福岡県よろず支援拠点 佐野 賢一郎|都道府県別 相談実績No.1! 福岡の起業を支える『福岡県よろず支援拠点』の創業手帳活用術

創業手帳

福岡県よろず支援拠点 佐野 賢一郎氏インタビュー

(2018/11/12更新)

国が各都道府県に設置している無料経営相談所『よろず支援拠点』。売上拡大や起業希望、後継者問題など、経営に関することであれば何でも相談できます。
中でも、相談数ダントツ日本一を誇るのが『福岡県よろず支援拠点』です。
その立役者であるチーフコーディネーター・佐野 賢一郎氏は、銀行、VC、ベンチャー企業を経て『福岡県よろず支援拠点』に入所した異色の経歴の持ち主。民間企業での経験を生かした独自の工夫で、創業手帳を巧みに活用し、創業支援や集客に役立てているそうです。

創業支援者にとって、創業手帳はどのように活用できるのか?
佐野氏へのインタビューとともに、『福岡県よろず支援拠点』の事例をご紹介します。

佐野 賢一郎(さの・けんいちろう)
1990年より三井住友銀行、SMBCキャピタル(現:SMBCベンチャーキャピタル)に勤務。その後、2005年3月健康コーポレーション㈱(現:RIZAPグループ㈱)取締役、2007年9月㈱弘乳舎代表取締役社長、2013年10月㈱ベア・ホールディングス代表取締役社長を歴任。

「相談数日本一」は、小さな積み重ねから生まれた結果

―まず、佐野さんのバックグラウンドを教えてください。

佐野:銀行やVCでの勤務を経て、現在のライザップが創業2年目の従業員数数名の時から10年目まで、上場や買収によるグループ基盤の確立と拡大に貢献した後、グループ会社で社長をしていました。

その後、プライベートの都合で福岡へ引っ越してきて今に至るのですが、行政機関の内側を民間企業の視点で見ると、「こうしたらもっと利用しやすいな」「この仕組みはもっと改善できるな」という部分が見えてくるんですね。
例えば、相談者さんに対応するコーディネーター(相談員)に飲食店や美容店の現役経営者や女性を増やして相談しやすくしたり、小さな部屋でもできる参加者3人程度の少人数セミナーを月に100回以上開催したり。行政の考え方だと「予算がつかない=実施できない」とすぐ諦めがちですが、「予算がつかない→つかないなりに地道な活動から少しずつ実行する」というように思考回路から改めました。
本当に小さなことからですが、コツコツと積み重ねて今があるのだと思います。

―その小さな積み重ねが、「相談数日本一」の実績につながったんですね。

佐野:そうですね。来訪相談数日本一という明確な結果が出たのは嬉しい限りです。

福岡は47都道府県中9位の人口ですが、人口で福岡を大きく上回る東京・大阪よりも、たくさん来訪されるのは、事業者からご評価いただいている証として、嬉しい限りです。
福岡県外の九州各県や中国四国地方からもご相談をいただいています。
これも一重に地道な活動の賜物だと思っています。

創業手帳は、大切なチャネルの一つ

佐野:そして私たちにとって、その地道な活動の大切なチャネルの一つが創業手帳なんです。
今もたくさん活用させていただいていますよ。

―それは嬉しいです!どのように活用してくださっているのでしょうか?

佐野:毎月定期で送っていただいている創業手帳を、相談者の来場スペースに置いています。
ただ置いておくのではなく、表紙に『福岡県よろず支援拠点』の連絡先をラベルプリンターで印刷しこれを貼り付け、さらにコーディネーターやセミナー等を紹介する当拠点のパンフレットを挟み込んでいます。
こうすることで、手に取った人が相談したいと思った時にいつでも当拠点のことを思い出してくれる状態をつくるわけです。
改めて言うようなことではないと感じるかもしれませんが、このような地道な活動が集客には一番大切だと思います。


…創業手帳を毎月送っていただいていますが、これ、無料なんですよね?

―はい、無料です。活用してくださる創業支援者には、ご連絡いただければ毎月お送りします。
創業手帳はメディア収益で発行しているので、完全無料です。途中から有料に…なんて事にはなりませんので、安心してお使いください(笑)。

佐野:それを聞いて安心しました(笑)。
創業手帳はメディアとして認知度が高いですし、情報が毎月アップデートされますよね。こういう資料を自分たちで作ろうとすると、とんでもない労力がかかります。せっかく創業手帳さんが無料配布してくれているので、これを活用しない手はないだろう、と。

他にも、飲食店開業手帳や資金調達手帳など業種・用途別版も発行されているので、それぞれの業種で創業しようとしている方などにお渡ししたり、個別相談で使ったりしています。
これらもどんどん活用して、起業家さんの用途・ニーズに合わせた情報がそろう環境が作れるといいなと思います。

―私たちも、そんな環境づくりの一助になれたらと思っています。他の創業支援者にもどんどん活用していただきたいです。

佐野:私もそう思います。
実際、国や全国の創業支援拠点の担当者が当拠点に見学に来られた際、紹介させていただきました。創業手帳のような「成功された経営者のインタビュー記事などもあり、創業希望者が読みたくなるような本」が、起業家だけでなく私たちのような創業支援者も無料で使える。
これはぜひ活用すべきです。

起業家は、注目を浴びるスタートアップばかりではありません。飲食や美容、小さな会社を立ち上げるケースも多い。特に、地方の起業家はそれが顕著です。
よろず支援拠点は国民の税金で運営されているので、予算は大切に使わなければいけません。そんなときに民間ベースでありながら無料の「創業手帳」のような起業に役立つツールはどんどん使っていくべきだと思っています。
今後も、利用者目線で活動していきたいと思っています。

中小企業庁 福岡県よろず支援拠点

利用料金:個別相談もセミナーも無料
在籍相談員数:39名(全国最多)。うち女性相談員14名。
ホームページ:https://yoroz.biz/
電話番号:092-622-7809
本部所在地:福岡県福岡市博多区吉塚本町9-15 福岡県中小企業振興センタービル6F
福岡県内拠点:70ヶ所に相談窓口。うち60ヶ所はテレビ電話相談窓口。

(監修:中小企業庁 福岡県よろず支援拠点 チーフコーディネーター 佐野 賢一郎(さの・けんいちろう)
(編集:創業手帳編集部)

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