注目のスタートアップ

レアメタルリサイクルベンチャーの「エマルションフローテクノロジーズ」が1億円調達

company

2022年10月18日、株式会社エマルションフローテクノロジーズは、株式会社日本政策金融公庫からの新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)により、1億円の資金調達を実施したことを発表しました。

直近では、2022年9月13日に、総額4.5億の資金調達を発表しています。

エマルションフローテクノロジーズは、原子力機構が開発した溶媒抽出技術“エマルションフロー”を活用した事業を展開するレアメタルリサイクルベンチャー企業です。

2021年6月3日に、原子力機構発ベンチャー企業として認定されています。

エマルションフローは、従来の溶媒抽出技術と比較し、低コスト・高効率・高純度な元素分離を可能にする技術です。

この技術をもとに、リチウムイオン電池に含まれるレアメタルの低コスト・低環境負荷・高純度な回収する技術を確立し、回収したレアメタルをハイテク産業で再び利用できるようにする水平リサイクルを実現することを目指しています。

溶媒抽出法とは、水と油のように互いに混じり合わない液体において、液体への溶けやすさの違いを利用した物質の分離・濃縮方法のことです。

たとえば、水と油の場合、水には水溶性の成分が、油には油溶性の成分が溶けやすく、分離後に片方の液体を移し替えて蒸発させることで水/油に溶けた成分を取り出すことが可能です。

食用油、香料、レアメタル、ウランなどの濃縮・精製・抽出に利用されています。

従来の溶媒抽出法は、液体を混ぜる、置く、分離するという3つのプロセスが必要となります。一方で、エマルションフローは、送液という1つのプロセスで溶媒抽出を可能とする革新的な手法です。

これにより、従来の溶媒抽出法よりも装置が小さくなり、10倍の生産性を実現し、ランニングコストも抑えることが可能です。

さらに、分離・精製能力も高く、高純度な元素の精製(99.99%以上)、分離困難な元素(レアアースなど)の精製も可能です。

エマルションフローテクノロジーズは、いまだ実証段階にあるレアメタルのリサイクル技術においてエマルションフローを適用し、採算性を得られる低コストで高効率なレアメタルリサイクル技術を確立することを目指しています。

最先端の技術の開発には豊富な資金が必要となります。近年は事業化に時間がかかるにしても、大きな革新をもたらす技術に対して出資する投資家が多くなってきています。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ エマルションフロー エマルションフローテクノロジーズ リサイクル リチウムイオン電池 レアメタル 分離 利用 回収 技術 株式会社 溶媒抽出技術 産業 研究開発 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

データベース型iPaaSを展開する「Yoom」が8.4億円調達
2022年8月2日、Yoom株式会社は、総額8億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、2022年6月23日付で新会社Yoom株式会社を設立し、株式会社TimeTechnolog…
AI校正・誤字脱字チェックサービス「Shodo」を運営する「ゼンプロダクツ」が資金調達
2022年11月1日、株式会社ゼンプロダクツは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、「埼玉りそな創業応援ファンド(エクイティ)」です。 ゼンプロダクツは、AI校正・誤字脱字チェックサービ…
スポーツ・ウェルネスD2Cの「TENTIAL」が資金調達
2020年7月1日、株式会社TENTIALは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、株式会社アカツキや、プロ・テニス・プレイヤーの西岡良仁選手などです。 スポーツ・メディア「SPOSHIR…
オンラインピル診療サービス「mederi Pill」を展開する「mederi」が「セルソース」から資金調達
2023年11月2日、mederi株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、セルソース株式会社です。 mederiは、オンラインピル診療サービス「mederi Pill(メデリピル…
中野晴啓氏による新たな資産運用会社「なかのアセットマネジメント」が6億円調達
なかのアセットマネジメント株式会社は、6億円の資本調達を実施することを発表しました。 引受先は、スパークス・グループ株式会社と、第一生命ホールディングス株式会社です。 また、これまで個人投資家等から約…

大久保の視点

「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
Coral Capitalが虎ノ門ヒルズで「Startup Aquarium 2024」を開催。VCが大規模キャリアイベント
ベンチャーキャピタルのCoral Capitalが主催する「Startup Aquarium 2024」が2024年3月2日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されま…
(2024/3/2)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】