加熱する大手銀行グループのベンチャー支援。三井住友フィナンシャルグループの新たなコミュニティ「未来」とは?

創業手帳

三井住友フィナンシャルグループの新たなコミュニティ「未来」とは?

(2016/12/14更新)

三井住友フィナンシャルグループ(FG)では、ベンチャー支援に関する様々な施策が進んでいる中、2016年12月20日に日本最大級のビジコンイベント「未来」が開催されます。今回は、「未来」のイベント責任者である、日本総合研究所 東主席研究員(未来統括ディレクター)に「未来」が目指す世界や、起業家がピッチイベントに参加するメリットについて伺いました。
mirai2017

東 博暢
株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門 主席研究員/融合戦略グループ長
Incubation&Innovation Initiative / 【未来】統括ディレクター
大阪府立大学大学院工学研究科(現:電子・数物系専攻)修士課程修了。ベンチャー支援や社会企業家育成支援、ソーシャルメディアの立ち上げを経て、2006年日本総合研究所入社。情報通信分野(ICT)を中心に、PMI、新規事業策定支援、社会実証実験を通じた法制度改正・ガイドライン策定支援等のコンサルティング/インキュベーション活動実施している。ICT融合領域として、FinTech、メディカル・ヘルスケア、都市開発(スマートシティ)、サイバーセキュリティ、教育等、幅広く対象としている。近年は、政府や海外技術系シンクタンクやアクセラレーターと連携し、ロボット・AI、バイオ・ライフサイエンス等の科学技術の商業化を推進するオープンイノベーションプログラムを実施し、技術系ベンチャー支援・起業家支援にも取り組む。その他、総務省等の政府機関、自治体の委員、民間団体の理事、外部アドバイザー等も歴任している。

三井住友FG主催の「未来」イベント概要

お話を伺う前に、まずはイベントの概要について確認しましょう。

開催日時・場所

2016年12月20日(火)
三井住友銀行 本店・東館ライジングスクエア
(東京都千代田区丸の内1-1-2)

選考スケジュール

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参加企業

<登壇企業>
ロボット・AI・IoT分野、IT融合分野、メディカル・ヘルスケア分野、地方発ベンチャー等
全産業分野に携わるベンチャー企業 56社

<来場者>
投資家・大企業・中堅企業の経営者/新規事業担当者

「未来」はどんなイベント?

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ー今回のピッチイベント「未来」はどのようなコンセプトで始められたのでしょうか?

:日本には、イノベーションを起こし得る、優れた技術・アイデアを持つ起業家候補の方々が多くいらっしゃいます。
一方、その起業家候補の方々にとって、事業計画をブラッシュアップしてくれるメンターの確保、市場からのリスクマネーの調達、人材の確保、大企業・公的機関との取引、試作品の製造、規制による高い参入障壁等の様々な課題が山積しており、我が国において起業を推進する環境が十分に整備されていないという課題があります。

「未来」は産業界主導により、これらの課題を解決するため日本初の「全産業分野」を対象とした、継続的な事業化支援を実施するインキュベーション・アクセラレーションプログラムです。

SMFGは国内の有力ファンド等、ベンチャーネットワークに強みを有しており、加えて大企業とベンチャー企業とのミートアップも積極的に実施している為、これらの金融グループが有するアセットをフルに活用し、ベンチャー企業を支援し、新たなサービス・産業を創造し、もって日本の経済成長に資することを目下活動目標としております。

ーSMBCベンチャーキャピタルなど投資の面でもベンチャー企業をサポートしているかと思いますが、今回のようなイベントはどのような狙いがあるのでしょうか?

:「未来」では、投資のステージに入っていない創業時の事業化支援や、大企業とのネットワーキングのサポートに注力しています。銀行グループの本業である資金面のサポートだけでなく、事業開発のサポートも行うことで、ベンチャー企業の成長を多面的に支援することを狙いとしています。

ー参加する企業にはどういった特徴があるのでしょうか?

:銀行グループであれば、「Fintech」を中心にこのようなイベントを行うことが一般的ですが、「未来」はSMFGのベンチャーネットワークを活かした「全産業分野」の創業時のベンチャー企業支援を主眼においておりますので、国内のあらゆる分野のスタートアップ企業と接点を持てる場になっています。

大企業との連携も。「未来」参加のメリットとは

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ー今回のイベントのターゲット層はどういった方々でしょうか

:新規事業に関心のある、多くの法人のお客さまをお招きしたいと考えています。

ー参加者や観客にはどういったメリットがありますか

:既に大企業等と共同事業等を行っているベンチャー企業でなく、これからそのようなフェーズに入っていくベンチャー企業と接点を持つことが出来ます。
実際、昨年「未来」に出場されたベンチャー企業で、大企業との提携が成約し、双方の事業が大きく成長した実績も出ています。

ー今後「未来」としてどのようにベンチャー企業を支援したいと考えていますか

:イベントが終了したら終わりでなく、むしろイベント終了後にどれだけ事業を伸ばせるのかが、「未来」のポイントと考えています。事業が大きく花開き、成功していただくまで、末永くお付き合いをお願いしたいと考えております。

ー起業家に接する中で感じたことは

:成長している起業家は、強かに大企業やSMFGのような金融グループとよい関係性を作っている、分かりやすく言えば、強かに利用している方々が多いです。
起業家にとって、ベンチャーキャピタル等からの資金調達も創業時や成長ステージにおいては重要ですが、何よりも顧客をつかむことによって売り上げを立てること、起業との取引を獲得し企業ブランドを高めていくことが何より重要です。

早い段階から、このような逆算ロードマップを描いて事業化推進することが重要で、それを実現するための「強いチーム」を作ることも重要です。成長しているベンチャー企業は、良いチームビルディングができていますね。

ー起業家へ一言メッセージをお願い致します。

:起業家は、いかなる些細なチャンスも見逃さない観察眼や嗅覚が重要です。「未来」では、起業家に対して、様々なチャンスや出会いを提供しております。我々も、最大限サポートしますが、やはり事業化するのは起業家の皆さんですので、そこは強かにチャンスをものにしてください。

最後に、起業家は「パーソナリティ」、昔の言葉で言うところの「人柄」が重要です、魅力的な人物の下には強いチームが結成され、起業家のビジョンを実現する魅力的な事業が生まれます。

「未来」では、多くの魅力的な方々が出会う場でもあり、起業家という「同志」も多く参画しますので、どんどんと新たなネットワークを作って下さい。起業家の苦労は起業家にしか分からないものですので、起業仲間を作ることも重要です。

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(取材協力:株式会社日本総合研究所/東 博暢
(編集:創業手帳編集部)

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