無人経営で成功をつかむ!おすすめの業種と注意点まとめ
無人経営のアイデア次第でビジネスモデルが変わる
海外では、無人経営が日本よりも早く注目されはじめていました。
日本でも社会の変化やデジタルトランスフォーメーションの推進を契機にして、無人経営のブームが始まろうとしています。
無人経営にはコスト面でも大きなメリットがあるものの、まだ残された課題も少なくありません。
無人経営のメリット・デメリットとともに、解決すべき点を紹介します。
無人経営に向いている業種も紹介するので、これからスタートしたいと考えている人も参考にしてください。
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この記事の目次
今や当たり前?無人経営にブームの兆し
起業する時に課題となりやすいのが人件費です。
小売りや飲食、サービスを提供する時は、店舗を任せる人を雇うことになります。
売上が少ない時でも、店舗として商品やサービスを提供するための最低限の従業員が必要です。
しかし、人材を確保できない、人件費が大きくなって利益が出ないと頭を抱える経営者も少なくありません。
こういった問題を解決できるのが無人経営です。無人経営の基礎知識と普及が進んでいる背景について、紹介します。
無人経営とは?
無人経営とは、その名前からもわかるように従業員がいない、つまり無人で事業を行うスタイルの経営です。
例えば、顧客が設置されている販売機を自分で操作して商品を購入する店舗も、無人経営です。
AIや顔認証技術を活用した無人経営のお店は、すでにたくさんあります。
近年は、多くの業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する声が聞かれるようになりました。
デジタル技術を浸透させることで生活をより良くするDXは今後も活用が期待されていて、無人の店舗もその一環です。
コインランドリーや無人の小売店のほかにも、テクノロジーを活用した無人経営の店舗が広がっています。
無人経営は、これから成長するビジネスとして期待されている存在です。
無人経営が広まった背景
無人経営が広がった背景には、顔認証やAIといったテクノロジーの発展があります。
現代のテクノロジーであれば、来店した顧客の動きを自動的に追跡したり商品の価格を計算してやり取りしたりと、今まで人がしていた作業を無人で対応可能です。
無人経営だと盗難を心配するかもしれませんが、防犯カメラの完備や決済システムの導入で対応できるようになりました。
また、近年の無人経営普及の背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大もあります。
感染症の影響によって非接触が望ましいとされ、人が集まる場所はリスクが高いと認知されるようになりました。
消費者の意識の変化から、小売業の集客や接客の考え方は大きく変わっています。
無人経営であれば、従業員と接触せずに商品やサービスを購入可能です。感染症の拡大が落ち着いても、人との接触を極力避けたがる人もいます。
今後も、無人経営の店舗の需要は高いと考えられます。
無人経営のメリット
無人経営は、事業を行う側にとって様々なメリットがあります。無人経営を行うメリットをまとめました。
①人件費をカットできる
無人経営の大きなメリットが、従業員を減らすことによる人件費の削減です。
飲食店や小売店で発生する経費の中でも、人件費は大きな割合を占めています。
無人経営によって最低限の人数にするだけで、人件費を大きく削減可能です。
完全に無人化できれば人件費は0円ですが、無人レジなどで人を減らすだけでも人件費は少なくなります。
また、慢性的に人手不足になっている企業も多く、従業員を募集してもなかなか人が集まらないことも少なくありません。
今後少子高齢化が進むことで、労働力人口は少なくなると予想されています。
無人経営であれば、最低限の人数だけで済むため、人手不足にも対応しやすくなるでしょう。
②業務の効率がアップする
無人経営の店舗は、商品やサービスの提供から支払いまですべて機械が行います。
作業によって違いはあるものの、無人経営にすることでヒューマンエラーがなくなり、より効率的に運営が可能です。
無人経営にするとサービス提供から決済までスムーズに進むため、利用するお客様にとっても利便性が高まります。
