ファクタリングは個人事業主でも利用可能?おすすめのファクタリング会社7選
個人事業主やフリーランスがファクタリングを選ぶ際のポイントは?
ファクタリングは、掛売りをすることの多い事業者に使える資金調達方法のひとつです。
個人事業主でも、ファクタリングを使いたいと考えることはあるかもしれません。
しかし、ファクタリングは個人での利用ができるのか、個人でも安心して使えるのか気になるところです。
ファクタリングの基本的な使い方と個人事業主だからこそ使う際に意識したいポイントを解説します。
また、個人事業主におすすめのファクタリング会社も探してみましょう。
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この記事の目次
個人事業主でもファクタリングは使える?
個人事業主でもファクタリングを使うことは可能です。
ファクタリングは売掛債権を買い取るビジネスであり、掛売りを基本とする法人のためのサービスという印象があります。
しかし、個人でも事業を営み、掛売りをしている人であれば、売掛債権を扱うため利用可能となります。
また、ファクタリングは個人事業主や法人など、利用する人をあまり選ばないビジネスです。個人だから不利、法人だから有利といった弊害も起こりにくいと考えられます。
ファクタリングというビジネスの仕組みと、個人でも利用しやすい理由について解説します。
ファクタリングは売掛債権を買い取ってもらうサービス
ファクタリングが個人や法人に関わらず利用しやすいのは、資金調達の元手となるのが売掛債権だからです。
売掛債権とは、売買の際に商品代金を受け取る権利のことをいいます。
売掛債権を持つ人は、約束していた期限が来ると現金を支払ってもらえますが、その権利をファクタリング会社が買い取ります。
利用者は現金をファクタリング会社から受け取り、売掛債権を売却しますが、利用者にはその後、返済などの必要はなく、保証人や担保は原則ありません。
そのため、ファクタリング会社にとっては利用者が法人であれ個人であれ、どちらでも問題はありません。
売掛債権を持たない人は利用できませんが、売掛債権を保有していれば個人でも使えます。
利用する人よりも売掛先・売掛債権の信用度が重要
ファクタリングで重要視されるのは、実際に利用する人ではなく、売掛先と売掛債権の信用度です。
ファクタリング会社では、顧客から売掛債権を買い取りますが、最終的には売掛債権が現金化されないとファクタリング会社の損失になります。
そのため、売掛債権がきちんと現金化されるか、売掛先がその前に倒産などしないかを見る必要があります。
反対に、ファクタリング会社からしたら売掛債権をファクタリング会社へ売却しようとする人は、売掛先ほど重要ではありません。
売掛先の企業規模や経営状況などが良ければ、利用者の経営状況がどうであれ、売掛債権は現金化されるためファクタリング会社は安心して取引できます。
審査を受ける必要はある
銀行融資などとファクタリングは違った仕組みの資金調達ですが、利用する際にはやはり審査を受ける必要はあります。
ただし、ファクタリングで主に審査されるのは、売掛債権についてです。
売掛債権の額や信用度などが審査され、買取の可否やファクタリング手数料の額などが決まります。
審査にあたっては、売掛債権の情報だけでなく利用者の身分証や通帳コピーなども必要です。
売掛債権重視のファクタリングですが、必要書類として自分の身分証などは準備しなければいけません。
個人事業主がファクタリングを選ぶポイント
個人事業主がファクタリングを利用する際には、いくつかのポイントを押さえた上で利用する会社を選びましょう。
ファクタリングのサービスは1種類ではなく、各社で取り扱いできるファクタリングの種類は違います。
また、種類や会社によってサービス内容に差があるため、細かい部分までチェックして選ぶことが大切です。
個人事業主がファクタリングを選ぶ際に、特に意識しておきたいポイントを紹介します。
利用できるサービスは2者間か3者間か
ファクタリングには、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングがあります。この2種類の違いは契約に関わる人・法人の数です。
誰が契約に関わっているかによって、仕組みや契約の流れ、さらに、取引先との関係まで変わるため、慎重な選択が必要となります。
2者間ファクタリングは売掛先に知られずに利用できる
2者間ファクタリングとは、売掛債権を売りたい利用者本人とファクタリング会社の2者間で行うファクタリングです。
売掛債務を負っている売掛先には知らせないで売買が成立します。
利用者は売掛債権をファクタリング会社に売却し、現金を手にします。
売掛債権が期日を迎えたら、利用者は売掛先から売掛金の支払いを受け、ファクタリング会社に支払う流れです。
この方法であれば、売掛先は売掛債権がファクタリングに使われたかどうか知ることはありません。
