注目のスタートアップ

mederi株式会社 坂梨亜里咲 | 働く忙しい女性でも簡便に利用できるオンラインピル診療サービスで注目の企業


忙しい女性でも簡便に利用できるオンラインピル診療サービス「メデリピル」で注目なのが、坂梨亜里咲さんが2019年に創業したmederi株式会社です。

女性のライフステージには、さまざまな健康課題が存在しています。それを課題解決するための手段として、近年注目されているのがフェムテックです。

SDGsが浸透し、女性の社会進出やジェンダー平等が活発になってきたことに伴い、フェムテックへの企業の関心も高まっており、市場規模はますます拡大しています。

PMS(月経前症候群)や月経(生理)は、女性特有のものです。月経前や月経中にはイライラしてしまったり、体に不調が起きたりしてしまいます。

フェムテック製品やサービスを活用することで、PMSや月経に関連した症状の緩和効果が期待できます。また、これまでPMSや月経痛などの適切な治療や対策ができなかった女性が減ることも期待されています。

PMSや月経痛などの生理トラブルを改善できる効果があり、避妊効果もある「低用量ピル」は、多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、処方してもらうために産婦人科の受診が必要だったり、副作用が不安だったりなど、実際に服用するまでのハードルは高いと思われます。

そんな人にこそ使っていただきたいのが、mederi株式会社のメデリピルです。働く忙しい女性や育児中で時間がない女性でも、すべてオンラインで簡単にでき、定期的に自宅にピルを届けてもらえます。

また、1ヶ月の無料お試し期間があり、服用中の体調や副作用などが不安なときの再診も無料で受けることができるため、初めて低用量ピルを使う人に優しいサービスです。

メデリピルや事業への思い、今後の事業展開について、mederi株式会社 代表取締役 坂梨亜里咲さんにお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

メデリピルは、PMSや生理痛に悩む女性と、提携産婦人科をマッチングさせるプラットフォームです。スマホから簡単にオンライン診療の予約・診療・配送手続きができ、自宅のポストにピルが届くというサービスです。

時間や場所に制限されないので忙しい女性でも産婦人科が身近に感じられるオンライン診療のメリットはもちろん、メデリピルでは診療代を何度でも無料にし、医師に相談しやすいサービスのため、利用者の約半数が初心者の方でメデリピルでピルデビューをしています。

また、診療の質が高い点も大きな特徴です。類似サービスでは産婦人科専門外の医師が診療を行っているケースもありますが、メデリピルに携わっている医師は産婦人科専門医を含めた婦人科に特化した医師たちの診療体制を構築しています。婦人科のことは婦人科に特化した知見のある医師が診るべきだという思いが、10代の頃から不妊治療まで産婦人科にかかってきた私自身の原体験としてあるからです。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

私たちのサービスは、初めてピルを利用する人に徹底的に寄り添っています。

ピルを身近に感じてもらえるように、初診はもちろん何度再診しても診療代は無料。診療ハードルをできるだけ下げ、不安なことがあれば気軽に相談ができる仕組みづくりを意識しています。

また、メデリピルは、忙しい女性でも簡単に利用ができるようアプリではなく、LINEを使っています。仕事や家事、育児に忙しい女性の負担を減らし、手軽に利用できることを考え、ダウンロードの必要性が少ないLINEを選択しました。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

日本のピル服用率は約3%といわれており、諸外国に比べて極めて低い状況です。私は、日本全体のピル服用率を高めることが結果的に『女性活躍』や『ジェンダーギャップ指数の改善』に繋がると信じています。

mederiだけでなく、医療機関、同様のサービスを展開する他社様も含めて一緒にピルの正しい知識を伝えていくことで、服用率を高めていきたいです。

こうした現状を社会ごと化するために、フェムテック振興議員連盟の会合に参加させていただいたり、生殖医療の勉強会を衆議院会館で行ったり、今後は大学との連携も考えています。また、働く女性に低用量ピルの正しい知識が届く機会を作るため、企業への福利厚生導入サポートも行っています。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

不妊治療の当事者だからできるプロダクトを作りたいと考えていた3年前は、日本でも“フェムテックの時代がくる”と言われていた時期でした。1人でも多くの女性に後悔のない人生を送って欲しいという一心から思いついたアイデアは、既にサービスとして存在するものもあり、起業した意味を見失いかけたこともありました。

そんなとき知人に『グーグルもフェイスブックも既存サービスのなかでスタートし、今や圧倒的な存在になっている』と背中を押してもらい、先行企業がいても自分だから挑戦できる領域であり、サービス・プロダクトがあるはずだと自信がつきました。

現在も、mederiの思想に共感して利用してくださるお客様や、メンバー、株主などたくさんの方々に支えられ、事業と向き合えていて光栄です。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

女性の人生に点ではなく線で寄り添っていく、スマートヘルスケアブランドでありたいです。

mederiには現時点で『まだ子どもを望んでいない20代〜30代女性・独身女性』と『子どもを今すぐにでも望む女性・パートナー』というお客様がいますが、次は更年期に対応するプロダクト・サービスを作りたいと考えています。人生を振り返った時に「この時期はこの会社の商品を使っていた」ということではなくて、生涯に渡ってお客様の生活に寄り添う愛されるブランドにしたいです。

・今の課題はなんですか?

1月に正式にサービスリリースしたばかりなので、まずは多くの方にメデリ、メデリピルを知ってもらうことが目標です。

・読者にメッセージをお願いします。

結婚する・しない、子供を産む・産まないは自由だと思っており、どんな価値観も私は認めたいし、社会がそうあるべきだと思っています。 しかしながら、年齢を重ねると共にからだのことに関して私のように「もっと早くから知っておけばよかった」というシーンが多々出てくると思います。 「私は健康だから大丈夫」と過信せずに、定期検診を受けて、日々ご自身のからだの変化に敏感でいていただきたいです。

もちろん「もっと早く知っておけばよかった」「気づけばよかった」という後悔が生まれないよう、mederiも全力でサポートさせていただければ幸いです。

回答者プロフィール mederi株式会社 代表取締役 坂梨亜里咲
大学卒業後、ECコンサルティング会社に勤務。
女性向けwebメディアのディレクター、COO、代表取締役を経験した後に、2020年自らの4年にわたる不妊治療経験からmederi株式会社を創業。
会社名 mederi株式会社
代表者名 坂梨亜里咲
創業年 2019年8月1日
住所 〒153-0044 東京都目黒区大橋2-22-6 唐木ビル5F
従業員数 10名
資本金 251,005,300円
サービス名 メデリピル(mederi Pill)、ウブ(Ubu)
事業内容 女性のヘルスケア領域でのサービスやプロダクト
(オンライン診療でのピル処方サービス、自宅で行う膣内フローラチェックキットの販売)
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ mederi株式会社 オンライン診療 ピル フェムテック 低用量ピル 坂梨亜里咲 女性
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