創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2022年9月12日2022年10月以降の「雇用調整助成金等」「休業支援金等」の特例措置と「産業雇用安定助成金」の拡充について
2022年8月31日、厚生労働省は「令和4年10月以降の雇用調整助成金の特例措置等」「産業雇用安定助成金の拡充」について発表しました。
新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の特例措置は、2022年10月~11月は上限額を引き下げます。
施行にあたっては厚生労働省令の改正等が必要となるため、確定事項ではありません。
雇用調整助成金等(括弧書きの助成率は解雇等を行わない場合)(※1) | |||
---|---|---|---|
2022年7~9月 | 2022年10~11月 | ||
中小企業 | 原則的な特例措置(※2) | 4/5(9/10) 9,000円 |
4/5(9/10) 8,335円(※3) |
地域特例(※4) 業況特例(※5) |
4/5(10/10) 15,000円 |
4/5(10/10) 12,000円 |
|
大企業 | 原則的な特例措置 | 2/3(3/4) 9,000円 |
2/3(3/4) 8,355円(※3) |
地域特例(※4) 業況特例(※5) |
4/5(10/10) 15,000円 |
4/5(10/10) 12,000円 |
(※1)原則的な措置、地域・業況特例のいずれについても、令和3年1月8日以降の解雇等の有無で適用する助成率を判断。
(※2)生産指標が、前年同期比(前々年同期、3年前同期又は過去1年のうち任意月との比較でも可)で1か月5%以上減少している事業主。令和4年10月以降は、生産指標が前年同期比(前々年同期、3年前同期又は過去1年のうち任意月との比較でも可)で1か月10%以上減少している事業主。
(※3)雇用保険の基本手当の日額上限(8,355円)との均衡を考慮して設定。
(※4)緊急事態措置を実施すべき区域、まん延防止等重点措置を実施すべき区域(以下「重点措置区域」という)において、知事による、新型インフルエンザ等対策特別措置法第18条に規定する基本的対処方針に沿った要請を受けて同法施行令第11条に定める施設における営業時間の短縮等に協力する事業主。
※重点措置区域については、知事が定める区域・業態に係る事業主が対象。
※各区域における緊急事態措置又は重点措置の実施期間の末日の属する月の翌月末まで適用。
(※5)生産指標が、最近3か月の月平均で前年、前々年又は3年前同期比で30%以上減少している事業主。なお、令和4年4月以降は毎月業況を確認している。
休業支援金等 | |||
---|---|---|---|
2022年7~9月 | 2022年10~11月 | ||
中小企業 | 原則的な措置(※3) | 8割 8,355円(※7) |
8割 8,355円 |
地域特例(※8) | 8割 11,000円 |
8割 8,800円 |
|
大企業(※6) | 原則的な措置(※3) | 8割 8,355円(※7) |
8割 8,355円 |
地域特例(※8) | 8割 11,000円 |
8割 8,800円 |
(※6)大企業はシフト制労働者等のみ対象。
(※7)令和4年7月までの上限額は、8,265円。
(※8)休業支援金の地域特例の対象は、雇用調整助成金と同じ(左記※4)。
なお、地域特例については月単位での適用とする。
(例:5月10日から5月24日までまん延防止等重点措置→5月1日から6月30日(解除月の翌月末)までの休業が地域特例の対象)
【産業雇用安定助成金の拡充】
コロナの影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合に、出向元と出向先の双方の事業主に対して助成を行うものです。
「出向運営経費」:賃金、教育訓練及び労務管理に関する調整経費など、出向中に要する経費の一部
・中小企業:上限12,000・1人1日あたり・助成率4/5(解雇なし9/10)
・中小企業以外:上限12,000・1人1日あたり・助成率2/3(解雇なし3/4)
「出向初期経費」:就業規則や出向契約書の整備費用、出向元事業主が出向に際してあらかじめ行う教育訓練、出向先事業主が出向者を受け入れるための機器や備品の整備など
・出向元事業主・出向先事業主ともに、1人あたり10万円
・生産性指標要件が一定度悪化した企業からの送り出し等による加算額:1人あたり5万円
現行制度では支給対象期間が1年ですが、拡充案では2年間へと延長します。
また、現行制度では支給対象者数は、出向元・出向先ともに1年度あたり500人ですが、拡充案では出向元については上限を撤廃します。
さらに、出向復帰後の訓練(off-JT)に対する助成を新設します。これは、出向元に復帰後に、出向によって得たスキル・経験をブラッシュアップさせる訓練に対して助成するという内容です。
—
2021年4月に発出された「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」は、2021年9月30日に全都道府県で解除されました。
飲食店などでは、新型コロナウイルス感染症の影響によって遠のいた客足はすぐに戻ってくるわけではないため、「緊急事態宣言」等が解除されたからといって即座に支援等が打ち切られてしまうと厳しいという状況にあります。
そのため、「雇用調整助成金」や「休業支援金」の特例措置は、幾度も延長が決定されています。
今回発表されたのは、2022年10月~11月の具体的な助成内容です。ただしこの内容の施行にあたっては厚生労働省令の改正等が必要であるため、現時点での予定となっています。
また今回は、2022年10月以降の「雇用調整助成金」「休業支援金」の特例措置だけでなく、「産業雇用安定助成金」の拡充案についても発表されています。
「産業雇用安定助成金」は、新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合、出向元と出向先の双方の事業主に対して、その出向に要した賃金や経費の一部を助成するものです。
たとえば、コロナ禍によって大きな打撃を受けた航空業界では、社員を他企業へと出向させる取り組みが報道されましたが、こういった取り組みを支援する制度になります。
出向は単なる人件費の削減だけでなく、出向先で新たなスキルを得ることができるといったメリットがあります。今回の拡充案ではこの点も勘案されており、出向を上手く活用することが重要となっています。
起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「補助金ガイド」では、専門家に監修してもらいながら、創業手帳が実際に補助金申請を行った経験をもとに補助金・助成金のノウハウを解説しています。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。カテゴリ | 制度改正 |
---|---|
関連タグ | 休業支援金 出向 助成金 厚生労働省 新型コロナウイルス 特例措置 産業雇用安定助成金 給付金 補助金 雇用調整助成金 |
制度改正の創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
2021年9月9日、株式会社Relicは、提供する「CROWDFUNDING NETWORK Powered by ENjiNE」が、「サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金(通称:IT導入補助…
政府は2021年11月19日(金)の臨時閣議において、新たな経済対策を決定致しました。その金額は過去最大の55.7兆円。 その中でも注目なのが、新型コロナウイルスにより事業活動に影響を受け、売上が減少…
「地域再生支援利子補給金制度」のご案内です。 地域再生に資する事業の実施者が金融機関から当該事業を実施するうえで必要な資金を借入れる場合に、国が当該金融機関を指定したうえで、予算の範囲内で、利子補給金…
厚生労働省は「受動喫煙防止対策助成金」について発表しました。 中小企業事業主による受動喫煙防止のための施設設備の整備に助成金を交付します。 対象事業主 労働者災害補償保険の適用事業主で、中小企業事業主…
在宅勤務のニーズ高まりに対応 新型コロナウィルス感染症(以下、新型コロナ)の影響拡大を受け、「IT導入補助金2020」の1次公募が始まりました。 IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の課題解決やニ…
大久保の視点
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…