ベンチャーの資金調達法8選!出資・融資・その他の方法に分けて解説

資金調達手帳

ベンチャー企業の資金調達は主に「出資・融資・その他」の3つ!


革新的な技術やアイディアで事業を展開するベンチャー企業にとって、それらを実現するための資金をどうやって準備するかは、重要な課題のひとつです。
この記事では、ベンチャー企業の資金調達方法として主な「出資」「融資」「その他」の中から8つの方法をご紹介します。
それぞれの特徴をはじめ、メリット・デメリットも解説しているので、ベンチャー企業の資金調達にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

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ベンチャーの資金調達におすすめの「出資」方法・メリット・デメリット


出資とは、企業の株式を対価に、事業の将来性や成功を見込んだ投資家などから、資金提供を受けることをいいます。
出資は返済義務がないため、規模が小さく自己資金で運営しているベンチャー企業から人気のある資金調達方法です。
ここでは、ベンチャー企業におすすめの「ベンチャーキャピタルからの出資」「エンジェル投資家からの出資」の2通りの出資方法をご紹介します。

ベンチャーキャピタル(VC)からの出資

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業やスタートアップ企業など、上場していない企業へ投資する専門の会社やファンドのことをいいます。
未上場の企業に投資する目的は、上場後の株式売却益です。
成長が見込まれる企業の株式を早期に取得し、値上がり後に売却することで、差額分の利益を得ています。
投資した企業がほかの企業に買収されることになっても、買収収元企業に株式を売却すれば利益を得られるため、最近はM&Aを見込んで出資するケースも増えています。

メリット

ベンチャーキャピタルのメリットは、担保がなくても、資金調達ができる点です。
場合によっては億単位の資金を返済義務なく調達することが可能です。さらに、企業が成長すればするほど、ベンチャーキャピタルに対するリターンは大きくなります。
人材紹介や事業拡大の支援など、ベンチャーキャピタルのネットワークを活用した様々なサポートを受けられる場合があります。

デメリット

ベンチャーキャピタルから出資を受けた場合、ある程度ベンチャーキャピタルの経営方針に従う必要があります。
中には、ベンチャーキャピタルから経営陣が送り込まれるケースもあり、そうなると思うように事業運営ができなくなる可能性があります。
また、成長が見込めないと判断されると、出資した資金を早期回収されるリスクもある点は、デメリットといえるでしょう。

エンジェル投資家からの出資

エンジェル投資家とは、創業間もない企業に出資を行う個人投資家のことをいいます。
資金調達に悩む起業家に対し、資金提供を行うさまがまさに天使のようだとして、このように呼ばれています。
出資額は人によって異なり、数百万円~数千万と様々です。エンジェル投資家が出資する目的は、株式売却益などのキャピタルゲインが主であることがほとんどです。
しかし、中には「起業家を応援したい」といった理由から出資する人もいます。

メリット

エンジェル投資家は、企業の将来性やビジネスモデルなどを参考に出資するかどうかを判断します。
実績以外のポイントを重視するため、まだ実績や信用がない創業したての企業であっても資金調達できる可能性があります。
さらに、金融機関からの融資など、ほかの方法よりも資金調達までのスピードが速く、返済義務がない点もメリットとして挙げられます。

デメリット

エンジェル投資家は個人の自己資金で出資を行うため、ベンチャーキャピタルや金融機関に比べて出資額が少ない傾向にあります。
多額の資金を調達したいのであれば、ほかの方法と併用するか、もしくは複数のエンジェル投資家を見つける必要があります。
また、エンジェル投資家の中には経営に関与してくる人もおり、対応に苦慮する可能性がある点もデメリットといえます。

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ベンチャーの資金調達におすすめの「融資」方法・メリット・デメリット


融資とは、銀行や信用金庫などの金融機関や地方自治体から資金を借入れることです。
出資とは違い株式を対価としないため、経営に関与される心配がないものの、実績や信用のないベンチャー企業では融資を受けるのが難しい場合があるかもしれません。
また、融資は借金のため、返済の義務があります。
返済時は利子を上乗せした額を支払う必要があるため、創業したばかりで経営が軌道に乗っていないベンチャー企業にとっては負担に感じることがあります。

