決算報告書とは?会社の決算書の役割と開示義務

創業手帳

起業家は必ず知っておくべき決算報告書の種類と目的

(2017/12/04更新)

会社は毎年決算を行います。
決算報告書(決算書)は、その決算において作成する書類です。

しかし、決算報告書のことは知っていても、作成する目的や役割、取り扱い方について正しく理解できていない方が多いようです。ここでは、そんな決算報告書のキホンを解説していきます。

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決算報告書(決算書)とは

決算報告書とは、1年間の事業年度を終えて決算を行った結果をまとめた書類のことです。決算書とも呼ばれます。

なぜ作らなければならない?決算報告書の役割

決算報告書は、税務署、株主、取引先、金融機関などに収支や資産状況の報告をすることを主な目的としています。

税務署の場合は、決算内容に不備などがないか判断するために決算報告書を使います。

株主の場合は、会社が健全な状態にあるかどうか、きちんと運営されているかどうかなどを決算書で知ります。

取引先の場合は、決算書を読むことで取引を行っても大丈夫なのかどうかの判断を行います。

銀行などの金融機関の場合も、その会社に返済能力があるのか、どれだけ融資できるのかを判断するために使います。また、すでに融資を行っている場合でも、返済条件などが現状のままでよいのか判断するために使います。

このように、決算書は税務署のためだけに作成するものではなく、会社を経営していく上でもとても重要なものなのです。

決算報告書の開示義務とは?

決算報告書には「開示義務」というものがあります。

企業は、次の3つの場合において、決算報告書を開示しなければなりません。

決算報告書 3つの開示義務
  • 税務署への開示義務
  • 金融商品取引法による、上場企業・大会社の開示義務
  • 特定の株主や債権者から請求があった場合の開示義務

税務署への開示義務

まず、すべての企業は税務署に決算報告書を開示しなければいけません。
これは、決算報告書と税務申告書を確認し、その会社の決算内容に不備などがないか判断しなくてはならないためです。

金融商品取引法による、上場企業・大会社の開示義務

上場企業は、金融商品取引法に則り決算報告書を開示しなくてはなりません。

よく有名企業の決算状況が話題になったりすることがありますよね。これは、決算報告書の開示義務によって、上場企業の決算書(有価証券報告書)が、金融庁が運営する「EDINET」で誰でも閲覧することができるようになっているからなのです。

ちなみに、上場企業でなくても、会社法上の「大会社」※は貸借対照表と損益計算書の開示が義務となっています。

※会社法上の大会社
最終事業年度の貸借対照表上で、資本金が5億円以上、もしくは、負債の合計額が200億円以上の株式会社のこと。

特定の株主や債権者から請求があった場合の開示義務

議決権比率3%以上の株主や債権者は、企業に株主報告書の開示を請求することができます。
この請求があった場合は、どのような企業でも開示しなければなりません。

以上の開示義務に従わない場合には罰則があります。
そのため、会社設立をする場合には、決算報告書の開示義務はしっかり把握しておかなくてはいけません。

決算報告書の種類

決算報告書には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュフロー計算書などの種類があります。
「会社法」「法人税法」「金融商品取引法」といった法律の目的の違いから提出書類が異なってきます。

会社法

会社法で作成しなければならない決算報告書は、計算書類である「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」の4つと、「事業報告」「附属明細書」の2つです。
これらはすべての会社が作成するもので、提出先は株主総会などです。

【貸借対照表】
B/Sとも呼ばれる、会社の一時点における財政状態を明らかにするための計算書です。
この書類を読むことで、会社の資金調達からその運用状況を把握することができます。
貸借対照表には、事業年度末におけるすべての資産・負債・純資産を記載します。

【損益計算書】
P/Lとも呼ばれる、1事業年度の経営成績を明らかにするための計算書です。
経営成績とは、利益の大きさと、利益の発生過程のことを指します。

損益計算書には、売上純利益や、営業利益、当期純利益などを記載します。

【株主資本等変動計算書】
利益を何に使ったかを示す計算書です。
貸借対照表の純資産の部のみに注目し、その変動状況を詳しく記載します。
会社の純資産がどのような理由でどのように変動したのかわかる書類です。

【個別注記表】
上記の各計算書類に記載した注記を1つの書面にまとめた計算書類です。

【附属明細書】
決算書の内容を補足する重要な事項などを記載するものです。

【事業報告】
事業報告には、1年間の事業の概況や会社の状況を記載します。
株式会社の状況に関する重要な事項や、株式会社の業務の適正を確保する体制の整備についての決定または決議の内容及び体制の運用状況などを記載することが定められています。

法人税法

法人税法で作成しなければならない決算報告書は、計算書類である「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」の3つです。
これらはすべての会社が作成するもので、提出先は所轄の税務署です。
法人税の確定申告書に添付して提出します。

金融商品取引法

金融商品取引法における決算報告書は、有価証券報告書と呼ばれ、上場企業などが作成の対象となっています。
決算日後3か月以内に金融庁に提出し、そのあと一般に公開されます。前述の通り、金融庁が運営する「EDINET」で閲覧することが可能です。

起業家が覚えておくべき「財務三表」

金融商品取引法に基づく決算書のことを「財務諸表」といいます。財務諸表のうち、
「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つの計算書を総称して「財務三表」と称します。

上記でも詳しく説明しましたが、「貸借対照表」は財政状態を明らかにするもの、「損益計算書」は経営成績を明らかにするものです。
そして「キャッシュフロー計算書」は、実際のお金の流れを表したものです。

この財務三表は起業家にとって必須の存在です。
これからビジネスを始めようとしている方ならば、最低限、この3つの計算書は読めるようにしておきましょう。

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(執筆:創業手帳編集部)

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