女性起業家が抱えがちな悩みランキング!対策もあわせてご紹介!

創業手帳woman

女性起業家の抱える悩みは様々なものがある


女性の起業家が増え、自分に合った働き方を選択できるような社会に近づいてきています。
しかし、多くの女性起業家は様々な悩みを抱えながら、ビジネスに取組んでいるのが実情です。

ここでは、女性起業家が抱えている悩みについて紹介しています。これから起業する人や、すでに起業している人も、ぜひ参考にしてください。

創業手帳では、女性の起業家を応援するために作成された「創業手帳Woman」を無料で配布しています。女性ならではの起業成功ノウハウがこの一冊にまとまっていますので、起業をご検討中の女性の方はぜひこちらもあわせてご活用ください。

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

女性起業家の悩みランキングTOP3


開業する方法が多様化しているため、以前より起業がしやすくなってきています。
日本政策金融公庫総合研究所の「2022年度新規開業実態調査」では、開業者の中で女性が占める割合が調査開始以来最高となりました。
ここでは、同調査で女性起業家から聞いた「開業時に苦労したこと」を上位から紹介しています。
これから起業しようする人は、どのような悩みがあるのか念頭に置いて、事業計画を立ててください。

【1位】資金繰り、資金調達

女性が開業時に苦労したことで最も多かった回答が、「資金繰り、資金調達」です。開業した女性の5割以上が苦労したと回答していました。

男性であっても開業時の苦労として資金繰りが挙げられるものの、男性起業家の平均開業費用は947万円なのに対して、女性が744万円とより少ない費用で開業しています
これは、収入が少ないため資金調達しようとしても難しいケースが多いことも理由と考えられます。

【2位】顧客・販路の開拓

開業した女性の中で、4割の人が顧客や販路の開拓に悩んでいます。
「顧客・販路の開拓」は、開業の後に苦労していることでも第1位となっており、多くの起業家が直面する問題です。

日本政策金融公庫総合研究所の「2022年度新規開業実態調査」では、受注経路は「自身のSNSやブログを通じて」受注しているケースは52.4%と最も多くなっていました。
男性が「自身のSNSやブログを通じて」と回答している割合である25.3%より多く、より女性のほうがSNSやブログをビジネスに活用していることがわかります。

【3位】財務・税務・法務に関する知識不足

女性起業家の中で3割以上の人が財務・税務・法務の知識不足に悩んでいます。これは、開業した後の悩みとしても3位となっています。

開業前に専門知識の不足に悩む人は多く、その原因のひとつが「キャリア断絶」です。
会社員の経験年数が少ない人や、退職して時間が経ってしまった人は、専門知識の不足に悩むケースがあります。

女性起業家に多い悩みを解決するには


女性起業家の悩みの中には、女性特有の事情が関係するものも多くあります。女性起業家がどういった方法で解決すればいいのか、解決手段を考えてみてください。

資金繰り、資金調達方法

事業を始める時や企業が継続して成長するためには、資金調達が欠かせません。
少ない開業資金でスタートする起業家もいるものの、企業規模を拡大するためには資金が必要です。
資金調達をする際には、一般的な融資以外にも起業向けや女性向けの融資制度も活用してください。

例えば、日本政策金融公庫では、女性向けの新規開業資金融資を提供しています。
その他にも、助成金や補助金も実施されているので利用できるものがないか調べてみてください。

顧客・販路の開拓方法

顧客、販路の開拓は、男女関係なく多くの起業家が悩んでいます。
日本政策金融公庫の調査では、男性で最も多く利用されている受注経路は取引先の紹介で46.3%を占めました。
しかし、女性で最も多い回答は、前述した通り「自身のSNSやブログを通じて」で52.4%。その次に「ホームページの作成やチラシ配布などの宣伝広告活動」の47.6%。となっています。

SNSやブログを利用する人はこれからも増えると予想され、よりSNSやブログの戦略が重要になると考えられます。
SNS活用やインターネット広告を活用して商品、サービスの魅力訴求は大きな役割を果たすでしょう。

財務・税務・法務に関する知識不足解消方法

経営には人事や会計などの広い知識が必要です。独学で勉強することはできますが、事業に取組みながら習得することは難しい場合もあるでしょう。
効率的に業務を進めるために、弁護士や税理士といった専門家に依頼することも検討してください。
また、商工会議所のように無料で相談できる窓口も活用してみることをおすすめします。

ほかにもある女性起業家の悩み


女性起業家によくある悩みを紹介しましたが、ほかにも多くの悩みを持つ人もいます。
どういった悩みがあるのか紹介するとともに、その解決方法や解決策についても紹介します。

