人情報を確認しなければいけませんが、そのために個人の免許証確認に利用することもできます。そのテクノロジーとしてブロックチェーンを使ってやっていきます。

将来的にはメールなんかもブロックチェーンに載せていくことができるんじゃないか、と考えていまして、シェアリングエコノミーと相性がよく、基盤になりうる技術だと思っています。

未来の「正解」は起業家自身がつくるもの

ー投資家として、20社ほどに投資していらっしゃいますが、こういう会社、こういう社長に投資したいというイメージはありますか?

上田投資先のポイントとしては、まず「その市場が大きく、ちゃんとしたものであるかどうか」を見ています。次にそのなかの競合に勝てるか勝てないかを見ます。それは今日時点で勝っているかどうかではなく、投資後に勝つストーリーを策定できているのかどうかを見ます。

事業計画やストーリーはどうしても変わっていくので、一度決めたものでなければいけないことはないのですが、ストーリーの策定さえもしていなければ、勝てるわけはありません。ストーリーが崩れたらすぐ策定しなおすことを含めて、計画を練ることは必要です。

あとは、経営者として、そのストーリーを他人に信じ込ませることができるかどうかですね。自身が信じたストーリーを投資家と共有できてこそ、世の中を変えていけると思っています。

結局のところ、どういう未来がやってくるかなんて誰にも分からなくて、いろいろな可能性があると思うんです。要は、世の中の大部分の人を、いかに自分が思っている世界に持っていけるかという闘いです。だから正解というものはなくて、起業家自身の力で正解に持っていくことが重要です。

ーいろいろな起業家の方を見ていますと、当初の計画通りに事業を進めている会社はほとんどありません。事業が計画通りうまくいかなかったとき、何が重要になるのでしょうか。リカバリーの速さでしょうか。

上田:リカバリーの速さは重要です。あとは全体感をつかめるっていうことでしょうね。仮に業績が右肩上がりしていても、競合企業に大差で負けているのであれば、右肩上がりの意味が全くありません。

事業や計画に関してはコロコロ変えてもいいんですけど、どこの分野でも対比できないほどの競争優位性を持って消費者の支持を得ていくことに意識を集中しているかどうかっていうのは重要でしょうね。

創業直後の企業こそシェアリングエコノミーを活用して

ー最後に起業家の方へのメッセージをいただけますか。

上田経営の勉強は、やったほうがいいですね。一通り経営の本を読んで知識を身に付けることは必須とした上で、いろいろな人から話を聞くことも重要だと思います。自分もアホなぐらいインプットをしていきました。

悩んだときは、パッと本を5~6冊買うように、関係者5~6人を呼んで話を聞けばいいんです。例えば、何かを改善するときは、それに関連するプロフェッショナルを呼んで提案してもらったり、発注を検討しているんだったら、プロフェッショナルにいくつか提案してもらう。それを聞くだけでも勉強になりますし、その中で一番いいなと思うところに発注すればいい。
プロの話を聞く、経営者の話を聞くというのはすごく重要ですね。

シェアリングエコノミーというビジネスが、BtoC(個人顧客相手のビジネス)からCtoC(個人顧客同士のビジネス)的に変わって、その流れに合わせて世の中全体が変わっています。
メディアに関しても同じで、テレビなどの媒体からウェブとかブログメディアに移ったり、口コミを信じたりと、メディアも本当に大きく変わったと思います。
そんな中で企業を作ってシェアリングエコノミーを活用しない手はないだろうなと思います。

ー創業したばかりの会社が、シェアリングエコノミーをどう使えばいいのでしょうか。

上田まず、自社にないものは買おうと思わずに、外部が提供しているシェアリングエコノミーのサービスを使うんです。買ってしまったら余ります。例えばオフィスも借りたら、少なからずオフィス内のスペースが余ってしまいます。そういった余ったものは、即座にシェアに出すべきです。

シェアリングエコノミーにおける市場はまだ成熟化していません。ちょっといい会場とかであれば、サービス精神を持って貸し出せば、すごく収益性が上がります。例えばうちでも農家さんが何人か登録していますが、稼いでいる人は月7日だけ働いて50万とか稼いでいます。
創業直後のベンチャーは、経営にシェアリングエコノミーを生かしたらいいですね。

起業は世の中のニーズや悩みごとを解決するためにするもの
ガイアックス上田氏が語る、人と人がリアルに繋がる「シェアリングエコノミー」の可能性(インタビュー前編)

(取材協力:株式会社ガイアックス/上田 祐司
(編集:創業手帳編集部)

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