【2024年最新】設備投資に使える補助金・助成金|中小企業・個人事業主向け

創業手帳

ものづくり補助金等を生産効率向上に役立てましょう!「設備」の定義や補助金の対象費用なども紹介します

この記事のAI要約!


●設備投資に利用できる最新の補助金・助成金の種類
●各補助金の対象費用と申請条件
●設備投資のメリット(生産性向上、事業拡大、故障リスク回避など)
●設備投資に補助金・助成金を利用するメリット
●中小企業・個人事業主向けの税額控除の情報

中小企業や個人事業主が事業を営むうえで、設備投資はとても重要です。新たに機材やシステムなどを導入することで、生産性の向上や事業規模の拡大が期待できます

設備投資を考えるときに頭をもたげるのは、多額の費用がかかることでしょう。しかし、費用の負担は、国の補助金や助成金を活用することで、大きく軽減することが可能です。

以上を踏まえ、今回は中小企業の設備投資におすすめの補助金・助成金を紹介します。「設備」の定義や設備投資のメリットなども、改めて解説するのでぜひ参考にしてください。

また、創業手帳では「補助金AI(無料)」というサービスを始めました。自分に合った補助金や助成金情報がメールで届きますので、是非この機会にご登録をおすすめします。

他にも「補助金ガイド」では、補助金・助成金の基礎知識や最新情報を確認できます。採択情報や申請のコツなども掲載していますので、ぜひご活用ください。


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設備投資とは?

設備投資とは、企業が事業の継続・発展のために、有形・無形のさまざまな資産にお金を投入することです。具体的には、生産設備を新しく買ったり、古くなったソフトウェアを買い替えたりすることなどを指します。

「設備」にはどのようなものが含まれる?

「有形固定資産」は、土地・建物・機械・備品・車両などを指し、「無形固定資産」は、ソフトウェア、商標権、特許などを指す。

出典:経済産業省「2022年版ものづくり白書」, 第5章 設備投資

設備投資の「設備」は、有形固定資産と無形固定資産に分類されます。
有形固定資産では、機械のほか、事業に必要とあれば土地や車、エアコンなども対象無形固定資産については、ソフトウェアに加え、商標権や特許なども設備に含まれます。

よって、事業をよくするために何かを取り入れる行為は、すべて設備投資といえるでしょう。実際、あとで紹介する補助金・助成金も、幅広い用途で利用することができます。

設備投資をするメリットは?

設備投資をすることで得られるメリットは、主に以下の3つです。これらは、中小企業が設備投資をする目的とも言い換えられます。

1. 生産性の向上による利益の増大

性能に優れた新しい設備を投入すれば、生産性を向上させることが可能です。具体的には、同じ労力でより多くの商品を作れるようになったり、より少ない人数で業務を回せるようになったりします。

生産効率が向上すれば、時間単位の生産高が上がり、場合によっては人件費も減らせるので、利益の増大が見込めます。また人員削減ないしは人手不足により、限られた人数で業務を行わなければならない場合にも、設備投資によって生産性を上げることは有意義です。

2. 事業の拡大に対応できる

想定を超える市場のニーズがあり、現状の設備では生産が追いつかないような場合にも、設備投資は有効です。増産に向けて新しい機材を導入したり、拠点を増やしたりすることで、事業の規模を拡大できます。

事業の拡大に対応できれば、効率的に売り上げを増加させるなどの嬉しい効果につなげやすくなるでしょう。

3. 老朽化による故障やシステム障害を回避できる

古い機械やシステムを長年使い続けていると、老朽化による故障やシステム障害により、事業が止まってしまうリスクが高まります。設備投資による機材やシステムの更新には、そのようなリスクを回避できるというメリットもあります。

また古い設備は、新しいものに比べて性能が悪く、修理や点検にかかる費用やランニングコストが割高になるケースも多いです。そのため、経費節減の観点からも、設備投資はしたほうが良いといえます。

