起業時の借金リスクを抑える方法とは?無担保無保証制度やおすすめの融資を紹介

創業手帳

無担保無保証制度で起業時の借金リスクを抑えよう


起業時にまず問題となるのが資金の問題です。資金は必要だけど借金を背負うリスクは負えないと頭を抱える人もいるかもしれません。
借金リスクを抑えるには、様々な制度を理解して自分に合う選択をするのがポイントです。
リスクを少なく起業する方法も増え、ローリスクでもチャレンジしやすくなっています。

ここでは、無担保無保証制度や創業融資といった制度の概要に加えて、資金調達時に意識したいポイントをまとめました。

創業手帳では、融資についてまとめた「融資ガイド」を無料でお配りしています。実は起業のときこそ、融資のタイミング的にはベストなのです。その理由や、審査ポイントなども解説。こちらもぜひあわせてお読みください。


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無担保無保証制度とは


無担保無保証制度は、発行者が担保や保証人なしで提供する融資をいいます。起業資金を調達する時、突然資金が必要な時に活躍する融資方法です。
起業時は、主だった資産や頼れる人も少ないケースが多く、担保や保証人を用意するのは困難です。ここでは無担保無保証制度について紹介しています。

担保や保証人が不要の融資

無担保無保証制度は、その名前からもわかるように担保も保証人もなしで金融機関から融資を受ける方法です。
一般的な融資では、返済ができなければ担保が差し押さえられたり、保証人が返済するよう求められたりします。

無担保無保証制度であれば担保や保証人がそもそもいないので、返済できずに周囲に負担をかけてしまう事態を避けられます。
起業時は担保や保証人を用意するのが難しい起業時にも適した資金調達手段です。

無担保無保証制度のメリット

無担保無保証制度のメリットは、担保や保証人が不要な点です。
担保や保証人がいないことで借金が原因で自分の土地を手放したり、誰かに迷惑をかけたりするリスクも避けられます。

さらにメリットとして挙げられるのは担保や保証人がいない分手続きが簡便になり迅速に資金調達しやすい点です。
担保や保証人の審査が不要である点を活かしてすべての手続きがインターネットで完結する商品もあるため、資金調達は必要でも契約のために出向く時間がない経営者にも適しています。

無担保無保証制度のデメリット

無担保無保証制度は、商品によっては金利が高くなってしまう点がデメリットです。
担保や保証人をおかない無担保無保証制度は、金融機関の立場ではリスクが高まることを意味します。
金融機関が負うリスクが高くなるため、金利も高く設定される傾向があります。金利が高くなれば返済金額も大きくなるため、返済負担は増大するでしょう。

また、無担保無保証制度の利用時には資金残高や住宅ローンの残額など自分を取り巻く資金や資産の状況が細かくチェックされます。
起業時には自分の資産状況がどうなっているかも見直しておいてください。

起業時の借金をローリスクにできる創業融資


創業融資は、日本政策金融公庫が提供する様々な資金需要に応える融資制度です。日本政策金融公庫は、100%日本政府が出資している政策金融機関です。
2024年4月から創業融資の枠が拡充し、より利用しやすくなっています。

ここでは、創業時に利用できる無担保無保証の創業融資を紹介しています。

新規開業資金

新規開業資金は、女性や若者、シニアのほか、廃業歴があってこれから起業する人に向けた融資制度です。
以下のいずれかに該当すると通常よりも有利な条件で融資を利用できます。


①女性、若者、シニアで開業する人
②廃業歴等があって、起業に再チャレンジする人
③中小会計を適用して起業する人

新規開業資金という名前ではありますが、開業時以外に事業開始後おおむね7年以内の人も利用できる融資制度です。

もともと日本政策金融公庫で新創業融資制度が提供されていましたが廃止され、2024年4月以降は拡充されたかたちの新規開業資金が提供されています。
新規開業資金は、融資上限額7.200万円(うち運転資金4,800万円)となり、金利や融資の対象も新創業融資制度と違うので確認してから申し込むようにしてください。
融資限度額が大きく返済期間が大きいため、一度の融資で開業資金を調達したい人に適しています。

