【2026年】中小企業の人材育成に!人材開発支援助成金とは?受給条件や申請の流れをわかりやすく解説

人材開発支援助成金を活用して人材育成やリスキリングを促進!

人材育成を行いつつ経済的な支援を得る手段として、人材開発支援助成金があります。人材開発支援助成金を活用すれば、労働者のスキルアップや技能の向上を通じて、利益の向上というメリットが期待できるでしょう。

人材開発支援助成金を受給するためには、条件を満たさなくてはなりません。また、所定のプロセスを踏み、期日までに申請を行う必要があります。

こちらの記事では、人材開発支援助成金の受給額や受給条件、申請を行う際の具体的な流れなどを解説します。労働者のスキルアップをサポートする手段を模索している事業主の方や、経済的な助成を得たいと考えている事業主の方に役立つ内容となっているので、参考にしてみてください。

この記事の目次

【令和8年4月8日改正】人材開発支援助成金の最新変更点まとめ

令和8年4月8日より、人材開発支援助成金に複数の重要な改正が行われました。これから助成金の活用を検討する事業主が押さえておくべき、主な変更点は以下の5つです。

  1. 新メニュー「中高年齢者実習型訓練」の創設(人材育成支援コース)
    45歳以上の労働者を対象とした「中高年齢者実習型訓練」が新設されました。実践的なスキルを習得するためのOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練が対象となり、助成が受けられます。
  2. 「設備投資加算」の新設(事業展開等リスキリング支援コース)
    中小企業を対象に、訓練で実際に使用する事業展開促進機器等を新たに導入した場合、導入費用の50%が追加助成される「設備投資加算」が新設されました。
  3. 「新規採用助成」「職務代行助成」の追加(人への投資促進コース)
    中小企業が有給の「長期教育訓練休暇制度」を利用した際、休暇取得者の業務を代替するために新たな人材を採用・派遣受入した場合や、周囲の労働者に手当を支給して業務をカバーさせた場合に、追加の助成金が支給されるようになりました。
  4. eラーニング・通信制訓練の経費助成上限額の引き下げ(共通)
    eラーニングと通信制による訓練について、1人1訓練あたりの経費助成の上限額が一律で中小企業15万円、大企業10万円へと引き下げられました。
  5. 支給要件の厳格化と申請の迅速化(共通)
    申請事業主と「密接な関係にある者」との間の訓練経費は助成対象外であることが明確化されました。一方で、「教育訓練休暇制度」については、制度導入日から3年を経過しなくても要件を満たした段階(最短で導入から6か月経過後)で早期に支給申請を行えるよう見直され、利用しやすくなっています。

人材開発支援助成金とは

人材開発支援助成金とは、人材育成の促進を目的とした助成金です。具体的に、制度の趣旨やどのような特徴があるのか解説します。

人材育成を行う事業主を支援する制度

人材開発支援助成金は、労働者の職業能力開発を促進することを目的としています。職業訓練やe-ラーニングをはじめとした「人材育成」を行うことが、人材開発支援助成金を受給する前提条件です。

「社員に習得してほしいスキルがある」「自社だけでは人材育成を行える余裕がないから、外部機関を利用したい」と考えている事業主にとって、ありがたい制度と言えるでしょう。

訓練経費や賃金の一部を助成する制度

人材開発支援助成金は、労働者に対して専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練を行った事業主に対して、訓練経費や賃金の一部を助成する制度です。人材育成にかかる費用の一部を助成してもらえることで、事業主はコストを削減できるメリットがあります。

人材開発支援助成金には7つのコースがあり、助成金額や助成率はコースによって異なります。人材開発支援助成金を利用する際には、労働者にどのようなスキルを習得してほしいか、助成金としていくら受給できるのかを確認しておきましょう。