③データを集積して分析できる
お客様が商品やサービスを購入する時に、データの収集を行うことがあります。
年齢や性別といった属性と購入商品を入力することによって、購買行動をデータ化し、年齢層や性別に応じた売れ筋商品の分析などに使われています。
無人経営であれば、AIカメラや顔認証システムによって自動的にデータ収集が可能です。
より精密なデータを集められるので、分析にも使いやすいでしょう。
④犯罪抑止となる
店舗を構える時に考えておきたいのが、犯罪の予防です。
意外に思われるかもしれませんが、無人経営は犯罪抑止しやすい点もメリットです。
無人経営では、監視カメラを使用してお客様の行動や動線を記録し続けています。
また、サービスに事前登録していたりカードを利用したりすることでお客様の情報を取得しているため、犯罪をしにくくなる点もポイントです。
無人経営となる体制にすることによって、犯罪抑止にも効果があります。
無人経営のデメリット・課題
無人経営には、一般的な店舗にはないメリットがたくさんあります。その一方で、無人経営だから発生するデメリットもあります。
無人経営をスタートする前に考えておきたい、デメリットや課題についてまとめました。
①初期投資がかかる
無人経営は、設備の初期投資が大きくなりがちです。
基本的に機械で商品やサービスの提供を行うので、人が行う作業をさせるための設備に費用がかかってしまいます。
そのため、有人店舗よりも初期の設備にお金がかかってしまうケースが多くあります。
例えば、追尾型の防犯カメラやAI認証カメラ、決済システムの導入といった設備導入が必要です。
提供するサービスによって、必要な設備は違います。
無人経営をスタートする時には、どのような設備が必要でいくらかかるのかを計算しておいてください。
②消費者の心理的なハードル
無人の店舗は、利用する消費者の心理的なハードルもクリアしなければいけません。
日本では広がりつつある無人店舗ですが、まだまだ珍しく感じる人も多いです。
せっかくお客様が通りがかっても、どのように利用すればいいのかわからないからと敬遠されてしまうかもしれません。
特に機械に苦手意識がある人にとっては、無人経営の店舗は不安に感じることが多いでしょう。
使い方がわかるように案内を設置したり、案内役として従業員を配置したりといった対応も考えておくようにしてください。
無人店舗が周辺に認知されて利用するまでには、時間がかかることもあります。広告も使って、積極的にアピールしてください。
③アクシデント時の対応が課題になる
無人経営では、突発的なアクシデントやトラブルの時にどのように対応するかが問題となります。
具体的には、停電などのインフラの停止や機器の故障が挙げられます。
また、防犯体制を徹底していても、隙をついて犯罪が発生する可能性もゼロではありません。
アクシデントが起きた時に従業員がいれば、すぐに対応可能です。
しかし、無人経営ではすぐに対応ができず、顧客が利用できないままになってしまうことがあります。
機械では対応できないアクシデントが起きた時のために、マニュアルを準備しておくことをおすすめします。
無人経営の課題をクリアするためにできること
無人経営には課題もあるものの、決してクリアできない課題ばかりではありません。無人経営の課題をクリアするためにどういった方法があるのか紹介します。
防犯対策を徹底する
防犯面で心配がある時には、防犯カメラや顔認証といった設備で防犯対策を行ってください。
防犯カメラがあることによって、トラブルがあった時の状況や被害を記録できます。
証拠を残すためにも、防犯カメラは店舗に死角がないように設置しなければいけません。
また、定期的な見回りや見回りを行っている旨の張り紙も犯罪抑止になります。
完全な無人にはしない
無人経営にするからといって、まったく人を使わずに運営するのは困難です。
無人経営でのアクシデントやトラブルの対応のために、従業員を配置することも検討してください。
店舗では、決済や商品の補充、清掃といった仕事だけでなく、機器の誤作動や停電のようにサポートが必要な場面も出てきます。
画面越しに接客したり必要な時にすぐに駆け付けられたりするように、スタッフを待機させておく体制も検討しましょう。
無人経営を導入しやすい業種とは
