キッチンカーを開業するための手法。必要な準備や手続きなど徹底解説!

飲食開業手帳

しっかりと情報収集してからキッチンカーで開業しよう


キッチンカーや移動販売の開業は、実店舗よりもリスク管理しやすい飲食店の形です。
キッチンカー車両や出店場所を紹介する会社も増加して、開業しやすい環境も整っています。

事前に下調べ、情報収集をしてどのようなビジネスプランがあっているのか、どういった商品に需要が集まるかを考えてみましょう。
失敗例や開業に必要な準備をあらかじめ把握して、自分が目指すキッチンカーを実現してください。

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キッチンカーで開業する手順を知ろう


キッチンカーは、低予算でも飲食店を開業する方法として多くの人が導入しています。
店舗や物件を借りるわけではないので、場所を制限されることなく、商品を提供できる飲食店形態です。
キッチンカーを開業するにはどうすれば良いのか、キッチンカーで開業する手順を紹介します。

STEP1 予算の検討

キッチンカーで開業する場合、実店舗を借りるための家賃や保証金、礼金は不要です。しかし、キッチンカーとなる車両の確保が必要。
キッチンカーを購入するか、レンタルするか予算によって検討してください。

キッチンカーで開業する資金は一般的に300万円~500万円といわれています。予算の多くが車両の購入や改造費用です。
予想以上にお金がかかると驚く人もいるかもしれません。しかし、店舗を構えて開業する場合、家賃のほかにも保証料がかかります。
インテリアや改装の費用、椅子や家具の購入もあるため、キッチンカー以上に費用がかかると考えましょう。

キッチンカー開業の予算にはキッチンカーの維持費やガソリン費用、材料費といった運転資金も考える必要があります。
開業してすぐに売上げですべてをまかなえるとは限りません。開業する前に最低でも半年分の運転資金を用意しておくようにしてください。

STEP2 資金調達

必要な資金が計算できたら、資金調達の方法を考えてください。キッチンカーを準備する資金や運転資金となると数百万円以上かかることもあります。

可能であれば、時間をかけて自己資金を貯めておくほうが良いです。
しかし、開業準備に時間をかけすぎてしまうとアイデアの旬を逃してしまったり、モチベーションが下がってしまったりすることもあります

自己資金だけで足りない場合には金融機関から融資を受けることも検討しましょう。計画的に用意した自己資金は、融資を受けるときにもプラスに評価されます。

金融機関は普段利用している金融機関に相談する方法もありますが、日本政策金融公庫は政府が出資して個人の創業をサポートしています。
低金利で融資を受けられる可能性も高く、サポートのノウハウも受けられることがあるので相談してみてください。

STEP3 コンセプトやメニューの策定

キッチンカーのコンセプトや、販売するメニューも検討が必要です。キッチンカーは多くの人が手を出しているビジネスなので、多くのお客様にとって目新しさはありません。
他のキッチンカーと比べてどこが違うのか、何が特別なのかをアピールして差別化を図ってください

例えば、合成保存料を使っていない商品や素材にこだわった商品のように、品質重視の食品をコンセプトにしたり、ほかにはない新しいメニューを提供したりすることも差別化です。
コンセプトが定まればメニューに一貫性が生まれてお客様に訴求しやすくなります。

扱う商品によってキッチンカーに必要な調理器具や改造、食材も違うのでよく考えてメニューは決めましょう。

キッチンカーの営業許可も商材によって違います。
扱う商品やメニューを後から追加、変更すると、そのたびに保健所への相談や申請が必要になることもあるので、将来を見据えてどのような商品を扱うか検討してください。

商品とコンセプトは密接に関係しているものの、どちらが先でも問題ありません。
まず、提供したいメニューがあってそれに合わせてコンセプトを考える方法でも、コンセプトに合わせて商品を決める順番でもどちらでもいいです。
できるだけ他のキッチンカーとかぶらない、独自のコンセプトやメニューを目指してください。

STEP4 出店場所の確保

キッチンカーの売れ行きを大きく作用するのが、出店場所です。候補となる場所をピックアップして商圏となる範囲には足を運ぶことをおすすめします。

イベントへの出店であれば、会場やほかに出店するキッチンカーについても調べる必要があります。
出店場所にどのような場所があるのか、以下で説明します。

イベント会場

キッチンカーが出店するイベントには、祭りやフリーマーケット、野外フェスなどがあります。
イベントはお客様の財布のひもも緩むので、大きく売上げを伸ばすチャンスです。

