独立・開業するには? 起業を失敗しないための必要準備と7つの注意点を解説

創業手帳

後悔しない独立に向け、在職中にやるべきこと

社会人としてキャリアを重ねていくうちに、「ゆくゆくは起業したい」という気持ちを持つ方は少なくないはずです。

独立や起業には大きな責任やリスクが伴いますが、会社員生活では得られない収入や経験を手に入れるチャンスでもあります。

周囲の理解が得られても、充分に準備をせず勢いだけで独立や起業をすると、早期に撤退を余儀なくされる事態になりかねません。

そこで今回は、独立・起業を検討している方に向けて、在職中にできる事前準備をわかりやすく解説します。仕事を辞める前に、ぜひ参考にしてください。

創業手帳では「創業カレンダー」をご用意致しました。「起業したいけど何を準備したらいいかわからない」という声にお答えして、「創業予定日」を起点に1年前から1年後まで、“今すべきこと”をカレンダー形式で追える特典を無料で差し上げています。


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この記事の目次

独立・起業のために必要な準備7つ

会社を辞めて独立・起業したいと考えているなら、当然ながら事前準備が必要です。しっかりとした準備をせずに見切り発車で独立や起業をしてしまうと、気づいたら資金が足りなくなっていた…などということになりかねません。

では、失敗しないためにはどのようなことを準備しておけば良いのでしょうか?

最終的にはさまざまな手続きや書類の準備などが必要になりますが、その前にまず行うべき起業準備は以下の7点です。

  • 「なぜ独立したいのか?」を考え、自己分析をする
  • 独立後のことを考えて、しっかりとした事業計画を立てる
  • 収入と支出の考え方を身につける
  • 家族からの理解と協力を得る
  • 独立後も前に勤めていた企業と良好な関係を続ける
  • 独立する前にお金を生み出す仕組みを作る
  • 資金の調達方法を検討・選定する

これらは会社などへの在職中にしっかり考えておくべきもの。ひとつずつ見ていきましょう。

起業する方法について、詳しくはこちらの記事を>>
普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳の大久保が解説!

