【2022年】「ものづくり補助金」10次締切以降の変更点まとめ。申請枠、補助額、対象事業者が見直し・拡充されます

創業手帳

10次締切以降の申請ポイントをわかりやすく解説します

ものづくり補助金10次
令和3年度の補正予算によって「ものづくり補助金」の申請枠、補助額、対象事業者などの見直し、拡充が決定しました。

令和4年3月15日から申請受付開始した10次締切から適用となっているので、今回は変更点をまとめてわかりやすく解説します。

10次締切以降に初めて申請をする方にも役立つよう、ものづくり補助金の概要や申請スケジュールも紹介します。ぜひ最後までごらん下さい。

※「ものづくり補助金」の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。当記事では「ものづくり補助金」と表記します。

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ものづくり補助金とは

製造業
ものづくり補助金の最終的な目的を大まかにいうと、「日本国内の企業が成長する→成長によって得た利益を労働者に分配する」という流れをスムーズに循環させることです。

ものづくり補助金は、中小企業等がこの目的を達成する過程で乗り越えるべき2つのハードルに着目し、ハードルを乗り越えるサポートをするための事業(国の事業)です。

  • 国が今後実施する制度変更への対応をサポート(働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げなど)
  • 革新的なサービスの開発、生産プロセスの改善などのための設備投資等をサポート

ものづくり補助金には大きく分けて2つの申請型があり、補助上限額と補助率が違います

  • 一般型:事業改革の内容によって、4つの枠組みに分かれています
  • グローバル展開型:一般型よりも優れた申請内容が求められる型です

補助上限額 補助率
一般型 750万円
〜2,000万円
1/2or2/3
グローバル
展開型
3,000万円

補助金額と補助率は、従業員規模等の基準によって違います。また補助金を受け取るための要件もそれぞれ違うため、後ほどわかりやすく解説します。

「ものづくり補助金」10次締切以降の変更点は3つ

冒頭でお伝えしたとおり、「ものづくり補助金」は10次締切以降から内容が大幅に見直し、拡充されました

まずは「10次締切以降の申請に関わる主な変更点3つ」と「9次締切までで終了した申請内容2つ」を、まとめて確認しましょう。

10次締切以降の申請に関わる主な変更点

  • 一般型に3つの枠を新設
  • 補助額・補助率の見直し
  • 補助対象事業者の見直し、拡充補助上限額の変更

9次締切までで終了した申請内容

  • 一般型の低感染リスク型ビジネス枠を廃止
  • 低感染リスク型ビジネス枠廃止に伴い、広告宣伝費、販売促進費を補助対象経費から除外

10次締切以降の申請に関わる変更点の詳細を、わかりやすく解説します。

一般型に3つの枠を新設

10次締切以降は、一般型に3つの枠が新設されます。以下の中から、事業内容に合う枠や型で申請をして下さい。

一般型 通常枠 従来どおり
回復型賃上げ
・雇用拡大枠
新設
デジタル枠
グリーン枠
グローバル
展開型
従来どおり

補助額・補助率の見直し

申請枠の新設とあわせて、補助金額や補助率の見直し・拡充も決定しました。補助金額と補助率を、一覧表で紹介します。(変更が無い申請型・枠も含めて紹介します)

補助額の上限 補助率
一般型
通常枠 750
〜1,250万円
1/2or2/3
回復型賃上げ
・雇用拡大枠
2/3
デジタル枠
グリーン枠 1,000
〜2,000万円
グローバル展開型
3,000万円 1/2or2/3

補助額について
9次締切までの一般型の補助上限額は、1,000万円でした。10次締切からは、従業員の人数と事業内容にマッチしやすい補助額となっています。

補助率について
「一般型の通常枠」、「グローバル展開型」で補助率が2/3となる事業者については、最新の公募要領で確認しましょう。

ものづくり補助金通常枠の補助率

ものづくり補助金グローバル展開型補助率

一般型の「補助率」の欄に記載されている再生事業者とは、「中小企業再生支援スキーム※」に基づいて再生計画を策定する事業者のことです。

ものづくり補助金における再生事業者の定義については、こちらで確認して下さい。

※「中小企業再生支援スキーム」とは、債務免除等によって再生の可能性がある事業者を支援する際の全体像が記載された文書のことです。

補助対象事業者の見直し、拡充

9次締切までの補助対象事業者は、以下の中小企業者等のみでした。

    

