【起業家向け】新規顧客開拓の5つの方法とは?事前にすべき3つの分析で効率アップ!
あてどなく飛び込みをしたり、テレアポで消耗しないための、新規顧客の開拓方法やコツをわかりやすく解説!
起業をすることは、とても大きな決断です。しかし、目の前の大きな課題は、『新しい顧客を開拓できるかどうか』。
なぜなら、売上の安定と拡大を図り、激しい市場の変化を乗り越えていくためには、新たな顧客を開拓し続ける必要があるからです。顧客開拓はビジネスの生命線と言えます。
起業するとなるとゼロから顧客を探す必要があります。すでに顧客にあてがあったとしても、『新しい顧客を開拓すること』は事業を成功に導くためには必要不可欠です。
しかし、
- 営業やプレゼンはちょっと苦手・・・
- あまり人手やコストをかけられない
- そもそもどうやって顧客開拓すればいいの?
そんなお悩みや疑問を抱える方も多いと思います。
そこで本記事では、新しい顧客を効率的に開拓する方法を解説していきます。
ただし、新規顧客の開拓は難しいことではありません。大切なのは、セリングスキルではなく、マーケティング思考。
売り込みが苦手だったり、飛び込み営業やテレアポで消耗したくない起業家の方は、ぜひ最後まで本記事をお読みください。
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この記事の目次
顧客開拓する前にマーケティングが大切な理由
顧客を開拓する上でもっとも大切なことは、セリングスキルではなくマーケティング思考です。
なぜなら、経営の神様と言われるピーター・ドラッカーは『マーケティングの理想は販売を不要にすること』と言っているからです。
つまり、販売が不要になってしまうほど、マーケティングは大切なものですし、強力なものなのです。
マーケティングをすることなしに、いきなり新規顧客の開拓を始めるのは、何の準備も考えもなく、無人島に手ぶらで乗り込むくらい無謀なこと。
マーケティングがしっかりと出来ていれば、新規顧客開拓が効率的になります。だから、マーケティングが大切なのです。
新規顧客の開拓をするためのマーケティングには、3つの手順が必要です。
- 顧客を分析する
- 競合を分析する
- 自社を分析する
それぞれを詳しく解説していきます。
なお、マーケティングの基礎については、下記の記事を参考にしてください。
顧客を分析する
まず始めに顧客を徹底的に分析しましょう。特に注意すべき点は
- どんな顧客を対象とするのか
- その顧客はどんな問題や悩みを抱えているのか
- 顧客が問題や悩みを解決できるとどんな未来が待っているのか
とにかく顧客視点で考える始めることが大切です。なぜなら、自社の商品やサービスを『売り込む』ことから考えてしまうと、顧客ニーズがおざなりになり、結果として売れないという事態になるからです。
『ドリルを売るなら穴を売れ』という本が話題になったことがありましたが、ドリルを探している顧客は、決してドリルという商品が欲しいのではありません。壁や材料に『穴を開ける』というベネフィットを求めているのです。
つまり、穴を開けたくて困っている顧客に、穴を開けられるというベネフィットを伝えられれば、ドリルは造作もなく売れてしまうのです。
逆に、どんなに高性能で低価格でかっこいいドリルを作っても、顧客やそのニーズの分析が的外れであれば、まったく売れないのです。
どんな人が、どんな問題を抱えているのか、それを解決すると未来はどうなるのか。顧客の課題解決に貢献し、どんな価値を提供できるのか、顧客の分析から始めましょう。
顧客分析が、顧客開拓をする上で一番大切なポイントなので、たくさんの時間をかけて考え抜いていきましょう。
競合を分析する
顧客の分析ができたら、次は競合を分析しましょう。
競合する他社の製品やサービスには、どんな特徴や強み、弱みがあるのでしょうか?
競合と似たような製品やサービスを自社が提供しても優位性は保てません。顧客からすれば、自社を選ぶ決め手に欠けるからです。
競合を分析し、競合にはないポジションを確立していきましょう。競合を分析するには、SWOT分析が有効です。競合の分布状況を分析して、自社が立つべき位置を探してみましょう。
SWOT分析については、下記の記事を参考にしてください。
自社を分析する
最後に自社を分析していきます。
自社にあって競合にはない特徴や強みを見出していきます。自社の特徴や強みが尖っているほど、USP(ユニークセリングプロポジション)になります。
自社の特徴や強みは何でしょうか?