下記の、【一覧表】人材開発支援助成金の各コース助成額・受給条件で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。

eラーニングによる訓練・通信制による訓練も助成対象

人材開発支援助成金は、OFF-JT(※1)やOJT(※2)だけでなく、eラーニングによる訓練・通信制による訓練も助成対象です。

(※1)「Off-the-Job Training」の略で「職場外教育訓練」とも呼ばれる。労働者が実際の職場を離れて行う教育訓練のことで、社内の研修施設や外部のセミナールームなど、職場外の環境で実施されることが一般的。
(※2)「On-the-Job Training」の略で「職場内訓練」とも呼ばれる。実際の職場で行われる教育訓練で、実際の業務環境で直接学びながらスキルや知識を習得する。

eラーニングや通信制で職業訓練を行えれば、自宅にいながらスキルアップに励むことが可能です。移動の手間や時間、体力的な負担を軽減しつつ、労働者はスキルアップに集中できるでしょう。
※ただし、eラーニングや通信制による訓練は原則として「経費助成」のみが対象となり、受講期間中の労働者の「賃金助成」は対象外となりますのでご注意ください。

キャリアアップ助成金との違い

人材開発支援助成金と似ている制度に「キャリアアップ助成金」があります。人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金の違いをまとめると、以下のとおりです。

対象者 目的
人材開発支援助成金 雇用保険被保険者(正規雇用・非正規雇用労働者を問わず) 労働者のスキルを高めて、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させる
キャリアアップ助成金 非正規雇用労働者 非正規雇用労働者を正規雇用労働者等へ転換させ、雇用の安定や処遇の改善を推進する

人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金は、制度の目的が異なります。雇用形態を問わず労働者のスキルアップや新しい技能を習得させたい際には人材開発支援助成金、非正規雇用労働者の正社員化など処遇改善を進める際にはキャリアアップ助成金の活用を検討しましょう。

なお、人材開発支援助成金の中にも、正社員経験の少ない有期契約労働者等を対象として正社員への転換を目的とした「有期実習型訓練」などのメニューも用意されています。以下で、人材開発支援助成金の各コース助成額・受給条件を解説するので、参考にしてください。

キャリアアップ助成金ついて、詳しくはこちらの記事を>>
【令和8年版】キャリアアップ助成金とは?正社員化コースの改正点や年収の壁対策をわかりやすく解説

  

【一覧表】人材開発支援助成金の各コース助成額・受給条件

最新の制度において、人材開発支援助成金には7つのコースがあります。各コースの受給条件や受給額を確認しましょう。

人材育成支援コース

人材育成支援コースとは、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を実施した場合に、訓練経費や賃金の一部を助成するコースです。現在、以下の4つの訓練メニューが用意されており、該当する訓練の受給条件と受給額は以下のとおりです。

訓練メニュー 受給条件 経費助成 賃金助成(1人1時間当たり) OJT実施助成(1人1コース当たり)
人材育成訓練 職務に関連した知識や技能を習得させるためのOFF-JTを10時間以上行った場合に助成 【正規雇用等】
45%~60%(30%~45%)
【有期契約等】
70%~85%
800円~1,000円
(400円~500円)※
認定実習併用職業訓練 新卒者等のために実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練を行った場合に助成 45%~60%(30%~45%)※ 20万円~25万円
(11万円~14万円)※
有期実習型訓練 有期契約労働者等の正規雇用労働者(正社員)等への転換を目的として実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練を行った場合に助成 75%~100% 10万円~13万円
(9万円~12万円)※
中高年齢者実習型訓練 45歳以上の労働者を対象として実践的なスキルを習得するために実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練を行った場合に助成 60%~75%(45%~60%)※ 10万円~13万円
(9万円~12万円)※

※()は中小企業以外(大企業)の場合
※ 助成率・助成額の「~」の上限は、賃金を一定以上引き上げるなどの「賃金要件・資格等手当要件」を満たした場合の割増分を含んだ数値です。

