ファクタリングと融資の違いとは?それぞれのメリット・デメリットなどを解説

資金調達手帳

ファクタリングと融資はどちらも資金調達の手段


従来の資金調達方法といえば融資を受けることをイメージされる方も多いかもしれません。しかし、近年は融資以外にも様々な資金調達の手段が増えてきています。
例えばファクタリングは現在日本でも浸透してきている資金調達方法のひとつです。

今回は、同じ資金調達の手段でもあるファクタリングと融資にはどのような違いがあるのか解説していきます。
また、それぞれを利用する際のメリット・デメリットについてもご紹介しているので、これから資金調達をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

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ファクタリングと融資の9つの違い


ファクタリングは、自社が保有している支払期日前の売掛債権を買い取ってもらうことで現金化する方法を指します。
決済日よりも前の売掛債権を売ることで取引き先からの入金前に現金が受け取れることから、資金繰りを改善したい方を中心に活用されています。
一方、融資は金融機関からお金を貸してもらうことです。国や自治体が主体となった「公的融資」と、民間の金融機関による「民間融資」の2種類に大きく分かれるのです。

ここでは、ファクタリングと融資それぞれの違いについて詳しくご紹介していきます。

1.サービスの内容

同じ資金調達の手段といっても、そもそも売却と借入れになるためサービス内容は大きく異なります。ファクタリングの場合、主に買取型と保証型に大きく分けられるのです。
買取型とはその名のとおり売掛債権を買い取ってもらう方法であり、保証型は売掛先が万が一倒産してしまった場合でも売掛金分を保証してくれるサービスです。
融資は冒頭でもご紹介したように、公的融資と民間融資の2種類に分けられますが、サービスの形態としては以下の4つに分けることが可能です。

融資の形態 内容
手形貸付 約束手形を振り出してお金を借りる方法。短期融資で用いられることが多い。
手形割引 手形交換の依頼を受けた金融機関が、約束手形を引き取ることでお金を借りる方法。
証書貸付 融資形態の中で一般的な方法。金融機関と貸借契約を結びお金を借りる。
当座貸越 事前に契約した限度額および期間の範囲内なら自由に資金調達ができ、定期的な返済が不要になる方法。

2.資金調達できる金額

資金調達ができる金額もファクタリングと融資は異なります。より高額な資金調達ができるのは融資です。
融資だと数百万円~数十億円まで対応できます。
融資で資金調達できる金額の幅が広いのは、企業の評価によって異なるためです。
評価は金融機関によっても違ってきますが、会社の規模やこれまでの実績に応じて金額が決定します。
そのため、評価が高ければ自社の資産以上に資金調達を行うことも可能です。

一方、ファクタリングの場合は売掛金額が上限になります。
ファクタリングは基本的に売掛金をファクタリング業者へ買い取ってもらうことで現金を受け取れるサービスです。
そのため、ファクタリングでは数十万円以上で高くても1億円程度までとなります。

3.資金調達にかかる時間

なるべく素早く資金調達がしたい場合、ファクタリングと融資はどちらを選べばいいのでしょうか。結論からいえば、資金調達が短時間で行えるのはファクタリングです。
ファクタリングであれば審査の難易度が低いためそこまで時間もかからず、最短で即日資金を受け取れます。
ただし、3社間ファクタリングだと審査に時間がかかってしまいます。それでも1週間程度で資金を受け取ることが可能です。

一方、融資はまず財務書類や事業計画書などを作成し、金融機関へ提出します。さらに審査にも時間がかかるため、1カ月以上かかってしまうでしょう。
長いと3カ月程度かかってしまうこともあります。

4.審査の対象

審査の対象も大きく異なります。例えばファクタリングの場合は売掛先の企業が審査の対象です。
売掛先の信用度が高く、経営状況が良好であれば自社の状況に問わず審査を通過しやすくなります。
融資の場合は自社にお金を貸すことになるため、自社が審査対象です。自社の財務状況・事業計画などがチェックされます。
ファクタリングと融資であれば、原則融資のほうが審査は厳しい傾向にあります。

融資の場合は自社の財務状況や利用したい人の返済能力だけでなく、過去の決算書や担保設定、個人の資産についても確認されるため、スムーズに融資を受けるためにも事前の対策が必要です。

5.返済期間

返済期間ですが、ファクタリングの場合は売掛金を買い取ってもらっているため基本的に返済は不要です。
ただし、2社間ファクタリングだと取引き先から入金された売掛金について、ファクタリング業者へ支払わなくてはなりません。
支払期間は入金されてから10~20日間で支払うケースが多くみられます。返済期限を過ぎてしまうと法的措置につながる可能性もあるため注意してください。

また、融資の場合は1~15年程度と利用する人によって返済期間が異なります。ただし、審査の結果によっては希望する返済期間にならない可能性もあります。
もし返済期間に無理が生じる可能性があれば、早めに金融機関へ相談することも大切です。