中小企業等
(資本金、従業員数どちらかを満たせばOK)
業種 資本金額 従業員数
製造業、建設業、運輸業、旅行業 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 ※1 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
ゴム製品製造業※3 3億円以下 900人以下
ソフトウェア業、情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下
その他 3億円以下 300人以下

※1 ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く
※2 自動車や航空機用のタイヤ・チューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く

10次締切以降は、以下の特定事業者も補助対象事業者となりました

    

特定事業者
(資本金、従業員数どちらも満たす必要あり)
業種 資本金額 従業員数
製造業、建設業、運輸業、旅行業 10億円未満 500人以下
卸売業 400人以下
サービス業 300人以下
小売業

特定事業者とは、中小企業から中堅企業(従業員数100~1,000人未満)へと成長している途中の企業のことです。

国が取り組んでいる「特定事業者への支援強化」の一環として、対象事業者に追加されました。

補助対象経費

委託

ものづくり補助金は、企業が成長する上で大きなハードルとなるサービスの開発等をサポートする事業です。

そのため、補助対象となる経費が厳密に決まっています

  • 50万円以上(税抜き)の設備投資が必須
  • サービスの開発、設備投資などに伴う経費

具体的な補助対象経費を、一覧表で紹介します。

補助対象経費の区分 具体例
機械装置・システム構築費 電子計算機購入費、デジタル複合機購入費
技術導入費 知的財産権(特許権等)の導入費用
専門家経費 技術指導者へ支払う報酬、弁護士費用
運搬費 宅配料、郵送料
クラウドサービス利用費 レンタルサーバー料(サーバーの領域を借りる料金)、プロバイダ契約料
原材料費 試作品開発に使うための原材料費
外注費 新製品開発の際に必要な加工代、検査費
知的財産権等関連費用 特許取得の際に弁理士に支払う報酬
海外旅費
(グローバル展開型のみ)
海外での事業拡大に必要な渡航費や宿泊費

申請書に記載する経費の中で補助対象となるかどうか判断が難しいものがある場合は、事務局へ問い合わせをして確認するのがおすすめです。

ものづくり補助金事務局サポートセンター
電話番号:050-8880-4053(平日10時〜17時)
メールアドレス:monohojo@pasona.co.jp

また上限が決まっている経費もあるため(「補助対象経費総額の1/2」等)、申請時には公募要領に目を通しましょう。

「ものづくり補助金」一般型4つの枠の補助要件

ものづくり補助金の一般型は、4つの枠に分かれています。

補助金を受け取るために以下の「基本要件」と「各枠独自の要件」を満たす必要があるため、それぞれ紹介します。

基本要件(すべての型・枠で必ず満たすべき要件)
前述した50万円以上(税抜き)の設備投資のほか、以下の要件すべてを満たす3〜5年の事業計画を策定し、実行する必要があります。

  • 付加価値額※を+3%以上/年にする
  • 給与支給額を+1.5%以上/年にする
  • 事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円

※「付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費」です。

基本要件の特例(令和4年3月時点で実施中)
新型コロナウィルスが企業経営に影響をおよぼしている現状から、以下の特例が実施されています。(「回復型賃上げ・雇用拡大枠」以外)

  • 事業開始期間を1年間猶予(先送りOK)
  • 猶予期間中は「付加価値額+3%以上/年」と「事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円」をクリアする必要なし

通常枠について

一般型の「通常枠」は以下に取り組む事業者向けの申請枠で、独自の要件はありません。

  • 革新的な製品やサービスの開発に必要な設備投資等
  • 革新的な生産プロセスやサービス提供方法の改善に必要な設備投資等

通常枠の補助金額と補助率を、再確認しましょう。提出書類も紹介します。

補助金額
5人以下 100〜750万円
6〜20人 100〜1,000万円
21人以上 100〜1,250万円
補助率
中小企業者等 1/2
小規模企業者
小規模事業者
再生事業者
2/3
提出書類
必須 ・事業計画書
・賃金引上げ計画の誓約書
・決算書等※1
・従業員数の確認書類
該当する場合のみ ・労働者名簿※2
・加点項目の確認書類※3

