独立・起業するには?初心者でも失敗しないための準備初心者でも失敗しないための準備・手順・おすすめの業種を解説
独立起業するために必要なこととは?手順・準備・やり方について

「いつかは独立したい」「自分の力で稼ぎたい」と考えながらも、何から始めればいいかわからない——。
独立には、準備不足による失敗リスクもありますが、正しいステップを踏めば誰でも実現できます。
本記事では、独立を目指す会社員の方に向けて、成功のための準備・資金計画・おすすめの業種などをわかりやすく解説します。
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この記事の目次
独立・起業の準備4ステップ|会社員のうちにできること
会社を辞めて独立・起業したいと考えているなら、当然ながら事前準備が必要です。しっかりとした準備をせずに見切り発車で独立や起業をしてしまうと、気づいたら資金が足りなくなっていた…などということになりかねません。
では、失敗しないためにはどのようなことを準備しておけば良いのでしょうか?
最終的にはさまざまな手続きや書類の準備などが必要になりますが、その前にまず行うべき起業準備は以下の4点です。
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1.「なぜ独立したいのか?」を考え、自己分析と事業選びをする
2.独立後のことを考えて、しっかりとした事業計画を立てる
3.周囲の理解を得て、人脈づくりをする
4.資金準備とお金の考え方を知る
これらは会社などへの在職中にしっかり考えておくべきもの。ひとつずつ見ていきましょう。
独立の準備①:自己分析と事業選び

起業前に行うべき準備の1つ目は、独立・起業の目的の明確化と自己分析、そしてそれに基づく事業選びです。
まずは「なぜ独立・起業したいのか」を明らかにし、自分の強みを活かせて楽しく続けられる事業を見つけましょう。
自己分析で強みを見つける
まずは、以下の点について自身のキャリアを振り返り、紙に書き出してみましょう。
- これまでの会社員生活で学んだスキル
- 得意なこと/好きなこと
- 楽しんで続けられること
- 自分の興味が湧くこと
これは、人生の棚卸しと呼ばれる作業です。紙に書き出すことで頭が整理され、アウトプットの練習にもなります。
さらに、家族や友人など「第三者」に話してフィードバックをもらうと、自分では気づかなかった強みや弱みが見えてくることもあります。
こうした作業を繰り返すことで、自分の強みを活かせる起業アイデアがきっと見つかるはずです。
自分の強みを活かせる仕事
ビジネスを成功させるには、顧客に「選んでもらうこと」が必要です。そのためには、自分の強みや経験を活かし、独自性を出せる分野である必要があります。
既存のビジネスの場合でも、自分らしさをプラスできる要素があるかどうかで、成功の確率は大きく変わってきます。
自己分析で洗い出したスキルや経験を頼りに、以下の点を考えてみてください。
- これまでの会社員生活で培ったスキルを活かせるか?
- 競合と比べて、自分ならではの強みを発揮できるか?
- お客様に「あなただから頼みたい」と思ってもらえる要素があるか?
自分らしさを発揮できる事業を選ぶことで、競合との差別化が可能になり、顧客にも選ばれやすくなります。
情熱を持って続けられる仕事
自分ができる仕事を選ぶのは重要ですが、それだけではモチベーションを維持することが難しくなります。
どうしてそのビジネスを選んだのか、理由がスラスラと述べられるものを見つけましょう。なんとなく選んだ仕事では長続きしないかもしれません。
特に、準備期間や独立起業初期など一人で仕事をする期間がある場合は、たった一人でもモチベーションを維持する必要があります。理由や熱意をもって取り組める事業を選びましょう。
また、働いている人が心の底から楽しく仕事に向き合っている事業に、お客さんも集まってきます。できる仕事でありながら、自分がワクワクできる仕事を選ぶことが、長期的な成功の秘訣です。
独立の準備②:起業後のことを考えて、事業計画を立てる

