世界No.1を目指すクリエイタープラットフォーム「Mechu」とは

創業手帳
※このインタビュー内容は2021年10月に行われた取材時点のものです。

Mechu小泉氏が抱く「クリエイター×ファン」のためのビジョンについて創業手帳の大久保が聞きました


「クリエイターエコノミー」という言葉をご存知でしょうか。クリエイターエコノミーとは、YouTubeなどのプラットフォーム上で、クリエイターが自らのスキルを使った表現を発表することで収益を得る経済圏のことを指した言葉です。

クリエイターエコノミーを牽引しているのは上述したYouTubeなどのプラットフォーマーです。今や多くのクリエイターが、普通に企業で働く会社員以上の収益をクリエイタープラットフォームから獲得する時代です。

すでに世界的に知名度のあるプラットフォームが存在する中で、この市場に果敢にチャレンジしようとしているのがミーチュー株式会社が提供するクリエイタープラットフォーム「Mechu」です。Mechuはプラットフォーム手数料が無料で、簡単に月額課金制のチャットコミュニティを作成できます。

ミーチュー株式会社の小泉拓学氏に、Mechuが目指すビジョンやクリエイターエコノミーのこれから、起業家へのメッセージなどについて、創業手帳の大久保が聞きました。

小泉 拓学(こいずみ たくみち)ミーチュー株式会社 代表取締役
一度目の起業ではソーシャルゲームサービスを運営し、一時はユーザー数70万人を突破。しかし、2011年3月11日に起きた東日本大震災をきっかけに廃業。しばらく経営から離れていたが、「もう一度チャレンジがしたい!」と思い、ミーチュー株式会社を起業。世界No.1クリエイタープラットフォームを目指す「Mechu」を運営。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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クリエイタープラットフォームMechu


大久保:本日はよろしくお願いします。

小泉:よろしくお願いします。

大久保:あらためて、ミーチュー株式会社と、運営しているサービスMechuについて教えてください。

小泉:ありがとうございます。ミーチュー株式会社は、クリエイターエコノミー領域のスタートアップです。手数料無料のファンコミュニティ「Mechu」を提供しています。

大久保:手数料が無料なんですか! 具体的にはどのような手数料体系なのでしょうか。

小泉プラットフォーム手数料が0%で、決済手数料が5%です。これにより、ファンの支援の95%がクリエイターの元に届きます。

大久保:なるほど。他社の手数料体系はどのような形なのでしょうか。

小泉:スマホアプリで提供しているサービスの場合、アップルやグーグルの決済手数料が30%。そして、サービス提供者のプラットフォーム手数料が50%です。

これではファンの支援がクリエイターの元に届きません。知らない間に第三者が介入し、ファンの「好き」を削り取っているようなものです。

Mechuはこの構造を変えるために、プラットフォーム手数料は無料にし、決済手数料で5%だけいただいています。

我々は「好き」が削り取られることなく、そのまま巡っていけばクリエイターの創るチカラに変わっていくと考えています。

大久保:破壊的な安さですね。クリエイターにとってはかなり魅力的なのではないでしょうか。

小泉:はい。実際に多くのクリエイターの方にご好評いただいています。

大久保:ミュージシャンやダンサーなど、多くのアーティストの方がコロナ禍で打撃を受けました。そうした方々の中にもMechuに活動拠点を移された方もいらっしゃるのではないでしょうか。

小泉:はい。他のプラットフォームよりも手数料が安いのもあって、とくに現在はバーチャルYouTuberさんにオンラインの活動拠点としてMechuを選んでいただいています。

大久保:Mechuでクリエイターはどのようなことができるのですか。

小泉:月額課金の有料チャットコミュニティが作れます。他にもデジタルコンテンツの販売やクラウドファンディングなど、オンラインでクリエイターが発信するために必要なさまざまな機能が用意されています。月額課金だけではなく、投げ銭方式の課金も可能なので、ライブ配信(2021年11月実装予定)を使えばより収益が増えることが見込まれます。