設備投資に使える補助金・助成金

中小企業や個人事業主は、設備投資の際に以下の補助金・助成金を使えます。新しい設備の投入にかかる費用負担をできるだけ少なくしたい場合に、ぜひお役立てください。

なお、ご覧いただくタイミングによっては、公募申請の受付が終了している可能性もあります。申請期間をご確認のうえ、応募できない場合は次年度を待つ、ほかの補助金・助成金を探すなどの対応をご検討ください。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、革新的サービスの開発や生産プロセスの改善のため、設備投資等を行う中小企業や個人事業主を支援する制度です。機械・システムの導入費用だけでなく、専門家経費や運搬費、クラウドサービス利用費など、設備投資にかかるさまざまな経費が補助の対象となります

ものづくり補助金の補助金額や補助率などは以下の通りです。

補助上限額額 補助上限額 ※カッコ内は大幅賃上げを行う場合

省力化(オーダーメイド)枠:
5人以下 750万円(1,000万円)
6~20人 1,500万円(2,000万円)
21~50人 3,000万円(4,000万円)
51~99人 5,000万円(6,500万円)
100人以上 8,000万円(1億円)

製品・サービス高付加価値化枠:
【通常類型】
5人以下 750万円(850万円)
6~20人 1,000万円(1,250万円)
21~50人 1,250万円(2,250万円)
【成長分野進出類型(DX・GX)】
5人以下 1,000万円(1,100万円)
6~20人 1,500万円(1,750万円)
21~50人 2,500万円(3,500万円)

グローバル枠:
3,000万円(3,100万円~4,000万円)
補助率 省力化(オーダーメイド)枠:
中小企業 1/2
小規模・再生 2/3
※補助金額1,500万円までは1/2もしくは2/3、1,500万円を超える部分は1/3

製品・サービス高付加価値化枠:
【通常類型】
中小企業 1/2
小規模・再生 2/3
新型コロナ回復加速化特例 2/3
【成長分野進出類型(DX・GX)】 2/3

グローバル枠:
中小企業 1/2
小規模 2/3
補助要件 以下を満たす3~5年の事業計画書の策定および実行
①付加価値額 年平均成長率+3%以上増加
②給与支給総額 年平均成長率+1.5%以上増加
③事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上
④補助金の返還条件等への同意
補助対象者 組合関連以外の中小企業者:
製造業、建設業、運輸業、旅行業、卸売業、サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)、小売業、ソフトウェア業または情報処理サービス業、旅館業、その他の業種など

組合・法人関連の中小企業者:
事業協同組合、事業協同小組合など

常勤従業員数が以下に当てはまる小規模企業者・小規模事業者:
製造業その他…20人以下の会社および個人事業主
商業・サービス業…5人以下の会社および個人事業主
サービス業のうち宿泊業・娯楽業…20人以下の会社および個人事業主

常勤従業員数が以下に当てはまる特定事業者の一部:
製造業、建設業、運輸業…500人以下
卸売業…400人以下
サービス業または小売業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)…300人以下
その他の業種(上記以外)…500人以下

特定営利活動法人

社会福祉法人
補助対象経費 共通:
機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

グローバル枠のみ:
海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費

参考:「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業 公募要領(18次締切分)1.0版]

ものづくり補助金ついて、詳しくはこちらの記事を>>
【2024年最新】最大1億円!ものづくり補助金をわかりやすく解説!

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小さな会社や個人事業主などの販路開拓、生産性の向上、持続的発展を支援する制度です。こちらも機械装置等費のほか、ウェブサイト関連費や旅費、資料購入費など、設備投資にかかるさまざまな費用が対象となります。

小規模事業者持続化補助金の補助上限や補助率などは以下の通りです。

補助上限 通常枠:     50万円
賃金引上げ枠: 200万円
卒業枠:    200万円
後継者支援枠: 200万円
創業枠:    200万円

※インボイス特例…各枠の上限額に50万円を上乗せ
補助率 2/3
賃金引上げのうち赤字事業者については3/4
補助要件 次の①~⑦を満たす、日本国内に所在する小規模事業者等

①以下に当てはまる小規模事業者であること:
・常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)…5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業…20人以下
製造業その他…20人以下

