注目のスタートアップ

がんのウイルス免疫療法を開発・実用化に取り組む「サーブ・バイオファーマ」が10億円調達

company

2022年12月28日、サーブ・バイオファーマ株式会社は、DCIパートナーズ株式会社が運営管理する大和日台バイオベンチャー2号投資事業有限責任組合、および、鹿児島銀行系の鹿児島ディベロップメント株式会社が運営管理するかごしまバリューアップ投資事業有限責任組合の合計2社を引受先とする第三者割当増資等により、総額10億円規模の出資を受ける契約を結んだことを発表しました。

サーブ・バイオファーマは、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科遺伝子治療・再生医学分野の小戝健一郎教授が発明した、がん細胞だけを攻撃し正常細胞は攻撃しない「多因子制御の増殖型アデノウイルス」(m-CRA)を作り出すプラットフォーム技術を使って作製した「次世代の腫瘍溶解性ウイルス」を用いた、がんへのウイルス免疫療法の開発・実用化に取り組んでいます。

今回の資金は、事業の拡大・加速化に充当します。

腫瘍溶解性ウイルスとは、がん細胞に感染して細胞死させるウイルスのことです。

がん細胞は正常細胞と比べてウイルスに弱いとされており、狂犬病ワクチンを投与した子宮頸がん患者の腫瘍が縮小したなどの報告などから、ウイルスを利用したがん治療の可能性については研究が進められてきました。

近年の遺伝子技術の発展により、がん細胞だけで特異的に増殖するウイルスの作製が可能となっており、研究開発が活発になっています。

国内では、2021年に、腫瘍溶解性ウイルスが悪性神経膠腫(脳腫瘍の一種)の治療として承認されています。

国外では、皮膚およびリンパ節のメラノーマ病変の治療において承認されています。

腫瘍溶解性ウイルスは新たながん治療のひとつとして期待されています。

また、他の次世代がん治療と比べた利点のひとつに、腫瘍溶解性ウイルスの投与によって免疫が働き、その免疫がウイルスを排除する過程でがん細胞も排除するため、がん細胞を免疫に認識させることができ、抗がん免疫ができるという点が挙げられます。

将来的にスタンダードな治療法となる可能性も秘めており、今後の動向に注目が必要です。

研究開発を主体としたビジネスでは、ビジネスとして軌道に乗るまでに研究開発のための資金が必要となります。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ ウイルス がん サーブ・バイオファーマ 免疫療法 医療 株式会社 治療 腫瘍溶解性ウイルス 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

法人向けにオンライン診療などの健康支援プログラムを提供する「リンケージ」が5.5億円調達
2022年3月30日、株式会社リンケージは、総額約5億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 リンケージは、従業員のストレス要因を多角的に分析できるメンタルウェルネスサービス「Rasi…
「luco」がライブ配信用素材マーケットプレイス「スコマド」をリリース
2023年4月28日、株式会社lucoは、「スコマド」をリリースしたことを発表しました。 「スコマド」は、ライブ配信用素材マーケットプレイスです。 2023年5月現在、季節やイベントに合わせた素材や、…
全国の農家や漁師などの生産者と消費者をつなぐアプリ運営の「ポケットマルシェ」が資金調達
2020年12月21日、株式会社ポケットマルシェは、資金調達を実施したことを発表しました。 全国の農家や漁師などの生産者と消費者をつなぐアプリ「ポケットマルシェ」を運営しています。 また、引受先の農林…
独自開発IoTデバイスを活用したOMOマーケティングなど展開の「アドインテ」が21.25億円調達
2020年6月8日、株式会社アドインテは、総額21億2,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 独自開発したIoT端末「AIBeacon」を活用したOMOマーケティングや、リテール・メディ…
企業向けの働くサードプレイスポートフォリオ「テレスペ」がリリース
2022年6月9日、テレワーク・テクノロジーズ株式会社は、「テレスペ」を提供開始したことを発表しました。 「テレスペ」は、従量課金制のサテライトオフィスのポートフォリオを組むサービスです。 社員の居住…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集