大久保:なるほど。ファンもさまざまな形で応援することができるのですね。

大手プラットフォームに対する勝算

大手プラットフォームに対する勝算

大久保:クリエイタープラットフォームという領域で勝負するとなると、YouTubeなどのグローバルプラットフォームと勝負しなければならないわけですが、勝算はありますか。

小泉コミュニティサービスの競争優位性はユーザーリソースでしか発生しないと考えています。

プロダクトはすぐ真似されてしまいますし、ビジネスモデルはさらに簡単にトレースできます。特許も様々な抜け道があり、強固な競争優位性にはなりません。

大久保:クリエイターのファンたちは、プラットフォームのよしあしではなく、「好きなクリエイターがいるかどうか」でプラットフォームを選びますしね。

小泉:はい。また、サブスクリプションコミュニティは、クリエイターとファンの間に金銭関係が生まれます。ゆえにスイッチングコストがとても高いのが特徴です。

一度サブスクリプションコミュニティの運営を始めたら、他のプラットフォームに移りたくてもファンの支援を一度止めてもらい、移行先のプラットフォームで再度クレジットカードなどの登録をしてもらう必要があるためです。

大久保:なるほど。

小泉:Mechuは手数料を無料にすることで、早期にコミュニティオーナー、つまりクリエイターを獲得します。

このコミュニティオーナーの質と量が競争優位性になります。十分に成長していれば、将来GAFAが同様のサービスを行ってきても確固たるポジショニングができています。

大久保:コミュニティオーナー、つまりクリエイターの手数料を無料にすることでクリエイターを集める戦略ですね。確かにいいクリエイターがたくさん集まってくれば、クリエイタープラットフォームは成功しそうです。

廃業・個人破産を乗り越え二度目の起業


大久保:小泉さんは最初、違う会社を経営されていたとお伺いしました。

小泉:はい。ミーチュー株式会社は、私にとって2社目のスタートアップです。

1社目は2004年、宮城県で立ち上げました。その会社では、ソーシャルゲームの開発・運用をしていました。しかし経営もそれなりに順調で規模も大きくなり会員数が70万人になった頃に、2011年3月11日、東日本大震災が来てしまったんです。

大久保:それは大変でしたね。

小泉:東日本大震災により、1週間ほど停電がありました。当時はAWSのようなクラウドサーバーがそれほど普及していなかったので、地元のホスティング会社に当時運営していたゲームのサーバーをすべて預けていました。リスク分散ができていなかったため、震災で停電が起こった際、当時運営していたサーバーがすべてストップしてしまいました。

大久保:ユーザーも離れてしまったのではないですか。

小泉:はい。停電が明けた時、自粛ムードも相まって売上が50%減少しました。

大久保:それ以前に、生活を立て直すだけで精一杯でしたよね、きっと。

小泉:そうですね。食料もない、水も出ない、という期間が2ヶ月程度続きました。水が出ないのでお風呂にも入れません。トイレも水が流せないので、庭に穴を掘って囲いを作って用をたす、という生活でした。

当然ながら、私も含めて社員全員が満足に業務を行うことができませんでした。そして、借入金を返済する原資がなくなり、廃業をするという決断をしました。

大久保:自然災害が起因だけに、余計悔やまれますね。

小泉:起こってしまったことは仕方ありません。しかしやはりきつかったので、当時の社員一人ひとりに会社を廃業することを告げるたびに、私の心も病んでいきました。

その後も、連帯保証人であった父と一緒に特定調停をしたり、母と一緒に裁判所に行ったり、ご迷惑をかけた方々のフォローアップにつとめました。

大久保:壮絶な体験でしたね。そこまで大変なご経験をされているのにもかかわらず、なぜ二度目の起業に踏み切られたのでしょうか。

小泉:廃業の件がだいぶ落ち着いてきた1年後、もう二度と会社なんてやるもんかと思っていた気持ちが、心の奥からふつふつと「もう一度チャレンジがしたい!」という気持ちになっていることに気づいたんです。