②資本金または出資金が5億円以上の法人に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)

③直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと

④商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること

⑤第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を本補助金の申請までに受領された者であること(過去の小規模事業者持続化補助金のうち、一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠の採択を受けて補助事業を実施した場合)

⑥小規模事業者持続化補助金<一般型>において「卒業枠」で採択を受けて補助事業を実施した事業者ではないこと

⑦補助対象となる事業を営んでいること
補助対象者 会社および会社に準ずる営利法人、個人事業主(商工業者)、一定の要件を満たした特定非営利活動法人
補助対象経費 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、新商品開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費

参考:商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局「小規模事業者持続化補助金<一般型> 第 15 回公募 公募要領

小規模事業者持続化補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
【2024年3月締切】第15回小規模事業者持続化補助金とは?スケジュールや変更点などを解説

業務改善助成金

業務改善助成金は、生産性向上を目指す中小企業や小規模事業者を支援するための制度です。事業場内最低賃金を一定金額以上引き上げた場合、設備投資等にかかった費用の一部が助成されます

設備投資等としては、「機械装置、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練」が想定されています。

業務改善助成金の助成額や支給の要件などは以下の通りです。

助成上限額 引き上げ額および引き上げ労働者数ごとの助成上限額 ※カッコ内は事業場規模が30人以上の場合

30円コース:
1人 60万円(30万円)
2〜3人 90万円(50万円)
4〜6人 100万円(70万円)
7人以上 120万円(100万円)
10人以上 130万円(130万円)

45円コース:
1人 80万円(45万円)
2〜3人 110万円(70万円)
4〜6人 140万円(100万円)
7人以上 160万円(150万円)
10人以上 180万円(180万円)

60円コース:
1人 110万円(60万円)
2〜3人 160万円(90万円)
4〜6人 190万円(150万円)
7人以上 230万円(230万円)
10人以上 300万円(300万円)

90円コース:
1人 170万円(90万円)
2〜3人 240万円(150万円)
4〜6人 290万円(270万円)
7人以上 450万円(450万円)
10人以上 600万円(600万円)

・各コース名の金額以上の事業場内最低賃金引き上げが必要
・10人以上の上限額区分については、特例事業者が対象
助成率 事業場内最低賃金別の助成率 ※カッコ内は生産性要件に該当した場合

900円未満:9/10
900円以上950円未満:4/5(9/10)
950円以上:3/4(4/5)
助成要件 賃金引上げ計画の策定または一定期間中における賃金引上げの完了
助成対象者 以下3つを満たしていれば対象

・資本金または出資総額、常勤労働者数が次に当てはまる中小企業、小規模事業者:
一般産業(下記以外)…3億円以下の法人で労働者300人以下
卸売業…1億円以下の法人で労働者100人以下
サービス業…5,000万円以下の法人で労働者100人以下
小売業…5,000万円以下の法人で労働者50人以下

・事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内

・解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がない
助成対象経費 生産性向上等に資する設備投資等の経費区分(謝金、旅費、借損料、雑役務費、印刷製本費、原材料費、機械装置等購入費、造作費、人材育成・教育訓練費、経営コンサルティング経費、委託費)、関連する経費(広告宣伝費、改築費、備品等購入費、通信費)

参考:厚生労働省「業務改善助成金について

業務改善助成金について、詳しくはこちらの記事を>>
令和5年度 業務改善助成金とは?支給金額や対象経費、申請期限などを紹介

働き方改革推進助成金

※いずれのコースも申請期日令和5年12月28日で終了。

働き方改革推進助成金は、生産性を向上させ、働き方改革に関する取り組みを行う中小企業を支援する制度です。「労働時間短縮・年休促進支援コース」、「労働時間適正管理推進コース」、「勤務間インターバル導入コース」の3つがあります。

