KAKEAI 本田英貴|上司と部下のコミュニケーション問題を解決!「Kakeai」で導くのは働くすべての人の幸せ

創業手帳

自身の失敗体験を活かし、上司部下のコミュニケーション不全の解消を目指す


多様化が求められる現代社会において、以前にも増して難易度が上がったのが社内コミュニケーションです。とりわけ上司と部下の関係性構築でつまずくケースが増加し、多くの企業が改善のためにトライ・アンド・エラーを繰り返しています。

さらにコロナ禍に突入し、リモート前提の働き方へスイッチする必要に迫られた企業の最適解として、上司部下のコミュニケーション不全問題を解決する1on1プラットフォーム「Kakeai (カケアイ)」が大きな注目を集めています。

日本を代表する様々な企業が導入しているだけでなく、数々のビジネスアワード受賞実績を誇る同サービスを開発・運営するのは、従業員視点のピープルマネジメントに取り組む株式会社KAKEAIです。

同社の代表取締役を務める本田さんが起業するまでの経緯や、コミュニケーション問題を解決する重要性について、創業手帳代表の大久保がインタビューしました。

本田 英貴(ほんだ ひでたか)
株式会社KAKEAI 代表取締役社長 兼 CEO
熊本県出身。筑波大学卒業後、2002年に新卒で株式会社リクルートに入社。商品企画、新規事業開発室などを経て、電通とのJVにおける経営企画室長。その後、リクルートホールディングス人事部マネジャー。人事では「マネジメント力強化・支援」や「Will,Can,Must・人材開発委員会・考課・配置等のデジタル化」を担当。人事時代に自身の部下マネジメントに関する悩みが原因で発症した鬱をきっかけに、2018年にKAKEAIを創業。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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マネジメントの失敗を糧に、コミュニケーションの社会課題解決に挑戦

大久保:まずは起業のきっかけについてお聞かせ願えますか。

本田:筑波大学を卒業後、2002年に新卒でリクルートに入社しました。

商品企画、グループ全体の新規事業開発部門の戦略スタッフなどを経て、電通とのジョイントベンチャーにおける経営企画室長としてキャリアを構築。その後、リクルートホールディングス人事部マネジャーに就任しました。

人事では「ミドルマネジメント層のメンバーマネジメント改善施策」や「Will,Can,Must・人材開発委員会・考課・配置等のデジタル化」を担当したのですが、この当時の経験が起業への大きなきっかけとなっています。

30代前半で人事部の管理職に抜擢され、仕事が楽しくて仕方ない時期で、自分のマネジメントにも自信を持っていました。そんなときに実施されたのが、上司からも部下からも評価を受ける360度評価です。

「きっとものすごく良い内容だろうなあ」などと気分を高揚させていた私を待っていたのは、部下から返ってきた「あなたには、誰もついて行きたくないって知ってます?」という匿名コメントでした。

非常に大きなショックを受けましたね。それからメンバーとの関わり方がわからなくなり、仕事を抱え込むようになって、ついには心身に不調をきたして休職しました。

大久保:経営者や管理職の経験がある人間ほど、その辛さが理解できますね。どのようにしてご自身と向き合い、乗り越えたのでしょうか?

本田:まず「自分が上司として良かれと思ってやったことだとしても、部下にとってそれが良いとは限らない」という現実を痛感しました。

そして私に限らず、あらゆる場で上司と部下の言葉や意識の「かけ違い」が起こっていて、双方とも満足のいくコミュニケーションが取れていないため、社会問題になっていることがわかったんですね。

従業員の働きやすさは「一緒に働く上司が誰か」によって変わり、生産性や離職率も違ってくる。だからこそ、他の誰かに自分と同じ失敗を繰り返してほしくない。

そんな強い想いから、上司と部下の最適なコミュニケーションをサポートするサービスを作りたいと考えるようになりました。

大久保:素晴らしいですね。挫折を経験されている方だからこそ、より的確な社会課題の解決が目指せるのではないでしょうか。その後、すぐに起業されたのですか?