大久保:起業家精神とかアニマルスピリットなどと呼ばれるものですね。

小泉:そうですね。ただ、そこでいきなり起業に踏み切ったわけではありませんでした。

大久保:起業する前は何をされていたんですか。

小泉:当時、『NAVERまとめ』というサイトに記事を投稿すると、PVに応じて報酬がもらえるという仕組みを知りました。そこで私は、藁をも掴む気持ちで記事を投稿し始めたのです。

活動していた期間は4ヶ月程度ですが、その間に1200万PVの記事を1つ、200万PVの記事を5つ、100万PV以上の記事を9つ制作することができました。

大久保:なるほど。コンテンツ制作の才能があったんですね。

小泉:そうなのかもしれません。そこで私は、「ああ、自分はインターネットでコンテンツを作り、多くの人を喜ばせることが好きだし、得意だ」と気付いたんです。そして「人を喜ばせたい」という気持ちを軸に、新しい会社を立ち上げることにしました。

大久保:小泉さんが『NAVERまとめ』と出会っていなければ、Mechuもなかったかもしれませんね。

小泉:今は「人を喜ばす人(クリエイター)を喜ばせたい」という思いでMechuを運用しています。

地方・東北でスタートアップを経営する利点

地方・東北でスタートアップを経営する利点

大久保:小泉さんは地方でスタートアップを立ち上げ経営されてきましたが、地方でスタートアップを経営するメリットを教えていただけますか。

小泉:はい。地方でスタートアップを立ち上げるメリットは3つあると思います。

まず1つ目は、一次産業に関わるスタートアップなどの場合、ユーザーのそばにいられることが大きなメリットです。一次産業のDXを促進するスタートアップなどは、ユーザーの近くで活動することで、ユーザー理解をより深められるでしょう。

大久保:ユーザー理解は重要ですね。

小泉:2つ目のメリットは、注目されやすいことです。地方のスタートアップはそもそも数が少ないので、しっかり活動を行えばすぐに注目を浴びます。注目されることで様々な機関から協力を仰ぐことができ、それがスタートアップのバリューアップにつながります。

東京はスタートアップの数が多く注目されるまでが大変ですが、地方で立ち上げればすぐにスター、あるいはスター候補として注目を集められます。

大久保:資金調達などの面では重要な観点です。

小泉:3つ目は、水と空気が美味しいことです。スタートアップの経営者は常にストレスに晒されています。毎日毎日ジャッジの連続で心が休まる暇がありません。スタートアップの経営は「崖から飛び降りながら翼を作る作業」とも言われています。

大久保:心中お察しします。

小泉:経営者のメンタルヘルス維持は大変重要な課題です。

東京で経営していると、業務で高いストレスを味わっているのに加えて、満員電車に揺られるストレスなども味わわなければなりません。

地方ですと、水や空気が美味しく、ちょっと足を伸ばせば森林浴などもできます。業務上のストレスを気楽に解消できる場所がたくさんあって、便利です。

大久保:気晴らしは必要ですね。

小泉:東北出身のスタートアップ経営者として、東北発のスタートアップがたくさん生まれてほしいと思っています。これから起業を志す方にも、東北でスタートアップ経営を始めることをおすすめしたいです。

NFT・XRがコミュニティを成長させる

大久保:今後Mechuの成長に向けて鍵になってくるのはどういった機能ですか。

小泉:Mechuの特徴として「拡張機能」があります。拡張機能を追加することで、クリエイターのニーズに合わせてコミュニティをカスタマイズすることができます。

今後特に重要になってくる拡張機能は「NFT」(※1)や「XR」(※2)です。

NFTの拡張機能を追加することで、ファンがクリエイターのNFTを購入することができます。NFTの値段が上がれば古参のファンが儲けられる状況が生まれます。これにより、クリエイターも古くから応援してくれるファンと新しくついたファンで差を与えることができます。

大久保:早くから応援できることのプレミアムが感じられれば、ファンもよりつきやすくなりそうです。

小泉XRの拡張機能では、VR内での1on1が行える拡張機能などが考えられます。クリエイターが「VR 1on1アプリ」をコミュニティに追加すると、VRの中の架空の街でファンと1対1のミーティングを行うことができます。

