サラリーマンをしながら副業で個人事業主になるメリット・デメリットや手続き方法など
個人事業主として副業をする場合の確定申告や社会保険、会社にバレない方法とは?創業手帳・代表が解説!
・副業から個人事業主になるメリットとデメリット
・税務や社会保険の基本手続きと対策
・会社に副業がバレないためのポイント
・個人事業主になるための具体的な手順と必要書類
・サラリーマンとして働きながら副業を成功させるコツ
創業手帳の代表の大久保です。多くの起業家の開業を支援してきた立場から、会社員が副業を経て個人事業主になるメリットなどを解説しますね。
会社に属しながら副業をすることが一般化してきています。サラリーマンをしながら個人事業主としての開業を検討している方も多いのではないでしょうか。
そもそもサラリーマンをしつつ個人事業主になれるのか、なった場合のメリット・デメリットなどを紹介していきます。
また、副業されている方に特化した、副業確定申告ガイドを作成しました!初めてでも簡単に確定申告のやり方が分かります。本業への影響など注意点も解説していますので、ぜひご活用ください。こちらも無料でのご提供になります。
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この記事の目次
- 個人事業主として副業をする場合の確定申告や社会保険、会社にバレない方法とは?創業手帳・代表が解説!
- サラリーマンは副業で個人事業主になるべき?
- サラリーマンをしながら個人事業主になる目安とは?
- 「個人事業主としての副業」と「個人事業主としてではない副業」の違い
- サラリーマンをしながら個人事業主になるメリット
- サラリーマンをしながら個人事業主になるデメリット
- サラリーマンをしながら個人事業主になる際の手続き方法や必要書類
- 会社バレや確定申告の心配は?サラリーマン×個人事業主のQ&A
- サラリーマンと副業の個人事業主を両立するポイント
- まとめ・サラリーマンと個人事業主は両立可能!まずは副業から始めよう
- サラリーマンで個人事業主になるメリット・創業手帳代表の解説
サラリーマンは副業で個人事業主になるべき?
副業の形態次第では、サラリーマンでも副業という形から個人事業主になれます。しかし、そもそもなるべきか迷う人もいるでしょう。
副業を始めたら個人事業主になるべきなのか、どんな形態ならなれるのかを解説します。
サラリーマンから個人事業主になるかは自由
副業をしているサラリーマンは個人事業主になれますが、必ずしもなるべきとはいえず、個人が自由に判断可能です。公務員以外は法的な制限もありません。
ただし、会社の就業規定で副業を禁止している場合、バレると会社から罰則が与えられる可能性はあります。リスクを理解し、事前に相談するなどの対策をとりましょう。
個人事業主になると決めた場合は、開業届を出します。副業の収入によって提出した方がいい書類は変わりますが、個人事業主になるための書類は開業届のみで構いません。
個人事業主になれない副業のパターン
サラリーマンがどんな副業をしているかで、個人事業主になれるか・なれないかが決まるパターンもあります。
例えば宝くじなどで一時的に利益を得た人や、アルバイトやパートの副業をしている人は個人事業主にはなれません。
個人事業主の定義は、事業に反復性・継続性があり、独立していることです。宝くじの利益は継続的とはいえないほか、アルバイト・パートは雇用されており独立していません。
継続して事業利益がある、業務委託など雇用ではない形で事業をしているパターンであれば、副業からでも個人事業主になれます。
サラリーマンをしながら個人事業主になる目安とは?
