フリーランスになるメリット・デメリットは?独立前に考えておきたいポイントのまとめ
メリット・デメリットを把握してからフリーランスを目指そう
フリーランスは、自由な働き方を選択したい人や収入アップを目指す人にも選ばれている働き方です。
しかし、フリーランスになることで孤独感を覚えたり、生活が不安定になってしまったりすることもあります。
この記事では、フリーランスになる前に考えておきたい、メリット・デメリットをまとめました。
この記事の目次
フリーランスで働くメリット
まずは、フリーランスで働くメリットをまとめています。
フリーランスのメリットを紹介しますが、自分にとっての働くことの意味や価値観、キャリア観によってもメリットは異なってくるでしょう。
自分にとってはどうなのかを考えるヒントにしてみてください。
年収アップを目指せる
会社員の場合、多くは固定給と残業代で給料が構成されているため、給料を上げたくても困難なケースがあります。
インセンティブ制度がある場合もありますが、昇給制度がテーブル制になっていて固定給アップするために時間や手間がかかりすぎるケースもあります。
いくら頑張っても給料が上がらないとなれば、徒労感が自然と強くなることも想像に難くありません。
フリーランスは、自分の能力や頑張り次第で収入を増やすことができる点が大きな魅力です。
案件の掛け持ちもできて頑張れば報酬に直結するとなればモチベーションも高まります。
収入をアップさせたいのであれば、収入の良さを重視した仕事選びやスキルアップも自分で選択可能です。
自由に働ける
フリーランスと聞いて、まず自由な働き方ができるイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。
働き方は、職種や関わる案件、クライアントによっても違いがありますが、仕事の内容や場所、時間は自由に決めることができます。
会社員だと、自分の仕事には不要でもラッシュの時間に通勤して、所定の場所で働かなければならないこともあります。
しかし、フリーランスであれば自分の仕事において効率が良い働き方を選んでコーディネート可能です。
パフォーマンスを上げるためにカフェで仕事をしたり、仕事の合間にジムで汗をかいたりといった働き方もできます。
人間関係でのストレスが減る
退職の理由としてよく挙げられるのが、人間関係のストレスです。
仕事で関わりがある以上、嫌でも付き合い続けなければならない人がいると悩む会社員は少なくありません。
もちろんフリーランスでも、合わなくても関わらなければいけない担当者やクライアントはいます。
しかし、会社員のように上司や部下、同僚といった仕事での深い付き合いはなくなります。
会社員の時に避けられなかった面倒なイベントや飲み会もなくなり、人間関係での負担は大幅に少なくなる点がメリットのひとつです。
通勤しなくても良い
仕事のストレスだけでなく、通勤のストレスで体調を崩す人も珍しくはありません。特に都会では電車の混み方は凄まじいものがあります。
また、郊外から長時間かけて通勤することも体力面・精神面での負担は多大です。
フリーランスは、基本的には自分でスケジュールを立てるため、通勤の負担が大幅に軽減されます。
暴風雨や雪といった悪天候や交通機関の遅れに影響されることなく働けます。
休みを取りやすい
働く上で、休日の取りやすさも重要です。
土日はゆっくりと休みたい、レジャー施設も空いている平日の休みが欲しいといった希望にフレキシブルに対応できるのがフリーランスです。
会社員は、カレンダーや会社のスケジュールに合わせて休むことになりますが、フリーランスであれば、仕事を調整して自分で休日を設定できます。
収入を増やすために休日を減らしたり、趣味や家庭のために時間を使えるように休日を増やしたりと、自分のスケジュールに合わせて休日を作れます。
定年がない
会社員は、就業規則に応じて定年まで働きます。
定年後の再雇用制度を取り入れている会社もありますが、基本的には決められた年齢になった時には、自分でほかの勤め先を探すことになります。
一方で、フリーランスであれば定年はありません。
せっかくスキルや知識を身に付けたのに定年で退職するのは、もったいないと感じる人もいます。
自分で判断して働き続けられる間は働き続けたいと考える人にもフリーランスがおすすめできます。
趣味や余暇を充実させられる
会社で働くことは、休日や働く場所、ライフスタイルまで深く影響します。
しかし、組織で働くよりも自分がやりたいことや趣味、余暇を充実させたいと考える人も多いのではないでしょうか。
フリーランスは、仕事を調整して長期休暇を取得しやすく、時間の融通を付けやすい働き方です。
出勤が必要なければ自分が住みやすい場所で、リモートで働くといった方法も選べます。
人生設計に合わせて柔軟に働ける
女性が仕事を続けていく上で、どうしても課題となるのが出産・育児と仕事の両立です。
産休や育休が取得できなかった、子どもを預けられる施設がないといった理由で退職を余儀なくされる人は少なくありません。
フリーランスの場合、職種や業務内容によっては完全にリモート勤務で対応できる仕事もあります。
そのため、キャリアを絶つことなく自分ができる範囲で働くといった選択も可能です。