独立の準備①:「なぜ独立・起業したいのか?」を考え、自己分析をする


起業前に行うべき準備の1つ目は、独立・起業の目的の明確化と自己分析です。

まずは、「なぜ独立・起業したいのか」を明らかにしましょう。

就職活動の際に、自己分析をした経験がある人も多いと思いますが、職業には得手不得手があるものです。

それは、独立や起業にも同じことが言えます。まずは、本当に独立・起業をしたいのか、独立や起業をして何を成し遂げたいのかを改めて分析しましょう。

起業・独立の目的を明確にすることで、その後の行動方針がハッキリします。

自分の強みの見つけ方

分析と言っても、就職活動の際にやったような性格分析をする必要はありません。

まずは、以下の点について自身のキャリアを振り返り、上に書き出してみましょう。

  • これまでの会社員生活で学んだスキル
  • 得意なこと/好きなこと
  • 楽しんで続けられること
  • 自分の興味が湧くこと

これは、人生の棚卸しと呼ばれる作業です。紙に書き出すことで頭が整理され、アウトプットの練習にもなります。

さらに、家族や友人など「第三者」に話してフィードバックをもらうと、自分では気づかなかった強みや弱みが見えてくることもあります。

こうした作業を繰り返すことで、自分の強みを活かせる起業アイデアがきっと見つかるはずです。

独立・起業に向けた事業を選ぶ際のポイント3つ

自己分析を行うと、ぼんやりとでも「自分の強みを活かして、このビジネスができそう」といったアイデアがぼんやり浮かぶこともあるでしょう。

ゼロから独立起業を立ち上げる際に最も重要なのが、事業の選び方です。

これまで磨いてきたスキルを活かさない分野を選ぶのは、経験がもったいないですし、興味を持てない仕事では継続が難しくなります。

せっかく独立するのですから、「自分の強みを活かせる」「楽しく続けられる」事業を選ぶことが大切です。

ここでは、独立を成功させる事業選択のポイントとして、以下の3つを紹介します。

  • 「なぜその事業を選んだか」がハッキリしている仕事
  • 自分らしさをプラスできる仕事
  • 自分が楽しめる仕事

事業選びに失敗したくない人は、あわせてチェックしておきましょう。

独立起業の事業選びのポイント①:「なぜその事業を選んだか」がハッキリしている仕事

なんとなく選んだ仕事では、絶対に長続きしません。

どうしてそのビジネスを選んだのか、理由がスラスラと述べられるものを見つけましょう。

特に、準備期間や独立起業初期など一人で仕事をする期間がある場合は、たった一人でもモチベーションを維持しなければなりません。

理由や熱意をもって取り組める事業を選びましょう。

独立起業の事業選びのポイント②:自分らしさをプラスできる仕事

ビジネスを成功させるには、顧客に「選んでもらうこと」が必要です。

お客様が喜べない事業には何の価値もありません。そのためには、自分らしさを出せる分野である必要があります。

既存のビジネスの場合でも、自分らしさをプラスできる要素があるかどうかで、成功の確率は大きく変わってくるのです。

先ほどの自己分析を頼りに、自分らしさを発揮できる事業を探してみてください。

独立起業の事業選びのポイント③:自分が楽しめる仕事

自分ができる仕事を選ぶのは重要ですが、それだけではモチベーションを維持することが難しくなります。

働いている人が心の底から楽しく仕事に向き合っている事業に、お客さんも集まってきます。

できる仕事でありながら、自分がワクワクできる仕事を選びましょう。

独立の準備②:起業後のことを考えて、事業計画を立てる


ビジネスの方向性が決まったら、独立・起業前にしっかり事業計画を準備しましょう。

この事前準備の完成度で、独立・起業の成功が左右されると言っても過言ではありません。

事業計画と言っても、安心してください。融資や助成金の申請に使うわけではないため、書式にこだわる必要はありません。

以下に、目安として考えておきたいポイントをまとめましたので、それぞれの項目について考えてみてください。

事業計画の実現に具体的イメージが持てるくらいに準備を進めてから独立や起業をすると、心に余裕が持てるはずです。

事業計画を立てる際に意識すべきポイント4つ

事業計画を立てる際には、必ず検討すべき項目というものがいくつか存在します。
ここでは、計4つのポイントについて重要性と考え方を解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

事業計画のポイント①:サービスの内容

思い描いている事業について、まずは自分の言葉で示してみましょう。

端的な言葉でまとめることによって、事業の本質について改めて考えるきっかけになります。

この段階で事業名、顧客ターゲットなどをしっかり定義してください。

事業計画のポイント②:競合調査

独立・起業して始めようとしているビジネスについて、以下の点を明らかにしておきましょう。

  • 市場状況はどうなのか?
  • 競合にはどんなサービスがあるのか?
  • それに対して自分の強みは何か? など

これらは、事業のマーケットにおける立ち位置を示します。

自分の事業だけでなく、業界や競合他社を分析することで、強みを活かしたポジショニングを見つけられるでしょう。

事業計画のポイント③:マーケティング

独立起業後、一番難しいのが「どうやってお客さんを見つけるか」という点です。

事務所を開いたり、HPを開設したりしただけでは見つけてもらえません。

潜在顧客にどうアピールするかを事前に検討し、まとめておきましょう。例えば、以下のような方法はどんなビジネスでも有効です。

  • 地元の店舗を開拓する
  • インターネット広告を活用する
  • 以前の仕事先に営業をかける など

近年はインターネットの発展により、自分の足を使ったスタイルの営業に抵抗感のある人も少なくありません。しかし、それが今では逆に差別化にもなります。

地道な営業を嫌がらず、顧客獲得に努めましょう。

営業が苦手という方は、外部委託という選択肢を活用するのもおすすめです。

事前に「どういうマーケティング戦略を取るか」を計画しておくと、事業をスムーズに始められるでしょう。

事業計画のポイント④:明確な数値目標

独立後の目標を定量的に測れる「数字」で具体的に立てることも大切です。

「できる限りたくさん稼ぐ」といった曖昧な目標ではなく、事業を続けていく上での最低ライン(年間の生活費など)を算出し、必ず超えなくてはいけないラインを洗い出しておきましょう。