出店料はイベントの規模によって違いますが、数千円から数万円程度が一般的です。
イベントの出店料は高くなったとしても、短期間で売上げが大きくなる機会でもあります。

イベントのホームページで出店募集が掲載されていることもあるので、小まめにチェックしておきましょう。
イベントごとに出店する条件やメニューの制限がある可能性もあるので、確認してください。

スーパーや催事の駐車場

スーパーや催事の駐車場は、平日でも人手が多い出店場所です。人の流れがいつもあるため、安定して売上げが期待できます。

スーパーの駐車場に出店するには、そのスーパーに問い合わせます。
出店料を支払えば出店できることが多いものの、お店によっては商品や時間に条件があるかもしれません

ビジネス街

多くの会社や事業所が立ち並ぶビジネス街も、キッチンカーが出店しやすいエリアです。基本的にはオフィスで働く人向けのランチ需要がメインです。
その場で食べられる軽食のほか、ランチボックスやコーヒーなどのドリンクも需要があります。

特にオフィス街の人気が高い場所は、オフィスビルの所有者に問い合わせなければならないほうが多く、交渉が難しいかもしれません。
出店する場所は、直接交渉するほか仲介サービスを利用しましょう。

STEP5 車の準備

キッチンカーは、お店となるキッチンカー車両の準備が必要です。
新車で購入する方法もありますが、中古車の購入、レンタルなどの方法があります。予算に合わせて、合った方法を選んでください。

キッチンカーは購入して、そのまま使えるとは限りません。もともとキッチンカーだった中古車両を購入した場合でも、使いやすい、商品に合った改造が必要です。
また、出店地域の保健所の営業許可基準に合わせて改装や微調整を行います。

こだわった、使いやすい改造をしても保健所の営業許可がなければ営業できません
改造の内容は保健所の担当者とよく相談してから行いましょう。

キッチンカーの改造は、自分でもできますが、キッチンカー制作会社でも請け負っています。
専門的な技術や知識が求められるので、不安な場合はプロに依頼してください。

STEP6 営業許可を取得

キッチンカーが準備できたら、出店する地域の保健所に営業許可を申請します。各種申請書類に記入して、提出して、施設検査(キッチンカーの検査)を受けます。
施設検査は、スケジュールの調整も必要で、さらに再検査になるかもしれません。スケジュールに余裕をもって計画的に実施しましょう。

STEP7 宣伝

キッチンカーは、実店舗のように同じ場所で開業準備をするわけではありません。
実店舗であれば、工事や看板設置をするだけでも、近隣の注目を浴びて宣伝効果も期待できます。
一方で、キッチンカーは通りかかる人もいないので、宣伝しなければ誰も知らないままになってしまいます。

集客のためのチラシや広告は、費用も掛かるので、費用に不安がある場合には、TwitterやFacebook、InstagramといったSNSも活用すると効果的です。

SNSは投稿し続けることで、少しずつでもファンが増えていきます。
開業したての段階では、お店の存在を知ってもらうことを目標にしていろいろな媒体を試してみてください。

キッチンカーはどうやって準備する?


キッチンカーで開業するときに、まずネックになるのがキッチンカーの準備です。キッチンカーはどのように調達すればいいのか、紹介します。

キッチンカーを新車で購入する

キッチンカーは、キッチンがない状態の新車を購入して改造する方法があります。中古のキッチンカーは、すでに改造してあるため自由な改造はしにくいかもしれません。
新車であれば、自由度が高く、ニーズに合った改造をフルオーダーできます。

新車キッチンカーの改造は、軽ワゴンや軽トラックであれば250万円~350万円前後、大型ワゴン、1トントラックで400万円~600万円が相場です。

必要な調理器具や設備のクオリティ、外装のデザインによって改造費用は変わるので、まずは見積もりを取って検討してください。
見積もりをとるときには、扱う商品やお店のコンセプトなどの具体的にイメージ固めておきます。
制作会社によって価格帯や得意なデザインが違うので、複数比較するようにしましょう。

中古のキッチンカーを購入する

キッチンカー車両は新車で購入できますた、中古車も多数売られています。中古車は新車よりも、数百万円安い場合もあり、開業時の費用を大幅に節約できます。

ただし、中古車は状態の見極めが重要です。見た目は良さそうに見えても、外から見えにくい内部に経年劣化や汚れ、整備不良がある可能性もあります

せっかく安く購入できたとしても、メンテナンスにお金がかかってしまっては意味がありません。購入前には念入りにチェックしてください。

キッチンカーをリースする

開業費用に余裕がない場合には、キッチンカーをレンタル、リースする方法があります。
リースであれば、すでに必要な機器がそろっているキッチンカーをレンタルできるので面倒がなく、時間と手間を節約して開業できます。

