注目のスタートアップ

再生医療による不妊治療の実現を目指す「Dioseve」が4億円調達

company

2022年8月18日、株式会社Dioseveは、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しました。

Dioseveは、iPS細胞の分化誘導により、卵子(卵母細胞)を短期間に大量に作成できる独自技術「DIOLs(Directly Induced Oocyte-like cells)」を保有しています。

この技術を活用し、不妊治療や遺伝病の原因究明などのソリューションの提供を目指しています。

不妊治療では、患者の組織から作成したiPS細胞を卵子に分化誘導させることで、不妊とされる女性が自身の遺伝子を受け継いだ子どもを授かることができる治療の実現を目指しています。

今後、卵子作成技術の確立、治療提供に向けた研究開発、人材採用の加速を図っていきます。

国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年)によると、不妊を心配したことがある(または現在心配している)夫婦の割合は35.0%で、子どものいない夫婦では55.2%となっています。

また、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は全体で18.2%で、子どものいない夫婦では28.2%となっています。

つまり約5組に1組が検査や不妊治療の経験があるということになります。

不妊治療では体外受精という手法があります。日本は体外受精の実施件数については世界1位であり、2019年は14人に1人(約6万人)が体外受精で誕生しています。

また、若い卵子のほうが出産率が高いというデータがあるため、体外受精では若いうちに卵子を採取・冷凍保存しておき、妊娠したいタイミングで体外受精を行うという方法が考えられます。

卵子の冷凍保存はまだ認知度が高くありませんが、有効な手法であるため今後認知度が高まっていくことが考えられます。

一方で、卵巣機能が低下していたり不全に陥っている場合は、若い卵子を採取することもできません。そのため現状では自身の遺伝子を受け継いだ子どもを授かることは諦めるしかありません。

Dioseve「DIOLs」は、iPS細胞を卵子に分化誘導させられるという画期的な技術です。

もともとiPS細胞は万能細胞といわれ、あらゆる細胞への分化できることが理論的に知られており、不妊治療においても将来的にiPS細胞によって卵子を作ることができると考えられていました。

Dioseveは、iPS細胞を利用した不妊治療を実現するため、研究開発を進めています。

医療や農業など、さまざまな社会課題が喫緊の課題となっています。こうした社会課題を解決するビジネスは事業化までに非常に困難な道のりを歩むことになるでしょう。そのため、十分な資金を確保し資金面での問題をなくすことが重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Dioseve iPS細胞 ディオーシヴ 不妊 不妊治療 再生医療 卵子 卵母細胞 株式会社 細胞 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人設立の完全ガイド|設立の流れ・メリット・手続き一覧など徹底解説!
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ14選の制度
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

乳房用画像診断装置を開発する「Lily MedTech」が9.3億円調達
株式会社Lily MedTechは、総額約9億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 リング型の超音波を用いた革新的乳房用画像診断装置を開発しています。 現在、乳がん検査には、X線マン…
調剤薬局向け次世代電子薬歴システム提供の「カケハシ」が資金調達
2019年12月18日、株式会社カケハシは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、PHC株式会社です。 調剤薬局向けの次世代電子薬歴システム「Musubi」を提供する、医療系スタートアップ…
沿線に点在する空き家をホテル客室に改修する「沿線まるごとホテル」に取り組む「沿線まるごと株式会社」が「JR東日本ローカルスタートアップ」から資金調達
2023年8月9日、沿線まるごと株式会社は、JR東日本グループのCVCのJR東日本スタートアップ株式会社が設立したJR東日本ローカルスタートアップ合同会社から出資を受けたことを発表しました。 沿線まる…
生活習慣病患者/予備軍向け食事指導サービス「NPartner」開発・運営の「タウンドクター」が5,000万円調達
2022年5月25日、タウンドクター株式会社は、5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 タウンドクターは、生活習慣病患者/予備軍向け食事指導サービス「NPartner」を開発・提供して…
アート・クリエイティブ体験のキュレーション型SNSを開発・運営する「KAMADO」が資金調達
2024年12月6日、株式会社KAMADOは、資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は3200万円となりました。 アート・クリエイティブ体験のキュレーション型SNSを…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集