中小企業と大企業では助成率と助成額が異なります。また、正規雇用労働者(正社員)だけでなく、有期契約労働者向けの正社員転換を目的とした訓練や、中高年齢者に向けた訓練も対象となるため、幅広い労働者のキャリアアップを促進できるでしょう。

教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース(休暇等制度)

教育訓練休暇等付与コース等は、有給での教育訓練等制度や短時間勤務制度を導入し、労働者が自発的に当該休暇等を取得して訓練を受けたときに助成を受けられる制度です。

なお、現在「長期教育訓練休暇制度」と「教育訓練短時間勤務等制度」は、期間限定で「人への投資促進コース」のメニューとして位置づけられています。具体的な受給条件と受給額は、以下のとおりです。

受給条件 制度導入助成 賃金助成・その他の助成
教育訓練休暇制度
(教育訓練休暇等付与コース)
3年間に5日以上の取得が可能な有給の教育訓練休暇を導入し、実際に適用した事業主に助成 30万円~36万円
長期教育訓練休暇制度
(人への投資促進コース)
30日以上の長期教育訓練休暇の取得が可能な制度を導入し、実際に適用した事業主に助成 20万円~24万円 【賃金助成】
1人1時間当たり800円~1,000円

【新規採用助成(※中小企業のみ)】
27万円~67万5,000円

【職務代行助成(※中小企業のみ)】
業務代替手当の75%(月上限16万円)

教育訓練短時間勤務等制度
(人への投資促進コース)
30回以上の所定労働時間の短縮および所定外労働時間の免除が可能な制度を導入し、実際に1回以上適用した事業主に助成 20万円~24万円

これらの制度は、労働者が自発的に職業能力開発を行える環境整備を支援することを趣旨としています。制度導入に際して20万円~30万円程度の助成を受けられるほか、長期休暇制度においては、訓練中の賃金助成や、休暇取得者の業務を代替する体制づくりへの助成(新規採用助成・職務代行助成)も用意されており、企業全体での人材育成を強力にサポートする特徴があります。

人への投資促進コース

人への投資促進コースとは、デジタル人材・高度人材を育成する訓練や労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)などを実施した場合に、訓練経費や賃金の一部を助成するコースです。現在、令和8年度までの期間限定助成となっています。

訓練メニュー 対象訓練 経費助成率
(または制度導入助成)
賃金助成
(1人1時間当たり)
その他の助成
(OJT・新規採用等)
高度デジタル人材訓練 高度デジタル訓練(ITスキル標準(ITSS)レベル3、4以上等) 75%(60%) 1,000円(500円)
成長分野等人材訓練 海外も含む大学院での訓練 75% 1,000円 ※国内大学院の場合
情報技術分野認定実習併用職業訓練 OFF-JT+OJTの組み合わせの訓練(IT分野関連の訓練) 60%~75%(45%~60%)※ 800円~1,000円(400円~500円)※ 【OJT】
20万円~25万円
(11万円~14万円)※
定額制訓練 「定額制訓練」(サブスクリプション型の研修サービス) 60%~75%(45%~60%)※
自発的職業能力開発訓練 労働者の自発的な訓練費用を事業主が負担した訓練 45%~60%(対象外)※
長期教育訓練休暇等制度 長期教育訓練休暇制度(30日以上の休暇取得等) 【制度導入】
20万円~24万円※
1,000円(800円~1,000円)
※有給の場合のみ
【新規採用】
27万円~67.5万円
【職務代行】
手当の75%
(※ともに中小企業のみ)
所定労働時間の短縮と所定外労働時間の免除制度 【制度導入】
20万円~24万円※

※()は中小企業以外(大企業)の場合
※ 助成率・助成額の「~」の上限は、賃金を一定以上引き上げるなどの「賃金要件・資格等手当要件」を満たした場合の割増分を含んだ数値です。