例えば「1年目の利益目標300万円」「1年目は黒字でなくても50件受注する」など、具体的で明確な数値にしておくことが重要です。

そうすることで、努力の方向性が明確になり、事業に集中できます。

冊子版の創業手帳では、項目を埋めていくことで事業計画書が作成できるサービスを紹介しています。もうすこし具体的な事業計画書を書きたい、けれど手間はかけたなくない、という方にぴったりでしょう。ぜひチェックしてみてください。

独立の準備③:起業前から収入と支出の考え方を身につける


サラリーマン時代と独立後では、お金の使い方に対する考え方が大きく異なります。

そのことを理解し、経営者としての金銭感覚を身につけておくことが、スムーズな独立起業の準備のカギです。

例えば、サラリーマン時代は限られた給料の中でやりくりすることが多いですが経営者の場合は、設備費を節約しすぎると、仕事の効率が低下する可能性があります。

経営者としてビジネスをしていくためには、「投資」という考え方を持つべきです。
ある程度の我慢が求められる場面もありますが、仕事環境への「設備投資」や、勉強会や交流会など「自分や人脈への投資」は不可欠でしょう。

独立して事業主となったら、こういった投資は経費になるので、決して無駄なお金ではありません。将来の事業にもつながるお金なので、上手に活用していきたいですね。

さらに、収入の得方についての考え方も、会社員時代と起業後では大きく異なります。
固定給の中で仕事をしていたサラリーマン時代とは違い、独立起業後は報酬を自分で決められます。
そのため、「安いほうがたくさんお客さんが捕まりそうだから」と自社の商品・サービスを安売りしすぎるのはおすすめできません。「忙しいばかりで収入につながらない…」という状態になってしまうからです。

自分のスキルを考えて適正な値段でやり取りできるように、考え方を改めておくことも大切な準備の一つです。

さらに、独立起業したばかりのときは、自分で経理作業を行うことも多いと思います。
経理作業は依頼できたとしても、経営者は会社のお金の動きを把握しておかなければいけません。
会計知識がない方は、独立前の時間を活用して、ある程度の勉強をしておくことをオススメします。
将来的に会計事務所や税理士に依頼する際に、知識がある方がやり取りをスムーズに進められるでしょう。

冊子版の創業手帳では、会計ソフトの導入について詳しく解説しています。会計ソフトは、ただ会計業務を簡単にするだけでなく、経営者としてのお金の管理や考え方について学ぶツールとしても使えます。ソフトの選び方も説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。

独立の準備④:家族からの理解と協力を得る


独立や起業にあたって、家族から反対を受けて諦める…というケースも少なくありません。自分の意志だけで自由にチャレンジできる独身時代と違い、結婚し、家族を持つと特にその傾向が強くなります。

会社員時代は、固定のお給料、社会保険や福利厚生など、会社員だからこそ受けられる恩恵がたくさんありました。しかし、独立や起業をすると、「目に見えない費用」がたくさんかかります。

例えば、事務所の家賃、人件費、国民健康保険、年金、失業保険といったものです。それを考えると、「会社員の給料くらい、独立してもすぐに稼げる」という考えでは甘いですよね。

安心して生活していくためにも、独立・起業後はどのくらい稼げて、どのくらいの生活水準になるかということをしっかり家族に話し、安心して応援してもらえる環境を作るというのも大切な準備です。