ビジネスの方向性が決まったら、独立・起業前にしっかり事業計画を準備しましょう。
ビジネスの方向性が決まったら、独立・起業前にしっかり事業計画を準備しましょう。この事前準備の完成度で、独立・起業の成功が左右されると言っても過言ではありません。
融資や助成金の申請に使うわけではないため、書式にこだわる必要はありませんが、以下の項目について具体的に考えておきましょう。
サービスの内容
思い描いている事業について、まずは自分の言葉で示してみましょう。端的な言葉でまとめることによって、事業の本質について改めて考えるきっかけになります。
この段階で事業名、顧客ターゲットなどをしっかり定義してください。
競合調査
独立・起業して始めようとしているビジネスについて、以下の点を明らかにしておきましょう。
- 市場状況はどうなのか?
- 競合にはどんなサービスがあるのか?
- それに対して自分の強みは何か? など
これらは、事業のマーケットにおける立ち位置を示します。自分の事業だけでなく、業界や競合他社を分析することで、強みを活かしたポジショニングを見つけられるでしょう。
マーケティング
独立起業後、一番難しいのが「どうやってお客さんを見つけるか」という点です。
事務所を開いたり、HPを開設したりしただけでは見つけてもらえません。
潜在顧客にどうアピールするかを事前に検討し、まとめておきましょう。例えば、以下のような方法はどんなビジネスでも有効です。
- 地元の店舗を開拓する
- インターネット広告を活用する
- 以前の仕事先に営業をかける など
近年はインターネットの発展により、自分の足を使ったスタイルの営業に抵抗感のある人も少なくありません。しかし、それが今では逆に差別化にもなります。
地道な営業を嫌がらず、顧客獲得に努めましょう。
営業が苦手という方は、外部委託という選択肢を活用するのもおすすめです。事前に「どういうマーケティング戦略を取るか」を計画しておくと、事業をスムーズに始められるでしょう。
明確な数値目標
独立後の目標を定量的に測れる「数字」で具体的に立てることも大切です。
「できる限りたくさん稼ぐ」といった曖昧な目標ではなく、事業を続けていく上での最低ライン(年間の生活費など)を算出し、必ず超えなくてはいけないラインを洗い出しておきましょう。
例えば「1年目の利益目標300万円」「1年目は黒字でなくても50件受注する」など、具体的で明確な数値にしておくことが重要です。そうすることで、努力の方向性が明確になり、事業に集中できます。
冊子版の創業手帳では、項目を埋めていくことで事業計画書が作成できるサービスを紹介しています。もうすこし具体的な事業計画書を書きたい、けれど手間はかけたなくない、という方にぴったりでしょう。ぜひチェックしてみてください。
独立の準備③:周囲の理解と人脈づくり

独立・起業には、家族の協力と既存の人脈が大きな力になります。
会社員時代は固定給や社会保険などの恩恵がありましたが、独立後は国民健康保険や年金など「目に見えない費用」が発生します。事業計画を使って収入見込みや生活水準を家族に説明し、安心して応援してもらえる環境を作りましょう。
また、退職後も前の会社との関係を大切にすることで、独立後の仕事につながる可能性があります。
編集者やシステム関係、デザインの仕事なら、「あなた個人」へ引き続き依頼したいという人も多いかもしれません。良好な関係を保ち、ビジネスの基盤として活用しましょう。
独立の準備④:資金準備とお金の考え方

独立・起業を成功させるには、資金の確保だけでなく、経営者としてのお金の扱い方を身につけることが重要です。
ここでは、投資の考え方、資金管理の方法、そして資金調達について解説します。
お金の使い方を見直す
サラリーマン時代と独立後では、お金の使い方に対する考え方が大きく異なります。
会社員時代は限られた給料の中でやりくりすることが多いですが、経営者の場合は設備費を節約しすぎると、仕事の効率が低下する可能性があります。
経営者としてビジネスをしていくためには、「投資」という考え方を持つべきです。
仕事環境への設備投資や、勉強会や交流会など人脈への投資は不可欠です。独立後はこういった投資が経費になるため、将来の事業につながるお金として上手に活用しましょう。
また、「安いほうがお客さんが増える」と安売りしすぎるのは避けましょう。忙しいだけで収入につながらない状態になります。自分のスキルに見合った適正な価格設定を心がけてください。
会計知識がない方は、独立前にある程度勉強しておくことをオススメします。
収入の確保方法を考える
独立や起業を考えるにあたって、「本当にお金が稼げるか」というのは大きな心配事です。だからこそ、独立起業前にお金を稼ぐルートについて考えておくことは非常に重要な準備です。このとき、収入源を1つに絞らず、複数考えておくと安心できるでしょう。
例えば、「毎月5万円は投資信託で運用する」と決めておけば、いざというときの資金が少し増えるので、心強さが増します。
また、自分のHPや人づての集客だけでなく、クラウドソーシングの仕組みを活用して「自分で仕事を獲得する」方法を考えておくと、依頼待ちで手空きの時間を作らずに済みます。
事業資金と生活費を分けて管理する
独立後は、事業資金とプライベートのお金の管理を徹底しなくてはなりません。一定の売上げを出していても、管理がずさんであれば知らないうちに赤字になり、廃業の可能性があります。
経営者は会社のお金の動きを把握しておく必要があるため、会計知識がない方は独立前にある程度勉強しておくことをオススメします。将来的に税理士に依頼する際も、基礎知識があるとやり取りがスムーズです。
会計ソフトを活用すれば、経理業務を効率化しながら経営者としてのお金の管理を学べます。冊子版の創業手帳では、会計ソフトの選び方についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
資金調達の方法を検討する
具体的な事業内容が決まると、必要な資金額もわかってきます。自己資金だけで足りるのか、足りなければどこから調達するかを検討してください。
現在は日本政策金融公庫の「新規開業資金」が利用できます。無担保・無保証人で融資が可能で、返済期間や金利も有利です。
その他、各地方自治体の補助金や助成金の対象になる場合もあります。
銀行などからの融資が難しい場合は、クラウドファンディングやエンジェル投資家、ベンチャーキャピタルからの出資も検討しましょう。
融資については、創業手帳別冊版「融資ガイド」で詳しく解説していますので、あわせてご参考ください。
独立・起業におすすめの仕事・職種5選