売上げが不安定になる

多くの起業家の悩みとして、売上げが安定しないことが挙げられます。
会社員であれば毎月決まった給与を受け取れるのに対し、起業すると売上げがなければ収入もゼロになってしまいます。
売上げが安定せず、不安や疲弊が溜まってしまう女性起業家も多いかもしれません。

しかし、売上げが不安定なことは多くの起業家が経験しています。売上げが安定するまで着実に実績を積み上げていくことが、成果につながります。
売上や集客を安定させるためにどういった戦略があるのかを考えて行動につなげてください。

経営が継続できるか不安を感じる

多くの起業家は、経営の継続に対して不安を感じるものです。特に女性の場合には、出産や育児でライフスタイルが仕事に大きく影響します。

ただし、不安は感じていても実際には黒字基調で安定しているなど、明確な理由がない不安であることも多くあります。
何に対して不安を感じているのかをできるだけ明確にすれば、より具体的な対策を立てやすくなるかもしれません。

事業に関する情報が十分でない

ビジネスはスピーディーに変化し続けています。知識や情報が不足していたり、古くなっていたりすることがないように事業に関する情報を更新し続けなければいけません。

情報を収集できるものは、インターネットや新聞、雑誌など様々です。また、経営者向けの情報サイトも利用されています。ひとりで情報収集するよりも周りの手も借りてみてください。

アイデアが思い浮かばない

そもそも起業を考えた時に、何をしたらいいのか、やりたいことが見つからないといったジレンマを抱える人も少なくありません。
特に、起業前や起業して間もない起業家に多い課題です。

アイデアを見つけるための方法にはいろいろあります。よく使われているのが悩みを見つけてからそれを解決する手段を考える方法です。
冷え性の女性が体を温めるグッズを開発するような手法が挙げられます。

また、自分が好きなものや得意とすることも起業アイデアにつながります。
トレンドやヒット商品から刺激を受けたり、より改良できないか考えてみるのも良いかもしれません。
コミュニケーションからアイデアが見つかることもあるので、多くの人と接することも重要です。

責任の重圧を感じることがある

経営者になると、最終決定を担う責任ある立場になります。責任を重く感じてしまう人も多いかもしれません。
プレッシャーを感じた時にそのまま何もしないでいると、心身のトラブルを招くこともあります。
散歩やストレッチでこまめに気分転換をしたり、プライベートの時間をとったりして調子を整えることをおすすめします。

他人と比べてしまう

事業がうまくいっていない時に、成功している事業家と比較すると精神的に追い詰められてしまいます。
成果が出ないことに対して自分を責めれば、仕事を続けられなくなってしまうかもしれません。

女性は家庭や子どもの悩みを抱えることもあり、時間や体力の負担が大きくなってしまうケースも多いです。
そのような環境で、他人と比較すると悔しさを感じてしまうかもしれません。
他人ではなくて、過去の自分と比較してどれだけ進んでいるのかを意識することで焦りや悔しさから解放されることがあります。

人と比べず、自分ができることややりたいことを追及すれば、精神面での負担が軽くなるでしょう。

性別の違いが業務に影響を与えることがある

女性起業家の中には、女性であることによって業務が不利になる経験をしている人もいます。
特に顧客や取引先、金融機関との関係構築が問題となることが多く、女性とは相性が悪い、といった原因で取引きを断られるケースもあります。

また、女性であることによって警戒心を解きやすいケースもある一方で、不利に働くケースもあります
相手との関係構築に悩むようであれば、仕事相手の範囲をより広くして取引相手を探すことも検討してください。

時間が捻出できない

起業準備や手続き、打ち合わせなど、起業する際のタスクは多く、時間が捻出できなくなることがあります。早い段階で効率的な時間の使い方を考えてみてください。

時間を有効活用するためには、ゴール設定と優先順位の明確化が大切です。重要性が高いものからTODOリストを作成します。
また、一日のスケジュールを時間単位で区切ってタスクを割り当てるようにする方法もおすすめです。
タスク管理アプリやカレンダーアプリといったデジタルツールも活用してください。

ライフワークバランスが保ちにくい

多くの女性起業家が、仕事とプライベートとの両立に難しさを感じています
あらかじめ、ライフプランとの兼ね合いを考えて事業計画を立てることも方策のひとつです。

また、協力して仕事をできる相手を作ることも重要です。
できるだけ仕事を家庭に持ち帰らないなど、仕事とプライベートを明確に区切るようにするとメリハリがつき、働きやすくなります。

家族に理解されない

起業して成果を出していても家族に理解されない場合もあります。事業の状況によっては家庭よりも仕事を優先したくなることがあるかもしれません。
ただし、家族に理解されていないと、不和の原因となってしまいます。

