中小企業向けのネット融資とは?注目されている理由やサービス提供元などをご紹介!

創業手帳

新たな資金調達法として注目の中小企業向けネット融資をわかりやすく解説


中小企業が資金調達をする方法としては様々な方法があります。
しかし、大手銀行であれば大企業が中心といえるサービスでもあるので、「中小企業にはハードルが高い」と考える方がいるかもしれません。
また、融資ができる場合でも経営状況や業種、事業の計画性など、厳しい審査を要し、申請の手続きも煩雑であるため融資が実行されるまでに時間がかかることもあります。

起業の難しさを痛感していた方にとって、朗報ともいえる資金調達方法が「ネット融資」です。
申請にかかる手続きはインターネット上で完結し、融資決定までの期間も短いなど、様々なメリットがあります。
そこで今回は、中小企業の新たな資金調達法として注目されているネット融資について解説していきます。
サービス内容や注目されている理由について解説するほか、中小企業向けのおすすめネット融資を9選ご紹介します。
ネット融資に興味のある中小企業の方は、ぜひ参考にしてください。

また創業手帳では、融資についてどんな制度なのかよくわからない、どうしたら審査に通りやすいのかなど融資の基礎を知っておきたい方のために「融資ガイド」を無料で配布しています。
融資を受けるタイミングは実は創業期が有利な理由なども解説!是非ご活用ください。



※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

中小企業向けネット融資について


まずは、中小企業向けネット融資がどういった内容なのか解説していきます。
通常の銀行融資とどのような違いがあるかもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

中小企業向けネット融資のサービス内容

ネット融資とは、その名のとおりインターネット上で融資を受けられるサービスです。手続きもインターネット上で行えるので、銀行に行く必要がありません。
これまで銀行からの融資となれば大手企業向けのものが多い傾向で、中小企業にとってはハードルが高いものでした。

しかし、ネット融資は人工知能やデジタル技術を活用したことで、手薄だった中小企業との接点を増やしています。
AIを活用することで審査にかかる人件費も抑えられるため、一般的な銀行での融資と比較すると少額や短期での融資も可能です。
大手の三菱UFJ銀行においては、ネット融資を2026年度に3倍に増やすとも発表しています。
今後、ネット融資が普及していけば、中小企業も融資先の選択肢が増え、起業や事業拡大などをしやすくなるかもしれません。

通常の銀行融資との違いは?

通常の銀行融資とネット融資の違いとしては、手続き方法の違いです。通常の銀行融資では、自身で銀行まで出向いて申請をする必要がありました。
登記簿謄本や印鑑証明書、納税証明書や決算書、事業計画書や借入れ状況一覧など、様々な書類を用意する必要があり、これらの資料をもとにして金利や返済期間、返済方法などが決定されます。
申し込みをしても融資が実行されるまでには数カ月程の時間が必要となります。貸し倒れのリスクを減らすために必要となる手順で、審査も慎重に実行される点が特徴です。

一方、ネット融資はインターネット上だけで手続きが完了します。日々の取引きや会計ソフトに蓄積されているデータから与信判断をしていきます。
事業計画書といった準備も少ない傾向です。そのため、ネット融資であれば短期間での融資実行が可能となっています。

中小企業向けネット(オンライン)融資が注目されている理由


中小企業向けのネット融資が注目された理由には人工知能(AI)の発展が影響を与えています。
これまで銀行からの融資を受けるためには、申し込みを実施して審査を行い、融資実行をするまでには膨大な時間が必要でした。

しかし、ネット融資であればAIによって煩雑な融資の審査が簡素化し、スピーディな借入れが可能となっています。
中小企業のニーズに応えられるサービス内容が、注目された背景だといえます。

中小企業向けのネット融資7選

      

銀行名 金利 利用限度額 担保・保証人 事務手数料
PayPay銀行「ビジネスローン(法人向け)」 1.8%~13.8%(年金利/変動金利) 10万円~最大1,000万円 無担保、原則連帯保証が必要 なし
住信SBIネット銀行「事業性融資dayta」 利用者ごとに通知(固定金利) 50万円~最大3,000万円(10万円単位) 無担保、連帯保証不要 契約金額の2.2%
西日本シティ銀行「NCBビジネスローン_テトラ 」 年1.5~14.0%(固定金利) 10万円~最大1,000万円(10万円単位) 無担保、連帯保証不要 不明
三菱UFJ銀行「Biz LENDING」 15%未満 50万円~最大1,000万円(10万円単位) 無担保、連帯保証不要 なし
りそな銀行「Speed on!(スピードオン)」 年0.8~9.0%(変動金利) 100万円~最大1,000万円(10万円単位) 無担保、連帯保証不要 なし
GMOあおぞらネット銀行「あんしんワイド」 年0.9~14.0%(固定金利) 10万円以上1,000万円以内(10万円単位)
※GMOお得意さま応援ローン特約が適用となる場合は10万円以上50万円以内
不要 なし
東京スター銀行「スタークイックビジネスローン」 年4.5~14.5%(固定金利) 10万円以上1,000万円以下 不要 なし