※1 具体的には以下のとおりです。
・法人:第〇期決算書等(事業者名)
・個人事業主:確定申告書等(事業者名)
・設立後間もないというで決算書等が無い事業者:設立事業計画書等(事業者名)
※2 労働者名簿は「申請時に従業員数21名以上で、その後定められた時点で20名以下となった場合」に必要です。
※3 加点項目の確認に必要な書類は、審査の加点要素がある場合に必要です。

回復型賃上げ・雇用拡大枠について

一般型の「回復型賃上げ・雇用拡大枠」は、経営状況が厳しい中であっても賃上げや雇用拡大を実施しながら、通常枠と同様に設備投資等に取り組む事業者向けの申請枠です。

基本要件の他に、以下3つの独自要件も満たす必要があります。

  • 前事業年度の課税所得がゼロ
  • 常時使用する使用人がいる(1人で経営している法人、個人事業はNG
  • 補助事業年度の翌年度3月時点で給与支払総額と事業場内最低賃金の増加目標達成

回復型賃上げ・雇用拡大枠の補助金額と補助率を、再確認しましょう。提出書類も紹介します。

補助金額
5人以下 100〜750万円
6〜20人 100〜1,000万円
21人以上 100〜1,250万円
補助率
2/3
提出書類
必須 ・事業計画書
・賃金引上げ計画の誓約書
・決算書等
・従業員数の確認書類
・確定申告書
該当する場合のみ ・労働者名簿
・加点項目の確認書類

※「決算書等」、「労働者名簿」、「加点項目の確認書」の詳細については、通常枠と同じです。

回復型賃上げ・雇用拡大枠には「前年度の課税所得がゼロ」という要件があるため、課税所得が確認できる「確定申告書」の提出が必要です。

デジタル枠について

一般型の「デジタル枠」は、DX(デジタルトランスフォーメーション)※のために設備投資を行う事業者向けの申請枠です。

※DXとは、デジタル技術を使って世の中に変革を起こすような事業のことです。

基本要件の他に、以下3つの独自要件も満たす必要があります。

  • 「DXのための革新的な製品やサービスの開発」or「デジタル技術を使った生産プロセスやサービス提供方法の改善」どちらかの事業
  • 指定された指標をもとにDXに取り組む上での課題等を自己診断し、結果をIPA(独立行政法人情報処理機構)に提出
  • IPAが実施している「SECURITY ACTION」に取り組んでいることを宣言

※例えば「AI技術を使って遠隔操作でサービス提供ができるような事業」等です。

3つの要件の詳細については、最新の公募要領で確認が必要です。公募要領の中の「補助対象事業」という項目をごらん下さい。

デジタル枠の補助金額と補助率を再確認しましょう。提出書類も紹介します。

補助金額
5人以下 100〜750万円
6〜20人 100〜1,000万円
21人以上 100〜1,250万円
補助率
2/3
提出書類
必須 ・事業計画書
・賃金引上げ計画の誓約書
・決算書等
・従業員数の確認書類
該当する場合のみ ・労働者名簿
・加点項目の確認書類

※「決算書等」、「労働者名簿」、「加点項目の確認書」の詳細については、通常枠と同じです。

グリーン枠について

一般型の「グリーン枠」は、温室効果ガス排出削減に役立つ事業のために設備投資を行う事業者向けの申請枠です。

基本要件の他に、以下3つの独自要件も満たす必要があります。

  • 「温室効果ガス排出削減ための革新的な製品やサービスの開発」or「炭素生産性が向上※1するような生産プロセスやサービス提供方法の改善」どちらかの事業※2
  • 事業計画期間内(3〜5年)以内に、事業場単位or会社全体の炭素生産性が+1%以上/年となる事業
  • 過去に温室効果ガス排出削減の取り組みをしたことが有るor無いを示す