品質?価格?アフターサービス?デザイン?使いやすさ?
競合との違いが、自社の選ばれる『理由』になります。自社のUSPが確立できるまで徹底的に自社を分析していきましょう。
顧客を分析し、競合を分析し、自社を分析できれば、あとは狙った顧客に自社の製品やサービスを紹介すれば無理なく売れていくはずです。それがマーケティングの威力です。
売れればマーケティングがうまくいっている証拠。売れなければマーケティングの分析が足りない証拠。
より多くの商品やサービスが売れるように、マーケティング分析は継続的に行いましょう。
顧客を効率的に開拓する5つの方法
次に、顧客を開拓するための具体的な方法を解説します。
前章で顧客と競合、そして自社の分析を行ったので、あとは狙った顧客に自社の商品やサービスを紹介していきます。あてどなくさまよい歩く飛び込み営業やテレアポで消耗する必要はありません。
大切なのは、しっかりとした見込み客に自社の商品やサービスを紹介すること、その反響を元に成約を刈り取りに行くことです。
インサイドセールスといった手法がメインになります。インサイドセールスについては、下記の記事を参考にしてください。
FAXDMを送る
自社の見込み客になりそうな顧客のFAX番号をリスト化しましょう。ホームページなどで対象となる顧客を選定し、FAXDMを送って反響営業を行います。
FAXDMには、自社の商品やサービスの案内とアンケートを組み込み、興味のある場合に返信をもらえるようにします。
事前にマーケティングの分析をしっかり行っていれば、見込み客に刺さるFAXDMが作れるはずです。FAXDMを送ったら、その反響を分析して、さらにDMの文面や内容を改善していきましょう。
メールを送る
自社の見込み客になりそうな顧客のメールアドレスをリスト化しましょう。ホームページなどで対象となる顧客を選定し、メールDMを送って反響営業を行います。
FAXDMと同様にメールDMには、自社の商品やサービスの案内とアンケートを組み込み、興味のある場合に返信をもらえるようにします。
事前にマーケティングの分析をしっかり行っていれば、見込み客に刺さるメールDMが作れるはずです。メールDMを送ったら、その反響を分析して、さらにDMの文面や内容を改善していきましょう。
メールの反響を分析するツールなどもあります。
セミナーを開催する
顧客の悩みや問題を解決するためのセミナーを開催するのも有効な手段です。
自社が提供できる価値が明確ならば、セミナーを開催することで見込み客を増やすきっかけをつくれます。
遠方の方やコロナ禍であっても、オンラインのセミナーなら開催が可能です。セミナーも開催するごとに反響などを分析して、次のセミナーの改善につなげていきましょう。
オンラインセミナーについては、下記の記事を参考にしてください。
SNSやSEOで集客をする
自社HPやオウンドメディアの構築、SNS運用によっても見込み客を増やすことができます。顧客やニーズが明確であればあるほど、SNSやSEOでの集客がしやすくなります。
なぜなら、悩みや問題を抱える顧客は検索や情報収集を繰り返し、常に問題解決を望んでいるからです。
自社の商品やサービスが顧客の問題を解決できるものであればあるほど、SNSやSEOは強力な集客手段になりえます。
商品やサービスにもよりますが、顧客を日本全国に広げることができたり、世界を相手にビジネスを展開することだって可能です。
クラウドソーシングサービスを使う
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスを使うことで、自分のスキルや自社サービスを必要としているクライアントを見つけることができます。
クラウドソーシングサービスには、誰かに何かをお願いしたいという人がたくさんいます。自社の商品やサービスが提供できる価値が明確であればあるほど、顧客とのマッチングもしやすいです。
企業はもちろん、個人事業主・フリーランス、副業で稼ぎたい方にも使えるサービスですので、積極的に利用してみましょう。
顧客を開拓するメリット