ここからは、中小企業向けのネット融資をピックアップして9選ご紹介していきます。内容を詳しく知り、融資の参考にしてみてください。

PayPay銀行「ビジネスローン(法人向け)」

PayPay銀行によるビジネスローンは、事業資金であれば使途が自由なローンとなっています。
口座に借入枠を付けられ、利用限度額の範囲内であれば何度でも借入れできる点が特徴です。
申し込みはインターネットで行え、書類も原則不要となっています。
口座を持っていない場合も、契約の際にPayPay銀行のビジネス用口座に申し込めば借入れを行えます。代表者の連帯保証は必要ですが、担保は不要です。
手数料や維持費もかからないため、コストを抑えた借入れが可能です。

また、融資の申し込みは24時間365日いつでも行えます。借入金に関しては手続きが完了して審査に通れば即時入金されるため、すぐに現金が欲しい場合にも有効なローンです。
返済は月々2,000円からとなっているので、負担を感じずに返済可能です。

金利(年金利/変動金利) 1.8%~13.8%
利用限度額 10万円~最大1,000万円
担保・保証人 無担保、原則連帯保証が必要
事務手数料 なし

住信SBIネット銀行「事業性融資dayta」

住信SBIネット銀行が提供しているネット融資が事業性融資daytaです。
申し込みの際には決算書といった書類の提出は不要となっており、日々の入出金データをもとにして借入れ条件を案内してくれます。
手続きはすべてオンライン上で完結し、最短で当日の借入れが可能です。担保や保証人は必要ありませんが、事務取扱手数料が発生するので注意してください。

申し込み要件としては、住信SBIネット銀行の法人口座の開設が必要です。
借入れ期間は3回(最長4カ月未満)、6回(最長7カ月未満)、12回(最長13カ月未満)から自由に選択可能です。
繰上返済手数料や臨時返済手数料も不要になっているので安心してください。

金利 利用者ごとに通知(固定金利)
利用限度額 50万円~最大3,000万円(10万円単位)
担保・保証人 無担保、連帯保証不要
事務取扱手数料 契約金額の2.2%

西日本シティ銀行「NCBビジネスローン_テトラ 」

西日本シティ銀行が提供しているNCBビジネスローン_テトラは、インターネット上ですべてが完結します。書類だけではなく、担保や連帯保証人も不要です。

借入れ条件はAIによる審査が実施され、入出金をもとにして利用可能な金額などが伝えられます。そのため、借入れ条件が利用事業者ごとに違う点が特徴です。
申し込みから融資の実行までは最短で当日となっているので、素早い融資を求めているならおすすめのネット融資です。
利用する場合は、NCBビジネスステーションへの無料登録が必要で、事前に登録しておくとスムーズに申し込みできます。
残高や取引明細はNCBビジネスステーションから確認できます。

金利 年2.0~14.0%(固定金利)
利用限度額 10万円~最大1,000万円(10万円単位)
担保・保証人 無担保、連帯保証不要

三菱UFJ銀行「Biz LENDING」

三菱UFJ銀行は中小企業向けの資金調達法として提供しているのがBiz LENDINGです。
三菱UFJ銀行を利用している中小企業であれば、書類の準備や手間となる手続きが軽減するので、すぐに資金調達ができるような仕組みとなっています。

AIを活用した審査となっているので、決算書の用意も必要ありません。来店による面談もないので、手間をかけずに融資の申し込みが可能です。
代表者の本人確認資料と申し込み者の本人確認資料のみ用意すれば手続きを実行できます。
申し込みから融資までは最短で2営業日です。利用にあたっては事務手数料も発生しないので安心です。
ただし借入残高があると条件に当てはまらないので申し込みができなくなってしまいます。

金利 15%未満(固定金利)
利用限度額 50万円~最大1,000万円(10万円単位)
担保・保証人 無担保、連帯保証不要
事務取扱手数料 なし

りそな銀行「Speed on!(スピードオン)」

事業資金として利用できるりそな銀行によるネット融資がSpeed on!です。
弥生会計を利用中であれば会計データを提出することで申し込みが可能となっており、審査の結果は最短で即日回答され、入金は最短で3営業日後となります。

  • りそな銀行と一定期間預金取引がある
  • 案内メールを受け取った方
  • 法人代表者による申し込みや契約が可能である
  • りそなグループとの融資取引がない