サラリーマンが個人事業主になる、つまり開業届を出すのはどのタイミングなのでしょうか。
目安となるのは、副業による年間所得額です。
年間所得が20万円を超えたとき
サラリーマンが個人事業主になるかどうかを検討すべき目安は、副業の所得が年間20万円以上になったタイミングです。
年間所得が20万円を超えると所得税が発生し、確定申告が必要となります。開業届を出していれば節税効果の高い青色申告が使え、所得税を抑えることが可能です。
20万円を少し超えた程度では早急に開業届を出すべきとまではいえませんが、検討のタイミングに差し掛かっているでしょう。
安定して数百万円の事業所得があるとき
副業の所得が年間数百万円に達し、安定して得られ続けているなら、個人事業主になった方がメリットが大きい可能性があります。
所得が増えるにつれて税金も大きくなりますが、個人事業主が使える青色申告なら最大65万円の控除により、節税の恩恵をしっかりと感じられるためです。
逆にこれ以下の収入の場合は、あえて開業の手続きをしても得られる税金面や金銭面でのメリットはそれほどありません。
ただし、開業届を提出していることで社会的な信用を得ることができたり、それによって企業からの依頼を受けやすくなったりすることもあるため、比較した上で開業を検討しましょう。
「個人事業主としての副業」と「個人事業主としてではない副業」の違い
サラリーマンをしながら個人事業主になるかどうかを検討する上で、「個人事業主としての副業」と「個人事業主としてではない副業」の違いは知っておきたいポイントです。
主な違いを表にまとめました。
違い | 個人事業主 | サラリーマン |
---|---|---|
所得の区分 | 事業所得 | 雑所得 |
確定申告 | 青色申告、白色申告のどちらかを選択できる | 白色申告しかできない |
控除額 | 青色申告最大65万円+基礎控除48万円 | 白色申告最大10万円+基礎控除48万円 |
手続き | 開業届、所得税の青色申告承認申請書(青色申告をする場合) | なし |
同じ事業を営んでいても、個人事業主になるかサラリーマンの副業のままにするかで、さまざまな違いがあります。
特に控除面の違いは顕著です。個人事業主になり青色申告をすると、大きな特別控除が受けられます。青色申告ができる所得は「事業所得」「不動産所得」「山林所得」の3つです。
税金面で有利な個人事業主ですが、サラリーマンのままでいるよりも手続きによる手間が発生します。時間に余裕があるときに開業するのがおすすめです。
両者の違いを比較し、自身にとってのメリットやデメリットもあわせて今後を検討してみましょう。
サラリーマンをしながら個人事業主になるメリット
サラリーマンをしながら個人事業主になるメリットとしては、次のようなことが挙げられます。また、個人事業主となるための手続きに費用はかからないので、その点もメリットの一つといえるかもしれません。
独立・起業の練習や足掛かりにできる
サラリーマンをしながら個人事業主となる場合、帳簿付けや資金繰りなどを自分で行うことになるでしょう。こうした作業は独立や起業をした場合の予行練習になります。
個人事業主として登録をすることで、単なる副業以上の自覚やモチベーションが生まれ、事業をよりしっかり推進していこうとする効果も期待できます。お小遣い稼ぎのような副業と違い、本業化して独立や起業するような足掛かりとなる可能性も高まるでしょう。
必要経費を計上できる
サラリーマンをしながら個人事業主になれば、副業で使ったお金を経費として収入から差し引くことができます。税金は収入から経費を引いた所得に対してかかるため、経費を計上すると節税効果が得られるのです。
ボールペン1本ですら、副業のために買うのであれば経費として計上できます。高額なパソコンやタブレット端末はもちろん、自宅を事務所として副業をしている場合は家賃や光熱費の一部も必要経費とすることが可能です。
経費計上で税金を抑えれば収支のバランスがとりやすくなり、事業の安定化にもつながります。事業として副業を行う個人事業主ならではのメリットです。
青色申告特別控除が使える
個人事業主となり青色申告承認申請をしておけば、青色申告ができます。青色申告では事業所得に対して最大65万円の特別控除があります。
副業の確定申告を白色申告で済ませるサラリーマンもいるかもしれませんが、白色申告では最大10万円の控除しか使えません。青色申告より控除できる金額が少なく、多くの税金がかかってしまいます。
青色申告は開業届や申請書を出していないと使えないため、事業として副業を行う個人事業主ならではのメリットなのです。
副業の損失や赤字の繰り越しができる
副業の所得申告で青色申告を利用していれば、翌年から最長3年まで赤字の繰り越しができます。
赤字を繰り越すことで黒字と相殺し課税所得を減らせる、といったメリットがあります。
赤字の繰り越しは開業届を出して個人事業主となり、青色申告の申請も済ませることで得られる恩恵です。手続きの済んでいないサラリーマンは利用できません。
副業が赤字なら損益通算できる