では、何故新規顧客を開拓する必要があるのでしょうか。ここからは新規顧客を開拓するメリットを解説していきます。
顧客開拓の重要性を知れば、起業した後も業績を安定化させることができます。
ビジネスチャンスが広がる
顧客を開拓することでビジネスチャンスが広がります。既存客では得られなかったような商談や新しい取り引きが生まれます。
別の顧客を紹介されたり、自社の特性を生かしたコラボレーションが生まれたりします。新しい顧客との出会いは、自社の成長にも繋がるのです。
取引実績が増え、社会的信頼が増す
新規開拓で取引実績が増えると、自社のホームページや商談でも、取引実績をアピールできるようになります。
取引実績が増えれば、社会的な信頼も増します。社会的信頼が増すから、さらに取引先が増えるという良いスパイラルに入れます。
新規開拓をすることより、新しい実績や信頼が積み上げられ、自社の価値が増幅されるのです。
新しいスキルや知見が蓄積される
新しい顧客に対してサービスを展開すれば、自然と新しいスキルや知見が蓄積されていきます。新しい顧客との取引にはさまざまな困難もあるでしょう。
しかし、その困難を乗り越えることで自社がどんどん成長していきます。
新しいスキルや知見が蓄積されれば、さらにレベルの高い案件にも挑戦しやすくなります。
新しい顧客を開拓することは、自社の売上が増えるというメリットだけではありません。自社が強く成長していくことが最大のメリットなのです。
顧客開拓を継続的に行うべき理由
顧客の開拓は常に行っていくべきです。顧客開拓を継続的に行うべき理由について解説していきます。
取引先の状況は常に変化するから
取引先の業績は自分たちにはコントロールできません。大口の取引先であっても、明日には倒産するかもしれません。
既存顧客は、明日にも取引が止まる可能性があると考えるくらいの危機感が必要です。取引先の状況は常に変化していきますので、新規顧客の開拓をし続けることが重要です。
市場の変化は先が読めないから
新型コロナウイルスの影響で市場は一変しました。これからも一寸先は闇なのです。
新しい顧客を開拓していかなければ、先の見えない市場で生き残ることはできません。常に新しい顧客を開拓していれば、ピンチをチャンスに変えられる可能性もあります。
実際にコロナ禍において、業績を大きく伸ばしている企業はたくさんあるのです。
こうした企業は、常に新しい市場や顧客への積極的な展開を行っています。
顧客開拓は自分たちができる努力だから
既存客の予算を増やしたり、既存客の取引回数を増やすには限界があります。しかし、視野をもっと大きく広げ、新しい顧客を開拓することは、自分たちにできる前向きな努力です。
自社の商品やサービスが顧客から評価を受けているならば、積極的に展開していくことが顧客のためにもなります。
日本全国はもとより、今や世界中の国々もインターネットの力で顧客にできるチャンスが広がっています。マーケティングをしっかりと行いつつ、顧客開拓を並行して行っていきましょう。
まとめ 【起業家向け】新規顧客開拓の5つの方法とは?事前にすべき3つの分析で効率アップ!
新規顧客開拓の方法と事前にすべきマーケティング分析について解説しました。
新規顧客の開拓には、セリングではなくマーケティングが大切です。いきなり自社視点で営業行為を始めることが無いように注意しましょう。
・たくさんの人に知ってもらいたい!
・こんな製品やサービスを作りたい!
・こんなアイディアならきっと喜んでもらえるはずだ!
そんな自社視点で起業を始めたり、新規開拓を始めたりしても、必ずどこかで行き詰ります。最初にマーケティング思考で考えることから始めれば、失敗する確率を下げつつ、より良い取引先を必ず見つけられます。
マーケティングがしっかりできていれば、セリングが楽になるのです。マーケティングがおろそかであれば、どんなにセリングを工夫したところで売れないのです。
セリングは顧客とのコミュニケーションに過ぎません。マーケティングは顧客が求める本質を追求するものです。顧客が求める本質が提供できれば、見込み客からの引き合いが増えるのは当然です。だから、セリングよりもマーケティングが重要なのです。