以上の条件を満たす法人であれば申し込みが可能です。また、申し込みの際には代表者の本人確認資料が必要です。
融資後には直近の決算書類が必要になるため忘れずに用意してください。

金利 年0.8~9.0%(変動金利)
利用限度額 100万円~最大1,000万円(10万円単位)
担保・保証人 無担保、連帯保証不要
事務取扱手数料 なし

GMOあおぞらネット銀行「あんしんワイド」

GMOあおぞらネット銀行が提供する「あんしんワイド」は、創業初年度から利用できるネット融資です。
創業初年度だと事業の実績がないため、GMOあおぞらネット銀行またはほかの銀行口座における2カ月分の入出金データで審査を行います。
なお、審査に申し込んでから借入れまで最短で2営業日程度かかります。

融資(利用)枠型であるため、借入れ・返済を繰り返し行っても問題ありません。決算書の提出も不要で、すべてインターネット上で完結できます。
返済は毎月25日に借入残高の5%+前月分の利息が口座から引き落とされます。ネットバンキングを活用すれば一部・全額の自由返済を行うことも可能です。

金利 年0.9~14.0%(固定金利)
利用限度額 10万円以上1,000万円以内(10万円単位)
※GMOお得意さま応援ローン特約が適用となる場合は10万円以上50万円以内
担保・保証人 不要
事務取扱手数料 なし

東京スター銀行「スタークイックビジネスローン」

東京スター銀行の「スタークイックビジネスローン」は、無担保でも事業資金を最大1,000万円も融資してもらえるネット融資です。
法人代表者および個人事業主を対象に、事業用資金であれば自由な使途で借入れできます。
最長10年の借入れ期間(完済時年齢75歳以下)も可能なので、毎月の返済負担を少なくすることもできます。

なお、スタークイックビジネスローンをすでに利用している場合でも、その残高と申し込み金額の合計が1,000万円以内であれば、再度借入れを申し込むことも可能です。
スタークイックビジネスローンは法人代表者・個人事業主を対象とするネット融資で、申し込み時の年齢が満20歳以上であり、なおかつ契約時の年齢が満69歳以下であることを条件としています。

また、保証会社(アイフル株式会社)からの保証が受けられない場合も対象から外れてしまうので注意してください。

金利 年4.5~14.5%(固定金利)
利用限度額 10万円以上1,000万円以下
担保・保証人 不要
事務取扱手数料 なし

中小企業向けネット融資のメリット


ネット融資を活用することで中小企業には様々なメリットがあります。そのひとつが前述したように手続きのすべてをインターネットで完結できる点です。
融資を対面で申し込む場合、窓口まで足を運び、面談を受ける必要があります。その際には決算書や確定申告書類など、必要な書類を用意します。
その後、書類を作成して提出し、審査を受ける流れです。しかし、ネット融資であれば申し込みから融資の実行まですべてオンライン上で完結します。
手間なく借入れができる点が大きな強みです。

また、申し込みから融資実行までの期間が短い点も魅力となっています。利用する金融機関によって違いがありますが、最短で即日融資が可能なケースもあります。
すぐに資金調達したい場合にも有効な方法です。

中小企業向けネット融資のデメリット


手軽さが魅力のネット融資にはデメリットも存在します。そのひとつが金利の高さです。
一般的な対面での融資と比較すると金利が高い傾向にあり、例えば日本政策金融公庫や信用金庫の金利が約3%以下だとすると、ネット融資は3~15%程度が中心です。
高めに設定してある金融機関もあるので、あらかじめ比較をしてから申し込みを行ってください。

また、サービスによってはすぐに利用できないケースもあります。金融機関によっては、申し込みの条件として「一定期間利用取引がある」ことを挙げている機関もあります。
その場合は、口座を開設して預金取引を行ってからでないと融資を申し込みできないため、借入れをするまでに時間がかかってしまう可能性が高いです。
金利だけではなく条件も比較をして申し込みを行ってください。

まとめ・中小企業向けのネット融資で効率的な資金調達を!

中小企業向けのネット融資は、現在広がりを見せています。手続きはすべてネット上で完結し、融資決定も短い期間なので高い利便性が特徴です。
様々な機関からサービスが提供されているので、ネット融資を検討している方は、金利や条件などを比較してから申し込んでみてください。


融資ガイド

融資についてご検討中の方は無料でもらえる「融資ガイド」も是非参考にしてみてください。詳細は上のバナーをクリック!

関連記事
公的融資とは?代表的な事業者向け公的融資の種類や活用するメリット・デメリットをご紹介
日本政策金融公庫の新創業融資制度が2024年3月で廃止に!今後の資金調達方法や審査に通過するコツを解説

(編集:創業手帳編集部)

資金調達コンサルティング
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す