会社設立の手続きは代行してもらえる?代行先の探し方も紹介

創業手帳

会社設立の代行を利用して起業をスムーズに進めよう


個人事業主は、税務署に開業届を出せば創業、開業することができます。
一方で、会社を設立する場合には、書類一枚を提出するだけでは終わりません。手続きのための書類も増えて、内容もより煩雑になっていきます。
法的に会社として認められるための大切なステップではありますが、開業準備中に役所に出向いたり、書類を作成したりする時間を捻出するのは大変です。

会社を設立する時には、代行を利用する方法もあります。
どのような手続きを代行してもらえるのか、どのように代行先を選べば良いのかを紹介します。

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会社設立の手続きの流れ


会社を設立するまでには、多くの手続きが発生します。税務署や都道府県事務所に出向いたり、添付書類を用意したりと時間も手間もかかるでしょう。
会社設立時の手続きをどのように進めるか、流れを説明します。

会社を設立する流れ

以下では、会社を設立するまでの流れをまとめています。
会社を設立するためには、会社の基本事項を決定して、法務局で登記を行います。登記には、法人の実印が必要です。

さらに設立登記が完了してからも、税務署や都道府県税事務所、市町村役場に法人設立届出書を提出したり、社会保険関連の届け出をしたりと多くの手続きを行います。
法律上の許認可が必要な仕事であれば、さらに所定の許認可手続きが求められます。

STEP1 会社概要の決定
STEP2 法人用実印の作成
STEP3 定款の作成と認証
STEP4 資本金の払い込み
STEP5 登記申請
STEP6 設立登記後の各種手続き

会社設立で代行を利用できる手続きは?

会社を設立するには、手続きがいくつも必要です。しかし、専門家に依頼することによって、手続きの手間や時間の負担を軽減できます。
専門家に代行を依頼できる手続きを紹介します。

法人用実印の作成

法人として登記する時には、印鑑登録も行います。法人の印鑑には、実印と銀行印、角印があり、法務局に印鑑登録するのは実印です。

法人で使う印鑑の値段は、使う素材や仕上げによって違います。
請け負う業者によっても価格が違うので、代行を依頼する業者を比較して決めることをおすすめします。

定款の作成と認証

定款は、会社の基本的なルールを定めた書類です。会社の憲法とも呼ばれ、商号や事業目的、本店所在地などを定めます。
定款には書面と電子申請があり、電子定款を選択した場合には収入印紙代の4万円を節約できます。

事業を行うにあたって重要な位置づけとなる定款ですが、専門家に作成を代行してもらうことが可能です。
電子定款はICカードリーダライタを使用して手続きをしますが、代行してもらえば自分でICカードリーダライタを用意しなくても手続きを任せられます。

また、定款に不備がないか不安な場合も、代行業者にチェックしてもらうと安心です。
定款に将来のトラブルを防げるような文言を入れておくなど、専門家からのアドバイスが役に立ちます

登記申請書類の作成と申請

定款の作成と認証を受けた後には、資本金を払い込んでいよいよ登記申請を行います。
法務局に申請するための株式会社設立登記申請書や印鑑届出書、収入承諾書などの書類を用意します。

書類が用意できたら、会社の本店所在地管轄の法務局に設立登記申請を行います。土日祝日や、年末年始を除いた平日に申請してください。

ここで書類に不備がなければ、会社が設立できます。
登記の申請は書類も多くあるため、間違いを避けるのであれば専門家に依頼するようにしてください。

設立登記後の各種手続き

会社を設立登記してからも、手続きはたくさんあります。税務署や都道府県税事務所、市町村役場に法人の設立を届け出なければいけません。

また、社会保険の手続きも必要です。
これらの会社設立の手続きは、会社を設立してから〇日までに届け出るといった形で期限が決まっています

会社を設立して慌ただしい中で、期限を守りつつ間違いがないように届け出るのは大変です。
代行業者を使ったり、電子申請を利用したりして負担を減らすように工夫してください。

会社設立の代行費用はどのくらい?