設備投資によって生産効率を上げるとともに、社員のワークライフバランスを実現したい場合などにぜひご活用ください。

働き方改革推進支援助成金の支給額や支給対象となる取り組みなどは以下の通りです。

支給額 【労働時間短縮・年休促進支援コース】 最大490万円 

※労働時間短縮等の成果目標の達成状況、賃金額の引上げによる加算額などによる

【労働時間適正管理推進コース】
・上限100万円 ※補助率3/4もしくは4/5
・+15万円〜240万円 ※賃金額の引上げの状況によって加算

【勤務間インターバル導入コース】
・40万円〜100万円 ※補助率3/4もしくは4/5
・+15万円〜240万円 ※賃金額の引上げの状況によって加算
支給対象
となる取り組み

いずれか1つ以上実施

1労務管理担当者に対する研修
2労働者に対する研修、周知・啓発
3外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
4就業規則・労使協定等の作成・変更
5人材確保に向けた取組
6労務管理用ソフトウェアの導入・更新
7労務管理用機器の導入・更新
8デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
9労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、業務研修も含む
※パソコン、タブレット、スマートフォンは原則として対象外

参考:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金

事業再構築補助金

※第12回以降の公募については、見直しを行った上で公募を再開する予定。

事業を新たに作り直す意欲があるなら、事業再構築補助金の活用が候補に挙がります。新市場の進出や事業転換、事業再編など、事業の再構築に伴うさまざまな費用の補助が受けられる制度です。

中小企業や中堅企業を対象としており、詳細な要件は申請枠によって異なります。事業を再構築するために課題に取り組んだり、増産したりする場合などに活用を検討しましょう。

以下に、事業再構築補助金の詳細についてまとめています。

補助上限額 申請枠および従業員数ごとの上限額

成長枠:
20人以下 2,000万円
21~50人以下 4,000万円
51~100人以下 5,000万円
101人以上 7,000万円

グリーン成長枠(エントリー):
【中小企業者等】
20人以下 4,000万円
21~50人以下 6,000万円
51人以上 8,000万円
【中堅企業等】※従業員数の指定なし
100万円~1億円

グリーン成長枠(スタンダード):※従業員数の指定なし
【中小企業者等】
1億円
【中堅企業等】
1.5億円

卒業促進枠:
成長枠・グリーン成長枠の上限額に準じる

大規模賃金引上促進枠:
3,000万円 ※従業員数の指定なし

産業構造転換枠:
20人以下 2,000万円
21~50人以下 4,000万円
51~100人以下 5,000万円
101人以上 7,000万円
※廃業を伴う場合は最大2,000万円の廃業費を上乗せ

物価高騰対策・回復再生応援枠:
5人以下 1,000万円
6~20人以下 1,500万円
21~50人以下 2,000万円
51人以上 3,000万円

最低賃金枠:
5人以下 500万円
6~20人以下 1,000万円
21~50人以下 1,500万円
補助率 ※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
成長枠:
中小企業 1/2(2/3)
中堅企業 1/3(1/2)

グリーン成長枠(エントリー):
中小企業 1/2(2/3)
中堅企業 1/3(1/2)

グリーン成長枠(スタンダード):
中小企業 1/2(2/3)
中堅企業 1/3(1/2)

卒業促進枠:
中小企業 1/2
中堅企業 1/3

大規模賃金引上促進枠:
中小企業 1/2
中堅企業 1/3

産業構造転換枠:
中小企業 2/3
中堅企業 1/2

物価高騰対策・回復再生応援枠:
中小企業 2/3
中堅企業 1/2
(それぞれ従業員数によって上限あり)

最低賃金枠:
中小企業 3/4
中堅企業 2/3
補助要件 以下すべての要件を満たすこと
①事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受ける
②付加価値額を向上させる
③申請枠ごとに与えられる要件を満たす
助成対象者 要件を満たす中小企業者等、中堅企業等
助成対象経費 建物費・機械装置・システム構築費、外注費(加工、設計等)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)など

参考:厚生労働省「事業再構築補助金

事業再構築補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
事業再構築補助金 第11回の内容は?主な変更点や注意事項、スケジュールなどを紹介

事業承継・引継ぎ補助金(経営革新枠)