※1「炭素生産性の向上」を大まかにいうと、「やむをえず二酸化炭素(温室効果ガスの中で一番排出量が多い物質)を排出して製造する製品から生み出す価値(GDP等)を向上させること」です。
※2例えば「高い省エネ性能を搭載した製品の開発」等です

グリーン枠の事業では多額の資金が必要となるのが一般的なので、通常枠等と比べて高い補助金額が設定されています。

補助金額と補助率を再確認しましょう。提出書類も紹介します。

補助金額
5人以下 100〜1,000万円
6〜20人 100〜1,500万円
21人以上 100〜2,000万円
補助率
2/3
提出書類
必須 ・事業計画書
・賃金引上げ計画の誓約書
・決算書等
・従業員数の確認書類
・炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取り組み状況
該当する場合のみ ・労働者名簿
・加点項目の確認書類

※「決算書等」、「労働者名簿」、「加点項目の確認書」の詳細については、通常枠と同じです。

以上が一般型の4つの申請枠の概要です。9次締切までとは全く違う申請要件があるほか、詳細な規定もあります

必ず最新の公募資料を確認しながら申請準備を進めて下さい。

次に、一般型よりもレベルの高い申請内容が求められる「グローバル展開型」について解説します。

「ものづくり補助金」グローバル展開型について

グローバル

「グローバル展開型」は一般型と同じ基本要件を満たすほか、以下4つの類型に当てはまる事業を実施して設備投資等をする必要があります。

  • 海外直接投資:国内外の事業を同時に強化して国内拠点の生産性を高める事業
  • 海外市場開拓:「製品等の販売先の1/2以上が海外」等の条件を満たす事業
  • インバウンド市場開拓:「サービス等の販売先の1/2以上が訪日外国人」等の条件を満たす事業
  • 海外事業者との共同事業:「外国法人との共同研究に必要な投資を行う」等の条件を満たす事業

補助金額と補助率を再確認しましょう。提出書類も紹介します。

補助金額
1,000〜3,000万円
補助率
中小企業者等 1/2
小規模企業者
小規模事業者
2/3
提出書類
必須 ・事業計画書
・賃金引上げ計画の誓約書
・決算書等
・従業員数の確認書類
・選んだ類型の事業内容がわかる書類※1
該当する場合のみ必要 ・労働者名簿
・加点項目の確認書類

※「決算書等」、「労働者名簿」、「加点項目の確認書」の詳細については、通常枠と同じです。
※1 類型によって提出書類が違います。

  • 海外直接投資:海外子会社等の調査概要等
  • 海外市場開拓:海外市場調査報告書
  • インバウンド市場開拓:インバウンド市場調査報告書
  • 海外事業者との共同事業:共同研究契約書等

すべての申請型・枠の概要を紹介しましたが、確認項目や準備書類が多いため無事に申請できるか不安になりますよね。

そこで次に、審査項目と審査で重要視されるポイントを紹介します。

審査項目について

審査

ものづくり補助金の審査項目は、大きく分けて4つです。簡単に紹介します。

  • 補助要件に該当するか:「基本要件」と「型・枠独自の要件」に該当するか 等
  • 技術面:革新的な製品やサービスを生み出せるかどうか 等
  • 事業化面:事業実施の体制が整っているか、費用対効果の高い事業かどうか 等
  • 政策面:社会への経済波及効果や、イノベーション性が期待できる事業かどうか 等

一般型のグリーン枠のみ、上記4つ以外に「炭素生産性向上の取り組み等の妥当性」も審査されます。

実際にはさらに高い角度で多方面から事業内容を精査し、レベルの高い事業計画を作り上げる必要があります。公募要領の審査に関する説明を参考にしながら、内容を精査していくのがおすすめです。

また審査項目の配点は非公表なのですが、補助金の採択ゲットに有利に働く加点項目もあります。以下の表の中から「通常は最大6項目の加点」、「デジタル枠のみ最大7項目の加点」を得られる可能性があるため、確認しましょう。