特に、高度デジタル人材訓練はDX推進や成長分野などで、イノベーションを推進する高度人材を育成する目的で設けられています。「高度デジタル人材訓練」と「成長分野等人材訓練」の助成率は他のコースよりも高いことから、高度人材の育成を検討している事業主の方は、活用を検討するとよいでしょう。

事業展開等リスキリング支援コース

事業展開等リスキリング支援コースとは、新規事業の立ち上げをはじめとした事業展開や、企業内のDX化・GX化に伴って必要となる知識やスキルを習得させるための訓練を労働者へ実施したときに、訓練経費や賃金の一部が助成されるコースです。現在、令和8年度までの期間限定助成となっています。

対象訓練 経費助成率 賃金助成
(1人1時間当たり)
設備投資加算
(1コースの導入費用あたり)
事業展開やDX・GX化等に伴い必要となる新たな知識やスキルを習得させるための訓練
(事業内訓練・事業外訓練)
75%(60%)※ 1,000円(500円)※ 導入費用の50%(-)※

※()は中小企業以外(大企業)の場合

eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練も助成対象です。※ただし、これらの訓練方法は原則として「経費助成」のみが対象となり、「賃金助成」は対象外となりますのでご注意ください。新規の事業展開やDX化等を検討している事業主の方は、労働者が取り組みやすい方法での訓練を実施してみてはいかがでしょうか。事業展開等に必要な機器・設備を導入して訓練を行う場合は「設備投資加算」も受けられるため、あわせて活用を検討するとよいでしょう。

障害者職業能力開発コース(※令和6年4月に制度移管)

※人材開発支援助成金の「障害者職業能力開発コース」は、令和6年4月より独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が支給業務を行う「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」へ移管されました。以下は制度の概要です。最新の助成額や条件については同機構のホームページ等でご確認ください。

障害者職業能力開発コースとは、障害者に対して職業に必要な能力を開発、向上させるための教育訓練を継続的に実施した事業主に助成を行う制度です。

訓練対象者 助成額(施設または設備の設置・整備または更新) 助成額(運営費)
  • 身体障害者
  • 知的障害者
  • 精神障害者
  • 発達障害者
  • 高次脳機能障害のある者
  • 難治性疾患を有する者

上記に該当し、ハローワークに求職の申込みを行っており、職業訓練を受けることが必要であるとハローワーク所長が認めた場合

障害者職業能力開発訓練事業を行う訓練科目ごとの施設や設備の設置・整備などに要した費用の3/4 【重度障害者】

  • 出席率が8割以上:1人当たりの運営費の4/5
  • 出席率が8割未満:1人当たりの運営費の4/5×訓練受講時間数/訓練時間数

【重度障害者以外】

  • 出席率が8割以上:1人当たりの運営費の3/4
  • 出席率が8割未満:1人当たりの運営費の3/4×訓練受講時間数/訓練時間数

障害を抱えている方でも、就労意欲が高く十分な能力を持っている方は多くいます。障害者雇用の検討・促進を検討している方は、移管後の障害者職業能力開発コース(障害者雇用納付金制度に基づく助成金)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

事業主が人材開発支援助成金を利用するメリット

事業主が人材開発支援助成金を利用することで、経済的な援助を受けられるだけでなく事業運営にもメリットをもたらします。具体的に、どのようなメリットが期待できるのか解説します。

計画的に人材育成を行える

人材開発支援助成金を利用すれば、計画的かつ効果的に人材育成を実施できます。人材開発支援助成金を受給するためには、訓練計画の立案が必要で、自然と計画的に職業訓練を実施できるためです。