損益通算とは、異なる収入源の利益と損失を相殺することです。
通常、給与所得は損益通算できませんが、事業所得と給与所得の両方があり、事業所得に損失が出た場合は適用できます。
たとえば副業を始めたばかりのころには、経費の方が多くて最終的な副業収入は赤字になることも多いでしょう。その場合、給与・賞与と副業のマイナス分を相殺できるということです。
損益通算は確定申告によって行え、所得税や市民税の節税につながります。副業収入がなくて落ち込むよりも「節税になった」くらいの気持ちで、前向きに副業に取り組んでいくといいですね。
家族への給料を経費にできる
事業を家族や親族に事業を手伝ってもらう場合、一定の条件を満たすと「青色事業専従者給与」を利用して家族へ支払う給料を経費扱いすることができます。
家族も含めて本格的に事業化する場合にはメリットになるでしょう。
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サラリーマンをしながら個人事業主になるデメリット
逆に、サラリーマンをしながら個人事業主となることには次のようなデメリットもあります。
事業所得の確定申告に手間がかかる
個人事業主のメリットである青色申告の控除ですが、処理の手間を考えるとデメリットと表裏一体です。最大額の控除を受けるには、複式簿記での記帳や決算書の準備といった複雑な作業が欠かせません。
サラリーマンの給与の場合、所得税に関する手続きはすべて会社が行なってくれます。副業で個人事業主になると、事業分の所得税は自分で申告が必要です。さらに青色申告の恩恵を得たいなら、専門知識を要する簿記での処理が必須となります。
とはいえ、現在では簿記の知識がなくても簡単に青色申告ができる会計ソフトも多数用意されています。会計ソフト分のコストはかかりますが、最大65万円の控除を考えると活用するのが望ましいでしょう。
「冊子版創業手帳」では、創業期、どのような税金がどのような時期に発生するかなどを一覧で掲載。また、青色申告と白色申告の違いについてもっと詳しく解説しています。更に、会計ソフトを選ぶときのポイントについても解説しているため、会計ソフトの導入について悩んでいる方は参考にしてください。
失業保険がもらえない
勤めている本業の会社での仕事を失ってしまったとき、通常は失業保険が給付されます。ですが、個人事業主として開業している場合、本業の仕事を失っても無職状態とはいえないため、失業保険を受け取ることができません。
会社の仕事を失っても副業でしっかり利益を上げていれば問題ありませんが、そうでない場合は失業の際に個人事業の廃業届を出して廃業した方がよいでしょう。
しかし、廃業届を提出したものの、実態として副業のビジネスを継続していたような場合は失業保険の不正受給となります。絶対に行わないようにしましょう。
自由時間が減る可能性がある
個人事業主として副業をする場合、利益を上げるために事業について考えたり実際に作業をしたりする時間が必要になります。それだけでなく確定申告を見据えてのお金の管理や記録を行う時間も必要です。
人によっては休日の自由時間が減ってしまうこともあるでしょう。個人事業主になるなら、会社員時代より時間の自由が減る覚悟をしておかなくてはなりません。
税金の負担が大きくなる
副業の利益が大きくなれば、その分の税金負担も大きくなります。個人事業主は累進課税のため、所得が増えれば増えるほど所得税の税率が高くなるのです。
また、所得が年間290万円を超えると個人事業税が、課税売上高が1,000万円を超えると消費税がそれぞれ発生します。
さらに、所得が増えれば住民税が高くなったり、児童手当などの給付金の対象外となったりするリスクも踏まえておかなくてはなりません。
個人事業主のメリット・デメリットについて詳しい内容は、以下の記事で紹介していますので、合わせてご覧になってください。
サラリーマンをしながら個人事業主になる際の手続き方法や必要書類
サラリーマンをしながら個人事業主になる方法として、事前準備から手続きまでの流れを紹介します。
開業前の準備をする
個人事業主としてスムーズなスタートにするため、以下の準備を事前にしておきましょう。
- 必要な提出書類を準備する
- 屋号をつけるか決めておく
必須の提出書類は開業届のみですが、青色申告やインボイスに関する書類など、必要に応じて準備すべきものが増えます。自身が活用する制度の書類を抜かりなくそろえておきましょう。
屋号とは事業で用いる名称で、店舗や事務所の名前などが挙げられます。事業用口座の名義にもなる名前なので、事前に考えておくのが得策です。
必要書類を入手する
最寄りの税務署に行けば、開業届が置いてあります。開業届は正式には「個人事業の開業・廃業届出書」です。書類をもらったらその場で必要事項を記入し、そのまま税務署に提出できます。
事前に開業届を入手したいときは、国税庁のWebサイトからダウンロードするか、「開業Free」などのソフトを使って作成できます。
青色申告に必要な「所得税の青色申告承認申請書」も同様に、税務署でもらうかWebサイトからダウンロードしておきましょう。