成長性加点
経営革新計画の承認を取得(応募締切日時点で有効なもの)
政策加点
創業、第二創業後間もない事業者
「パートナーシップ構築宣言」を公表
再生事業者
「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況」を提出(デジタル枠のみ)
災害等加点
事業継続力強化計画の認定を取得(応募締切日時点で有効なもの)
賃上げ加点等
事業計画期間において以下すべてを満たす事業者
・給与支給総額+2%/年以上
・事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+60円
・事務局に誓約書を提出
事業計画期間において以下すべてを満たす事業者
・給与支給総額+3%/年以上
・事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+90円
・事務局に誓約書を提出
令和4年10月以降の被用者保険の適用拡大制度前に任意適用を実施

加点項目とは逆に減点となる項目もあるため、注意して下さい。

  • 応募締切日から起算して過去3年間にものづくり補助金の交付決定を1回受けている
  • 回復型賃上げ・雇用拡大枠を申請する際に、繰越欠損金によって課税所得が控除されることで要件を満たしている事業者

また過去3年間にものづくり補助金の交付決定を2回以上受けている事業者は、申請の対象外となります。

スケジュールについて

ものづくり補助金は、年数回の締切日を設定した上で年間を通して申請を受け付けています。締切日によって申請内容が変わるケースがあるため、申請スケジュールを把握した上でスムーズに手続きを進めましょう。


〈参照〉「ものづくり・商業・サービス補助金 公募要領 概要版」

ものづくり補助金の申請方法は、電子申請のみです。郵送や直接持ち込みでの申請ができない点にご注意下さい。

電子申請のためにGビズIDを取得する必要があり、GビズIDの取得には時間がかかります※。GビズIDは他の補助金申請等にも使えるため、早めに取得の手続きをしておきましょう。

※通常1〜2週間ほど、書類不備や申請数によって最大3〜4週間の期間がかかる場合もあります。

また補助対象経費として認められるのは、交付決定後に契約や支払いをした経費のみです。「交付決定前に契約や支払いができない」という点にも注意して下さい。

他にも申請の上で覚えておくべき注意点や、公募要領を読むだけではわかりにくい点があるので、次にまとめて紹介します。

よくある質問について

ものづくり補助金の参考資料はたくさんあり、すべてをチェックするのは大変ですよね。よくある質問と回答を紹介するので、ぜひチェックして下さい。

採択倍率はどれくらい?

ものづくり補助金の事務局は、1次締切からの応募者数と採択数を随時公表しています。例えば10次締切の一般型の結果は、以下のとおりでした。

  • 応募者数:4,224者
  • 採択数:2,584者
  • 採択率:約61.2%

ものづくり補助金の採択は、「応募者のうち◯%を採択する」という方式ではありません。厳正な審査の上で採択、不採択が決定するため、ぜひ紹介してきた情報を参考にして精度の高い書類を作成して下さい。

また不採択となった場合でも、再チャレンジが可能です。

今後も公募はあるの?

「令和4年度は6月・9月・12月・3月の四半期で締切日を設定して申請受付をする」と公表されています。

人件費、事業所の家賃は補助対象経費となるの?

人件費や事業所の家賃は、補助対象経費となりません。

ものづくり補助金は設備投資等にかかる費用をサポートする事業で、補助対象となる経費が決まっています。詳細や具体例は、最新の公募要領で確認しましょう。

基本要件を達成できなかったらどうなるの?

基本要件を達成できない場合、補助金の返還を求められるケースがあります。

返還が必要(決められた計算式によって計算した金額)

  • 「給与支給額+1.5%以上/年」の未達
  • 「事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円」の未達

返還不要
天災等のやむをえない理由で基本要件が未達となった場合には、返還不要です。

また「付加価値+3%以上/年」が未達の場合には給与支払額を増加させることが難しいため、決められた条件を満たすことで返還不要となります。

交付決定後に事業所の引っ越しをしてもいいの?

事業の実施場所変更は、原則認められません。

補助対象経費として申請した原材料が余ったらどうなるの?