本田:いえ、まずはベンチャーの企業運営を学びたかったので、2015年にリクルートを退職し、スタートアップに参画しました。2社での役員を経て、2018年4月にKAKEAIを創業しています。

1on1コミュニケーションを支援するクラウドシステム「Kakeai(カケアイ)」

大久保:本田さんご自身の経験を活かして誕生した「Kakeai (以下カケアイ)」のサービス内容をお教えください。

本田「カケアイ」は1on1を支えるクラウドシステムです。「本音を引き出し、1on1の属人化を防いで、組織に定着させる」をテーマとし、現場に負担をかけない円滑な1対1コミュニケーションの支援を目的に開発されています。

1on1ミーティングを行う際は、部下から希望日時とともに「話したいテーマ」「上司に求める対応」を事前に選択して上司に送信。用意された項目からボタンで選ぶだけなので簡単です。

一方の上司は、1on1の前に面談のテーマと、「アドバイスがほしい」「話を聞いてほしい」などの期待されている対応を知ることができます。この事前フローにより、部下は悩みを聞いてほしいだけなのに「僕の経験上で言うと……」と上司が上から語り続けてしまうような「かけ違い」の防止を図ることができるんですね。

また上司の特性から、部下が話したいテーマが自分にとって得意か苦手かをAIが判別して表示する機能や、「カケアイ」導入企業の各マネージャーが会社の垣根を超えて協力しあう、自分が意識して取り組んでいるTIPSの共有により、上司側の気分も楽になって対応の質や効率を向上させることができます。

ほかにも、「GoogleやOutlookのカレンダー連携」「Zoomなどが不要な内蔵ビデオ通話」「メモ一元管理」「2人の間の約束事管理」など、1on1専用ツールならではのきめ細やかな機能を搭載しました。1on1の負担を大幅に削減し、継続するための工夫が凝らされていることもポイントです。

大久保:かゆいところに手が届くサービスですね。これまでは面談などで、「アドバイスしたらいいのか?話を聞いたほうがいいのか?」という腹のさぐりあいだけで前半を費やしてしまうケースが往々にしてありました(笑)。

本田:上司部下の“あるある”のひとつですよね(笑)。「カケアイ」なら部下が希望するテーマと対応を事前に確認できますので、お互いに無駄なストレスや余計な時間をかける必要がなく、シンプルで良質なやりとりが成立します。

大久保:同僚や直属の上司以外との1on1にも活用できますか?

本田:はい。多くの企業が上司部下を基本として利用した上で、最近では横つながりの同僚同士や、斜めつながりの直属の上司以外とのコミュニケーションが増加しました。

人事部がセッティングを促したり、ユーザー同士が招待し合う形で、直接関わりがない部署のロールモデルのような先輩との1on1や、直属上司のさらに上の部長とメンバーとの1on1なども積極的に行われています。

いずれの企業も雇用に関する環境の変遷や、事業環境そのものの大きな変化に対応し、従業員一人ひとりの視点に立ちながら試行錯誤されていますね。

コロナ禍に突入し、リモート前提の働き方へのスイッチにより需要が拡大

大久保:「カケアイ」が急速に普及した理由の中で最も大きかったのは、やはり新型コロナウイルスの影響でしょうか?

本田:はい。あらゆる企業が上司部下のコミュニケーションの難しさに悩んでいたところに、2020年からコロナ禍に突入し、リモートワークが増加したことで職場での対面機会が激減しました。

当初の予想以上にコロナが長引きそうな社会情勢となった2021年以降、リモート前提の働き方へのスイッチを余儀なくされ、「なんとかしなければ」という危機感や改善意識から導入いただいたと実感しています。

大久保:導入企業の割合は、大手と中小だとどちらが多いのでしょうか?