女性、若者/シニア起業家支援資金

女性、若者/シニア起業家支援資金は、女性や若年者、シニアの視点を活用した事業の促進を図る起業を支援する融資制度です。
日本政策金融公庫の国民生活事業と中小企業事業の双方で取り扱われている融資制度になります。

利用できるのは、女性もしくは、35歳未満か、55歳以上で新しく事業をはじめる人、または開業しておおむね7年以内の人です。
国民生活事業での融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)中小企業事業では直接貸付で7億2千万円代理貸付で1億2千万円です。
対象となる人は、新規開業資金の対象者でもあります。条件を比較してどちらを利用するか決定してください。

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)は、以前に事業に挑戦して廃業歴がある人の再挑戦を支援する融資制度になります。
対象となるのは、新規開業する人または開業後おおむね7年以内で以下の条件すべてに当てはまる人です。


①廃業歴等を有する個人か、廃業歴等を有する経営者が営んでいる法人であること
② 廃業時の負債が新しい事業に影響しない程度には整理される見込みであること
③ 廃業の理由、事情がやむを得ないものであること

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)の融資限度額は、直接貸付で7億2千万円です。廃業時の負債が完全に清算されていなくても、返済の目途が立っていれば利用できます。
景気の悪化や新型コロナウイルスの影響でやむなく廃業したケースは全国で発生しました。
やむを得ず過廃業していた場合には、再挑戦を支援する融資制度も検討してください。

挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)

挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)は、起業者や事業展開、再生に取り組む企業の財務体質強化を図るために資本性資金を供給する融資制度です。
挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)は国民事業と中小企業事業の双方が用意されていています。

国民生活事業での対象者は以下の①および②を満たす法人もしくは個人企業です。


①融資制度:次のいずれかの融資制度の対象となる者
・新規開業資金
・新事業活動促進資金
・海外展開・事業再編資金
・事業承継・集約・活性化支援資金
・企業再建資金
・ソーシャルビジネス支援資金


②その他条件:次のすべての要件を満たす者
・地域経済活性化にかかる事業を行うこと
・税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税等を完納していること

中小企業事業の対象となるのは、新規事業や経営改善、企業再生に取り組んでいて、地域経済活性のために雇用効果や地域貢献が見込まれる事業に取り組む企業です。
融資限度額は国民事業で7.200万円、中小企業事業で1社あたり10億円になります。
無担保無保証で利用でき、返済期間の返済は元本分は不要(期限一括返済)が採用されている点が大きな特徴です。

中小企業経営力強化資金

中小企業経営力強化資金は、外部専門家による指導や助言、中小企業会計の適用などをした企業が利用できる融資制度です。

利用できるのは以下のいずれかの条件を満たす人になります。


①次のすべてに当てはまる
・経営革新または異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓を行おうとしている
・事業計画書を策定し、中小企業等経営強化法で定める認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている


②次のすべてに当てはまる方
・「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を完全に適用しているまたは適用する予定である
・事業計画書を策定する方
③独立行政法人中小企業基盤整備機構によるハンズオン支援を受けている方
④取引金融機関の支援を受けて経営者保証免除計画を策定し、経営改革に取り組む方

中小企業経営力強化資金の融資限度額は直接貸付で7億2千万円です。中小会計を適用している人適用する予定の場合には新規開業資金も選択できます。
条件を確認してから選択してください。

借金をして起業する人が陥りやすい失敗パターン


ローリスクで起業するための融資制度は多く提供されています。しかし、そもそも起業する人の行動によって成否は決まるのです。
ここでは、借金をして起業する人が陥りやすい失敗パターンを紹介します。

事業計画が不足したまま借金をする

借金をして起業する人が陥りやすいパターンのひとつが準備不足による失敗です。

これは起業しようと考えてすぐ会社を辞める人にも多い傾向で、事業計画や資金計画があいまいなままで起業してしまいます。
借金して起業してもすぐに経営がうまくいかないかもしれません。
既存の顧客がいない場合には、新規顧客の開拓からスタートするため経営が軌道に乗るまでには時間がかかると考えなければいけません。

起業にはアイデアは必要であるものの、アイデアだけでスタートしてしまうとすぐに事業が行き詰ってしまいます。
事業計画を立てる時には、どのように借りた資金を返済するのか、売上がどの程度見込めるかまで綿密に立案してください。