起業・独立する業種に迷うあなたへ、重視したいポイント別におすすめの職種をご紹介します。
スキルを活かせる専門職
これまでの経験や資格を活かして独立したい方には、以下のような仕事があります。
- 士業(税理士・司法書士など):専門性が高く、顧問契約で安定収入が見込める
- コンサルタント:業界経験を活かして企業の課題解決をサポート
- デザイナー・クリエイター:グラフィック、Web、動画など専門スキルで差別化
商品の仕入れが不要で、自分の知識とスキルがそのまま商品になるのが魅力です。
在宅・低リスクで始められる仕事
初期投資を抑えて在宅で始めたい方には、以下のような仕事があります。
- ネットショップ:実店舗不要で開業しやすく、無在庫販売も可能
- ライター:専門知識や経験を活かして記事執筆。クラウドソーシングで仕事獲得
- オンライン秘書・事務代行:企業の事務作業をリモートでサポート
場所を選ばず、固定費を抑えて始められるため、リスクを最小限にできます。
将来性の高いIT関連の仕事
成長市場で長期的に活躍したい方には、IT関連の仕事がおすすめです。
- プログラマー・エンジニア:システム開発やアプリ制作。エンジニア不足で需要が高い
- Webマーケター:SEO、SNS運用、広告運用など企業のWeb戦略をサポート
- 動画編集者:YouTubeや企業のプロモーション動画を制作
デジタル化が進む中、IT関連のスキルは今後も需要が拡大していく分野です。
フランチャイズで始めやすい仕事
ノウハウなしでも始められるフランチャイズを活用したい方には、以下のような業種があります。
- 飲食店:居酒屋・ファミレス・ラーメン店など。ブランド力を活かした集客が可能
- コンビニ:本部のサポート体制が充実。地域密着型ビジネス
- 清掃・ハウスクリーニング:比較的少額で開業でき、技術研修も受けられる
フランチャイズ契約を結ぶことで、事前研修やマニュアルが整備されており、未経験でも安心して始められます。
副業から独立しやすい仕事
会社員を続けながら副業で始め、軌道に乗ってから独立したい方には、以下のような仕事があります。
- オンライン講師:自分の得意分野を教える。Zoom等で完結
- スキル販売(ココナラ・SKIMAなど):イラスト、相談、占いなど自分のスキルを販売
- アフィリエイト・ブログ運営:情報発信で広告収入を得る
これらは時間の融通が利きやすく、本業と並行しながらスモールスタートできるのが魅力です。売上の目処が立ってから独立すれば、リスクを抑えられます。
また、以下の記事では、重視したいポイントごとにランキング形式で業種を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
独立・起業で失敗しないための注意点・リスク回避法