必要書類に記入する
開業届や青色申告承認申請書に記入していきましょう。サラリーマンが副業として始める場合、事務所や従業員などの要素はないケースが多いはずです。記載すべき情報がある欄のみを埋めてください。
必要書類を税務署に提出する
必要事項を記入したら、最寄りの税務署へ事業開始から1カ月以内に提出します。
税務署に開業届を提出する方法は、以下の3種類があります。
- 税務署の窓口に持参する
- 税務署に郵送する
- e-Taxを利用しインターネットで送信する
窓口は平日8:30~17:00まで提出できます。書き方がわからないときや記入漏れをチェックして欲しいときは、税務署の窓口に持参するのがおすすめです。
郵送だと直接出向く手間がかかりません。また、国税庁が提供するe-Taxを利用すると、家に居ながら開業届を出せて便利です。
青色申告承認申請書も開業届とともに提出します。提出期限は事業開始から2カ月以内です。
その他の書類を提出する
他にも、以下の書類提出が必要か調べておきましょう。
提出書類 | 概要 |
---|---|
青色事業専従者給与に関する届出・変更届出 | 家族を従業員として雇用する場合 |
源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書 | 従業員の源泉所得税の納期を半年ごとにする場合 |
給与支払事務所等の開設届出書 | 給与の支払いがある場合 |
適格請求書発行事業者登録申請書 | インボイスを発行する場合 |
家族や従業員がいる場合には提出書類が多くなります。
課税事業者としてインボイスを発行したい場合も届出が必要です。課税売上高が年間1,000万円以下であれば届け出なくても構いませんが、インボイスの発行ができないことで取引上の不利が発生する可能性を考慮しなくてはなりません。
個人事業主としての活動に必要な書類を選別し、準備を整えておきましょう。
届出以外の準備を進める
開業に関する書類の届出が済んだ後は、以下の準備をしておくといいでしょう。
- 事業用のクレジットカードの準備
- 事業用の銀行口座の開設
- 確定申告用に会計ソフトの購入
- 必要に応じて小規模企業共済への加入
事業用と生活用のお金は分けて管理したほうがわかりやすいため、事業用のクレジットカードや銀行口座を開設しましょう。
「冊子版創業手帳」では、事業用のクレジットカードの活用法や、その種類と特徴について詳しく解説しています。
小規模企業共済は個人事業主が退職金代わりに積み立てられる制度です。支払った費用は全額控除の対象となるため、節税面で加入を検討してください。
会社バレや確定申告の心配は?サラリーマン×個人事業主のQ&A
サラリーマンをしながら個人事業主になる場合、「会社に副業がバレてしまうのでは?」「社会保険はどうなるんだろう?」と不安な方もいるかと思います。
サラリーマンをしながら個人事業主になる場合のさまざまな疑問をまとめてチェックしておきましょう。
個人事業主になると副業が会社にバレる?
開業届を出して個人事業主になっただけでは、副業がバレることはありません。多くの場合、自らの行動にバレる原因があります。特に以下の点に注意しましょう。
- 不用意に人に話さない
- SNSで副業の個人情報を公開しない
最近は会社で副業を認めているところが増えていますが、副業をしていることは直属の上司など限定する人だけに話すようにしてください。
また、SNSに個人情報を公開していると、そこから噂が広まることもあります。社内の人間が見ていることも踏まえ、SNSの利用は匿名にして個人が特定されないようにしましょう。
個人事業主になると確定申告は必ず必要?
個人事業主が確定申告しなくてはならないのは、事業の年間所得が20万円を超えたときです。サラリーマンで副業として個人事業をしている場合、次のようなケースでは確定申告は必須ではありません。
- 個人事業が赤字の場合(支払う税金がない)
- 本業の収入が2,000万円以下で、副業の利益が20万円以下の場合
ただし、青色申告をすれば赤字を繰り越すことができたり、最大65万円の特別控除が受けられたりするので、必須ではなくとも申告を検討しましょう。
確定申告をすると会社に副業がバレる?
確定申告をすると本業の勤め先に副業がバレてしまうのでは?と思っている人も多いかもしれません。
ですが、確定申告が直接の原因で副業がバレることは通常はありません。あるとすれば、住民税が上がってしまったときにバレるケースです。
住民税は前年の所得金額によって決まり、会社に納付書が届きます。給与所得が大きく変わっていないにもかかわらず住民税が上がった場合、ほかにも収入があったのではと思われてしまう可能性があります。
これを防ぐためには、確定申告書を提出する際に、住民税を自分で納付する普通徴収を選ぶようにしましょう。そうすれば、給料分の住民税の納付書は勤め先に、副業分の住民税は自宅などに届き、納付書から副業がバレてしまうことを避けられます。
社会保険や税金はどうなる?