お金をかけるべき部分を間違っている

融資を受ければ一時的には手元の現金が増えます。ついつい気が大きくなって深く考えることなく現金を浪費してしまうパターンも注意してください。
事業を運営していると、用意しなければ事業が立ち行かないものと、あったほうが良いがなくても問題ないものがたくさんあります。
欲しいからとすべて購入していればあっという間に手元の資金は尽きてしまいます。
店舗の内装や備品にこだわりすぎて費用がかさむことも多いので、意識して節約できる部分は削るようにしたほうが良いです。

起業時に借りたお金はいずれ自分が返済するお金です。最低限必要なものだけを先にそろえて優先度が低いものは経営に余裕が出てから購入するようにしてください。

「返済」を意識していない

事業計画の中では、収支計画や資金繰りといった財務計画も欠かせません。
事業計画と聞くと、売上や利益が重要に思われがちですが、どのように借金を返すか返済計画も必ず立案しておきます。
自分で資金を用意した場合は返済計画は不要ですが、金融機関や知人からお金を借りた時にはどのように返済するか意識するようにしてください。

借金で手元資金が潤沢であっても自分のお金ではありません。
事業計画として先の返済を考えるとともに、日ごろから返済を意識して無駄な支出を徹底して削るようにしてください。

消費癖がある

人によって金銭感覚は千差万別です。もそもと消費癖、浪費癖がある人は起業する前に一度よく考えてください。
もちろんお金を将来のために活用する投資は必要です。しかし、消費癖がある人は経費として無駄遣いをしてしまいがちです。
お金を使う時には、一度立ち止まってどういった支出なのかを考えてください。

起業時の借金を抑える方法


起業時の借金は、どうしてもリスクになるため可能な限り少なくしたいものです。ここでは起業時の借金を減らすためにできることをまとめました。

自己資金を増やす

起業時の借金を減らすためには、まず自己資金を増やすことを考えます。自己資金を貯めておけば、起業時の借金も減らすことができます。
融資を受けなければ起業資金が足りないような場合もあるかもしれません。しかし、そういった場合でも融資を受ける時には自己資金が求められるケースがあります。
起業準備の一環として可能な限り自己資金を増やしておくようにしてください。

少ない資金で起業できる業種にチャレンジする

起業時の借金を減らすには、起業する業種についても考えてみてください。業種によっては、小規模、低資金からでも起業できます。

具体的には、インターネットショップや講師業、コンサルティングなどが少ない資金でもはじめやすいビジネスです。
例えば、人件費や家賃が発生する店舗型のビジネスも規模を小さくしたり、オンラインにしたりすることでより少ない資金ではじめられます。

副業からスタートする

失敗を避けるには、いきなり起業するのではなく副業で小規模からスタートしてください。
副業であれば失敗しても本業があるので、いきなり起業だけに絞るよりもダメージを抑えられます。

副業からスタートして市場や顧客の反応を調査してから、事業を拡大するといった戦略も可能です。
副業として十分に経験を積んだ上で、本格的に起業するようにおすすめします。

補助金・助成金を活用する

資金調達には、国や地方自治体が提供する補助金、助成金もあります。
起業したての場合は様々なサポートが受けられるので、制度を活用してリスクを抑えるようにしたほうが良いです。

補助金・助成金は、返済不要なので、返済の不安なく利用可能です。
補助金・助成金は、その事業内容によって条件があるので自分に合った制度がないかチェックしてみてください。

経営者・起業家がよく使われる補助金助成金についてまとめた「補助金ガイド」を無料進呈中ですので、こちらもあわせてお読みください。

補助金ガイド

まとめ・ローリスクでの起業に挑戦しよう

起業したくても借金が怖い、リスクを抑えたいと考えるのは自然なことです。しかし、技術の発達、社会の変化により、より小規模で起業できるようになりました。
ローリスクで起業できるのに、借金を恐れて起業アイデアをそのままにするのはもったいありません。
まずは、どれだけの資金が必要なのか、どうやって調達すればいいのかシミュレーションしてみてください。

創業手帳では、融資についてまとめた「融資ガイド」を無料でお配りしています。実は起業のときこそ、融資のタイミング的にはベストなのです。その理由や、審査ポイントなども解説。こちらもぜひあわせてお読みください。


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(編集:創業手帳編集部)

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