6.返済方法

ファクタリングの場合は一括払いになります。ファクタリングは売掛先からの支払期日が決まっており、分割払いを選択することはできません。
2社間ファクタリングだと売掛先から入金された分をファクタリング業者にそのまま返済します。
3社間の場合は売掛先が直接ファクタリング業者へ支払ってくれるため、返済の手間を省けます。
融資は一括でも支払うことは可能ですが、分割払いが一般的です。分割払い以外にも残高スライド返済(借入残高の増減に合わせて返済額も変動する方式)を選べます。

7.資金調達にかかるコスト

資金調達にはコストもかかってきます。ファクタリングでは手数料が1~20%程度かかります。
この手数料は2社間ファクタリングだとさらに高くなり、10~20%程度です。

融資の場合、利息や保証料といったコストがかかってきます。ファクタリングと比べて費用は抑えられており、2~6%程度の低金利で利用できます。
信用格付けが高いとより低金利で融資を受けられますが、信用格付けが低ければ高金利になったり、信用保証協会を活用して保証人を立てたりしなくてはいけません。
ただし、商品によっては金利が高くなるものもあります。例えば、事業用であれば様々な用途に使える「ビジネスローン」だと、金利は約2~15%です。
また、金利のほかにも保証料がかかります。信用保証協会で保証人を立てる場合は保証料も支払う必要があります。

8.審査に落ちてしまう理由

審査に落ちてしまう理由についてもファクタリングと融資で異なります。ファクタリングの場合、売掛先の問題で審査から落ちてしまう可能性が高いです。
売掛先の業績が不安定な状態にあると、資金未回収のリスクが高まってしまうためです。
また、自社の口座が差し押さえられるリスクもある場合は審査に落ちてしまうかもしれません。

融資は自社の返済能力が低いと金融機関から判断されてしまった場合、審査に落ちてしまう可能性が高いです。
特に以下の項目に該当していると審査に落ちてしまうリスクが高まるため、当てはまっていないか確認してみてください。

  • 別の金融機関から多額の借入れがある
  • 税金の支払いができていない
  • 支払い期日から遅れて返済することが多い

9.取引き先企業の承諾

基本的に融資は自社が借入れる資金となるため、取引き先企業から承諾を得る必要はありません。
一方、ファクタリングの場合は2社間だと不要ですが、3社間だと承諾を得る必要があります。

2社間なら自社とファクタリング業者の間だけでやり取りを行うため、売掛先企業にファクタリングを行っていることもバレずに資金調達が可能です。
ただし、2社間であってもトラブルが発生した場合に売掛先企業へトラブルに関する内容が通知される恐れもあります。
3社間に関しては売掛先企業も直接関与してくるため、企業に承諾を得る必要があります。

ファクタリングを利用するメリット・デメリット


現在中小企業からの利用率も上昇傾向にあるファクタリングですが、実際に利用するとなるとデメリットにも目を向けておく必要があります。
そこで、ファクタリングを利用するメリット・デメリットについて解説します。

ファクタリングのメリット

ファクタリングのメリットは以下のとおりです。

スピーディに資金調達ができる

現金が必要なのに不足している、素早く資金調達を行いたいといった場合にはファクタリングがおすすめです。
ファクタリングだと最短即日~数日程度で資金を調達できます。
審査では売掛先の信用度が影響してくるため、審査項目が少ない点もスピーディさにつながっています。

売掛債権の未回収リスクを軽減できる

売掛債権がまだ回収していないのに、売掛先の倒産によって未回収リスクにつながる恐れがあります。
売掛金を回収できなくなるとそのまま貸し倒れになってしまう可能性も高いです。

ファクタリングだと売掛債権を業者に買い取ってもらえるため、自社が貸し倒れになってしまうリスクも軽減されます。
特に3社間は回収に関わる業務がすべて委託されるため、未回収リスクを防ぎたい方はファクタリングを検討してみてください。

バランスシート上での負債は増えない

企業の資産と負債をまとめた「貸借対照表(バランスシート)」において、売掛債権は資産の項目に計上されます。
そのため、ファクタリング業者へ売却し、現金化しても負債の項目が増えることも防いでくれます。
融資での借入れは「負債」の項目で計上することになり、信用情報にも記録されます。
あまりにも負債額が大きすぎてしまうと、業績評価にも悪影響を及ぼしてしまうため注意が必要です。

自社の経営状況が悪くても利用できる

上記でもご紹介したように、ファクタリングは融資と違って売掛先が審査対象になります。
つまり、自社の経営状況が悪くても売掛債権を売却して資金を調達することは可能です。

ただし、自社の経営状況が一切影響しないわけではありません。
特に経営状況が悪いと判断された場合、手数料が高くなったり審査に通らなくなったりする可能性もあります。

ファクタリングのデメリット

短期間でスピーディに資金調達が可能なファクタリングですが、デメリットも存在します。

手数料がかかる

ファクタリングを利用する際には手数料がかかります。利用者や売掛先の信用度、支払期日までの期間、売掛債権の額面などで実際にかかる手数料が違ってきます。

また、中には金利や手数料が相場とかけ離れている、悪質な業者も存在するので注意が必要です。
高額すぎても危険ですが、安すぎる業者でも最終的に高額な手数料を請求される可能性があります。