その際に、前述した「事業計画」が役に立ちます。将来の見通しを明らかにし、独立や起業を通してどんなことを成し遂げたいのか、あなたの想いを伝えることで、家族も独立の夢に向かって一緒に頑張ってくれるでしょう。

独立の準備⑤:起業後も前に勤めていた企業と良好な関係を続ける


独立・起業後の事業にもよりますが、退職したからといって会社との縁をすぐに切ってしまうのはもったいないです。

例えば、編集者やシステム関係、デザインの仕事であれば、「あなた個人」へ引き続き依頼したいという人も多いかもしれません。

退職前に顧客との関係を作っておくことで、独立・起業後もそこから仕事がもらえる可能性も高いです。

勤めていた会社は、あなた自身の強みを一番分かってくれている存在です。
良好な関係を保つことで、独立・起業後の仕事ルートとしても大きな役割を果たしてくれるでしょう。

独立の準備⑥:起業する前にお金を生み出す仕組みを作る


独立や起業を考えるにあたって、「本当にお金が稼げるか」というのは大きな心配事です。だからこそ、独立起業前にお金を稼ぐルートについて考えておくことは非常に重要な準備です。

このとき、収入源を1つに絞らず、複数考えておくと安心できるでしょう。

例えば、「毎月5万円は投資信託で運用する」と決めておけば、いざというときの資金が少し増えるので、心強さが増します。

また、自分のHPや人づての集客だけでなく、クラウドソーシングの仕組みを活用して「自分で仕事を獲得する」方法を考えておくと、依頼待ちで手空きの時間を作らずに済みます。

独立の準備⑦:資金の調達方法を検討・選定する


具体的な事業内容が決まると、必要な資金額もわかってきます。

自己資金だけで足りるのか、足りなければ必要な時期までに用意できるか、もし難しい場合はどこから調達するかを検討してください。

以前までは、独立する際に日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を活用できました。しかし、今ではその制度はなくなっています。

でも、ご安心ください。現在は「新規開業資金」が利用できます。

無担保・無保証人で融資が可能になり、返済期間や金利も有利に変更できるのが魅力です。

その他各地方自治体の補助金や助成金の対象になる場合もあります。

必要書類を入手して作成し、審査を受けましょう。

銀行などからの融資が難しい場合は、クラウドファンディングや他企業からの融資、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資などがあります。

事業内容に応じた方法にチャレンジしてください。

融資については、創業手帳別冊版「融資ガイド」もあわせてご参考ください。審査から返済までの流れや、融資活用や審査ポイントなど、融資についての情報が詰まった1冊になっています。無料で差し上げていますのでお気軽にお申し込みください。

独立におすすめの業種とは?


起業・独立する業種に迷うあなたへ、代表的なおすすめの業種をご紹介します。

在宅での仕事を重視するならネットショップ

完全在宅で開業できるネットショップは、実店舗が不要なため準備が少なく、初期費用を抑えられる点がメリットです。
運営に必要なネットショップのサイト作りは、高度なスキルがなくてもネットショップを開業できるサービスがありますので、それを利用すると簡単です。
扱う商品は実店舗と違ってあらかじめ仕入れておく必要はなく、無在庫での販売もできます。
ただし、ネットショップの開業しやすさから、商材によって競合者が多数いる可能性があります。
売れるネットショップ作りやデジタルマーケティングの知識をつけ、常に情報収集をすることが必要です。

将来性を重視するならプログラマー

システムの構築やソフトウェアの開発などに欠かせない、プログラミングを手掛ける仕事がプログラマーです。
エンジニア不足が叫ばれるIT業界では重宝され、将来性の高い仕事だとされています。
オンライン上で仕事のやりとりをすることも可能なため、在宅での開業もできます。
専門スキルが必要なので、業界で実務経験を積む、または副業で難易度の低いコーディングなどをこなしたあと、フリーのプログラマーとして開業するのが無難です。