サラリーマンをしながら個人事業主をする場合には、会社でかけている健康保険・厚生年金保険に引き続き加入します。副業で個人事業主となっても、社会保険の手続きに変更はありません。
会社を辞めて個人事業のみになった際には、国民健康保険・国民年金保険に切り替えるか、会社でかけていた社会保険を任意継続する選択肢があります。
発生する税金は、サラリーマンの給料と副業の収入に対しての所得税と住民税です。副業で利益が出ていれば所得税や住民税が高くなったり、赤字になっていれば会社の給料から天引きされていた税金が戻ってきたりすることがあります。
インボイスの影響はどうなる?
サラリーマンをしつつ個人事業主になるだけなら、インボイス登録は必ずしも必要ではありません。あくまでも課税事業者の条件を満たした場合か、取引上で発行したいときに登録します。
インボイスは課税事業者が発行できる請求書で、受け取った買い手側が仕入額控除を受けるために必要です。課税事業者になるほどの所得がなくても、副業の取引先から求められれば登録の必要性が出てきます。
課税事業者の条件は、基準期間の所得が1,000万円を超えたときです。個人事業主として売り上げが高くなってくれば登録手続きをしなくてはなりません。
サラリーマンと副業の個人事業主を両立するポイント
サラリーマンと個人事業主を両立させるには、次の工夫が必要です。
時間を計画的に使う
本業のあるサラリーマンが開業する場合は時間が限られているため、時間を計画的に使いましょう。業務に優先順位をつけ、やるべきことからこなすのがポイントです。
目標達成まで最短距離を進めるよう、スケジュール管理を行います。無駄な作業はできるだけ省くことが大切です。
家族から理解を得る
本業をやりながら個人事業主になると家族との時間が少なくなるため、事業開始前に家族の理解を得るようにしましょう。
本当にやりたいことであると熱意を伝えるほか、事業の成功による収入増や安定した暮らしなど、家族にとってもプラスになることをアピールします。
失敗した際の撤退期限を設けることや家族との最低限のルールを決めることも、理解を得る方法として有効です。
まとめ・サラリーマンと個人事業主は両立可能!まずは副業から始めよう
サラリーマンをしながら個人事業主となる場合のポイントや流れ、注意点などを見てきました。
- ポイントまとめ
-
- 副業収入が年間数百万円になったら個人事業主になるのがいい
- サラリーマンをしながら個人事業主になると、青色申告の特別控除が受けられる、独立や起業への足掛かりにできるなどのメリットがある
- サラリーマンと個人事業主を両立する場合、手続きの準備や会社にバレないような工夫が必要
個人事業主としての事業が軌道に乗り、本業と同じかそれ以上に利益を上げられるようになってきた場合、独立や起業を検討してみましょう。
特に最近では、いきなり起業するという人だけでなくサラリーマンをしながら個人事業主などの形で副業から本業化を目指す人も多くいます。
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サラリーマンで個人事業主になるメリット・創業手帳代表の解説
創業手帳は、起業の成功率を上げる経営ガイドブックとして、毎月アップデートをし、今知っておいてほしい情報を起業家・経営者の方々にお届けしています。無料でお取り寄せ可能です。
サラリーマンをしつつ個人事業主になるメリットですが、会社の組織という大きな歯車の中にいながら、小さい事業をじっくり見る体験ができます。
起業では現実問題として社長の総合力が問われる面があるため、個人事業主を通じて経験するのが得策です。全体を見るというビジネス的な観点を養えます。
また昔と違って個人事業主や副業がしやすくなっている時代背景もあります。これはビデオ会議などのリモートツールやクラウドツールが安く普及し、機能が良くなったことも理由の一つです。
個人事業主が注意したいのは、時間の切り売りになってしまいやすいことです。最終的に自分の収入が上がるよう、広い視野や優れたスキルが得られる事業がおすすめです。
個人事業主はいかに自分の単価を上げて固定費を下げられるか、そして事業のモチベーションを持ち続けられるかが大事になっていきます。
個人からさらに視野を広げれば大きなビジネスにつながるケースもあるので、副業からの開業にトライしてみてください。
さて、個人事業主のトライは良いことが多いように見えますが、意外に大変で気がかりなのが税金関係です。
苦手な方が多い一方、自分で実際に確定申告をして経費や売上を把握することで得られる経験もあります。
創業手帳では、個人事業主の方の税金のお悩みなども多くいただくため、無料で役立つガイドブックを出していますので活用してみてください。
また今後やることが増えてきた時のために創業カレンダーも一度見ておくことをおすすめします。こちらも無料なので取り寄せておきましょう。
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