ただし、長期的にキッチンカーをリースすると費用がかさんでしまうかもしれません。初めはリースした場合でも、長期的には購入することを検討してください。

自分で車を改造する

キッチンカーは、自分の車を改造してキッチンカーにする方法もあります。
しかし、営業許可を取るためにはシンクの大きさや数、給排水タンクなどの設備基準を満たさなければいけません

また掃除のしやすさや動線といった使い勝手も考えておきましょう。
自分で改造した場合、リスクや難易度といった問題もあるので専門家に依頼することをおすすめします。

キッチンカーでの失敗事例とは?


キッチンカーは少ない開業費用でも、スタートできるため人気が上昇しています。しかし、残念ながらうまくいかずに撤退する例も少なくありません。

どのような理由で撤退しているのか、キッチンカーの失敗事例を紹介します。

開業資金にお金を使いすぎる

キッチンカー開業に限らず、飲食店開業で多いのが開業で費用を使いすぎているケースです。特に開業計画中はお店に対する夢や憧れが広がりがちです。
もっと本格的な器具を入れたい、デザインにこだわりたい!と考えていると費用はどんどん膨れ上がります。

しかし、開業だけで費用を使ってしまえば、その後の運営資金が尽きてしまうこともあります。
特に開業当初は売上げも安定しません。半年~1年は売上げが不安定でも問題ないように資金を準備しておくことをおすすめします。

準備に時間をかけすぎる

キッチンカーでも、開業するにはキッチンカーの準備や許可申請などに多くの時間がかかります。また、コンセプトやメニューの研究の時間も必要です。
しかし、準備に時間をかけすぎれば、モチベーションが下がり開業まで至らないかもしれません。
慎重になるのは大切ですが、準備に時間をかけすぎてビジネスチャンスを逃さないようにしてください。

商品がキッチンカーに向いていなかった

商品やメニュー開発のときには、必ずキッチンカーに向いているかどうかを考えましょう。
例えば、キッチンカーでは調理時間がかかる商品は向いていません。
商品の提供時間はできるだけ短縮しなければ、お客様を待たせることになり、回転率、売上げも下がってしまいます。

提供に時間がかかるもの、作り置きできないものは行列ができても提供が間に合わず、他店にお客様が流れてしまうかもしれません
商品を開発したら、必ず提供時間がどの程度なのか試しておくことをおすすめします。

収入が安定しない

キッチンカー開業を成功させるためには、できるだけ早く売上げを安定させなければいけません。
売上げが安定しなければ、仕入れや営業時間もまちまちになって事業計画が立てにくくなってしまいます。

キッチンカーを営業するときには、早く軌道に乗せるために目標販売数を設定して、どのように達成するかを考えて行動しましょう
トライ&エラーを繰り返して、効率的に利益が出る時間帯や場所、メニューを見つけてください。

出店できる場所があるかどうかわからない

キッチンカーは出店場所が固定されていません。
それはメリットでもありますが、一方で相手先の都合によって突然出店できなくなる可能性があることも念頭に置いてください。
できるだけ複数の出店先を確保して、リスクに備えるようにしましょう。

季節や天候に左右されるメニューも多い

キッチンカーで扱うメニューによっては、季節や天候に左右されるものも。
冷たいドリンクやかき氷は、暑くて天気が良い時に人気ですが、他のシーズンでは売れ行きは下がる可能性があります。

安定した売上げを確保するためには、季節や天候でメニューを臨機応変に変更できるようにしておくことをおすすめします。
あまりに無関係の商品を同じキッチンカーで販売するとコンセプトがぶれてしまうので、統一感やコンセプトを決めてこだわりが感じられる商品展開をしてください。

まとめ

キッチンカーは、初期費用が抑えられ、リスクを分散させやすい飲食ビジネスです。
しっかりと計画的におこなうとともに、情報収集やリスクマネジメントを欠かさなければ成功が期待できます。

創意工夫の幅が広いキッチンカーは、開業の楽しさを味わうにも最適な方法。
飲食店開業に憧れがある人も、キッチンカーで夢をかなえてみましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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