注目のスタートアップ

標的タンパク質分解誘導剤開発の「ファイメクス」が11.75億円調達

company

2022年1月24日、ファイメクス株式会社は、総額11億7,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。

標的タンパク質分解誘導薬の開発と、標的タンパク質分解誘導薬の創薬プラットフォーム「RaPPIDS」の開発を行っています。

今回の資金は、IRAK-Mタンパク質分解誘導剤の非臨床安全性試験とCMC研究の推進や、他のタンパク質分解誘導剤の研究の加速化、「RaPPIDS」の製薬企業への提供のためのさらなる改良・開発の推進などに充当されます。

人間の体内には約180,000のタンパク質があり、わかっているだけでも約1,500のタンパク質が疾患と関連があります。

その約1,500あるタンパク質の90%は、既存の低分子薬や抗体医薬が適用しづらい(薬を作ることができない)標的分子とされています。

ファイメクスなどが着目している標的タンパク質分解誘導薬は、その標的のタンパク質を細胞内で分解消去するという革新的なものです。

創薬ターゲットの範囲を大幅に広げ、これまでの低分子薬の概念を変える存在として大きく注目されています。

ファイメクスは標的タンパク質分解誘導薬の開発だけでなく、創薬基盤技術も開発しており、この技術を創薬企業などに提供することで国内外の分解誘導薬開発の発展を目指しています。

標的タンパク質分解誘導薬においては、乳がんや前立腺がんなどに対するものが臨床試験に入っており、世界的に開発競争が加速していくと考えられています。

ファイメクス株式会社 代表取締役 冨成祐介氏のコメント

このニュースを受けまして、ファイメクス株式会社 代表取締役 冨成祐介氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

自社プラットフォーム RaPPIDSの改良および新規E3リガーゼバインダーの探索
自社プログラムIRAK-Mの非臨床試験(安全性試験)およびCMC
後続のプログラムの研究
社内体制整備

・今後の展望を教えください。

自社プラットフォームを強化することで製薬企業との共同研究を増やしていく。
自社プログラムを進捗させ、製薬企業への導出を行う。
共同研究事業と自社創薬事業をしっかり進めることで画期的な新薬を創出していける会社に成長させる。

・読者へのメッセージをお願いします。

世界的に注目度が高い研究領域ですが、その分競合も多く、いかに競合よりも魅力的な技術を創出できるかを常に考えています。

米国は資金調達規模が一桁違いますが、RaPPIDSによる効率化でコストを削減することで世界と戦える体制を構築しました。

今後は本技術を元に自社プログラムのみならず共同研究を増やしていくことで、会社を成長させ、最終目標である画期的な新薬の創出を達成を目指して参ります。

研究開発型のビジネスは、資金調達が非常に重要です。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ IRAK-M RaPPIDS ファイメクス 創薬 創薬プラットフォーム 医療 医薬品 株式会社 標的タンパク質分解誘導薬 標的蛋白質分解誘導薬 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ARクラウドプラットフォーム「Pretia」が正式ローンチ
プレティア・テクノロジーズ株式会社は、2022年4月26日にARクラウドプラットフォーム「Pretia」を正式ローンチしたことを発表しました。 「Pretia」は、AR開発をより簡単にするクラウドサー…
心疾患診断アシスト機能付遠隔医療対応聴診器「超聴診器」の研究開発を行う「AMI」が9.1億円調達
2023年6月6日、AMI株式会社は、総額9億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 AMIは、心疾患診断アシスト機能付遠隔医療対応聴診器「超聴診器」の研究開発を通して、聴診DXに取り…
生成AI活用コンサルティングの「ロビンソン・コンサルティング(旧:Advancy)」が1億円調達
2024年7月10日、Advancy株式会社は、1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、社名を株式会社ロビンソン・コンサルティングに変更したことも併せて発表しています。 ロビンソン・コン…
“におい”のAI開発や“におい”のコンサルティングに取り組む「レボーン」が資金調達
2023年3月30日、株式会社レボーンは、資金調達を実施したことを発表しました。 レボーンは、においセンサー「Obre」や、においセンサーで測定したセンシングデータの管理システム「iinioi clo…
量子関連技術の活用を目的としたコンピューターサイエンスアルゴリズムを開発する「Quanmatic」が2.5億円調達
2023年3月1日、株式会社Quanmaticは、総額約2億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Quanmaticは、量子関連技術の活用を目的としたコンピューターサイエンスアルゴリ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集