印刷通販サイトが激安の理由を本気で教えます
印刷通販が激安である2つの理由と、知っておきたい印刷通販選び3つのポイント
(2015/1/15更新)
印刷通販はWebから簡単にチラシ、パンフレット、DM、挨拶状、名刺などを小部数で発注でき、所定の場所に届けてくれる便利なサービスだ。最近はいくつもの「印刷通販」サイトが登場し、テレビCMを含めた大々的な広告出稿を行っているため、誰しも一度は目にしたことがあるのではないだろうか?
その魅力はなんといっても価格だ。非常に安価で印刷物を作ることができる。その一方で、あまりに激安のため、「何かあるのではないか?」「任せて大丈夫なのだろうか?」と考える経営者も多いのではないだろうか?
印刷通販が激安なのにはちゃんと理由がある。今回は、印刷通販の安さの理由と、安心して印刷通販を利用するために印刷通販サイト選びのポイントを説明しよう。
この記事の目次
なぜ、印刷通販は激安なのか? -2つの理由
印刷通販が安い理由は大きく分けて2つある。もちろん、各社ごとに少しづつコスト削減の背景は異なるが、これから述べる2点は、各社で共通しているといって良い。
1.Web注文で営業担当者のコストを削減
まず一つ目の理由は、Webから注文を受けるために営業担当者のコスト分が安くなっている。これはネット通販ビジネス全般に言えることで、わかりやすいだろう。
後述するように、印刷通販の場合、印刷データで入稿する。データ入稿後に印刷通販会社担当者との調整やフォローのやりとりが発生することが多いので、販売プロセスで担当者がまったく不要というわけではないが、少なくとも注文プロセスでの営業担当者は必要ないので、その人件費コスト分が安くなっているのである。
2.複数種類の印刷物の同時印刷でスケールメリットを得る
もう一つは、複数種類の印刷物を同時に印刷することで、小部数の印刷物であってもコストを安くでき、激安価格を提供できるのである。
こちらは少し説明が必要だろう。シンプルに説明すると、印刷の工程とは、「大きな印刷用の型」を作り、型にインクを着けて機械で紙に押す工程である。印刷通販で主に使われている1,000部前後の小部数印刷においてはこの「型」の制作費が原価の大半を占める(この「型」のことを「版」と言う)。
通常は一種類の印刷物ごとに1つの版を作るのだが、印刷通販では複数の印刷物を集めて「複数の印刷物を集めた1つの版」を作る。詳細の説明は割愛するが、「同じ紙種」で「相性の良い(サイズなどが同じ)印刷物同士」の組み合わせ、「複数の印刷物を集めた1つの版」を作って一度にまとめて印刷するのである。複数のパワーポイントのファイルがあった時に、テンプレートが同じファイルであれば1つのファイルにまとめて一度に印刷する、というようなイメージで考えてもらえるとよいだろう。
「複数の印刷物用の版」は、印刷物の種類が多いほど1枚あたりの作成コストは下がる。よって、「同じ紙種」で「相性の良い印刷物」をたくさん集めて一度に印刷することで、コストを下げることができる。
印刷通販では仕様を限定して受注を受けているところが多く、紙の種類が限定されていたり、サイズが限定されていたりというのはこのためである。また、納期が長いほど安くなる価格設定になっているのも、納期がながければ長いほど「組み合わせやすい」ことも同様の理由だ。
印刷通販の選び方 -3つのポイント
印刷通販会社にはそれぞれに特長があり、分野によって得意・不得意がある。
また、前述したように各社はコストを下げるために印刷可能な仕様を絞っているが、各社ともラインナップが違うので希望の仕様で印刷可能か?をまず調べることが、印刷通販会社を選ぶ際の前提になる。
その上で、印刷通販会社を選ぶ際には次の3つのポイントに注目して考えるとよい。
1.価格
印刷通販の一番のメリットである価格は大事な要素である。印刷通販各社、印刷物の種類によって価格が異なる。「一律に特定の印刷通販会社が激安」ということは少なく、「あるサイズのチラシはA社が一番安いが、違うサイズのチラシはB社が一番安い」といった具合である。
また、常に一定の激安価格を保っているわけではない。市況に応じて価格が変更になるので、発注時に都度価格をチェックするのを忘れないようにしよう。
2.得意な印刷物の種類
総合的に様々な印刷物を扱っている会社もあれば、特定の印刷物に特化した会社もある。一般的なイメージとは異なり、印刷物は繊細な仕事が多いため、一般的に特定の印刷物に特化した専門会社の方が品質が高い場合が多い。
例えば、色味にバラつきがでないように調整する「色校」のサービスを得意にしている印刷通販会社がある。印刷というのは非常に繊細な工程だ。印刷する日の気温・湿度、印刷工場の天井の高さ(※)などで容易に色が変わってしまう。通常の印刷であれば、職人が「色が変わらないように」機械やインクを調整するが、複数の印刷物をまとめて同時に印刷すると、「個々の印刷物に合った調整」ができなくなってしまう。
最近はかなり改善されてはいるが、この「印刷通販では同じデータでも色味が発注のたびに違う」という問題が発生することがあるので、色にこだわるならば「色校」のサービスを得意にしている印刷通販会社を検討するのがよいだろう。
3.フォロー体制
印刷通販の場合、データで印刷を入稿することになるが、正しいデータでないと意図したとおりに印刷することができない。この「印刷するのに正しくデータを作る」というのはプロのデザイナーでさえ間違えることもあり、データ入稿後に印刷通販の担当者との調整のためのやりとりが発生する機会が多い。
このため、「担当者が丁寧な対応をしてくれるか?」、「電話やメールのレスポンスが良いか?」、「十分な知識のある担当者がついてくれるか?」といったサポートの充実度も印刷通販会社を選ぶ上で重要である。もし既に利用しているのであれば、利用時にこれらのフォロー体制を評価してリピート利用するか考えるのもよいだろう。
特長のあるオススメ印刷通販6選
最後に、前述した印刷通販選びのポイントに関して特長のある注目の印刷通販会社を紹介しよう。
総合系印刷通販
1. プリントパック
プリントパックは、業界最大手の印刷通販。価格保証を打ち出しており、激安・最低価格の商品も多い。
2. グラフィック
グラフィックは、選べる仕様がとにかく多いのが特徴だ。入稿データが間違っていた場合でも、ある程度は修正してもらえる。印刷物にこだわりたい方にはオススメだ。
3. ラクスル
ラクスルは、最近TVCMを始めるなど、知名度が上がっている。自社で工場を持たず、提携先の印刷会社の工場の空き時間を利用し生産している。注文するWebサイトのUI(ユーザー・インターフェース)が非常にわかりやすく使いやすい。
専門系印刷通販
4. ウェブプレス
ウェブプレスは、チラシに特化した印刷通販。B版、D版など新聞折り込みなどを目的としたチラシ印刷の種類が豊富である。
5. フエルプロモ
(サイト閉鎖)
<!--a href="https://www.fuerupromo.jp/" target="_blank"-->
フエルプロモは、DMに特化した印刷通販。サイト上からテンプレートを選んでデザインができ、発送まで一貫して依頼できる。リストも用意してもらえるので、手間がかからないというのは非常に重宝する。
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(監修: 本気ファクトリー代表 畠山和也)
(編集:創業手帳編集部)