大久保:「VRで1対1のミーティングができる」コンテンツは、ゆくゆくはかなりのキラーコンテンツになりそうです。

小泉:VRコンテンツの市場は、VRデバイスの価格低下につれて広がっていくでしょう。

今後トレンドになっていくブロックチェーンやXRの領域もしっかりキャッチアップしていくことが、Mechuが世界No.1クリエイタープラットフォームになるための鍵になる、と思っています。

(※1)NFTとは…偽造不可能なデータ。ブロックチェーン技術を使って作られる。デジタルアートやトレーディングカード、ゲーム内のアイテムなどを「唯一無二」のものとして作成できる。従来まではコピー可能だったデジタルデータに希少性をもたらすことで、コンテンツに経済的な価値を生むことができるようになった。クリエイターは自身が作成したデータ形式の作品をNFTとして販売することで、収益を得ることができる。

(※2)XRとは…拡張現実、並びにそれを実現する拡張現実技術のこと。代表的なXRとしてVRがある。VRはVirtual Realityの略称で、現実のようなデジタル上の3D空間を実現する。ほかにもARやMR、SRなどのXRが存在する。

上場を目指す

上場を目指す

大久保:今後、上場などスケールを目指していくのでしょうか。

小泉:はい。上場を目指しています。

大久保:上場するような会社は東京のIT系スタートアップに極端に偏っているので、地方発ベンチャーで上場する会社が出てくるのは素晴らしいことだと思います。期待したいです。

小泉:ありがとうございます。Mechuの月間流通総額が1億円に近づいてくるタイミングで、シリーズBラウンドを開始したいと思っています。

資金調達後、クリエイターを獲得するプロモーション活動を行います。その後、3年以内に上場するスケジュールを引いています。

大久保:上場までの成長戦略について教えてください。

小泉:Mechuの成長戦略は5つのステップに分けています。最初のステップとして、まずは自社のMCN(※)に参加しているVtuberさんにMechuに参加してもらいます。

次に、to Bアライアンスによって企業IP=メジャーを誘致します。同時に有力クリエイターも多数リクルーティングします。

大久保:有力IP・クリエイターをひきこむのはサービス拡大のために必須ですね。

小泉:平行してサービスの習熟度(チュートリアルの実装、ヘルプページの充実、導線の最適化)を高め、to Cユーザーの拡大に備えます。

そして、個人のインフルエンサーやライブ配信者向けにMechuをプロモートします。彼らはクリエイターであると同時にユーザーでもあるため、相乗効果でクリエイター数・ユーザー数ともに拡大を見込めます。

大久保:軌道に乗ってしまえば、口コミで勝手に拡大していきそうですね。

小泉:おっしゃる通りです。ある程度の規模まで来れば、リファラルによってロングテールのファン層が拡大していきます。

マーケティング予算をかけない内部インセンティブで、指数関数的なプラットフォームの拡大が期待できます。

大久保:海外進出は視野に入れていますか。

小泉:はい。マスマーケティングなどを駆使して国内のユーザー層が磐石になり次第、海外進出も視野に入れています。

(※)MCNとは…Multi-Channel Networkの略称。日本の例でいうとUUUMのようなオンラインクリエイターが所属するクリエイター事務所のこと。従来の芸能事務所などとは形態やサービス内容が違うことから、オンラインクリエイターが所属する事務所をMCNと呼ぶようになった。

スタートアップの組織作りで重要なこと


大久保:見えない道を切り拓いていくスタートアップ経営において、組織作りは非常に重要です。組織作りで重要なことは何でしょうか。

小泉:ミーチュー株式会社が最も大切にしている言葉が「ナイストライ!」です。

弊社では何かに挑戦して失敗したとしても責められたり、怒られたりすることは一切ありません。逆に「ナイストライ!」と言われて、チームメンバーから讃えられます。

大久保:挑戦できる環境作りは、スタートアップ経営において非常に重要ですね。

小泉:おっしゃる通りです。もし、なにかに挑戦して失敗して責められたり怒られたりしたら、もう二度とその人は何かに挑戦する気を失うでしょう。

我々は変化の早いインターネット業界に属しているので、常に変わり続けなければいけません。ですので、「ナイストライ!」の掛け声のもと、自由闊達に挑戦できる企業文化を育んでいます。