本田:割合的には大手が多いですが、様々な中小企業やベンチャーにもご活用いただいています。時代の変化の中で1on1の重要性を認識し、これからきちんと実践していきたいと考える企業が増えました。

特に大手企業のマネジメントを紐解いていくと、これまで上司と部下の話す機会が半年に1回程度しかなかったという会社が相当数にのぼるんですね。

この現状を打破すべく、たとえば「せめてこれからは月イチでコミュニケーションを取ろう」と推進するものの「本音が言えない/きけない」「負担の割りに効果の実感がない」「改善が促されない」など、なかなかうまくいかずに悩む。そこでさらに、どの企業でもさまざまな改善の手を打たれています。

こうしたトライ・アンド・エラーの末、弊社の「カケアイ」の導入実績や機能までご確認の上、「自社でつまずいた問題点をすべてクリアにしている」とご判断いただいた結果として選ばれていますね。

ベンチャーが戦う上で重要となる認知度向上を狙った効果的な事業戦略

大久保:コロナ禍で需要が急拡大しましたが、複数の特許取得や、数々のビジネスアワードでの受賞など、戦略的に進めてきた印象があります。事業戦略についてお聞かせください。

本田:開発当初から「良いプロダクトを作ったからといって、市場に知ってもらえなければ意味がない」と考えていました。認知度が向上しないと売上も伸びませんし、結果として世の中のお役に立つこともできません。

そのため、サービス構築の段階から「どういうサービスであれば多くのアワードを受賞できるだろう?」ということも踏まえて、具体的に細部を詰めていきました。

もちろん受賞を狙うために機能面などを整備したわけではなく、市場から評価される良質なサービスを作り上げれば、より多くの企業に導入いただけるのではないかなと。必然的に、社会課題の解決にもつながると思案していたからです。

おかげさまで、労働力人口減少・多様化・雇用流動化などの労働環境変化や重要性が高まり続ける最前線のマネジメント支援・強化に対応する「次のHR tech」「Work tech」として日本企業で初めて世界のHRtechスタートアップTOP30に選出されるなど、国内外から高い評価をいただいています。

大久保:御社のサービスの浸透により、日本国内にどんな好影響をもたらすことができそうですか?

本田:先ほどお話しした「一緒に働く上司が誰か」によって、働きやすさや生産性、離職率が変わってきます。そうした属人的な要素により、その人の人生も大きく左右されてしまうんですね。

「カケアイ」が普及することで、上司の部下への関わり方が高いレベルで均質化します。どういうことかと言いますと「カケアイ」で実施する1on1のフローそのものや、「カケアイ」を通して共有されるあらゆる管理職の「こんなやり方をしているよ」という知見が流通するからです。

その結果として、どこで誰と共に働いても、その人の持つ人生の可能性が絶対に毀損されることがない社会の実現を目指しています。

大久保:まさに「かけ違い」を起こさない社会の実現ですね。その想いが社名の由来にもつながっているのでしょうか?

本田:人と人が共に仕事をする上で掛け算になっていかないと、ただその場で一緒に働いているだけで終わってしまいます。これではあまりにももったいないですよね。

だからこそ「個人同士がきちんと掛け算で結果を出していく」、そして「個人と組織も掛け合いながら事業を前に進めていく」という想いから「KAKEAI」と命名しました。

起業で得た幸せは、世の中の課題解決のために集中して自分を追い込めること

大久保:最後に、起業家に向けてのメッセージをいただけますか。

本田:私が起業してから最も幸せなのは、「これだけに集中すればいい」という気持ちで事業に取り組めることです。

たとえば、誰かを嫉妬したり、自分と他者を比べることもなくなりました。世の中の課題解決のために、良い意味で自分自身を追い込むことができる多幸感を感じています。

「このテーマに人生を賭けよう!」というなんらかの想いを抱いている方は、勇気を持って挑戦することで出会える自分がいると思います。ぜひ恐れずに一歩を踏み出してほしいですね。

『上司と部下は、なぜすれちがうのか 本音を伝え/引き出す 仕組みと方法』 本田英貴 ダイヤモンド社

株式会社KAKEAI代表取締役社長 兼 CEOの本田英貴が、2018年の創業以来、属人的なコミュニケーションの解決に取り組んできた株式会社KAKEAIや、1on1クラウド「Kakeai(カケアイ)」を通じて確認できた事実をもとに、新たな時代の上司部下コミュニケーション法を示します。

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(取材協力: 株式会社KAKEAI 代表取締役社長兼CEO 本田 英貴
(編集: 創業手帳編集部)

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