専門スキルを活かすなら士業

士業とは、業種名に「○○士」とつくものをいいます。例えば弁護士・税理士・司法書士などです。
専門性の高い職種であり、社会に欠かせない仕事のため常に需要があります。
商品の仕入れがないため売り逃しによる赤字はなく、顧問契約できれば収入が安定するでしょう。

開業には事務所が必要ですが、自宅の一室やレンタルオフィスを使って賃料を抑える方法もあります。

フランチャイズでの独立を考えるなら飲食店

ノウハウなしでも始められるフランチャイズでの起業を考えているなら、飲食店がおすすめです。
居酒屋・ファミレス・ラーメン店などあらゆる分野でフランチャイズが展開されており、興味のあるものを選べます。
また、フランチャイズ契約を結ぶと、調理などの業務の事前研修があり、ブランド力を生かした集客も期待できます。

また、以下の記事では、重視したいポイントごとにランキング形式で業種を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

起業の職種について、詳しくはこちらの記事を>>
起業するならどの業種?独立・開業におすすめの業種ランキング14!

独立・開業に関するよくある質問


独立と開業の違いや、一人での企業におすすめの仕事、活用できる補助金について解説します。
独立・開業に備えて学んでおきましょう。

独立と起業の違いは?

ビジネスの場合、独立とは勤務していた会社から離れ、身につけたノウハウや経験をもとに自分の力で生計を営むことをいいます。
一方起業とは、新たに事業を起こすことを指す言葉です。

独立と起業のどちらも、会社員として雇用されていたときには行わなかった、経営や従業員の労務、税務など業務に必要な手続きなども、自分で行うことが必要です。

一人で起業するのにおすすめな仕事は?

一人で起業する場合、身につけたスキルを生かせる仕事や、取得した資格や免許を使う仕事がおすすめです。
これまでの経験などを生かし、一人で起業できる仕事を挙げておきます。

【スキルを生かせる仕事例】
  • ネットショップオーナー
  • エンジニア
  • アフィリエイター
  • ライター
  • イラストレーター
  • カメラマン
  • コンサルタント
  • コーディネーター
  • など

学生時代、または社会人として働く中で取得した資格や免許を生かせる仕事は以下のとおりです。

【資格や免許を生かせる仕事】
  • 士業
  • 飲食店
  • 建築業
  • インストラクターや講師
  • 医療系
  • ファイナンシャルプランナー
  • など

独立・起業に活用できる補助金は?

独立・起業に必要な資金は自分で貯めるだけでなく、上手に助成金や補助金を活用しましょう。
創業・開業にともなって申請できる助成金・補助金は、これから始めるビジネスの内容や規模などによって異なります。
大きく分けて、創業時の助成金・事業関連の補助金・雇用関連の助成金です。

さらに詳しい助成金・補助金の内容は、以下の記事で詳しく説明しています。
ぜひあわせてご覧ください。

補助金・助成金について、詳しくはこちらの記事を>>
【2024年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ12選の制度

失敗しないために!非常事態でも独立・起業時に気をつけるべき注意点7つ


2020年のコロナウイルス騒動は、世の中の様々な常識を覆してしまいました。今まで当然稼げるとされていたビジネスモデルが通用しなくなったり、まったく新しい形態の事業が登場したりする様子は、我々を日々驚かせました。

ここまで独立や起業前に行いたい7つの準備について詳しくご説明してきましたが、コロナ禍のような非常事態時でも独立や起業で失敗しないためにすべき準備について、ご紹介したいと思います。

失敗しないための注意点①:場所や時間を選ばないビジネスを検討する

ご存知の通り、コロナ禍においては、人が動いたり集まったりすることによりお金を稼ぐモデルのビジネスが、外出自粛の影響を受けて軒並み苦境に立たされました。

そんな中、コロナの悪影響をあまり受けなかった・もしくはむしろコロナを追い風にして大きく伸びたビジネスや職業もあります。それらの特徴の一つは、場所や時間を選ばないために外出自粛の影響を受けなかったということでしょう。