家族から理解を得るためには、自分の事業がどのような状況にあるか、今後の見通しはどうなっているか話しておくようにしましょう。
仕事でストレスが溜まる起業家にとって家族は心の支えです。家庭と仕事を両立させるために、まずは家族の理解を得てください。

相談相手がいない

日本政策金融公庫の調査では、約2割の女性起業家が相談相手について「相談相手はいないが、いたら良いと思う」回答しています。ひとりで悩みを抱えていると心身に影響が出てしまうかもしれません。

日本政策金融公庫の調査では相談相手が「いる」と回答した割合は男性よりも女性のほうが多く77.8%でした。
また、相談相手の内容を見ると「経営者仲間」や「友人・知人」と回答されています。相談ができる人脈づくりも大切なビジネスの一環です。

事業で不安に感じることは、会計士や税理士といった専門家にも相談できます。経営者との交流会で相談相手を探してみても良いかもしれません。

女性起業家の現状


2016年の内閣府男女共同参画局の調査によると、女性起業家のうち、8割近くが個人事業者として開業しています。女性起業家が置かれている現状についてまとめました。

女性起業家は増加傾向

2022年の「新規開業実態調査」によると、開業者に占める女性の割合は24.5%で日本政策金融公庫が調査を始めた1991年度以来最高でした。

開業した女性のうち7割が個人経営で男性起業家よりも高い割合です。
一方で株式会社として開業する女性起業家は2割未満。開業資金を抑えて成長を目指す堅実なビジネスをおこなっている女性が多いと考えられます。

最も新規開業が多いのはサービス業

日本政策金融公庫の調査では、除籍起業家の約4割がサービス業で開業しています。以下では、新規開業が多い業種を順に紹介しています。

1.サービス業:40.4%
2.小売業:15.5%
3.医療・福祉:15.0%
4.飲食店・宿泊業:12.6%
5.製造業:3.7%

サービス業や小売業、飲食店は特にきめ細やかなサービスや他と違う着眼点が評価されることも多い仕事です。
自分の専門知識や経験を活用して有利に働ける業種を考えてみてください。

廃業率は2割

起業した人が全員成功するわけではありません。女性起業家のうちで廃業率は約2割で、男性の廃業率である1割よりも高い水準です。

女性の廃業率が高い理由として挙げられるのが、女性のほうが起業時の平均年齢が低い点です。
また、男性のほうが管理職や経営層を経験してから起業するケースが多く、起業に必要な知識を身に着けていると考えられます。

開業に満足している人は7割

日本政策金融公庫の調査では、半分以上の新規女性起業家が将来に不安を抱えている一方で、約7割の新規女性起業家が開業に満足していると回答しています。

仕事のやりがいやワークライフバランス、収入といった満足度を項目別に見ると、仕事のやりがいに対する満足度が高いものの、収入に対する満足度は低いという結果でした。
8割以上の女性起業家が事業を継続したいと回答しており、今後も女性の活躍が期待されています。

起業に向いている女性の特徴


女性起業家には、様々なタイプ、働き方があります。自分らしく仕事に携わりたいという人に起業は適した選択肢かもしれません。
しかし、起業には向き不向きもあります。ここでは、起業に向いている女性の特徴をまとめました。

フットワークが軽く、処理能力が高い
起業したいと思っていても実際には起業までたどり着く人ばかりではありません。女性起業家の多くは行動力があって、大量に情報を処理しています。

コミュニケーション能力が高い
経営者にとってコミュニケーションを円滑にとれることは重要な資質です。顧客や取引先はもちろん、部下のマネジメントもコミュニケーション能力が求められます。

メンタルが強い
起業には予想していない失敗やトラブルがつきものです。
女性起業家には、失敗もポジティブに受け止めたり、いやなことは流して気に留めなかったりするメンタルの強さが必要です。

まとめ:女性の起業に悩みはつきものだが対策はできる

女性起業家は、ビジネスの悩み以外にも、人間関係やプライベートなど様々な面で悩みを抱えてしまうことがあります。しかし、対策して事前に行動することも可能です。
女性起業家が増えれば、これから働く女性のロールモデルにもなります。
起業を目指すのであれば、異業種交流会などに参加して、女性起業家の話を聞けるチャンスを探してみてください。

創業手帳(冊子版)は、これから起業する人、すでに起業した人に向けた記事を多数掲載しています。心強いパートナーとして創業手帳をお役立てください。

関連記事
起業したい女性の背中を押す「女性起業家」の名言集13選
女性のキャリアアッププランを実現するには?転職ではなく起業という選択肢も!

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す