「原材料は「事業に必要な分を最小限購入するの」が原則です。

余った原材料費は、補助対象経費とならない点にご注意下さい。

ものづくり補助金の申請にあたって、シャイン総研代表石川氏からのコメント

多くの補助金支援をされている株式会社シャイン総研 代表 石川雄史氏に申請にあたってのポイントをお聞きしました。

株式会社シャイン総研(経営革新等支援機関 H25.6.5 認定企業)代表取締役社長 石川 雄史
1967年山形県生まれ。会計事務所のコンサルティング部門に所属、のべ1,000社以上の中小企業の経営改善を手掛ける。
2012年3月、株式会社シャイン総研設立。「成功するまで絶対にあきらめない」を掲げのべ1,000社40億円超の補助金活用を支援。
令和3年度ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の申請をサポートも実施。
これまでに合計708社の申請をサポート、累計443件採択している

ものづくり補助金の申請について708件の申請から学んだ意識するべきポイントを3つ紹介させていただきます。
今回は申請に対して大切にするべき書類不備やルールの確認などではなく、向き合い方や事業計画書の作成のコツを以下にまとめました。

補助金申請のコツは以下の3点です。

    ①「補助金の目的を理解」
    ② 「中小企業に向けた補助金の本当意味」
    ③「補助金を採択を決めるのは人」

①「補助金の目的を理解」について
私は全ての補助金に対して同じアドバイスをしております。
ものづくり補助金は「誰のための」「何をするための」補助金なのか?と考えることが大切だと考えいます。
目的を深く考えることで当社も採択率が改善されました。ものづくり補助金を作った人はなぜ作ったのか?補助金を採択した企業に何を期待しているのか?などを考えました。
目的と自社のやりたいことが同じ線上にあるかを考えてから記述することで採択率も改善することができました。
補助金の採択を目的にせずに補助金を通して経済産業省が実現してもらいたい未来にすることを目的に向き合ってみるのはいかがでしょうか?

②中小企業に向けた本当の意味
今回アドバイスさせていただく「ものづくり補助金」は申請の対象が中小企業限定となっています。
中小企業は大変なんだから当たり前でしょうと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし私は中小企業に限定されていることの本当の意味を理解することで補助金と上手く向き合えると思っています。
それは中小企業にしかできないことを追求していってほしいと言うメッセージがあると私は思います。
機械を導入するだけならば大企業でもできます。しかし自社にしかできないことが必ずあります。
「その自社にしかできない事の追求にものづくり補助金を活用して欲しい。」そんなメッセージが隠されていると私は思います。
やりたいことと自社にしかできないことを考えて向き合ってみるのはいかがでしょうか?

③補助金の採択を決めるのは人
当たり前のことをなんでわざわざ言うのか?と思われるかもしれません。
しかし私はものづくり補助金と向き合う上ですごく大切だと考えています。
ものづくり補助金はページ数の指定はあるものの中身は自由記述。どんな書き方をしても良いということです。
何を書くのか?も大切ですが、書いてある文章が読みやすいのか?も同じくらい大切だと思っています。
それは読みづらい文章と読みやすい文章があった時に同じことを書いても伝わりやすさは変わると私は思うからです。
当社でも新聞や雑誌の書き方を参考に文章を作成しています。
事業計画を作成した後に、ご自身で読んでて読みやすいか?を見直してみてはいかがでしょうか?

その他、事業計画作成のコツや長所アピールのコツなど様々なノウハウがございます。
前述した3点に不安がある方やその他のコツを知りたい方は0からサポートも可能ですのでぜひ一度お問合せください。
皆様が補助金との向き合い方の参考になれば幸いです。

まとめ

ものづくり補助金10次締切以降の申請の概要を紹介しました。

ものづくり補助金は、設備投資等によって事業改革にチャレンジする事業者を強力にサポートするために実施されています。

事業計画を作成するハードルが高いように感じますが、自社の強みや独自性を見直した上で事業発展の道のりを明確にできる作業なので、ぜひ取り組んでみて下さい。

また、国はものづくり補助金事業に積極的に取り組んでいます。事業に必要な資金を調達する選択肢として、活用の検討をおすすめします。

創業手帳別冊版「補助金ガイド」は、数多くの起業家にコンサルティングを行ってきた創業アドバイザーが収集・蓄積した情報をもとに補助金・助成金のノウハウを1冊にまとめたものになっています。無料でお届けしますのでご活用ください。

(監修: 株式会社シャイン総研 代表取締役社長 石川 雄史
(編集: 創業手帳編集部)

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