Chat(チャット)GPTは「飲食業界のDX」にどう影響をあたえるのか?

飲食開業手帳

ChatGPTをいちはやく取り入れた「ぐるなびFineOrder」について話を聞いてみた


何かと話題になっているChatGPTですが、ChatGPTの活用は飲食業界でも広がりを見せています。

ぐるなびが提供するモバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」では、OpenAI社の生成AI「ChatGPT」を活用したAIチャットボットの実証実験を2023年6月14日(水)~2023年7月2日(日)にて実施したと発表し、SNSなどで話題になっています。

このように様々な業界にて活用が進んでいるChatGPTですが、ChatGPTを使うことによって、どのような問題が解決できるのか、また飲食業界の今後のDX化についてどのような見解なのかをぐるなび執行役員/オーダー事業推進部長の行武 耕司さんにお話を聞いてみました。

ぐるなびとは…
1996年に飲食店情報サイト「ぐるなび」を開設。
詳細なメニュー情報や今日のおすすめ情報等を事前に確認してから飲食店に行くという外食のスタイルを定着させました。現在ぐるなびは「食でつなぐ。人を満たす。」という存在意義(PURPOSE)のもと、「飲食店DXのベストパートナー」としてさらなるサービスの拡充を図っています。

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ぐるなびFineOrderで注文体験はどう変化した?

ーぐるなびFineOrderに、ChatGPTを活用したAIチャットボットが実装される事が話題となっていますが、どのような狙いがありますか

行武:モバイルオーダーサービスの「ぐるなびFineOrder」は、2021年7月のサービスリリース以来、人手不足が深刻化する外食業界においてDXによる業務効率化支援に取り組んできました。

そこで今回の実証実験では、モバイルオーダーとしての新たな価値提供に向けて、世界的に注目が集まるAI技術を活用して、店舗利用者の満足度が高まる注文体験を提供することが狙いとなります。

ゆくゆくは注文だけでなく、ソムリエのようなプロが持つ商品知識を学んだり、通常の会話も楽しめるような空間提供を行える社会インフラとしても研究を進めていきます。

ーぐるなびFineOrderに、ChatGPTを実装したことについてのユーザーからの反応はいかがでしょうか

行武:これまでは写真やメニュー情報などを眺めて注文を決めていたお客様も、AIチャットボットを利用することで「さっぱりしたものが食べたい」「がっつり食べたい」など、今の気分にあったメニューが提案されるため、メニュー選びの楽しみが広がった、というお声をいただきました。

DX化で飲食業界が得られる恩恵

ー改めて、ぐるなびFineOrderとはどのようなサービスですか

行武:現在はチェーン店を中心に約60社でご契約頂いていますように、様々な業種業態に対応しており、店舗に合わせた最適な注文機能とPOSシステムとの細やかな連携に高い評価を頂いております。

そして、最大の特徴は、ぐるなび独自の“人”によるサポートです。モバイルオーダーの定着化に向け、店舗運用のマニュアルや販促物、モバイルオーダーを使った販促施策を提供したり、ぐるなび社員が実際に店舗に入り込み、活用促進をサポートしています。

ー飲食店において、DXを推進させることのメリットはどのような点にありますか

行武:コロナ禍を経て、お客様が戻って来ている中で、十分に人材を確保できなかったり、人手不足により店舗のオペレーションがスムーズに回せず、顧客の不満が高まってしまうという課題があると聞きます。

DX化を推進することで、業務効率化と生産性向上により人手不足を解消するだけではなく、顧客満足度の向上にも繋がります。

また、モバイルオーダーの利用率を向上することで、客単価や売上がアップする事例も複数見られています。

DX推進の課題とアフターコロナに向き合う必要性

ー飲食店において、DXを普及させていくための課題はなんでしょう

行武:飲食店の課題は、DXを組み込んだオペレーションを徹底させることです。
モバイルオーダーを普及させるためには、お客様に利用頂くご案内を継続することも課題となります。

そこで上記のように我々は現場に入り込みサポートする伴走プランを取り入れ、店舗スタッフへのオペレーション浸透や、お客様に使っていただける仕組みを提案しています。

ー飲食店において、DXを導入するにあたっての注意点があれば教えてください

行武導入がゴールとならないことが重要です。
業態や店舗によって最適な導入の形は様々です。

店舗での利用を徹底したうえで、継続して改善を行っていくことが、DXの高い効果を得るうえで大切だと考えます。

ーAI技術の発展は、飲食業界においても関係してくるでしょうか

行武:もちろん、大きく関係すると思います。

例えばモバイルオーダー上で得られた喫食データをAIが解析をすると食品のトレンドを予測することができたり、「どんな食材が必要か?」など食材の発注計画が立てられるようになるなど、販促活動や食品ロスの削減にまで活かすことができます。

ーアフターコロナにおいて、飲食店が対応していくべきことはなんでしょう

行武:店内業務のDX化により生まれた時間を、より丁寧で嗜好を凝らした調理や盛りつけ、キメ細やかな接客を行うなど、人にしかできない人間本位のサービスにあて、より楽しく価値のある外食体験を提供しリピーターづくりに注力することが重要だと考えています。

ぐるなびFineOrderを皮切りに飲食業界へAIの新風を!

ーぐるなびにおける、今後の展望をお聞かせください

行武:AIの活用については、今後はモバイルオーダーのみならず、飲食店の検索や予約をはじめ、店舗オリジナルのキャラクターとAIを掛け合わせた店舗の世界感に合わせたブランディング等、様々な角度から研究開発を積極的に行い、新たな技術がもたらす価値を飲食店とともに実証し発信していきたいと思います。

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(取材協力: 株式会社ぐるなび 執行役員/オーダー事業推進部長 行武 耕司
(編集: 創業手帳編集部)

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