2社間と3社間で比較するなら、3社間のほうが手数料を安く抑えやすいです。
売掛先からの承諾が必要となりますが、できるだけ負担を抑えたいのであれば3社間の利用も検討してみてください。

売掛先の状態によっては資金調達できない可能性がある

いくら自社の経営状況が良くても、売掛先の影響で未回収リスクが存在する場合、ファクタリングを利用できない可能性があります。
例えば売掛先の経営状況が良くない、売掛先が金融事故を起こしたことがある、入金までの期間が長いなどは未回収リスクが懸念されてしまうので注意が必要です。

売掛先との信頼関係が壊れてしまう可能性がある

2社間であれば売掛先にバレずに済みますが、3社間の場合は売掛先から承諾を得なくてはいけないため、必ずファクタリングを行うことがバレてしまいます。
売掛先に債権を譲渡した事実が知られてしまうと、「資金繰りがうまくいっていないのではないか」と不安につながり、信頼関係が壊れてしまう可能性もあります。

調達可能な資金の上限は売掛債権の額面までになる

売掛債権を売却して現金にするサービスということもあり、調達可能な資金の上限は売掛債権の額面までとなります。
例えば200万円の売掛債権であれば、200万円までなら現金化が可能です。

ただし、必ず200万円が調達できるわけではありません。手数料などの影響で実際の調達できる金額は額面よりも大きく下回ってしまう可能性も考えられます。

融資を利用するメリット・デメリット


ファクタリングと融資のどちらを利用するか選ぶ際には、それぞれのメリット・デメリットも把握することが大切です。
続いては、融資のメリット・デメリットについても解説していきます。

融資のメリット

まずは、融資のメリットを見ていきましょう。

低金利で利用できる

融資を受けると借りた金額に応じて利息が発生します。利息を少しでも抑えるためには低金利の融資を受けることが大切です。
金利は金融機関や融資の種類によっても異なります。
例えば民間銀行から信用保証協会の保証付き融資を利用した場合、金利相場は1.5~3%です。日本政策金融公庫なら基準利率は2~3%に抑えられています。

多額の資金調達も可能

融資なら一度に高額な借入れも可能です。事業資金には多額の資金が必要となるケースも多いため、自社の資産以上に資金を調達できるのは大きなメリットといえます。
ただし、創業間もない企業は事業実績の少なさから審査を落とされたり、希望の金額まで借入れできなかったりする可能性もあります。
もしも創業時に融資を受けたい場合は、創業融資など専門の融資サービスを利用するのがおすすめです。

取引き実績を作れる

融資の審査内容にはこれまでの取引き実績も含まれるため、金融機関との取引き実績を作っておくと今後融資を受けたい時に有利になる可能性があります。
ただし、取引き実績とはただ借りた実績ではなく、返済期日まできちんと完済した実績を示すものになるため、返済に遅れてしまうと信用度が大きく下がってしまいます。
信用度は取引き実績だけが影響しているわけではないものの、金融機関にとっては貸し倒れのリスクもあることから、きちんと返済した実績を残せるようにすることが大切です。

経営への介入を受けない

融資を受ける場合、割り切った資金の貸し借りとなるため、融資を行った金融機関が経営に介入してくるようなことはありません。
融資元に配慮などをせず事業を進められる点も大きなポイントといえます。

融資のデメリット

融資もメリットがある一方で、デメリットがあります。

調達するまでに時間がかかる

融資だと審査に時間がかかるため、実際に入金されるまで時間がかかります。
また、融資の審査を受けるために必要な書類も準備しなくてはいけないので、その分の時間と手間もかかってきます。
しかも審査結果によっては融資を断られてしまうケースもあり、必ずしも資金調達るわけではありません。
現金が必要な時に融資が間に合わず、損失につながるリスクもあります。

返済義務が発生する

融資はあくまでも金融機関からお金を借りている状態です。つまり、契約内容のとおりに返済していかなくてはなりません。
万が一自社が倒産してしまっても返済義務は消えず、個人で支払っていく必要があります。

また、返済する際には融資を受けた元金に加えて、利息分も支払うことになります。きちんと期日までに返済できるよう、資金計画を立てることが重要です。

審査内容が厳しい

金融機関は融資を提供する際に、必ず審査を行います。審査の内容は各金融機関によって異なりますが場合によってはかなり厳しく、希望額まで借入れできなかったり、審査に落とされたりする可能性もあります。
厳しい審査でも通過するためには、事業計画・資金計画を綿密に立てることが大切です。

まとめ・ファクタリングと融資の違いを把握し、うまく活用しよう!

ファクタリングと融資はいずれも資金調達の手段ではあるものの、仕組みや特徴は大きく異なります。また、利用する際にはメリット・デメリットも存在します。
両者の違いについてきちんと把握し、使い分けることで自社の資金調達も有利に行えるようになるでしょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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