事業承継・引継ぎ補助金(経営革新枠)は、事業承継をきっかけに経営革新に乗り出す中小企業の、設備投資や販路開拓等を支援する制度です。「創業支援型(I型)」、「経営者交代型(II型)」、「M&A型(III型)」の3類型があります。

事業承継・引き継ぎ補助金(経営革新)の補助上限額や補助率等は以下の通りです。

補助上限額 100万円~600万円または800万円(一定の賃上げの実施によって上限額が変動)
※廃業費用に関連する上乗せ額は150万円以内
補助率 2/3または1/2以内(補助率に関する補助対象者の要件による)
※補助額の内400万円超~600万円の部分の補助率は1/2
補助要件 創業支援型(I型):
以下の1〜2をいずれも満たす
1.事業承継対象期間内に中小企業を設立する、もしくは個人事業主として開業する
2.創業にあたり、廃業予定の者などから、株式譲渡や事業譲渡等により、経営資源を引き継ぐ

経営者交代型(II型):
以下の1〜2をいずれも満たす
1.親族内承継や従業員承継などの事業承継(事業再生を伴うものも含む)を行う
2.一定以上の経営経験または同業務の実務経験がある、もしくは創業・承継に関する研修等を受講する

M&A(III型):
以下の1〜2をいずれも満たす
1.事業再編・事業統合等のM&Aを行う
2.一定以上の経営経験または同業務の実務経験がある、もしくは創業・承継に関する研修等を受講する
補助対象者 次の1と2を満たしていること

1.以下のいずれの要件も満たしている:
①日本国内の事業者である
②地域に貢献する中小企業者である
③反社会的勢力でない
④法令順守上の問題がない
⑤事務局からの質問や資料提出の要請に応えられる
⑥事務局からの要請に基づき書類に修正や通知ができる
⑦補助金の返還が必要な際に事務局に負担を求めない
⑧補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていない
⑨申請時の提供データの活用に同意できる
⑩調査やアンケート等に協力できる

2.事業承継の要件を満たす中小企業者または特定非営利活動法人である
補助対象経費 以下をすべて満たす経費

①使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できるもの
②補助事業期間内に契約・発注を行い支払ったもの(被承継者が扱ったものは対象外)
③補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払等が確認できるもの

具体例:
店舗等借入費、設備費、原材料費、広報費、外注費、委託費など

参考:事業継承・引継ぎ補助金事務局「中小企業生産性革命推進事業 事業承継・引継ぎ補助金
経営革新枠【公募要領】8次公募

事業承継・引継ぎ補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
事業承継・引継ぎ補助金とは?申請方法やスケジュールをまとめました。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や個人事業主がITツール(主にソフトウェア)を導入する際に活用できる補助金です。会計ソフトや受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトに特化した「デジタル化基盤導入枠」では、PCやタブレットなどの購入費用も補助されます。

IT導入補助金の補助額や補助率などは以下の通りです。

補助上限額 通常枠:
【1プロセス以上】
5万円以上150万円未満
【4プロセス以上】
150万円以上450万円以下

インボイス枠(インボイス対応類型):
【インボイス制度対応のソフト】
補助率3/4、4/5以内 50万円以下
補助率2/3以内 50万円超~350万円以下
【PC・ハードウェア】
PC・タブレット等 10万円以下
レジ・券売機等 20万円以下

インボイス枠(電子取引類型):
350万円以下

セキュリティ対策推進枠:
5万円以上100万円以下

複数社連携IT導入枠:
【基盤導入経費】
・ソフトウェア
 50万円以下×グループ構成員数
 50万円超~350万円以下×グループ構成員数
・ハードウェア、PC・タブレット等、レジ・券売機等
 10万円×グループ構成員数
 20万円×グループ構成員数
【消費動向等分析経費】
50万円以下×グループ構成員数
※基盤導入経費と消費動向等分析経費の合計額の上限は3,000万円以下
【その他経費】
200万円以下
補助率 通常枠:1/2以内