自分で会社を設立する場合も代行に依頼する場合も、会社の設立には費用が発生します。
登録免許税や定款の謄本手数料などを合計して株式会社の場合には25万円以上、合同会社の場合には11万円以上必要です。

代行を依頼する場合には、代行の内容によっても違いますが、上記の費用に加えて5~20万円程度かかるとされています。
上記で説明会社設立費用は金額は定款の収入印紙代も加えたものなので、もしも代行依頼して電子定款にすれば4万円は設立費用を削減できます。
もちろん、自分で電子定款を作成する方法であればより安くなりますが、その場合にはICカードリーダライタも自分で用意するため購入費用が発生します。

会社の設立代行業者の中には、手数料0円で対応している業者もあります。これは、会社を設立してから顧問契約をする前提の価格です。

つまり、顧問契約で顧問料が発生するため、会社設立の時にはサービスとして手数料を0円にしています
専門家に顧問をお願いしようと考えているのであれば、利用を検討してみてください。

会社設立代行の手続きはどの専門家に依頼するべき?


会社設立の代行を依頼できる専門家は、様々あります。
専門家にはそれぞれ専門の領域があり、ひとつの専門家だけで会社に関わるすべての領域はカバーできません。
自社の事業や依頼したい内容に合わせて適した専門家を選ぶよう、おすすめします。

司法書士

司法書士は、登記申請や裁判事務といった法律の専門家です。
法人の登記申請の代行は司法書士はできますが、以下で紹介している行政書士や税理士、社会保険労務士にはできません。
司法書士は登記申請の専門家なので安心して依頼でき、法律面で不安がある場合にも安心して相談できます。

行政書士

行政書士は、行政への許認可申請や書類作成の専門家です。
法人設立登記の権限はないため、定款作成以降の業務はほかの専門家に依頼することになります。
しかし、定款の作成は行政書士業務なので安心して依頼できるでしょう。

行政書士は、その事務所によって提供しているサービスが異なります。
定款の作成だけを請け負っている場合もあれば、司法書士などと提携して会社設立の登記代行も実施している場合もあります。

税理士

税理士は税務の専門家ですが、会社設立の代行業務を提供していることがあります。
これは、すべてを税理士が担当するのではなく、税理士が提携している行政書士や司法書士の窓口になっている仕組みです。

事業を開始してからも税金や決算、資金調達といった税理士が役立つ場面はたくさんあります。
税務相談をしたい場合や代行後の税務処理も依頼したい場合には、税理士に代行を依頼しましょう。

社会保険労務士

社会保険労務士も、会社設立以降の業務代行を行っています。社会保険労務士は、採用から退職までの労働や社会保険に関する専門家です。

会社を設立してからも、年金や社会保険、就業規則などの届け出が必要です。
会社を設立する時には、どのような就業規則にするか人事労務体制を構築しなければいけません。
多くの企業に関わって労務トラブルにも対応してきた社会保険労務士は、心強いアドバイザーになるでしょう。

会社設立の相談を誰にするかについて、詳しくはこちらの記事を>>
会社設立の相談は誰にする?司法書士・行政書士・社労士・税理士を徹底比較

会社設立の代行先を探す時の注意点


会社設立を代行している会社はたくさんあります。
どの業者に依頼すれば良いのかと悩んだ時、どのようなポイントで選べば良いのか注意点をまとめました。

代行できる範囲を確認する

代行先を探す時初めに確認してほしいのが、どこまで代行してもらえるのか、代行の範囲です。
定款の作成を含めて会社設立にかかるすべての届け出を代行しているのか、それとも定款作成のように一部だけを代行しているのか確認してください。

代行先のサービスや業種によって、代行する範囲が違います。
すべてを依頼したいと考えて依頼したものの、対応範囲が狭くて結局自分で行った、もしくはコストを考えて一部だけの代行で十分といった場合もあります。

手続きの手間や時間をできるだけ少なくするのであれば、広い範囲をカバーしている代行先がおすすめです。
コストを抑えて一部を専門家に依頼するなら、代行範囲が狭い代行先でも問題ありません。
どこまで代行してもらうか考えてから探すようにしてください。

電子定款に対応可能か

定款には、紙で提出するものと電子定款があります。電子定款であれば、収入印紙が不要となるためコストカットになります。
できるだけ会社設立費用を少なくするのであれば、電子定款に対応している代行先を選んでください