計画通りの訓練を着実に行うことで、労働者のスキルアップを支援できるでしょう。その結果、業務生産性が高まり、企業の競争力を高めることにもつながります。

さらに、企業が労働者の人材育成を支援する姿勢を示すことで、社員満足度が高まるメリットも期待できるでしょう。

人材育成を行いつつ助成を受けられる

人材開発支援助成金を利用すると、人材育成を行いつつ経済的な助成を受けられます。

助成金は、融資とは異なり返済不要です。労働者のスキルアップに関わる費用の一部を補填してくれるため、事業主としては経済的な負担を抑えられるメリットがあります。

事業主が人材育成にかける経済的・時間的なコストは軽くありません。人材開発支援助成金を活用すれば、職業訓練は外部講師に委ねつつ経済的な助成を受けられるため、人材育成に関連した経済的・時間的コストを抑えられるでしょう。

DX推進や成長分野など高度人材を育成できる

人材開発支援助成金の「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」は、DX推進や成長分野をはじめとした、高度人材の育成を目的としています。

職業訓練を通じて、労働者がDX推進や新しいビジネスモデルの開発など、専門的なスキルを習得できます。その結果、事業主は革新的な技術の導入や業務効率化を図れるでしょう。

高度人材が自社内に学んだ知識とスキルを還元すれば、労働者間でも情報が共有されます。より多くの高度人材を育てることにつながる点も、人材開発支援助成金を活用するメリットです。

労働者のキャリアアップを促せる

人材開発支援助成金を利用すれば、労働者のキャリアアップを促進できます。質の高い研修や教育プログラムの受講を通じて、労働者は高度なスキルや知識を習得できるためです。

労働者自身が職業訓練を通じて「できることが増える」という実感を得られれば、さらにキャリアアップを目指すモチベーション向上にもつながるでしょう。

実際に職業訓練を受けた労働者が昇給や昇格という形でキャリアアップを実現すれば、職場全体のモチベーションも向上する可能性があります。その結果、組織全体の生産性向上・業績向上という形で、事業主にもメリットをもたらしてくれるでしょう。

人材開発支援助成金を申請するときの流れ

人材開発支援助成金を受給するには、所定の手続きを踏む必要があります。申請から受給するまでの流れを解説します。

前準備を行う

人材開発支援助成金を申請する前準備として、職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定を行いましょう。

職業能力開発推進者は、社内において職業能力開発の取り組みを推進する役割を果たします。他にも、事業内職業能力開発計画の作成や職業訓練を受ける労働者への指導や相談対応などを行います。

事業内職業能力開発計画とは、人材育成に関する基本的な方針を示したものです。職務遂行のために必要な能力や求められるスキル、事業所としての人材育成に関する取り組みの指針を示します。

制度を導入する

教育訓練休暇等付与コース(教育訓練休暇制度)や、人への投資促進コース(自発的職業能力開発訓練、長期教育訓練休暇等制度)を利用する場合は、就業規則や労働協約に制度の定めを記載する必要があります。

人材開発支援助成金のコースによっては、職業訓練の実施だけでなく、社内制度を導入する際に所定の手続き(労働基準監督署への届出など)を済ませる必要がある点に留意しましょう。

計画の作成と計画届を提出する

訓練開始日の6カ月前から1カ月前までの間に、以下の書類を管轄の都道府県労働局へ提出します。

  • 職業訓練実施計画届
  • 対象労働者一覧
  • 事前確認書

他にも、添付書類として訓練のカリキュラムや受講案内に関する書類も提出します。用意すべき書類はコースや訓練メニューによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

訓練を実施する

必要書類の提出が済んだら、提出した職業訓練実施計画に基づいて職業訓練を実施します。職業訓練にかかった経費の領収書や、出勤簿・賃金台帳などは、助成金を支給申請する際に必要となるため、大切に保管しましょう。

なお、当初の計画を変更する場合(日時の変更や受講者の追加など)は、あらかじめ「訓練実施計画変更届」を提出する必要があります。

支給申請書を提出する

職業訓練が終了したら、訓練終了日の翌日から2カ月以内(eラーニング等の場合は修了日の翌日から2カ月以内)に、以下の書類を管轄の都道府県労働局へ提出します。

  • 支給要件確認申立書
  • 支給申請書
  • 賃金助成・OJT実施助成の内訳(経費助成の内訳)
  • OFF-JT実施状況報告書
  • その他訓練メニューごとに必要な書類(領収書等)

