【2026年】事業承継・M&A補助金とは?申請方法やスケジュールをまとめました。

事業承継手帳

事業承継・M&A補助金はスケジュールを把握して計画的に取り組もう


事業承継・M&A補助金(旧:事業承継・引継ぎ補助金)は、事業承継やM&Aをきっかけとした「第二創業」や「経営統合(PMI)」を強力に後押しする支援制度です。2026年(令和7年度)の14次公募においても、賃上げによる補助上限額の引き上げや、M&A後のシナジーを最大化させるためのPMI支援など、中小企業の成長を支える枠組みが充実しています。

補助金を有効活用するためには、自社の取り組みが「事業承継促進枠」「専門家活用枠」「PMI推進枠」「廃業・再チャレンジ枠」のどれに該当し、どの特例(賃上げや100億円企業特例など)が適用できるかを正確に把握することが重要です。

また、本補助金は公募期間が限られており、交付決定前に着手した事業は対象外となるなど、厳格なスケジュール管理が求められます。 申請に必須となる「GビズIDプライムアカウント」は、発行までに2〜3週間を要する場合があるため、公募の締め切りを待たず、今すぐ取得手続きを進めることを強くおすすめします。

創業手帳は、自分に適した補助金・助成金を見つけるための「補助金AI(無料)」という配信サービスを提供開始しました。登録すると、個別にマッチした補助金や助成金の情報がメールで直接届くため、ぜひこの機会に登録をお勧めします。

さらに、創業手帳の「補助金ガイド(無料)」では、補助金や助成金に関する基本的な知識や最新の情報を提供しています。補助金獲得のための申請方法や採択情報も含まれているので、お役立てください。


補助金AI


補助金ガイド

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

事業承継・M&A補助金(旧:事業承継・引継ぎ補助金)ってなに?


多くの中堅企業、中小企業が抱えているのが、事業承継の悩みです。オーナーや社長から誰を後継者にして事業を引き継ぐのかを、経営課題としている企業は多いでしょう。
事業承継・M&A補助金は、事業承継をきっかけに新しい取り組みをスタートする中小企業や、事業再編・事業統合に伴って経営資源の引継ぎを進める中小企業を支援する制度です。

具体的には、費用負担の軽減して承継後の積極的な投資を促進するために、中小企業者の事業承継・経営資源引継ぎに要する費用を、一部補助しています。

【2026年】事業承継・M&A補助金の変更点

2026年(令和8年)1月30日に公表された第14次公募の要領に基づき、2026年の事業承継・M&A補助金において特に注意すべき変更点や注目ポイントを解説します。

1.賃上げ要件による「補助上限額」の引き上げ

今回の公募でも、一定の賃上げを行うことで補助上限額がアップする特例が継続されています。

  • 内容:補助事業期間終了時に、公募申請時と比較して事業場内最低賃金を+50円以上引き上げること。
  • メリット:例えば「事業承継促進枠」の場合、通常の上限 800万円が1,000万円まで引き上げられます。
  • 注意点:達成できなかった場合、補助上限額が引き下げ(返還等)となるため、実現可能な計画策定が不可欠です。

2.「PMI推進枠」の定着と活用

M&A成立後の経営統合プロセスを支援する「PMI推進枠」の重要性が増しています。

  • 対象:ITシステムの統合、人事労務制度の整備、企業文化の融合作業など。
  • ポイント:M&Aの「成約」だけでなく、その後の「成長」までを国が手厚くサポートする姿勢が鮮明になっています。

3.「100億企業特例」の継続

買い手企業の規模が大きい場合でも、特定の条件(売上高100億円以下の中堅・中小企業を譲り受ける場合等)を満たせば、専門家活用枠において最大 2,000万円(通常600万円)まで補助上限が引き上げられる特例が維持されています。

4.加点項目の変化(審査を有利に進めるために)

採択率を高めるための「加点項目」として、以下の取り組みが重視されています。

  • 健康経営優良法人:従業員の健康管理に戦略的に取り組んでいる企業への優遇。
  • DX・セキュリティ対策:「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用やDX認定の取得。
  • パートナーシップ構築宣言:取引先との共存共栄を目指す宣言を行っていること。

5.申請方法の完全電子化(Jグランツ)

すべての申請は、国の電子申請システム「Jグランツ」経由で行う必要があります。

  • 必須準備:GビズIDプライムアカウントの取得。
  • アドバイス:ID発行には2週間以上かかる場合があるため、4月の締め切りを待たず、今すぐ発行手続きを開始してください。