自分の裁量で働く時間や場所を決められるフリーランスは、理想とする人生設計にも合わせられます。
フリーランスで働くデメリット
フリーランスでの仕事は多くのメリットがあります。
しかし、メリットだけを見てデメリットを無視すると痛い目に遭いかねません。
フリーランスになる時には、デメリットも確認しておくようおすすめします。
収入が不安定
フリーランスになるかどうか、ためらう理由のひとつが収入の不安定さです。
会社員であれば、基本的には退職するまでは決まった金額の給料を受け取れます。
しかし、フリーランスは月額の給料を支払ってくれる組織には属していません。
仕事を見つけて役務を提供した対価として報酬を受け取ります。
また、クライアントや取引先によっては支払いが先になってしまうケースもあります。
フリーランスになって仕事を見つけられなかった場合には、収入はありません。
自分のスキルや努力で収入を増やせる反面で、収入が減る、もしくはなくなってしまうリスクもあります。
税金や社会保険などの手続きも自分でしなければならない
会社員は多くの場合、税金や社会保険に関わる手続きを専門の部署の担当者が行います。
しかし、フリーランスになれば開業するための手続きから社会保険、年金の切り替えまですべて自分でしなければいけません。
さらに、フリーランスとして日々発生する経費の管理や請求の処理、確定申告も行います。
税理士に依頼したり、アウトソーシングしたりすることもできますが、それでも自分で行う作業がまったくなくなるわけではありません。
税金や社会保険、経理の知識がまったくない人によっては、覚えることも膨大に感じることもあります。
フリーランス向けの会計ソフトやクラウドサービスもあるので、自分が使いやすいものを探してみてください。
ケガや病気で働けない時の収入への影響が大きい
会社員の場合には、ケガや病気で働けない時でも基本的には収入が保障されています。
しかし、フリーランスは働けなければ収入がありません。
フリーランスは体調不良や事故、ケガで働けない時に、困窮してしまうことがあります。
フリーランスになる時には、保険を見直して現状の保障で十分かどうかもチェックしてください。
また、働けなくなった時に備えて貯金もしておくようにおすすめします。
社会保険料は全額負担しなければいけない
会社員は健康保険や厚生年金保険、介護保険について、半額を会社が負担することになっています。
しかし、フリーランスは負担してくれる会社に属していないため、自分で社会保険料をすべて支払わなければいけません。
会社員からフリーランスになる時には、社会保険料の負担のことを考慮していなかったり、忘れてしまったりすることもあります。
社会保険の支出の大きさに驚く人も少なくありません。
フリーランスになる時には、社会保険料の負担も大きくなることを計算に入れておくようおすすめします。
案件が見つからなくなることもある
フリーランスは、自分で仕事を探したり、知り合いから紹介を受けたりして仕事を探します。
しかし、自分のスキルや都合、条件に合う仕事がすぐに見つかることはそうありません。
仕事の案件が見つからなければ、自分で提案・営業をすることになります。
自分の本業のスキルだけでなく、営業やマーケティングの能力が求められる点も大切なポイントです。
孤独になってしまうこともある
フリーランスは基本的にひとりで仕事をするため、孤独感を持つ人もいます。
意外かもしれませんが、会社員時代にはわずらわしいと感じた人間関係が恋しくなってしまう人もいるようです。
特にリモートワークの場合、人とのやりとりがメールやビジネスチャットツールだけになり、人との会話が減ってしまうこともあります。
孤独感から追い詰められてしまう人もいるので、例えば、ジムに通ったりスキルアップセミナーに参加したりと、孤独感を解消するためのアクションを起こすようおすすめします。
運動不足になりがち
フリーランスとして在宅で働いていると、一日を家で過ごしたということも多々あるようです。
しかし、ずっとパソコンの前に座りっぱなしの生活では、運動不足になってしまいます。
会社員の場合には、通勤や移動で歩く機会も確保できます。
しかし、フリーランスになり、運動不足や肥満で悩む人も少なくないようです。
フリーランスで運動不足を防ぐには、ウォーキングのような軽めの運動や筋トレを習慣として取り入れることも大切です。
運動は気分転換やストレス発散にもなるので、習慣化すると良いでしょう。
生活リズムが崩れる
会社員の多くは、規定された通勤時間や勤務時間に合わせて行動します。
自由な時間で働けることはフリーランスのメリットですが、同時にデメリットでもあります。
朝起きられずに夜型になってしまって生活リズムが崩れたり、運動不足で夜の寝つきが悪くなって睡眠のリズムが崩れたりすることもあるようです。
生活リズムが崩れると体調にも影響します。
仕事に支障をきたす場合もあるため、規則的な生活をするよう心がけることが大切です。
フリーランスで働くことが向いている人とは
フリーランスは、向き不向きもある働き方です。フリーランスで働くことが向いている人について紹介します。
決断力がある人
フリーランスになれば、仕事を受けるかどうか、どのように営業するかも自分ですべて決めます。