顧問契約などの条件があるか

代行先の中には、顧問契約がある場合のみ0円もしくは安価で会社設立代行をしているケースもあります。
安価で設立を代行してもらえたと思っていたら顧問料が発生してしまうといったトラブルを避けるために、契約前に顧問契約などの条件があるかどうかをチェックしてください。

確定申告で税理士に依頼する予定があるといった顧問契約が必要な場合は、それでも問題はありません。
しかし、必要な場合だけのサポートで十分、顧問契約までは必要ないケースもあります。
そういった場合には、顧問契約がない代行先を選ぶようにしてください。

多くの種類の士業とつながりがあるか

ビジネスに関係する士業は、事業を遂行する上で関わる機会も多いでしょう。
士業は、弁護士や弁理士、税理士、中小企業診断士、公認会計士など多岐にわたります。業種によっては、土地家屋調査士や宅建士とも関わるかもしれません。

自社で専門家に依頼することも可能ですが、士業とのつながりがある代行先であれば相談しやすくなります。
どのような専門家とネットワークがあるのか尋ねてみてください。

会社設立で代行を利用するメリット・デメリット


会社の設立手続きは自分で行うこともできますが、専門家に依頼することも可能です。
代行を利用した場合のメリット、デメリットについて紹介します。

メリット①事業に集中して取り組める

会社設立には、数多くの手続きが発生します。事業の準備を進めるのと同時に、会社設立手続きを行うのは大変です。

書類の書き方や提出方法を調べながら作成することになるので、手間と時間が大きくなってしまうでしょう。
代行を依頼することで、自分の専門ではない作業を避けて早く事業に集中することができます

メリット②間違いを予防できる

会社設立の手続きには、煩雑なものもあります。慣れない書類に手間取って間違ってしまうかもしれません。

設立の書類に間違いがあれば、余計な時間がかかったりトラブルになったりすることも考えられます。
会社設立の手続き経験が豊富な専門家に代行してもらうことで間違いを防ぎ、無駄な手間や時間を省くことが可能です。

メリット③プロに相談できる

専門家に代行を依頼することで、会社設立後の不安な部分も相談できます
例えば、決算や確定申告では税理士、人を雇用する場面では社会保険労務士の知識が役に立つでしょう。
代行先を選ぶ時には、何のプロに相談したいかも考えて選ぶことをおすすめします。

メリット④創業後もアフターフォローを受けられる

会社を設立した後に、税理士や司法書士と連携して仕事をするケースもあります。創業してからも税務や労務の専門家のフォローを必要とする場面は少なくありません。
そういった場合には、顧問契約を前提として会社設立の代行を依頼する方法も検討してみてください。

デメリット①お金がかかる

会社設立を代行してもらうことで、外注費用が発生します。
会社の設立時で少しでもお金があれば事業に回したいといった場合には、代行を利用するよりも自分で手続きしたほうが良いかもしれません。

自分で設立手続きをした場合にかかる手間や時間と代行を利用した場合のコストを比較して、どちらが良い選択か検討してください。

デメリット②良い専門家に出会えるかどうかわからない

会社の設立を代行してもらう場合、自分で代行を請け負っている専門家を探さなければいけません。
同じ専門家であっても、専門領域が違います。

また、自分がどのようなサポートを必要としているかによっても、適した専門家は違うものです。
うまく相性が良い専門家に出会えれば、会社を設立した後も長く付き合う信頼関係を構築できるでしょう。

自分でニーズに合う専門家を探すのは大変なので、すでに会社を設立している知り合いがいる場合には、紹介してもらう方法も検討しても良いかもしれません。
商工会議所では専門家派遣のエキスパートバンクも行っているので、専門家の力を借りたい場合には利用してみましょう。

まとめ

会社設立の手続きは、慣れていないとわかりにくい書類や手続きもあります。
自分でチャレンジしてみて不安がある場合には、思い切って任せられるものは専門家に任せてしまっても良いでしょう。
代行を利用することで、時間的なコストを減らすことにもなります。

会社設立は、あくまで会社の事業が成功するための手段です。効率良く事業を進める、ビジネスの成功のために最適な方法を選ぶようにしてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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