また、第14次公募では、交付決定前に契約・発注した経費は原則として補助対象外となります。スケジュール管理には十分ご注意ください。

【2026年】事業承継・M&A補助金の支援枠4つの概要

2026年(令和7年度)の14次公募では、「事業承継促進枠」「専門家活用枠」「PMI推進枠」「廃業・再チャレンジ枠」の4つの枠が設定されています。

支援枠 補助対象 補助上限額 補助率
事業承継促進枠 事業承継後の設備投資・販路開拓等 800万〜1,000万円 1/2・2/3
専門家活用枠 M&A時のFA・仲介費用、DD費用等 600万〜2,000万円 1/3・1/2・2/3
PMI推進枠 M&A後の経営統合(IT統合・制度構築等) 150万〜1,000万円 1/2・2/3
廃業・再チャレンジ枠 事業承継・M&Aに伴う廃業費用 150万円 1/2・2/3

それぞれの特徴や対象要件について詳しく解説します。

※出典:事業承継・M&A補助金 事務局ホームページ(14次公募要領)

1. 事業承継促進枠

親族内承継や従業員承継を予定、または実施した中小企業が、引き継いだ経営資源を活用して設備投資や事業革新を行う費用を補助します。承継後の新たな取り組みによる生産性向上と、持続的な賃上げを後押しします。

対象者:親族内承継、従業員承継、またはM&A(事業承継促進枠(Ⅲ型))によって事業を引き継ぐ者。
補助率:1/2または2/3(小規模事業者や営業利益率低下企業等は2/3)
補助上限額:800万円〜1,000万円(※一定の賃上げ要件を満たす場合、上限を1,000万円に引き上げ)
対象経費:設備費、原材料費、産業財産権等関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費 等

2. 専門家活用枠

M&Aを検討する際の専門家(仲介業者・FA)への委託費用や、デューデリジェンス(DD)費用を補助し、円滑な事業承継・事業再編を支援します。

対象者:①買い手支援類型(Ⅰ型):M&Aにより経営資源を譲り受ける予定の者 ②売り手支援類型(Ⅱ型):M&Aにより経営資源を譲り渡す予定の者
補助率:1/2(赤字企業等は2/3)。買い手側で「100億円企業特例」を適用する場合は、一部経費が1/3。
補助上限額:600万円〜800万円(DD費用等を含む場合は上限800万円)。 ※買い手の「100億円企業特例」適用時は最大2,000万円。
対象経費:仲介・FA手数料、デューデリジェンス費用、謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料(表明保証保険等)

3. PMI推進枠

M&A成立後の「経営統合(PMI)」を支援します。異なる組織のシステム統合や人事制度の構築、企業文化の融合にかかる費用を補助し、M&Aによるシナジー最大化を目指します。

対象者:M&Aにより経営資源を譲り受けた後、PMIに取り組む中小企業等。
補助率:1/2または2/3
補助上限額:・PMI専門家活用類型:150万円 ・事業統合投資類型:800万円〜1,000万円(賃上げ実施時1,000万円)
対象経費:システム統合費用、コンサルティング費用、研修費、設備費、外注費 等

4. 廃業・再チャレンジ枠

事業承継やM&Aに伴い、既存事業の一部または全部を廃業し、新たな事業へ再チャレンジする際の費用を補助します。

対象:事業承継やM&Aの検討・実施に伴って廃業を行う者。
補助率:1/2または2/3(他の枠と併用する場合はその枠の補助率に準ずる)
補助上限額:150万円(他の枠と併用申請する場合は、各枠の上限に加算)
対象経費:廃業支援費、在庫廃棄費、建物解体費、原状回復費、リース解約費 等

【2026年】事業承継・M&A補助金の申請期間スケジュール

これから公募予定の14次公募は、事業承継促進、専門家活用、廃業・再チャレンジ、PMI推進での実施です。
スケジュールは以下です。

【申請受付前】
▼14次公募 ※事業承継促進、専門家活用、廃業・再チャレンジ、PMI推進
公募申請期間:2026年2月27日(金) ~ 2026年4月3日(金) 17:00
採択発表:2026年5月中旬(予定)
交付決定:2026年6月上旬以降
事業実施期間:交付決定日 ~ 2027年6月上旬
補助金交付:2027年1月下旬以降(順次)

今後のスケジュールについては、公式ホームページで逐次更新されます。利用する予定がある場合には、小まめにチェックしてください。

事業承継・M&A補助金の申請の流れ

事業承継・M&A補助金の申請は、補助金の電子申請システム「jGrants(ジェイグランツ)」を利用して行います。 jGrantsを利用するには、あらかじめ「gBizIDプライム」のアカウントを取得しておく必要があります。