インボイス枠(インボイス対応類型):
【インボイス制度対応のソフト】
中小企業 3/4以内
小規模事業者 4/5以内
【PC・ハードウェア等】
1/2以内

インボイス枠(電子取引類型):
中小企業、小規模事業者等 2/3以内
その他事業者等 1/2以内

セキュリティ対策推進枠:1/2以内

複数社連携IT導入枠:
【基盤導入経費】
・ソフトウェア
 50万円以下×グループ構成員数 3/4以内(小規模事業者は4/5以内)
 50万円超~350万円以下×グループ構成員数 2/3以内(小規模事業者は4/5以内)
・ハードウェア、PC・タブレット等、レジ・券売機等
 1/2以内 
【消費動向等分析経費】
2/3以内 
【その他経費】
2/3以内
補助要件 ・各交付規程、公募要領について理解しておく
・gBizIDプライムアカウントの取得およびSECURITY ACTIONを実施する
・みらデじ経営チェックの実施、IT導入支援事業者やITツールの選定を行う など
補助対象経費 ソフトウェア購入費、クラウド利用料、導入関連費、デジタル化基盤導入枠はハードウェア購入費(PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器、レジ・券売機等)も対象

参考:「IT導入補助金2024」公式サイト

IT導入補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
IT導入補助金とは?申請スケジュールや受給額を分かりやすく解説

地方自治体の支援制度も活用できる!

上記で紹介した国の補助金・助成金のほか、地方自治体が独自に行なっている支援事業もあります。場合によっては、国のものより条件が良かったり、利用しやすかったりすることも考えられるので、ぜひ一度リサーチしてみてください。

ちなみに全国の主要都市を見ると、中小企業の設備投資にかかる以下のような支援制度がありました。

  • 小規模企業者等設備貸与事業(宮城県)
  • 宮古市事業者等省エネルギー対策推進事業費補助金(岩手県宮古市)
  • 広島市省エネ機器導入支援事業補助金(広島県広島市)
  • 山形県中小企業パワーアップ補助金(事業継続力強化支援事業) (山形県)
  • 太陽光発電システム(事業者用)の設置の補助(兵庫県富岡市)

中小企業の設備投資にかかる税額控除も存在

補助金や助成金のほか、設備投資をする中小企業に向けて、国は以下のような税額控除も設けています。設備新たに機械装置等を導入する際は、こうした税制措置も有効活用するのがおすすめです。

税制 控除内容
中小企業投資促進税制 機械装置等の対象設備を取得・製作等した場合に、取得価格の30%の特別償却、もしくは7%の税額控除が適用される
中小企業経営強化税制 新品の特定経営力向上設備等を取得・製作・建設した場合、その事業年度に特別償却(全額)もしくは税額控除(7%)が適用される(特定中小企業者等は10%)
固定資産税の特例 認定経営革新等支援機関の確認を受けた特定の設備において、固定資産税の課税標準を3年間に限り1/2に軽減する(設備の要件は市町村によって異なる場合あり)

※各税制ごとに要件や期間等の制限あり

補助金・助成金など国の制度で設備投資をする利点

設備投資そのものには多数のメリットがありますが、費用面を考えるとデメリットがないとは言い切れません。補助金や助成金といった国の制度を使えば、費用面にありがちな設備投資のデメリットを回避できる利点があります。

一番の利点は、借り入れや返済のリスクがないことです。融資を受けたり自己資金を用いたりする場合、設備投資に失敗した際のリスクが増大します。国の制度は基本的に返済の必要性がないため、万が一のリスクを下げて設備投資ができるのです。

目的の設備投資ができていないときや、条件だった成果を上げられない場合など、返済を求められる例外的なケースもありますが、要件をしっかり守れば費用対効果の高い手段になります。

まとめ・中小企業や個人事業主は設備投資に補助金制度を使うべし

設備投資をすることで、中小企業は生産性の向上や事業規模の拡大といったメリットを享受できます。また機械やシステムの一新により、それらの老朽化が引き起こすトラブルを予防できる点も魅力です。

以上のような利点を求めて設備投資を行う際は、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金等をご活用ください。そのほか、必要に応じて、自治体の支援制度や税額控除にも注目してみましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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