日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫は、日本の中小企業や小規模事業者、農林漁業者などに向けた融資を行っている政府系金融機関です。
「一般の金融機関の行う金融を補完すること」を目的に、事業に取り組む人々への支援を行っています。
政府が全額出資していることもあり、民間の金融機関の審査に通るのは難しい企業や、創業したてで実績がまだない企業でも融資を受けられる可能性があります。

メリット

日本政策金融公庫のメリットは、民間の金融機関に比べて金利が低い傾向にあることと、無担保・無保証でも融資を受けられることです。
日本政策金融公庫は政府系金融機関ということもあり、金利の設定は低く、原則として保証人が不要です。
さらに、新創業融資制度など、創業初期の企業でも申し込みやすい融資が用意されているため、民間の金融機関で融資を受けられなかった場合でも利用できる可能性があります。

デメリット

日本政策金融公庫は、民間に比べて審査期間が長い傾向にあり、早期に資金調達したい人にとってはデメリットです。
利用する融資制度や申込者の条件などによって左右される部分もありますが、審査には1カ月~3カ月程度かかります。
また、中小企業事業の場合、繰り上げ返済ができません。資金に余裕ができたら早期に完済したいと考える企業にとっては不便さを感じる可能性があります。

民間金融機関からの融資

民間金融機関からの融資は、メガバンクや地方銀行、信用金庫などの金融機関から受ける融資のことで、資金調達の中でも最も一般的な方法です。
「プロパー融資」とも呼ばれています。
民間の金融機関の場合、融資の上限額は決まっていないため、事業拡大に必要な金額を確保することが可能です。
ただし、融資の条件は各金融機関によって異なるため、申し込む際は事前に詳しく調べることが大切です。

メリット

民間金融機関の融資を利用するメリットは、審査日数が短い点です。担保や保証人の有無、条件にもよりますが、早ければ1~2週間で融資を受けることも可能です。
また、民間金融機関から融資を受けられるという事実は、企業の信用度を高める効果を期待できます。
さらに、限度額に上限がないため、多額の資金を一度に調達できる可能性があるのは民間金融機関ならではのメリットです。

デメリット

民間金融機関の最大のデメリットともいえるのが審査の厳しさです。民間金融機関の場合、もしも融資先が返済できなくなれば、自分達が負債を背負うことになります。
貸し倒れリスクを負わないために審査基準は厳しく、経営状態や事業計画から本当に貸し出しても問題なのかシビアに判断します。
そのため、信用や実績のないベンチャーは審査に通らないことが多く、融資してくれる民間金融機関を探すのは難しい傾向にあります。

信用保証協会の保証付き融資

信用保証付き融資とは、信用保証協会が融資の保証をする融資のことです。
信用保証協会とは、金融機関から融資を受ける際、審査に通りやすくなるよう信用保証を行う機関です。公的機関であり、基本的に各都道府県に1ヶ所設置されています。

保証付き融資を利用するには保証料を支払わなければいけません。しかし、返済が困難になった場合は信用保証協会が借主に変わって返済をします。
そのため、自力では融資を受けるのが難しい企業でも融資を受けやすくなります。

メリット

保証付き融資のメリットは、金融機関からの融資を受けやすくなることです。
信用保証協会の保証があることで、実績や信頼のない企業でも、審査の厳しい民間金融機関の融資を受けられる可能性が上がります。
また、個人事業主は原則保証人不要であるように、担保や保証人を準備せずとも利用できたり、長期の借入れ審査にも通りやすくなったりといった点もメリットといえるでしょう。

デメリット

保証付き融資のデメリットは、保証料を支払う必要があることと、返済が困難になり肩代わりしてもらっても債務事体が消えるわけではないことです。
信用保証協会が保証した融資は、毎年信用保証料を支払わなくてはいけません。金額は融資を受けた額や条件によって異なりますが、平均は融資額の0.5~2%といわれています。

また、信用保証協会はあくまでも金融機関に返済できなくなった時に肩代わりをするだけです。
債務がなくなるわけではないため、肩代わりしてもらった分は信用保証協会に返済する必要があります。

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融資を受けるタイミングは実は創業期が有利な理由なども解説!是非ご活用ください。



ベンチャーの資金調達におすすめの「その他」方法・メリット・デメリット


出資や融資以外にも、ベンチャー企業が資金調達をする方法はあります。
ここでは、出資や融資以外の資金調達方法として、国や自治体商工会議所などが行っている補助金・助成金、そしてクラウドファンディングのメリット・デメリットを解説します

