2023年版「中小企業白書」「小規模企業白書」の概要案が発表

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中小企業庁は、2023年版「中小企業白書」「小規模企業白書」の概要案を発表しました。

総論

足下の新型コロナや物価高騰、深刻な人手不足など、中小企業・小規模事業者は、引き続き厳しい状況にあります。

こうしたマクロ経済環境が激変する時代を乗り越えるため、中小企業・小規模事業者は、価格転嫁に加え、「国内投資の拡大、イノベーションの加速、賃上げ・所得の向上の3つの好循環」を実現していくことが重要であることを示します。

より具体的には、以下の内容を分析しています。

(1)賃上げを促進する上では、価格転嫁と生産性向上が重要
(2)物価高等のマクロ経済環境の変化を踏まえ、価格転嫁を取引慣行として定着させることが重要
(3)生産性向上に向けては、GXやDXといった構造変化も新たな挑戦の機会と捉えつつ、投資の拡大やイノベーションの実現が重要

中小企業白書

中小企業の成長を通じて日本経済や地域の発展につなげる観点から、中小企白書では投資やイノベーション、賃上げの取り組みが期待される成長企業に焦点を当て、「競合他社が提供できない価値の創出により、価格決定力を持ち、持続的に利益を生み出す企業へ成長を遂げることが重要」であることを示します。

小規模企業白書

少子高齢化・人口減少に伴い、地域の社会課題等が顕在化する中でも、小規模事業者の持続的な成長を促していくことが重要、という観点からソーシャルビジネスを通じた地域課題解決等を取り上げ、「支援組織や自治体のサポートを得ながら、引き続き、地域の持続的発展を担うことが重要」であることを示します。


中小企業は日本の企業の99.7%を占めており、産業の基盤として重要な存在です。

労働生産性については、大企業が堅調に成長している一方で、中小企業は長年低迷しており、中小企業と大企業の格差が拡大しているという課題を抱えています。

とくに近年は、コロナ禍、物価高騰、SDGsなど、産業全体に影響する大きな出来事が立て続けに起こっており、中小企業はこれらの影響をダイレクトに受けています。

概要案では、中小企業・小規模企業の動向について「物価高騰」「人手不足」「賃上げ」「価格転嫁」「設備投資」「イノベーション」「知的財産」「GX」「海外展開」「地域の包括的成長」の観点から、データ・グラフを利用しながら直近の推移がまとめてあり、マクロの視点で中小企業・小規模企業が置かれている現状をわかりやすく確認することができます。

ほかにも、中小企業・小規模企業の成長に向けた取り組みの分析や、成長を実現している中小企業・小規模企業の紹介により、今後の中小企業・小規模企業の成長に向けた方策をまとめています。

近年はSDGsの推進による価値観の変化やコロナ禍による環境の変化により、市場の動向も目まぐるしく変わっています。ビジネスではこうした市場を正確に捉えることが重要です。「冊子版創業手帳」では、事業を分析するためのフレームワークを掲載しています。自社の強みや市場の機会を明らかにすることで、ブルーオーシャンを見つけだすことができるはずです。

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2023年版 中小企業白書・小規模企業白書 概要案(PDF)

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