もちろんコロナだけが非常事態というわけではありませんが、今回のように場所や時間に左右されずにできる仕事やビジネスモデルは、様々な状況に対応できる可能性があるといえます。

非常事態への対応準備として、「まずはパソコン1台でどこでもできる仕事を選ぶ」「オンラインで完結するビジネスモデルを考える」といったことを検討してみてはいかがでしょうか。

失敗しないための注意点②:補助金や助成金を調べておく

独立や起業をする方向けに、様々な機関が補助金や助成金を用意しています。

平時にももちろん多くの補助金等がありますが、コロナ禍においては特別な補助金や助成金を準備した団体もありました。

こうした補助金や助成金を上手に活用しながら独立や起業をすることも大切です。

ぜひ在職中から補助金等の情報には高いアンテナを張っておきましょう。

創業手帳では、「補助金AI」を無料提供しています。自分にあった補助金・助成金情報がメール配信されますので、ぜひご活用ください。


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失敗しないための注意点③:「やりたい仕事」と「稼ぐための仕事」を分ける

独立・起業する上では、一つのビジネスに定めて注力することももちろん価値のあることですが、場合によっては「やりたい仕事」と「稼ぐための仕事」を分けて考えるということも必要です。

たとえば「最もやりたいのはそば屋の実店舗運営だけれど、特に非常事態下では大きな収入源にするのは難しいので、稼ぐための仕事としてWebのコンサル業を兼業する」など。

そして最もやりたいそば屋の仕事で稼げるようになったら、「稼ぐための仕事」を終了する、ということも可能です。

非常事態にも対応するための準備として、こうしたことについて考えておくと良いでしょう。

失敗しないための注意点④:独立するタイミングを見極める

おすすめの独立するタイミングは、事業で確実に売上げが見込めるとわかった段階です。

資金が集まったときと考えがちですが、開業できても収入がないかもしれ無いため注意しましょう。

独立はいつでもできますが、事業を継続するには売上げを確保し続けることが必要です

失敗しないための注意点⑤:小規模の事業から始める

事業を始めたばかりの頃は売上げが少ないため、小規模の事業からスタートして失敗のリスクを抑えましょう。

もし失敗したとしても、マイナスが小さければ再チャレンジまでの期間が縮まります。

会社設立は費用がかかるので、まずは副業や個人事業主から始めてみてはいかがでしょうか。

小さく始めて大きくする」ことが、起業成功への第一歩です。

失敗しないための注意点⑥:クレジットカードは独立前に契約する

クレジットカードは独立して個人事業を始める、または会社設立する前に契約することをおすすめします。

なぜなら、会社員より個人事業主や起業して間もない社長は、クレジットカード発行の審査が通りにくくなるからです。

また、住宅ローンの審査も同様です。住まいを購入する予定がある場合は、在職中にローンを組んで、その後に独立しましょう。

失敗しないための注意点⑦:資金管理を徹底する

独立後は、事業資金とプライベートのお金の管理を徹底しなくてはなりません。

一定の売上げを出していても、管理がずさんであれば知らないうちに赤字になり、廃業の可能性があります。

資金管理について勉強する、または苦手な人は資金管理システムを導入して正確に管理しましょう。

まとめ・独立・起業をして自分らしい働き方を実現しよう

当たり前の準備をしっかり行ってから独立に臨む人は意外と少ないものです。

独立してから準備したのでは、収入がない状態での準備となり、気持ちも焦ってしまいます。ですが、会社員として固定収入があるうちに独立準備をすることで、金銭的にも精神的にも余裕を持って起業に臨めます。

大きな成功を果たすために、小さな事前準備を積み重ね、自分だけのビジネスを生み出してください。

冊子版の創業手帳では、起業に必要なノウハウを詳しく解説しています。会社員時代に準備しておけるものや、創業期から知っておいたほうがいい知識などを把握できるので、ぜひ参考にし、独立への第一歩を踏みだしてください。


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(執筆:創業手帳編集部)

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