国・自治体・商工会議所などからの補助金・助成金

補助金や助成金は、国や自治体、商工会議所などが、事業者を支援する目的で支給するお金のことです。
助成金は主に厚生労働省が管轄し、「雇用促進」「職場環境の改善」といった活動を支援し支給されます。

一方、補助金は主に経済産業省や地上自治体が管轄し、「事業拡大」「設備投資」といった活動支援のため支給されます。
それぞれ受給できる条件や受給のしやすさが異なるほか、上限や補助率も決まっていて全額補助されるわけではありません。
しかし、どちらも返済不要のため資金調達の手段として上手に活用することが大切です。

メリット

補助金や助成金のメリットは、返済不要な点です。補助金や助成金を活用することで自己資金にも余裕が生まれ、財政面での負担を軽減する効果が期待できます。
また、条件を満たしていれば支給を受けやすい助成金に比べ、補助金は審査が厳しい傾向にあります。
そのため、補助金を申請するには事業計画書や申請書など様々な書類を用意しなければいけませんが、事業計画を改めて見つめ直すきっかけになります。

さらに、補助金の審査に通過することは、事業としての将来性を認められたと同義であり、事業価値の向上につながります。

デメリット

補助金や助成金のデメリットは、情報集めに手間がかかることや、返還しなければならないこともある点です。
補助金や助成金は、国や自治体、商工会議所など、それぞれの団体ごとに行っています。
住んでいる地域によって受けられる補助金や助成金が異なるため、こまめに情報収集をする必要があります。

また、補助金を受け取ったにも関わらず、その後事業を停止するなど条件を満たせなくなった場合は返還しなければならないこともあるため注意が必要です。

大好評の創業手帳別冊版「補助金ガイド」では、起業家・経営者の方がよく活用している補助金・助成金を厳選して解説。また補助金・助成金の最新ニュースも掲載しています。この一冊があれば、補助金・助成金の基本は抑えられますので、是非ご活用ください。無料でお取り寄せ可能です。


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クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネットを通して自分のやりたいことやアイディアを発信し支援者を募る方法です。
個人や団体関係なく利用でき、不特定多数の人から出資を募ることができるため、新しい資金調達の方法として注目を集めています。

クラウドファンディングには、主に「購入型」「寄付型」「金融型」の3つの方法があります。
購入型は、支援へのリターンとして商品やサービスを提供します。寄付型は、その名の通り寄付のため、支援者へのリターンはありません。
クラウドファンディングを行う背景や資金の使い道が重要です。

金融型は、株式型、融資型、投資型の3つに分けられます。
それぞれ支援してくれた人へのリターンの有無や内容が異なるため、利用する際は特徴を十分に理解することが大切です。

メリット

クラウドファンディングのメリットは、誰でも資金調達できる可能性がある点です。購入型の場合、サービスや商品に魅力があれば資金が集まりやすいかもしれません。
金融型の場合、それぞれ株式や利益の分配等をリターンとして提供することで、不特定多数の支援者から資金調達できる可能性があります。
また、基本的にクラウドファンディングを行うことに費用はかからないため、リスクが低いこともメリットです。

デメリット

クラウドファンディングのデメリットは、支援を募ったからといって必ずしも資金が集まるとは限らない点です。
支援したいと感じた人から資金を募るため、プロジェクトに賛同してくれる人がいなければ資金を集めることは難しいです。

また、クラウドファンディングは、まだ実現していないアイディアを公開し資金を集めるという性質上、アイディアによっては真似されるリスクがあります。
そのため、大切なアイディアを守るには、事前に特許を出願するなどの手段を講じておく必要があります。

まとめ・ベンチャーの資金調達は出資・融資・その他から自社に合った方法を選ぼう!

今回は、ベンチャー企業の資金調達方法について、出資・融資・その他の方法に分けて、詳しく解説しました。まだ創業間もない企業にとって、どうやって資金調達をするかは、重要な課題のひとつです。
資金調達をどうするべきか悩んでいる方は、今回紹介した内容を参考に、自社に合った方法はどれなのか、考えてみてください。

創業手帳(冊子版)では、資金調達方法をはじめ、創業間もない時期に役立つ様々な情報を掲載しています。何を基準に選べば良いのか、お悩みの方は、ぜひ創業手帳(冊子版)をご利用ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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