以下に、申請から補助金受領までの主な流れをまとめました。支援枠や類型によって必要書類やフォーマットが異なるため、詳細は必ず事務局の最新の公募要領を確認してください。

補助対象事業の確認

まずは自社の事業承継・M&Aの建設計画が、補助対象の要件(支援枠)に該当するかを確認します。 公式サイトで公開されている最新の公募要領を読み込み、どの類型で申請するのが最適かを検討しましょう。

gBizIDプライムアカウントの発行

電子申請を行うための必須準備です。gBizIDプライムの発行には通常2~3週間が必要ですが、公募締め切り間際は混雑し、さらに時間がかかる恐れがあります。 補助金の申請を検討し始めた段階で、先行してアカウントを取得しておくことを強くおすすめします。

また、事業計画の策定にあたっては「認定経営革新等支援機関」への相談が推奨されています(枠によっては必須)。早期に専門家と連携し、事業計画のブラッシュアップを行いましょう。

アカウント登録に必要なもの:

  • 法務局発行の印鑑証明書(法人の場合)または地方公共団体発行の印鑑登録証明書(個人事業主の場合)の原本(発行日より3カ月以内)
  • 登録申請書(サイト上で作成・印刷し、実印を押印したもの)
  • 代表者本人のメールアドレスおよびSMS受信用電話番号

「gBizID」公式サイトから「gBizIDプライム作成」を行い、必要書類を郵送して申請します。

jGrantsによる交付申請・審査

gBizIDを取得後、jGrants上で必要事項を入力し、書類をアップロードして申請します。 審査の結果は、事務局のホームページで採択者が公表されるほか、jGrants上でも採否の通知が行われます。

補助事業の実施・実績報告

交付決定の通知を受けた後、いよいよ事業を開始(契約・発注)します。 【重要】原則として、交付決定通知を受ける前に契約・支払いを行った経費は補助対象になりません。 以前の公募で認められていた「事前着手」の制度は、14次公募では原則廃止(激甚災害等の例外を除く)されているため、スケジュール管理には十分な注意が必要です。

また、補助事業期間中に発生した領収書、請求書、契約書などは、実績報告時にすべて必要となるため、厳重に保管しておきましょう。

実績報告・確定検査・補助金交付

補助事業完了後、15日以内(または事務局が定める期限内)に実績報告書を提出します。 提出後、事務局による書類検査や必要に応じた実地検査が行われ、補助金の額が確定したのち、精算払い(後払い)として補助金が交付されます。

事業終了後も、枠によっては数年間にわたり「事業化状況報告」などが必要になる場合があります。適切な経営と報告義務の履行を継続しましょう。

まとめ・事業承継・M&A補助金の申請方法などを確認して準備しよう!


日本の経営者が高齢化している状況への対応として、事業承継、引継ぎ推進策として事業承継・M&A補助金補助金が提供されています。
経営資源がなくなったり散逸したりすることは、生産性や創業、雇用の推進の観点からも好ましくありません。

事業承継・M&A補助金は事業の引継ぎを考える事業者にとっては心強いサポートです。経営革新と専門家活用の2つがありますが、同時に申請することはできません。

中小企業や小規模事業者をサポートする補助金や支援はいろいろな種類があります。
国が提供しているサポート以外に、地方自治体や金融機関で提供している制度もあるので、調べてみてください。

創業手帳(冊子版)は、補助金や助成金といった起業後に必要な情報を掲載しています。起業間もない時期のサポートにぜひお役立てください。

創業手帳は、自分にマッチした補助金・助成金がメールで配信される「補助金AI(無料)」を提供しています。
さらに、「補助金ガイド(無料)」では、補助金・助成金の基礎知識や最新情報を掲載しています。申請方法や採択情報なども掲載しているので、ぜひお役立てください。詳しくは、以下のバナーから!


補助金AI


補助金ガイド

関連記事
【2024年版】中小企業の人材育成に!人材開発支援助成金とは?受給条件や申請の流れをわかりやすく解説
補助上限最大50億!「中堅・中小成長投資補助金」をわかりやすく解説!

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳別冊版「補助金ガイド」は、数多くの起業家にコンサルティングを行ってきた創業アドバイザーが収集・蓄積した情報をもとに補助金・助成金のノウハウを1冊にまとめたものになっています。無料でお届けしますのでご活用ください。また創業手帳では、気づいた頃には期限切れになっている補助金・助成金情報について、ご自身にマッチした情報を隔週メールでお届けする「補助金AI」をリリースしました。登録無料ですので、あわせてご活用ください。

事業承継手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す
無料冊子
創業手帳冊子版(無料) 補助金ガイド 創業手帳woman 飲食開業手帳