ファクタリングは悪いことではありませんが、利用していることで「経営状況が悪いのではないか」と思われることもあります。
そのため、取引先にファクタリングの利用を知られたくない人は多いものです。
3者間ファクタリングは売掛先に利用がバレる
3者間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社に加え、利用者の取引相手である売掛先が関係するファクタリングです。
このファクタリングでは、売掛先とファクタリング会社が関わりを持つため、売掛先にファクタリングの利用を隠し通せません。
3者間ファクタリングでは、売掛債権を売った利用者ではなく、売掛先がファクタリング会社に売掛金を支払います。
そのため、契約の前には売掛先にファクタリングをすることを承認してもらわなければいけません。
売掛先が承認した後、利用者とファクタリング会社が契約し、ファクタリングが実行されます。
3者間では売掛先の承認が必要となり、支払いも売掛先から直接ファクタリング会社へ行うため、自分がファクタリングを利用することは売掛先に必ず知られます。
また、ファクタリングに理解がない相手の場合、知られたことで関係が悪化するかもしれません。売掛先に承認を求めても、断られる場合もあります。
手数料率はいくらか
ファクタリングは利用の際に手数料がかかります。
ファクタリング会社によって手数料率が異なるため、選ぶ際には会社ごとの手数料率を比較することが必要です。
ファクタリングは、売掛債権を買い取る際に利用者から手数料を受け取り(厳密にいえば手数料を差し引いて現金を渡し)利益を得るビジネスです。
そのため、利用者が受け取れる現金は債権の額面よりも手数料の分だけ減ります。
手数料率によってどれだけの利益を残せるか決まるため、ファクタリング会社を選ぶ際の大きなポイントのひとつです。
ファクタリングに使うのは、販売経費をかけて得た売上金額であるため、手数料をたくさん取られると利益を食われて赤字になる恐れもあります。
初回の手数料率は上限になる可能性が高い
ファクタリングの手数料率は、初回ほど高くなる傾向です。ファクタリング会社では「1%~20%」のように手数料率に幅を持たせていることが多くなります。
こうした幅がある場合、売掛債権の金額や信用度にもよりますが、初回は設定されている上限の手数料率になる可能性があります。
何度かファクタリングを利用しており、スムーズな取引きの実績を積むことで手数料は下がりやすくなりますが、実績のない初回から低く設定されるのは難しいでしょう。
そのため、下限の数字だけでなく上限の数字も見て会社選びをすることが大切です。
手数料率は2者間と3者間で違うことが多い
ファクタリングの手数料率は、2者間よりも3者間のほうが低く設定されていることが多くなります。
3者間のほうが2者間よりも信用度が高く、売掛金の回収リスクが低いためです。
2者間ファクタリングでは売掛先にファクタリングの事実を知られませんが、3者間では売掛先も承認しており、ファクタリング会社は売掛先から直接入金してもらえます。
そのため、回収しやすく信用度が高いと判断され、手数料率も下がります。
入金スピードは速いか
ファクタリング会社を選ぶ際には、入金スピードの速さも重要です。ファクタリングの入金スピードは会社ごとに異なり、多くが即日~1週間程度となっています。
急いで利用したい場合には、1週間もかかるファクタリング会社では間に合いません。
特に、1回限りの利用ではなく今後長く利用していきたい人は、急ぎの時にも使いやすいスピード対応ができるファクタリング会社を選んだほうが安心です。
償還請求権はあるか
償還請求権とは、売掛債権が売掛先の倒産などで支払い不可となった時に、売掛債権を売った利用者に請求できる権利です。
償還請求権はファクタリング会社側のリスクを抑える方法であり、利用者にはメリットとデメリットがあります。
償還請求権付の契約はファクタリング会社のリスクを下げるため、付いていない契約よりも審査基準が甘くなる傾向です。
また、資金提供のスピードも早くなるといわれています。
ただし、償還請求権が付いた契約をすると、利用者は万が一の時に額面通りの売掛金を支払わなければいけません。
手数料を引かれた金額しか受け取っていなくても、売掛金全額を支払う必要があります。
ファクタリング利用の流れ
ファクタリング会社を選んだら、利用のための準備を進めましょう。難しい手順ではありませんが、段階ごとに不備のないようにしてください。
必要書類を準備する
ファクタリングの契約に必要な書類を準備します。審査で主に必要となるのは、本人確認書類・ビジネスで利用している通帳・売掛債権を証明する請求書です。
また、契約時には、住民票・印鑑証明書・決算書などが必要となります。
会社ごとに必要な書類は異なるため、準備に手間をかけたくない人は書類の内容もチェックして会社を選びましょう。
