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超小型陽子線がん治療装置を開発する「ビードットメディカル」が累計17億円調達

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2022年5月31日、株式会社ビードットメディカルは、累計17億円の資金調達を実施したことを発表しました。

ビードットメディカルは、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所(放医研)発のベンチャー企業で、「超小型陽子線がん治療装置」を開発しています。

陽子線がん治療装置はすでに実用化されていますが、装置が巨大で高額であることから、2022年4月時点で全国で19施設にしか設置されていません。

そのためビードットメディカルは、陽子線がん治療装置をX線治療装置と同程度まで小型化・低価格化することにより、普及を目指しています。

2022年5月16日には、開発中の超小型陽子線がん治療装置の原理実証を実施し、小型化の実現性を証明したことを発表しています。

陽子線治療は、放射線治療の一種です。

一般的な放射線治療としてはX線治療がありますが、X線治療はがんの周囲の正常な細胞にもダメージを与えてしまうことが課題となっています。

陽子線治療はがん局部だけに照射することができるため、患者に優しい放射線治療となっています。

また、治療にあたって入院が必要なく、1日15分から30分程度の治療ですむため、普段の生活を続けたままがん治療を行うことができるというメリットもあります。

身体への負担が少ないため、高齢者、体力の低い人、合併症で手術ができない人にも治療の選択肢を提供できます。

一方で、陽子線がん治療装置は大型かつ高価であるため、治療できる病院が非常に限られていることが課題となっています。

陽子線治療は先進医療に区分されており、小児がん・骨軟部腫瘍・頭頸部悪性腫瘍のみ公的保険が適用され、それ以外は自己負担だったのですが、2022年4月からは、大型の肝臓がん・肝内胆管がん・局所進行膵がん・局所大腸がん術後再発も保険が適用されるようになり、陽子線治療のニーズが高まっています。

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