SNSマーケティングのコツ

SNSマーケティングのコツ

大久保:小泉さんはSNSマーケティングが得意とお伺いしました。

小泉:僭越ながら、得意なほうだと自負しています。

Twitter120万フォロワー、Facebook75万いいね、Tumblr40万ファン、Instagram40万フォロワー、YouTubeチャンネル50万人登録、といくつものSNSで結果を出してきました。

大久保:それはすごいですね。どのようにしてSNSでそこまで結果を出してきたのですか。

小泉:私は毎日ツイッターで拡散されたツイートのランキングを最低5回以上チェックしています。1万回以上リツイートされたツイートは、カテゴリーごとにGoogle Keepなどのメモ帳にまとめます。

大久保:当然ながら、闇雲に運営しているわけではないのですね。

小泉:はい。1万回以上リツイートされたツイートをまとめていくと、バズりやすいツイートの特徴が見えてきます。

反応が得やすいツイートの特徴を運用ルールに落とし込んでいきます。そうすることでバズの打率が高いアカウント運用が行えます。

大久保:ウケるコンテンツを分析することで、グロースの再現性が高いアカウント運用を可能にするということですね。

起業家へのメッセージ


大久保:2社のスタートアップを経営してきた経営者歴の長い小泉さんだからこそ伺います。経営のポイントについて教えてください。

小泉:経営のポイントを申し上げられるほど成長しきれておりません。しかし、私が気をつけているポイントならお伝えできるかと思います。

それは、経営者として「公明正大に生きる」ということです。

大久保:経営者だけでなく、ビジネスパーソン全員に重要なことですね。

小泉:はい。「嘘をつかない」、「人を裏切らない」、「思いやりを持つ」、「正しいことをする」、「いただいたアドバイスはすぐ行動に移す」などといったことに気をつけています。

経営者はお客様、社員、株主から一挙手一投足を見られています。自分中心な気持ちを押し通したりせず、常に誰かのためになること、社会のためになること、が行動のベースであるべきだと考えています。

大久保:おっしゃる通りだと思います。経営のポイント、といった観点ではなく、「起業家へのメッセージ」ということだとどうですか。

小泉:世界は広く、自分の認知できる範囲は狭い、と考えています。自分の頭の中や見える範囲だけでものを決めてしまったら、最善の決断ができないことも多いです。

ですので私は、色々な方からアドバイスをいただいた際、自分の狭い認知の範囲でアドバイスの優劣を判断することなく、「とりあえずやってみる」ことを心がけています。実行した数値結果を元にスケールするか、ピボットするかを判断しています。

大久保:確かに、私がお話をお伺いしてきた経営者の方々の中にも、一本調子で上手くいった方は意外と少なかったです。やはり紆余曲折を経て事業を拡大されてきた経営者のほうが多い印象です。

小泉:私の場合、アドバイスを真摯に受け取って実行することで、自分が見えていなかった世界が見えてきたことが多かったです。

しかしアドバイスを実行する際にも注意点が二つあります。

一つ目は、「実行は小さく行うこと」。二つ目は、「不可逆なことはよく検討してから行うこと・可逆性のあることは素早く実行すること」です。

このマインドが起業家の認知できる範囲を広げてくれると思います。私もこれから事業を拡大していく段階なので、ともに頑張っていきましょう。

大久保:本日は東日本大震災が原因で廃業に至ったつらい過去を持ちながら、不屈の精神でもう一度起業し、世界一のクリエイタープラットフォームを作ろうと尽力されているミーチューの小泉さんに、貴重なお話を伺えました。小泉さん、示唆に富むお話と元気が出るメッセージ、本当にありがとうございました。

創業手帳の冊子版には、これから創業される方が起業する際に役立つ情報が盛りだくさん。起業家の方はぜひ資料請求なさってみてください。
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