そのため、自分の責任で判断し決められる決断力がある人がフリーランスに向いています。
自己管理能力が高い人
フリーランスになれば、働き方やスケジュールも自分で管理しなければいけません。
決めたペースで仕事ができる、計画通りに進められる自己管理能力がフリーランスには求められます。
収入アップを目指したい人
フリーランスは、自分の仕事の成果によって報酬を受け取ります。
働けば働くほど収入につながるので、高収入を目指す人にとっては大きなモチベーションになるはずです。
フリーランスで働くことが向かない人とは
フリーランスの働き方は、向いていない人もいます。
フリーランスになる前に自分に向いているのかどうかを、あらかじめ考えておくことが大切です。
スキルがない人
フリーランスには未経験でできる仕事もありますが、スキルも資格もまったくない状態ではおすすめできません。
フリーランスでは、スキルだけでなく実績や経験が求められることもあります。
案件に応募する場合も、未経験では単価が低い仕事しか見つからないこともあります。
自己管理ができない人
フリーランスは、働けば働くほど収入が増える一方、仕事を受けすぎて納期に遅れたり、オーバーワークで体調不良になったりするケースがあります。
自分で体調やスケジュールを管理できない人は、フリーランスには不向きです。
営業や交渉が苦手な人
フリーランスになれば、仕事に取りかかるまでの交渉や打ち合わせ、営業もすべて自分で行います。
案件の内容によっては、提案やヒアリングも必要になるので、コミュニケーションが不得意な人には適さないことがあります。
責任感がない人
フリーランスは、自分の責任で判断して仕事を受けて対応します。
会社員の場合には、上司や組織のサポートがありますが、フリーランスにはありません。
そのため、責任感や自主性がない人にはフリーランスは不向きです。
安定志向の人
フリーランスは、働き方やスキル次第で収入アップが見込めるものの、働けなくなった時た仕事がない時には、収入がなくなるリスクがあります。
収入がなくなるリスクに不安を感じる人、安定した生活を送りたい人にとっては適していない働き方といえます。
フリーランスになる場合にやっておきたいこと
何も準備しないでフリーランスになると、想定外のことが起きた時に困窮してしまいます。
フリーランスになる前にやっておきたいことをまとめました。
貯金しておく
フリーランスになってすぐは、多くの場合、収入が不安定です。
受けた仕事の報酬の支払いがいつになるのかは、クライアントによって違います。
しばらく無収入でも暮らしていけるようにある程度貯金しておくようにおすすめします。
社会保険を確認しておく
フリーランスになると、年金は国民年金だけになります。
会社員の時に加入していた健康保険を国民健康保険に切り替えるか、加入期間の期限がある任意継続を選ぶかを決めます。
多くの場合は、市区町村の役所で手続きできますが、社会保険の負担がいくらになるのか、どのような手続きが必要になるのかを事前に確認しておくと安心です。
会社員の時に副業を経験しておく
いきなりフリーランスになると、働き方や仕事の違いに戸惑うかもしれません。
可能であれば、会社員の時に副業として案件に応募して働いてみることも良い方法のひとつです。
コネクションを作っておく
フリーランスとして独立する時には、会社員の時のコネクションやつながりが役立つ場合もあります。
仕事を受けるルートをどうやって確保するのかを会社員の時に考えておくようおすすめします。
フリーランスになる手続きを調べておく
フリーランスになるには、開業届を記載して所轄の税務署に提出します。
税制の優遇が受けられる青色申告にするには、青色申告承認申請書が必要です。
可能であれば、開業届と同時に一緒に提出するようにしてください。
会計処理について勉強する
フリーランスになれば、経費の処理や確定申告も自分で行います。
会計の知識がない場合であれば、事前に勉強しておく必要があります。
税理士に依頼したり、会計ソフトを使ったりすることも検討してみてください。
エージェントを探す
フリーランスの仕事は、直接クライアントや企業から仕事を受ける方法もありますが、エージェントを使う方法もあります。
フリーランス向けのエージェントでは、応募者のスキルや経験に合うような多くの案件を扱っています。
どういった案件があるのか、どのようなエージェントが使いやすいのかを事前にチェックすることもポイントです。
保険を見直す
フリーランスと会社員では、受けられる公的保険の制度も内容も異なるため、フリーランスになるタイミングで、保険も見直しておきます。
老齢年金や疾病手当金のように公的保険の制度で不足する部分もあるので、民間の保険で補うようにします。
まとめ
働き方や人生設計が多様化する中で、フリーランスを選択する人はさらに増加していくと考えられます。
フリーランスを長く続けるために何が必要なのかを考えておかなければ、思っていた働き方とは違うと後悔するかもしれません。
フリーランスのメリット・デメリットやリスクまで、しっかりと把握しておきましょう。
起業アイデアの構想段階から起業まで幅広いサポートに創業手帳(冊子版)をお役立てください。
(編集:創業手帳編集部)