審査を申し込む
審査の申し込みは、インターネットや電話、対面などで行います。申し込みフォーム(申込書)を記入し、必要書類を提出すると審査が始まります。
申し込みで必要となるのは、主に本人確認書類・通帳・請求書です。急ぎの場合にはその旨を伝えることで審査スピードが早くなることがあります。
審査で決まるのは、利用の可否と手数料率です。審査が終わって手数料率に不満があったら、その時点で断ることもできます。
契約する
審査を通過し、手数料率にも問題がなかったら、契約をします。契約の際には契約書を記入し、住民票など追加で求められる書類を提出する必要があります。
契約時に必要な書類は会社ごとに違うため、審査の申し込みの際に聞いておくか、公式サイトで確認してあらかじめ準備しておくと、契約までの流れがスムーズです。
入金される
契約が正しく完了したら、売掛債権を売却した代金が入金されます。入金される金額は売掛債権から手数料を引いた金額です。
3者間ファクタリングでは、その後は利用者のすることはありませんが、2者間の場合には、取引はまだ終わっていません。
売掛債権が現金化された段階で、ファクタリング会社へ額面通りの金額を速やかに振り込むことが必要です。
個人事業主におすすめのファクタリングサービス7選
個人事業主が安心して利用できるおすすめのファクタリング会社を7つ選びました。
少額から利用できて、手数料が低めのサービスをメインに紹介するので参考にしてください。
PayToday
「PayToday(ペイトゥデイ)」は、オンライン完結のファクタリングサービスです。名前の通り、最短即日に現金化が可能となっています。
利用できる売掛債権は10万円〜5,000万円まで、手数料率は1〜9.5%と業界最安級です。個人法人に関係なく対応可能で、開業してまもない人も利用できます。
こちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
創業期のファクタリング活用術!運転資金不足に対応できる即日資金調達方法を業者が解説
ウィット
「株式会社ウィット」は、電話もしくはオンライン完結のファクタリング会社です。2者間と3者間が利用でき、開業届を出していない個人にも対応しています。
入金スピードは最短2時間で、利用する債権の金額に下限はありません。ただし、手数料率は開示されていないため、問い合わせが必要です。
一般社団法人日本中小企業金融サポート機構
一般社団法人が提供するファクタリングサービスです。対面だけでなく電話・オンラインも対応可能で、全国どこからでも利用できます。
ファクタリングの種類は2者間と3者間があります。
手数料率は手数料1〜10%で、審査スピードは30分、最短即日の入金が可能です。
FREENANCE
「FREENANCE(フリーナンス)」は、個人事業主・フリーランスのためのサービスで、ファクタリングも行っています。
即日振込に加えて、取引最低金額は1万円と少額から利用できる点も魅力です。
ファクタリングだけでなく業務上の賠償を補償するサービスなどもあり、様々なリスクに備えられます。ただし、利用には専用口座の開設が必要です。
こちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。
フリーナンスを利用してフリーランスの仕事環境を整えよう
ペイトナー ファクタリング(旧 yup(ヤップ)先払い)
「ペイトナー ファクタリング」は、オンライン完結型のフリーランス向けファクタリングサービスです。
手数料は一律10%と高めですが、変動しないため、いくらで債権を売れるか審査前にわかります。
振込まで最短60分とスピーディで、急いでいる時にも安心です。ただし、新規登録時は利用できる限度額が15万円と決まっています。
OLTA
「OLTA(オルタ)」は、業界最大規模を誇るネット完結のファクタリングサービスです。取引額の下限設定がないため、小口の債権でも安心して申し込めます。
手数料率は2〜9%と定められており、上限がほかのサービスより低めなのも魅力です。
ファクタリングのTRY
「ファクタリングのTRY」は、利用金額が10万円~5,000万円と幅広く、少額債権でも利用しやすいファクタリングサービスです。
2者間のみ利用可能で、手数料率は5%~となっています。
コンサルティングやマッチングサービスなど、ファクタリング後のアフターサービスもあり、資金繰りや経営状況の改善にも役立ちます。
まとめ
ファクタリングサービスは、個人事業主でも利用できます。ただし、ファクタリングには利益を減らすリスクもあるため、使いすぎには注意してください。
ファクタリングも計画的に利用しなければ経営を悪化させる恐れがあります。
会社ごとに手数料率や入金スピード、ファクタリングの種類が異なるため、内容を吟味して会社を選びましょう。
3者間ファクタリングでは、売掛先との関係にも注意が必要です。
(編集:創業手帳編集部)