コロナウイルス騒動では、今までなら稼げたビジネスモデルが通用しなくなったり、AIの発達により新しい形態の事業が登場したりする様子は、我々を日々驚かせています。
ここからは独立や起業で失敗しないためにすべき準備について、ご紹介したいと思います。
失敗しないための注意点①:場所や時間を選ばないビジネスを検討する
コロナ禍で多くの対面ビジネスが苦戦した一方、場所や時間に縛られないビジネスは影響を受けにくく、成長したものもありました。このような柔軟性のあるビジネスモデルは、今後起こりうる様々な非常事態にも対応できる強みがあります。
非常事態への対応準備として、「まずはパソコン1台でどこでもできる仕事を選ぶ」「オンラインで完結するビジネスモデルを考える」といったことを検討してみてはいかがでしょうか。
失敗しないための注意点②:補助金や助成金を調べておく
独立や起業をする方向けに、様々な機関が補助金や助成金を用意しています。
こうした補助金や助成金を上手に活用しながら独立や起業をすることも大切です。ぜひ在職中から補助金等の情報には高いアンテナを張っておきましょう。
創業・開業にともなって申請できる助成金・補助金は、これから始めるビジネスの内容や規模などによって異なります。大きく分けて、創業時の助成金・事業関連の補助金・雇用関連の助成金です。
さらに詳しい助成金・補助金の内容は、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひあわせてご覧ください。
失敗しないための注意点③:「やりたい仕事」と「稼ぐための仕事」を分ける
独立・起業する上では、一つのビジネスに定めて注力することももちろん価値のあることですが、場合によっては「やりたい仕事」と「稼ぐための仕事」を分けて考えるということも必要です。
たとえば「最もやりたいのはそば屋の実店舗運営だけれど、いきなり大きな収入源にするのは難しいので、稼ぐための仕事としてWebのコンサル業を兼業する」など。
そして最もやりたいそば屋の仕事で稼げるようになったら、「稼ぐための仕事」を縮小していくことも可能です。
いかなる状況でも稼ぐための保険として、こうしたことについて考えておくと良いでしょう。
失敗しないための注意点④:独立するタイミングを見極める
おすすめの独立するタイミングは、事業で確実に売上げが見込めるとわかった段階です。
資金が集まったときと考えがちですが、開業できても収入がないかもしれ無いため注意しましょう。
独立はいつでもできますが、事業を継続するには売上げを確保し続けることが必要です。
失敗しないための注意点⑤:小規模の事業から始める
事業を始めたばかりの頃は売上げが少ないため、小規模の事業からスタートして失敗のリスクを抑えましょう。
もし失敗したとしても、マイナスが小さければ再チャレンジまでの期間が縮まります。
会社設立は費用がかかるので、まずは副業や個人事業主から始めてみてはいかがでしょうか。
「小さく始めて大きくする」ことが、起業成功への第一歩です。
失敗しないための注意点⑥:クレジットカードは独立前に契約する
クレジットカードは独立して個人事業を始める、または会社設立する前に契約することをおすすめします。
なぜなら、会社員より個人事業主や起業して間もない社長は、クレジットカード発行の審査が通りにくくなるからです。
また、住宅ローンの審査も同様です。住まいを購入する予定がある場合は、在職中にローンを組んで、その後に独立しましょう。
失敗しないための注意点⑦: 困ったときに相談できる相手をみつけておく
独立すると、会社員時代と違い、上司や同僚に気軽に相談することが難しくなります。特に資金繰りや集客、税務などの専門的な悩みは、ひとりで抱え込んでしまうと判断を誤るリスクもあります。
以下のような相談先を持っておくと安心です。
- よろず支援拠点:国が全国47都道府県に設置した無料の経営相談所で、何度でも相談可能
- 商工会議所:地域の商工会議所で創業相談や経営支援を受けられる
- 日本政策金融公庫:創業のガイドブックの配布や創業計画書の作成支援、融資相談などの総合的な創業サポートを提供
- 信頼できる税理士・社労士:税務申告や労務管理の専門知識で、法的リスクを回避し適切な手続きをサポート
- 起業仲間・先輩経営者:同じ立場での悩みを共有でき、実体験に基づく具体的なアドバイスを得られる
いざというときに「誰に聞けばいいか」がわかっているだけでも、大きな安心感につながります。独立前に、気軽に話せる相談先を1~2つ確保しておきましょう。
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独立と起業の違いは?

ビジネスの場合、独立とは勤務していた会社から離れ、身につけたノウハウや経験をもとに自分の力で生計を営むことをいいます。
一方起業とは、新たに事業を起こすことを指す言葉です。
独立と起業のどちらも、会社員として雇用されていたときには行わなかった、経営や従業員の労務、税務など業務に必要な手続きなども、自分で行うことが必要です。
まとめ・独立・起業は入念な準備が必須!
独立・起業を成功させるには、事前準備の質が何よりも重要です。会社員として固定収入があるうちにしっかり準備することで、金銭的にも精神的にも余裕を持って起業に臨めます。
当たり前の準備をコツコツ積み重ね、自分だけのビジネスを生み出してください。
冊子版の創業手帳では、起業に必要なノウハウを詳しく解説しています。会社員時代に準備しておけるものや、創業期から知っておいたほうがいい知識などを把握できるので、ぜひ参考にし、独立への第一歩を踏みだしてください。

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(執筆:創業手帳編集部)