無人経営は普及が進んでいるものの、まだまだ人がいないと成立しない業種はたくさんあります。
ここからは、どのような業種で無人経営できるのかについて紹介します。
コインランドリー
無人経営と聞いて最もイメージしやすいのが、コインランドリーではないでしょうか。
クリーニング店などと併設されていることもありますが、全国にあるコインランドリーの多くが無人で運営されています。
コインランドリーは無人経営であることが一般的に知られているため、お客様も抵抗なく利用できる点もメリットです。
コインランドリーの店舗には洗濯機や乾燥器が配置され洗剤も販売されているので、利用者は洗濯物を持参するだけで済みます。
自分で洗濯物を機械にいれて、お金を投入する仕組みです。
コインランドリーを経営する時の初期投資には、洗濯機や乾燥機、椅子や机があります。
近隣の住民が利用できるため、住宅街に店舗を構えれば一定の集客は期待できます。
コワーキングスペース
コワーキングスペースとは、オフィスの基本設備を様々な業種の人が共同で利用するワークスペースを指す言葉です。
フリーランスで働く人やスタートアップ企業、テレワークで働く人など多くの人がコワーキングスペースを使って働いています。
無人経営のコワーキングスペースは、お客様が事前に登録をして入退室やカードキーやスマートフォンで施錠、開錠する仕組みです。
入退室の履歴は自動で記録して、利用に応じた料金を請求します。
初期投資として必要なのは、デスクや椅子、Wi-Fi設備やプリンターなどで、比較的費用は少なめです。
ただし、無人で経営するための店舗へのチェックインシステム、スマートロックによる管理システムを準備しなければいけません。
コワーキングスペースのように空間を貸し出すタイプの無人経営には、トランクルームもあります。
トランクルームは、コンテナを設置して荷物の収納スペースなどに使ってもらうビジネスです。
周囲の環境やニーズによって、適した業種を選ぶようにしましょう。
販売
私たちの生活で欠かせない存在のコンビニは、慢性的に人手不足になりやすい業種です。
24時間営業のコンビニでは、働く人を確保できずに長期間労働が当たり前になっていることもあります。
無人コンビニは、こういった事態の打開につながる存在です。
無人レジやカメラを導入して、完全無人でなくても従業員を減らす試みが広がりつつあります。
また、食べ物を提供する飲食店も無人経営が可能です。
飲食店の場合、有人であればオーダーを受けて調理しなければいけませんが、無人経営の場合は自動販売機を設置しておく方法があります。
軽食やドリンクといった複数の自動販売機を設置しておけば、提供できるメニューも広がります。
また、餃子専門店など、無人で食品を販売するお店も普及しはじめました。
感染症を避けるために非接触が望まれるようになり、人と対面することなく気軽に買い物をしたいというニーズは高まっています。
ジム
市場が拡大しているフィットネス産業の中でも注目されているのが、無人のフィットネスジムです。
従来のスタジオレッスンやプール、トレーニングマシンを備えたジムは、トレーナーやコーチが接客するものでした。
しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大とともに、人と接触を避けられるオンラインでのトレーニングや人との接触を少なくした無人ジムが注目されるようになりました。
無人ジムはマシンジムに特化していて、お風呂やスタジオ、プールはありません。
マシンや会員用のロッカーを導入する費用はかかりますが、人件費を抑えつつ24時間、365日営業できるシステムです。
入退会の手続きや、施設利用の予約管理システムを提供しているサービスもあります。
入会に対する書類作成や受付業務を自動化できるので、事務作業を大幅にカットできます。
まとめ
無人経営は、かけられる初期費用や活用できるスペースによって適した業種が違います。
自販機型のビジネスであれば、小規模からでも無人経営が可能です。
ある程度、資金を用意できるのであれば安定して利益を出しやすいコインランドリーや無人ジムも検討してみてください。
また、開業場所が住宅街なのかオフィスエリアなのかによっても選択肢は変わります。
人通りがあるかどうか、競合相手はいないかなど総合的に勘案してどういった業種で無人経営をするか検討してください。
(編集:創業手帳編集部)