必要書類を提出すると、労働局で審査が行われます。審査を通過した場合は「支給決定通知書」が届き、指定した口座に助成金が振り込まれます。なお、人材開発支援助成金は確認項目が多く、他の助成金よりも支給決定までに時間がかかる傾向にある点には留意しておきましょう。

人材開発支援助成金を利用する際の注意点

人材開発支援助成金を利用するにあたって、注意点がいくつかあります。以下で解説する注意点に留意し、助成金を活用するか判断してください。

助成率・助成額が変更される可能性がある

人材開発支援助成金に限らず、助成金制度は助成率や助成額が随時見直されます。現行の助成率と助成額が、今後も継続するとは限りません。

今後も、助成金の廃止・新設・縮小・拡充などの改正が行われる可能性があるため、最新情報をチェックしましょう。

従業員に学ぶ意欲がないとメリットが薄れる

人材開発支援助成金は事業主にとってメリットが多い制度ですが、従業員に学ぶ意欲がないとメリットが薄れてしまいます。人材開発支援助成金は労働者のキャリアアップや業務に必要な知識・技能の習得を目的としていますが、労働者自身が受け身で職業訓練を「受けさせられている」状況だと、インプットの質が落ちてしまうでしょう。

人材開発支援助成金のメリットを最大限享受するためにも、労働者自身が自発的に学ぶ姿勢を持つことが重要です。「とにかく職業訓練を受けさせればいい」という考えだと、思うような成果が挙げられない可能性があります。

「実質無料」を謳う悪質な勧誘に注意する

人材開発支援助成金は、申請事業主が訓練経費を全額負担することが支給の前提条件です。近年、研修機関やコンサルティング会社が「助成金を活用すれば実質無料で訓練が受けられる」「アンケート協力金や営業協力金として経費を一部返金する」といった勧誘を行うケースが報告されていますが、これらは実質的な経費負担の減額とみなされ、助成対象外となります。悪質な場合は不正受給として企業名が公表されたり、刑事告訴されたりする恐れもあるため、甘い言葉には十分注意しましょう。

申請にあたって手間と時間がかかる

人材開発支援助成金を申請する過程では、手間と時間がかかります。受給するためには必要書類を用意する必要があり、すべて揃っていないと審査が受けられません。

また、訓練を実施する前には計画の作成・計画届の提出を行う必要があります。助成金の申請に慣れていない中小事業主の方にとって、事務的な負担が大きいと感じる可能性には留意する必要があります。なお、助成金の申請代行は社会保険労務士の独占業務です。社労士資格を持たない研修機関やコンサルティング会社に申請手続きを依頼(無償であっても実質的な対価が含まれる場合を含む)することはできない点にも注意が必要です。

期限内に申請する必要がある

人材開発支援助成金は、期限内に申請しなければなりません。訓練終了日(eラーニング等の場合は修了日)の翌日から起算して2カ月以内に、必要書類を全て用意したうえで、管轄の労働局へ提出する必要があります。

提出期限は「厳守」となっています。期限を過ぎると申請できない点には注意しましょう。

まとめ:人材開発支援助成金を利用して人材育成の経費削減を進めよう

人材開発支援助成金は、経済的な援助を受けながら人材育成に取り組める制度です。人材開発支援助成金を活用すれば、労働者はスキルアップやキャリアアップを目指せるメリットがあり、事業主は業務効率化や生産性・利益率の向上というメリットを得られる可能性があります。

人材育成にかけるコスト負担を抑えたい場合や、社内で職業訓練や研修を行う時間的・経済的・人的余裕がないときは、活用を検討するとよいでしょう。

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(編集:創業手帳編集部)