注目のスタートアップ

ブロックチェーンの課題となるインターオペラビリティ領域における研究開発などを手がける「Datachain」が「三菱UFJ信託銀行」から資金調達

company

2023年6月27日、株式会社Datachainは、三菱UFJ信託銀行株式会社から資金調達を実施したことを発表しました。

Datachainは、複数の異なる台帳間の相互運用性を実現し、クロスチェーンアプリケーション開発を可能にするプロジェクト「YUI」、改修の難しいシステムや既存のRDBMSとブロックチェーンの相互運用性をシンプルなアーキテクチャで実現するミドルウェア「Interchain bridge」、安全・高効率のクロスチェーンブリッジを支えるミドルウェア「LCP」などを手がけています。

ステーブルコインやセキュリティトークン(デジタル証券)などがさまざまなブロックチェーン上で発行・流通する世界において必要となる、クロスチェーン技術に強みを持っています。

三菱UFJ信託銀行とは、三菱UFJ信託銀行が率いるステーブルコイン発行管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」により発行・流通が予定されるステーブルコインを用いた以下の取り組みを実施しています。
・「ステーブルコインによるデジタル証券のクロスチェーン決済の商用化」に向けた技術提携
・「パブリックブロックチェーン間のステーブルコイン利用取引」の実現に向けた技術提携

今回の資金調達をはじめに、事業シナジーのある企業からの資金調達などを検討し、事業拡大をさらに加速させていく計画です。


ブロックチェーンとは、暗号資産(仮想通貨)の基盤技術として知られるデジタル技術です。

ブロックチェーンは、改竄耐性が非常に高い、P2P通信によりシステムダウン・サーバーダウンがない、システム運用のコストを低く抑えられるといった特徴を持っており、安全で透明性の高いデジタル通貨や、デジタル証明書、権利などのデータの発行・流通・運用の仕組みの基盤として利用することができます。

既存のインターネットは、特定の企業が個人情報を独占してしまうといったプライバシーの問題、企業の一存でユーザーの権利がコントロールされてしまうといった権利の問題、データのコピー・改竄が容易であり単純なデータとしてデジタルコンテンツを流通させることが難しいといった課題を抱えています。

ブロックチェーンはこれらの課題を解決できると考えられており、次世代のインターネットの基盤としての実装が進められています。

一方、現在のブロックチェーンは、異なるブロックチェーン間での相互のデータのやり取りが困難であることが課題となっています。これはインターオペラビリティ(相互運用性)が低い/ないと表現されています。

たとえば有名な仮想通貨には、ビットコインやイーサリアムがありますが、これらは異なるブロックチェーンによって発行されているため、イーサリアムをビットコインのウォレットに直接送ることはできません。そのため、イーサリアムをビットコインに変換するためには、取引所で取引する必要があります。

そのため、ブロックチェーンのさらなる発展を目指すには、インターオペラビリティを確立する必要があり、相互にデータをやり取りできるようにするクロスチェーンといった技術が必要となります。

事業の拡大には戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Datachain Interchain bridge LCP Web3 YUI インターオペラビリティ クロスチェーン ブロックチェーン ミドルウェア 三菱UFJ信託銀行 株式会社 相互運用性 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

オフライン広告プラットフォーム展開の「ビズパ」が5,000万円調達
2020年4月24日、株式会社ビズパは、総額5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 オフライン広告のプラットフォーム「Bizpa」を展開しています。 全国の広告商品の検索から発注までを…
「Donuts」提供の「ジョブカン採用管理」に新機能「AI日程調整」が追加
2020年11月11日、株式会社Donutsは、「ジョブカン採用管理」に「AI日程調整」を追加したことを発表しました。 「ジョブカン採用管理」は、応募者の獲得から採用までを一元管理できるクラウド・サー…
コロナ禍に創業した企業の倒産動向について
株式会社帝国データバンクは、2020年2月以降のコロナ禍に創業した新興企業の倒産動向について、調査・分析を行い、その調査結果を発表しました。 概要 ・国内で新型コロナウイルスの感染拡大した2020年2…
クラウドファンディング・サイト運営の「CAMPFIRE」が40億円超の資金調達
2020年12月4日、株式会社CAMPFIREは、総額40億円超の資金調達を実施することを発表しました。 国内最大の購入型クラウドファンディング「CAMPFIRE」や、融資型クラウドファンディング「C…
自然保全活動に対する資金循環を生み出す森林評価プラットフォームを構築する「sustainacraft」が9,000万円調達
2022年3月8日、株式会社sustainacraftは、9,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、インクルージョン・ジャパン株式会社の「ICJ2号ファンド」です。 東南アジア…

大久保の視点

ニコニコ超会議・学生ピッチ甲子園ビジネス部門優勝&1000万円獲得はウェルヘルス土井久生馬さん
2024年4月27日(土)~2024年4月28日(日)に幕張メッセでニコニコ超会議実行委員会で『ニコニコ超会議2024』が開催された。 『ニコニコ超会議20…
(2024/4/28)
「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】